テナントビルの適正な管理・運用

ビルの所有者は、貸す前にビルの法規制を確認しましょう

　ビルの所有者が 、所有するビルの性能や立地規制について正しく把握していないと、貸してはいけない用途で貸してしまい、結果、法令に違反する場合があります。

　よくある事例としては、次のものがあります。

• 用途地域で認められている用途以外の用途で、テナントを貸してしまった。
• 建築物の構造として、3階を店舗として使用できないのに、3階を店舗として貸してしまった。

ビルの所有者は、テナント入居者にビルの法規制について説明しましょう

　テナントビルの場合、ビルの所有者とテナントの管理者が異なることから、所有者とテナント入居者の間で必要な情報が共有されていないと、意図せず法令に違反する恐れがあります。

　よくある事例として、次のものがあります。

• 内装材に、火に強いものを使用しなければならないのに、テナント入居者が火に弱いものを使用した。
• 安全上必要な開口部を、テナント入居者が塞いでしまった。
• 安全上必要な設備を、テナント入居者が取り外してしまった。

法令違反を防ぐために

　これらの法令違反を防止するためには、テナントビルの所有者は、所有するビル及びその敷地にどのような規制がかかっているかを理解し、その情報をテナント入居者に説明すると共に、テナント入居者が法令違反をしないよう注意を払う必要があります。

　また、テナント入居者は、規制の内容が理解できない時、又は、どう対応すればよいか分からない時は、建築士等の専門家に相談した上で工事等を行う必要があります。なお、建設会社には建築士がいない場合がありますので、必ずしも法令に精通している訳ではないことに注意してください。

　上記の内容を含め、テナントビル所有者が注意すべき事項、テナント入居者が注意すべき事項、それぞれについてまとめたリーフレットを作成しておりますので、参考にしてください。