政党要望(平成24年5月25日受理 日本共産党岩手県委員会)
1 こどもや妊婦など県民の健康と安全を守るために
意見提言内容
(1)-01 子どもが利用する学校・保育園・通学路・公園などの徹底した放射線量の測定を行い、速やかな除染を実施すること。
取組状況
平成23年度モニタリングポストを増設し、現在計10箇所で放射線量率を常時測定し、リアルタイムでホームページ上に公表するとともに、県内の市町村役場、公園等55箇所について、毎月1回サーベイメータにより放射線量率を測定し公表しています。また、広域振興局等に計13台配備しているサーベイメータを貸与するなど、市町村の取組を支援しています。除染については、県南3市町は特措法に基づいて、それ以外の市町村については、県単補助制度により、子どもが長時間生活する公共施設等を優先して除染を進めて行くよう、支援しているところです。
- 部局名:環境生活部
- 回答課名:環境保全課
- 反映区分:B 実現に努力しているもの
意見提言内容
(1)-02 子どもの健康調査を継続的に行うこと。
取組状況
平成23年度実施した「放射線健康影響調査」について、有識者会議においては、「今後の対策について、今回の調査を継続する必要性は低く、追加調査も必要ない。」との結論が得られたところであり、県としは、今後、特段の状況変化等がない限り、この結論については尊重したいと考えています。
しかしながら、有識者会議委員からは今回の調査対象者について継続的に調査し、前回の調査結果と比較することが県民に対するフォローとなるという観点での意見も出されたところであり、今後の対応については、今回の調査結果を県民に対して正しく、かつ、わかりやすくお伝えすることも含め、今後、国で予定している放射線の健康影響に係る研究調査事業などの動向等も踏まえて、様々な観点から県民へのフォローアップの方法を検討していきたいと考えています。
- 部局名:保健福祉部
- 回答課名:医療推進課
- 反映区分:C 当面は実現できないもの
意見提言内容
(2)-01 学校給食の放射性物質検査を行い、地場産品だけでなく食材の全品検査を実施すること。
取組状況
県では、「県産食材等の安全確保方針」に基づき、県産食材等を中心とした検査の実施や検査結果の速やかな公表など安全な県産食材の供給に向けた取組みを積極的に実施しており、これらの取組みにより学校給食の安全性の確保に努めてきたところです。
今後において、更に学校給食のより一層の安全安心を確保する観点から、県では、一部流通に乗らない未検査食材を学校給食に使用する場合、使用量の多い食材を中心に事前測定をすることとし、平成24年3月末に、自校で調理を行っている特別支援学校及び夜間定時制高等学校合わせて11校に放射性物質濃度検査機器を設置するなど、検査体制を整備し、測定を開始したところです。
なお、学校給食は、原則として当日調理とされていることなどから、全食材の測定を実施することは極めて難しいと認識しており、流通段階でのチェック等や一部流通に乗らない未検査食材の測定などについて、関係部局とより一層連携しながら学校給食の安全性の確保に取り組んでいきます。
- 部局名:事務局
- 回答課名:スポーツ健康課
- 反映区分:B 実現に努力しているもの
意見提言内容
(2)-02 保育園・幼稚園給食の放射性物質検査を行い、地場産品だけでなく食材の全品検査を実施すること。
取組状況
県では、「県産食材等の安全確保方針」に基づき、県産食材等を中心とした検査の実施や検査結果の速やかな公表など安全な県産食材の供給に向けた取組を積極的に実施しており、これらの取組により、保育園等の給食の安全性の確保に努めてきたところです。
更に、給食のより一層の安全安心を確保する観点から、既存の流通段階における検査体制に加え、給食等で使用する予定の地場産品を中心に放射性物質の濃度の検査を行うことができるよう、関係各部及び市町村と連携のうえ、検査体制の整備に努めているところです。
- 部局名:保健福祉部
- 回答課名:児童家庭課
- 反映区分:B 実現に努力しているもの
意見提言内容
(3)食品の検査を迅速に実施するために、検査機器の増設や体制を強化すること。市町村への支援を強めること。産直施設等に出荷する農産物等については、県・市町村が責任を持って検査すること。
取組状況
放射線の影響を受けやすいとされる子どもの健康と食の安全・安心を重視しつつ、市町村と連携して、学校給食食材の検査体制を整備する等、放射線の監視体制の強化を図るとともに、平成23年度には、市町村が検査体制の整備のための機器を購入する際の費用の一部を助成した。
今後も引き続き、適切な対応について検討していきたい。
- 部局名:総務部
- 回答課名:総務課
- 反映区分:A 提言の趣旨に沿って措置
意見提言内容
(4)放射能問題について正しい知識を身につけるための専門家による学習・講演会活動や相談体制を強化すること。
取組状況
平成23年度は一般県民向けの説明会を7回、自治体職員・教職員向けの説明会を8回開催しています。
平成24年度も、比較的放射線量の高い県南地域を重点に、県民を対象とする、放射線に関する正しい知識や食品中の放射性物質の健康への影響等をテーマとするリスクコミュニケーションセミナー、自治体職員を対象とする、放射線影響を住民に正しく伝えるためのスキルアップセミナーを開催する他、食品中の放射性物質の規格基準の周知と、放射能に関する正しい知識の普及・啓発のため、食品関係事業者への衛生講習会や地域の婦人団体等への出前講座等も開催することとしています。
- 部局名:環境生活部
- 回答課名:環境生活企画課
- 反映区分:B 実現に努力しているもの
2 「汚染状況重点調査地域」指定に伴う「除染計画」について次の点について国に働きかけること。
意見提言内容
(1)早期に承認するよう国に働きかけることとともに、「事前着工」による除染にも補助対象とすること。(一関市と奥州市の計画は平成24年5月24日承認)
取組状況
除染実施計画については、承認を早急に得ることが必要との認識に立ち、特措法が全面施行された平成24年1月から、県南3市町と合同検討会を開催して検討を進め、平成24年2月上旬には国に計画案を提出し協議を始め、ようやく平成24年5月下旬に計画が承認されたところです。
国に対しては、今後も除染計画の変更、補助金交付申請の手続き等が発生することから、これらを含む対応の迅速化を求めていきます。
- 部局名:環境生活部
- 回答課名:環境保全課
- 反映区分:B 実現に努力しているもの
意見提言内容
(2)国のガイドラインは除染対象地域や対象物もきわめて限定的となっている。「除染計画」は年間1ミリシーベルト以下にすることを目標にしているものであり、これを越える対象物をすべて除染対象とすること。
取組状況
国は、放射性物質汚染対処特別措置法に基づき、汚染状況重点調査地域において、面的に放射線量が毎時0.23μSv以上(地上高1メートルまたは50センチ)となる除染実施区域では、0.23μSv以上の箇所を補助対象とし、また、同区域外でも施設単位で補助対象としており、指定市町村では学校、保育園等、子どもの生活空間を優先して除染を進めることとしています。
なお、特措法の支援対象とならない地域については、県単補助制度により、地表面からの高さに関わらず毎時1μSv以上の箇所について、平成正23年度に引き続き市町村の除染を支援しているところです。
- 部局名:環境生活部
- 回答課名:環境保全課
- 反映区分:B 実現に努力しているもの
意見提言内容
(3)自治会などで実施した除染も補助対象にすること。
取組状況
放射性物質汚染対処特別措置法に基づき、国は、市町村がNPO団体等に委託契約を締結して除染を行わせるものについては、補助対象としています。
なお、県単補助制度では、市町村が市町村職員以外の者に対し、市町村の会計規則に基づき支出した経費は、補助対象としています。
- 部局名:環境生活部
- 回答課名:環境保全課
- 反映区分:B 実現に努力しているもの
意見提言内容
(4)2013年8月までの除染ができるよう自治体の除染計画を支援すること。
取組状況
汚染状況重点調査地域に指定されている県南3市町は、それぞれの除染実施計画において、平成25年度に除染を完了することとしています。
県は、この目標達成に向けて3市町が除染を円滑に進められるよう、除染実施計画の変更、補助金申請、除染で発生する諸課題の解決等について、引き続き合同検討会の開催等を通じて、関係部局が連携して支援していきます。
- 部局名:環境生活部
- 回答課名:環境保全課
- 反映区分:B 実現に努力しているもの
意見提言内容
(5)汚染廃棄物の処理方法を国が責任を持って早期に明示すること。
取組状況
「汚染廃棄物等」には特定廃棄物及び除染土壌が該当し、この中で除染に伴い発生する廃棄物としては道路側溝汚泥、落葉等がある。国は、これら廃棄物の種類ごとの処理方法を示すことはせず、平成23年11月に示された基本方針において、放射性セシウム濃度が8,000Bq/kg超の指定廃棄物については国が処理するとし、また、8,000Bq/kg以下のものについては現行の廃棄物処理施設や処理体制等を利用することが考えられるとしている。これを受け、市町村・一部事務組合等が、既存の廃棄物処理施設や処理体制で対応する場合に、処理能力が逼迫する等の場合も考えられるので、国に対して必要な財政支援等を働きかけていきたい。
- 部局名:環境生活部
- 回答課名:資源循環推進課
- 反映区分:B 実現に努力しているもの
3 農家の再生産を支える支援策について
意見提言内容
(1)ホダ木の全戸検査を急ぐこと。更新に当たっては生産者が新たな負担とならないよう支援策を講じるとともに、ホダ場の除染など再生産できる具体的な対策を講じること。汚染されたホダ木の処分方法を明らかにするよう国に求めること。
取組状況
ホダ木の全戸検査は、平成24年5月に着手した乾しいたけの検査に一定の目処が立つ平成24年6月から着手し、平成24年7月末までの実施を予定しています。
検査の結果、指標値を超過したホダ木の更新については、県単独で予算措置した「原木しいたけ経営緊急支援資金貸付金」により、賠償金が支払われるまでの間、生産者を支援していきます。
ホダ場の除染については、ホダ場(周辺)の放射性物質がホダ木や生産物に及ぼす影響や仕組みが解明されていないことから、早期に解明し、必要な対策を示すよう、国に要請しています。
国が示す指標値を超過するなど、利用できない原木ホダ木の管理・処分方法については、国に対し、早期に具体的方法を示すよう、要請しています。
- 部局名:農林水産部
- 回答課名:林業振興課
- 反映区分:B 実現に努力しているもの
意見提言内容
(2)汚染された牧草の「自力除染」は実態に合った単価に大幅に引き上げること。利用自粛となった牧草の処分については、国・東電の責任で処理すること。
取組状況
県では、草地開発事業の基本となる県の草地対策関係事業設計歩掛基準や国の土地改良標準工事積算基準を適用して標準単価を設定しています。
今般、さらにコントラクターや農家の所有する機械等の地域の実情を考慮し、標準作業工程及び単価について、標準作業に加えて追加作業の単価を設定するなど、作業実態に応じた作業委託が可能となるよう見直し、実施に向けた調整を進めています。
また、牧草の処分について、牧草に限らず、放射性物質により汚染された廃棄物は、その汚染濃度にかかわらず国が責任を持って、迅速かつ適切な処理をするよう国に要望していきます。
県では、環境生活部、総務部、農林水産部が連携して、早期に処分が進むよう取り組んでいく考えです。
- 部局名:農林水産部
- 回答課名:畜産課
- 反映区分:B 実現に努力しているもの
意見提言内容
(3)農家負担の軽減、飼育管理など公共牧場の利用中止に伴う対策を講じること。
取組状況
県では、利用自粛する牧場について、農家に与える影響を最小限にするよう、受入可能牧場の確認を進めており、平成24年6月上旬を目途に、放牧牛の広域利用を調整していきます。
また、他地域の公共牧場に預託する場合に発生する掛かり増し経費(運搬費、預託費の差額負担)については、東京電力に対し損害賠償請求するよう助言しています。
- 部局名:農林水産部
- 回答課名:畜産課
- 反映区分:B 実現に努力しているもの
意見提言内容
(4)牧草の新たな基準値により代替飼料の確保が必要となっている。関係機関と連携して取り組むこと。牧草の全圃場検査、生乳の全戸検査を行うこと。
取組状況
代替飼料確保については、農業団体が実施する粗飼料の現物供給事業や農畜産業振興機構事業の活用により、畜産農家に粗飼料の現物を供給しており、必要量は確保されていると聞いています。
牧草検査について、国の通知に基づき、平成23年牧草のモニタリング調査結果により、平成24年牧草の調査を行うこととしています。
県では、平成24年牧草の調査のほかに、乳用牛、肉用繁殖牛の廃用牛の適正な出荷指導を行うため、給与牧草の戸別、圃場別検査を実施しており、平成24年産牧草についても実施していきます。
また、生乳検査について、国の通知に基づき、県産農畜産物の放射性物質の検査計画を作成し、県内12カ所のコールドセンター及びコールドセンター機能を有する乳業工場単位に実施しています。
- 部局名:農林水産部
- 回答課名:畜産課
- 反映区分:A 提言の趣旨に沿って措置
意見提言内容
(5)出荷できない廃用牛が滞留し更新できず経営を圧迫しており、集中管理施設での受け入れ態勢を拡大すること。
取組状況
廃用牛については、農家での飼い直しが困難な場合には、平成23年度設置した金ケ崎町の集中管理施設(250頭規模)で受け入れてきましたが、更に、平成24年4月からは、八幡平市に300頭規模の施設を新たに確保し、受入態勢を拡大しました。
- 部局名:農林水産部
- 回答課名:畜産課
- 反映区分:A 提言の趣旨に沿って措置
意見提言内容
(6)農産物の出荷自粛に当たっては1検体でも基準値を超えれば当該自治体全域がすべて出荷、採取自粛の対象とする対応を改善すること。
取組状況
国の原子力災害対策本部が示した「検査計画、出荷制限等の品目・区域の設定・解除の考え方」(最終改正:平成24年3月12日)によると、出荷制限の区域の設定条件は、「JAS法上の産地表示義務が県単位であることも考慮し、県域を原則とする。ただし、県、市町村等による管理が可能であれば、県内を複数の区域に分割できる。」とされていますが、県としては、市町村単位で検体を採取し検査を実施していることから、案件ごとに国と協議し、出荷自粛等を要請する際は、原則として、市町村単位での要請としているものです。
- 部局名:農林水産部
- 回答課名:農林水産企画課
- 反映区分:C 当面は実現できないもの
4 東京電力福島第一原発事故による全面補償について
意見提言内容
(1)東京電力に全面賠償を強く求めること。賠償請求に対する支払いは翌月など毎月支払いができるよう知事を先頭に働きかけること。
取組状況
東京電力原子力発電所事故による損害については、当該事故の原因者である東京電力株式会社が、一義的にその責任を負うべきものであり、これまで東京電力株式会社に対し、当県で発生している風評被害を含む全ての損害について、速やかに賠償を行うように強く求めて来ている。
今後も引き続き、東京電力株式会社に対し、強く求めていきたい。
- 部局名:総務部
- 部局名:総務部 総務室
- 反映区分:A 提言の趣旨に沿って措置
意見提言内容
(2)-01 賠償に当たっては、すべての農家を対象に農家個々の被害の実態に即した賠償請求にすること。
取組状況
農家の損害賠償請求については、JAグループ東京電力原発事故損害賠償対策岩手県協議会(事務局:岩手県農業協同組合中央会)と森林組合系統東京電力原発事故損害賠償対策岩手県協議会(事務局:岩手県森林組合連合会)が中心となり取り組んでおり農家の被害の実態に即した賠償請求が行われているものと承知しています。
また、系統に属さない生産者であっても、状況に応じて協議会が損害賠償手続きを受託しており、県としても個別の相談に応じています。
- 部局名:農林水産部
- 回答課名:農業振興課
- 反映区分:B 実現に努力しているもの
意見提言内容
(2)-02 賠償金に課税しないよう国に特別の措置を求めること。
取組状況
東京電力原子力発電所事故に係る賠償金については、生命・身体的損害等に対するものについては非課税、減収分(必要経費を控除した残額)に対するものについては課税対象とする旨、国税庁から示されています。
県としては、まず、東京電力株式会社が広く責任を認め、風評被害を含む原子力損害について、速やかに賠償を実施するよう、強く求めていきます。
- 部局名:総務部
- 回答課名:総務課
- 反映区分:S その他
意見提言内容
(3)原発ゼロを目指し、事故原因の解明のない再稼動に反対すること。再生可能エネルギーの抜本的な活用で先進県めざし取り組みを強化すること。
取組状況
今後の原発のあり方については、国において事故の検証をしっかりと行い、幅広い国民の議論に基づき、適切に判断されるべきものと考えます。
再生可能エネルギーについては、平成24年3月に策定した岩手県地球温暖化対策実行計画に今後の導入目標を掲げるとともに、同年3月に設置した「再生可能エネルギー設備導入等推進基金」を活用し、防災拠点への導入を支援するほか、新たな低利融資制度を創設し、資金力の乏しい県内企業が大規模発電事業等に参入しやすいよう環境整備を進めるなど、その導入促進に努めていきます。
- 部局名:環境生活部
- 回答課名:環境生活企画課
- 反映区分:S その他
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