令和6年度当初予算案
とき:令和6年2月5日(月曜日)
ところ:岩手県庁12階特別会議室
令和6年2月5日(月曜日)記者発表
令和6年度岩手県当初予算案 達増知事記者発表の動画
令和6年度当初予算案について説明します。
令和6年度当初予算案は、「『希望郷いわて』その先へ予算」と名付けました。
四つの重点事項を中心に据えつつ、「マニフェスト+(プラス)39」の内容も盛り込んで、「希望郷いわて」のその先へつながる道を切り拓くという思いを込めて命名いたしました。
予算の総額は7,322億円です。
予算のポイントは三つあります。
まず、四つの重点事項の取組を更に強化します。コロナ対応分を除くと、令和5年度の765億円から75億円増額し、840億円となります。
二つ目は、市町村との連携を、より強化します。小規模町村へのマンパワーを含めた支援や、市町村それぞれの課題に応じた政策立案の支援に取り組みます。
三つ目は、これまでの取組に加え、その先へ歩みを進めていくための、言わば新機軸の取組をプラスします。農林水産物や観光資源など、本県の強みや魅力の全国・海外への積極的な売り込み、相談支援を始めとする公的福祉の拠点整備、いじめ・不登校対策の強化などを実施します。
次に、A4横の資料「令和6年度岩手県一般会計当初予算(案)のポイント」の1ページ、「令和6年度当初予算案(一般会計)の考え方」を御覧ください。
令和6年度当初予算案は、「いわて県民計画(2019~2028)」第2期アクションプランの下、四つの重点事項を中心に人口減少対策に最優先で取り組み、県民の幸福度向上を図る10の政策や「新しい時代を切り拓くプロジェクト」を着実に推進するとともに、「希望郷いわて」のその先へ歩みを進めるための新機軸の施策を盛り込んだ予算を編成しました。
四つの重点事項については、全国トップレベルの子育て支援や交流人口・関係人口などの「自然減・社会減対策」、「GX(グリーントランスフォーメーション)の推進」、「DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進」の取組を更に強化します。また、東日本大震災津波の経験や国内で相次ぐ大規模災害を踏まえた次の災害への備え、クマなどの野生鳥獣による被害防止対策、新たな感染症への対応など、「安全・安心な地域づくり」を推進します。
東日本大震災津波からの復興について、被災者の心のケア、コミュニティ形成支援、伝承・発信等、必要な取組を着実に実施します。また、中期財政見通し等を踏まえ、財政目標の下、財政健全化を進めます。
次に、令和6年度当初予算案の規模を説明します。2ページを御覧ください。
予算の規模は、7,322億円です。このうち、震災分は325億円、新型コロナウイルス感染症対策分は499億円です。具体的な歳入・歳出の状況については、3ページ目から5ページ目に記載しております。
次に、令和6年度当初予算案における主な取組を説明します。6ページを御覧ください。令和6年度は、東日本大震災津波からの復興を着実に進め、令和5年度に引き続き、人口減少対策を最優先に四つの重点事項を強力に推進します。加えて、新たな取組の追加や、市町村との連携の一層の強化により、「希望郷いわて」のその先へと、歩みを進めていきます。
7ページから9ページまでの復興については、第2期復興推進プランに基づき、「事前復興まちづくり」を始めとする総合的な地震・津波防災対策に取り組みます。また、被災者の心のケアや主要魚種の不漁への対応などを進めます。
次に、四つの重点事項に関する主な施策です。10ページからの「自然減・社会減対策」では、少子化対策、社会減対策の強化の三つの柱プラスワンの下、有配偶率向上に向けた、29歳以下の新婚世帯に対する支援金の県独自の上乗せや、少子化対策に取り組む町村の伴走型支援に取り組みます。また、県内定着、U・Iターンの推進による、いわてとのつながりの維持・強化や、ニューヨーク・タイムズ紙掲載を契機とした交流人口・関係人口の拡大を進めます。
17ページを御覧ください。一番上の地域経営推進費について、市町村と連携して人口減少対策を強化していくことを念頭に、新たに合計1億円の枠を新設・拡充しました。マンパワー支援と併せ、市町村の取組を支援していきます。
18ページ、19ページの「GXの推進」では、脱炭素化に向けた県民・事業者・市町村等の取組や、EV・電気自動車等の普及を促進するとともに、県自身の省エネルギー対策も強化します。また、県北地域を拠点として、環境負荷を低減する農業の実践者育成や地球温暖化に対応した収益性の高い果樹生産に係る研究体制の整備などに取り組みます。
20ページ、21ページの「DXの推進」では、大手ECサイトを活用した県産品販売や、データ駆動型農業など、あらゆる産業のDXを進めます。また、デジタルを活用した学びの機会の充実や、スマート物流など社会・暮らしのDXの推進に加え、DXを支える基盤を整備します。
22ページ、23ページの「安全・安心な地域づくり」では、沿岸市町村が行う避難対策支援など、今後起こり得る最大クラスの地震・津波や大規模災害への対応を進めます。また、ツキノワグマなどの鳥獣被害対策や、新興感染症への対応、犯罪のない安全・安心なまちづくりを進めます。
次に、「10の政策分野」に基づく主な施策です。24ページ、「健康・余暇分野」では、在宅医療の充実に向けた機器整備の補助や訪問介護の体制強化を行います。また、福祉・消費生活分野における相談機能のワンストップ化・充実に向けた拠点整備を進めます。
25ページ、「家族・子育て」分野では、今年度(令和5年度)からスタートしている全国トップレベルの子ども・子育て支援策の更なる充実に向け、市町村による産後ケア等の利用促進や子どもの遊び場整備への支援、院内助産や産後ケア推進のための助産師の確保・育成などに取り組みます。
26ページ、「教育」分野では、GIGA(ギガ)スクール運営支援センターの運営など、全県的な学校教育のDXを推進します。また、いじめや不登校への対応など、子どもたちが安心して学校生活を送ることができる環境整備に取り組みます。
27ページ、「居住環境・コミュニティ」分野では、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、ZEH+(ゼッチプラス)住宅の普及を促進します。また、バス運転士確保やJRローカル線の活性化など、地域公共交通の確保と利用促進に取り組みます。
28ページ、「安全」分野では、デジタル技術を活用した避難所運営の実証実験や、防災人材を活用した自主防災組織の活動の強化を進めます。
29ページ、「仕事・収入」分野では、中小企業者の賃上げに向けた支援、ものづくり産業の生産性・付加価値向上、ニューヨーク・タイムズ紙掲載を契機とした交流人口・関係人口の拡大に向けた観光キャンペーンに取り組みます。また、農林水産物や地場産品など、岩手の魅力を積極的に国内外に売り込んでいく、打って出るための経費を計上しています。
30ページ、「歴史・文化」分野では、「平泉の文化遺産」、「明治日本の産業革命遺産」、「北海道・北東北の縄文遺跡群」の三つの世界遺産の価値や魅力を普及します。また、中尊寺金色堂建立900年を契機とした特別企画展示等を実施します。
31ページ、「自然環境」分野では、鳥獣による農作物被害防止やツキノワグマの市街地出没訓練、市町村による捕獲個体処理施設の整備に対する補助を行います。
32ページ、「社会基盤」分野では、近年頻発する自然災害に備え、ハード・ソフトを組み合わせた防災・減災対策を進めます。また、社会資本が将来にわたって持続的に機能を発揮するよう、計画的な予防保全型の維持管理に取り組みます。
33ページ、「参画」分野では、女性のデジタルスキル取得に向けた支援や、男女が協力して家事・育児を行う機運の醸成に取り組みます。
「新しい時代を切り拓くプロジェクト」の推進ですが、34ページから44ページにかけて、国際リニアコライダーの実現に向けた「ILCプロジェクト」や三つのゾーンプロジェクトなど、岩手らしさを生かした新たな価値・サービスの創造など、先導的な取組を進めます。
45ページ、広域振興圏の施策については、市町村との連携を一層強化し、各圏域の特性を踏まえた人口減少対策を進めます。
46ページ、持続可能な行財政基盤の構築に向けた取組の状況は、四つの財政目標について、いずれも達成、又は達成見込みとなっています。
最後に、47ページ、プライマリーバランス及び財政調整基金残高の推移でありますが、令和6年度当初予算後の県債残高は1兆1,600億円程度の見込みです。
臨時財政対策債を除く県債残高は7,500億円程度で、ピーク時と比べ6割程度の水準まで低下しており、政策推進と財政の健全化の両立を実現した予算となっています。
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