安心な中古住宅取引のために「インスペクション（建物状況調査）」のススメ

インスペクション（建物状況調査）とは？

　国土交通省の定める講習を修了した建築士が、建物の基礎、外壁など建物の構造耐力上主要な部分及び雨水の侵入を防止する部分に生じているひび割れ、雨漏り等の劣化・不具合の状況を把握するための調査のことです。

　平成30年4月から宅地建物取引業法が改正され、中古住宅取引の際にインスペクションの説明・紹介・あっせんの可否の告知が義務化され、媒介契約書面にあっせんの有無が記載されることになりました。

 

注）インスペクションは、瑕疵の有無を判定するものではなく、瑕疵がないことを保証するものではありません。

インスペクションを実施するメリットは？

売却する場合

• 取引後のクレーム等のトラブル回避につながります。
• インスペクション未実施の物件と差別化が図れます。

購入する場合

• 購入前に不具合があるかどうかわかるため、安心して購入の判断ができます。
• 突発的な修理の発生リスクが少なく、メンテナンスの時期や費用の計画が立てやすくなります。

改正民法（令和2年4月1日施行）にも対応

　令和2年4月1日に改正民法が施行され、中古住宅売買契約における従来の「瑕疵担保責任」は廃止され、新たに契約の内容に適合しない場合の責任となる「契約不適合責任」が売主に課されます。

　これからの中古住宅の売買契約においては、建物の状況を契約書に明記する必要があるため、インスペクションの実施が重要となります。

インスペクションの内容と費用は？

• 著しい建物の傾きがないか
• 地番沈下している可能性がないか
• 著しい施工不良がないか
• 構造耐力上主要な部分（基礎、壁、柱）の著しい損傷はないか
• 躯体の腐食・変形がないか
• 屋内排水菅の著しい劣化、漏水やその形跡がないか

などを目視・非破壊検査で行い、一戸建ての場合約3時間かかります。

費用は調査項目及び調査実施者によって異なりますが、おおよそ10万円～15万円かかります。

インスペクションを実施したい場合はどうしたらよいの？

　既存住宅状況調査技術検索ページ等（下記リンク先）から調査実施者を検索いただくことが可能です。

　また、宅地建物取引業者が提携している調査実施者がいる場合もありますので、あっせんを希望する旨お伝えください。

• 既存住宅状況調査技術者検索ページ（国土交通省ホームページ）（外部リンク）

取引後の不具合があった場合の保証はないの？

　インスペクションの実施業者や仲介業者（宅建業者）へ別途保証の申込を行うことで、売買された住宅の引き渡し後、構造耐力上主要な部分・雨水の侵入を防止する部分等に欠陥が発見された場合に、「既存住宅売買瑕疵保険」を活用した保証を受けられる場合があります。

　ただし、インスペクションの結果、構造耐力上主要な部分・雨水の侵入を防止する部分等に不具合がないことが保険加入の条件となりますので、詳しくは、インスペクション業者、仲介業者にお問い合わせいただくか、下記リンク先を参照してください。

• 既存住宅売買瑕疵保険について（国土交通省ホームページ）（外部リンク）

インスペクション制度のパンフレットについて

• インスペクションで安心の取引について（パンフレット） （PDF 2.0MB）
  本ホームページの内容をまとめたパンフレットを作成しましたので、ご覧ください。