職員の給与決定のしくみ
給与決定の原則
職員の給与は、地方公務員法に定められている次の4つの基本原則に従って決定されています。人事委員会は、これらの基本原則に基づいた給与決定の勧告を行うことにより、給与制度の確立及び給与決定に関し、与えられた責務を果たしています。
- 情勢適応の原則(地方公務員法第14条)
職員の給与、勤務時間その他の勤務条件が社会一般の情勢に適応するように適当な措置を講じなければならない。 - 職務給の原則(地方公務員法第24条第1項)
職員の給与は、その職務と責任に応ずるものでなければならない。 - 均衡の原則(地方公務員法第24条第2項)
職員の給与は、生計費、国及び他の地方公共団体の職員の給与並びに民間企業従業員の給与その他の事情を考慮して定められなければならない。 - 条例主義の原則(地方公務員法第24条第5項、第25条第1項)
職員の給与、勤務時間その他の勤務条件は条例で定め、これに基づいて支給されなければならない。
給与勧告
公務員は民間企業の勤労者とは異なり、争議権などの労働基本権が制約されており、各職場における労使交渉等を通じて自らの賃金を決定することができないため、その代償措置として人事委員会勧告制度が設けられています。
人事委員会では、公務員の給与と民間の勤労者の給与を精密に比較して得られた較差を重視しつつ、上記の均衡の原則に基づき、給与決定の諸事情を総合的に勘案し勧告を行っています。
民間との較差を重視して勧告を行う理由は、公務員の給与は、(1)民間企業と異なり、市場原理による決定が困難であることから、(2)労使交渉等によってその時々の経済・雇用情勢等を反映して決定されている民間の給与に準拠して給与を決定することが最も合理的であり、(3)納税者である県民の理解を得られる方法であると考えられるからです。
そのため、人事委員会では、毎年、職員の給与水準と民間の給与水準の間の較差(公民較差)を算出するための調査(「職員給与実態調査」及び「職種別民間給与実態調査」)を実施し、給与勧告を行っています。
給与勧告の手順
毎年5月から6月にかけて民間事業所の従業員の給与等を調査し、職員の給与と比較して、10月頃に県議会と知事に対し、給与勧告を行っています。
この給与勧告に基づき、知事が給与条例改正案を提案し、議会で可決されると、職員の給与改定が行われます。(下図参照)
職種別民間給与実態調査
人事委員会は、民間準拠を基本に給与勧告を実施しているため、民間における職種別給与の実態を明らかにし、給与勧告の検討資料を得ることを目的として、多くの民間事業所の協力のもとに、毎年「職種別民間給与実態調査」を人事院と共同で実施しています。
この調査は、県内民間事業所(企業全体の従業員数50人以上、かつ、事業所における従業員数50人以上)の従業員のうち、公務と類似の職務に従事する従業員の4月現在の給与の実態を調査するものです。調査項目としては、過去1年間の賞与及び臨時給与、4月支給の給与、企業の給与改定の状況等があります。
- 令和6年の調査完了事業所数:124事業所
- 調査実人員:3,094人
- 推定調査職種該当者(母集団):13,714人
職員給与実態調査
公民の給与比較のための基礎となる県職員の給与の状況を把握するため、毎年「職員給与実態調査」を実施しています。
この調査は、毎年4月現在の県職員に対する給与の支給状況を調査するものです。調査項目としては、各職員の職種、学歴、年齢、給料及び諸手当の支給額等があります。
- 令和6年の職員数:16,091人(行政職4,565人)
- 平均年齢:42.7歳(行政職40.7歳)
公民給与の比較(ラスパイレス方式)
公民の給与を精確に比較するには、仕事の種類、責任の度合い、学歴等の資格及び年齢等の諸条件が同等の者同士の比較が必要です。
このため、本県では上記の公民の調査結果を基礎として、職種、役職段階、学歴、年齢等を同じくするグループ別に民間従業員と県職員の給与額を対比させて精確に比較した結果を総合して、全体としての公民の給与較差を算出しています。(ラスパイレス方式)
このページに関するお問い合わせ
岩手県人事委員会事務局 職員課 審査・給与担当
〒020-0021 岩手県盛岡市中央通1-7-25
朝日生命盛岡中央通ビル6階
電話番号:019-629-6240 ファクス番号:019-629-6239
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。