労働争議の調整とは
労働委員会は、労使間の話合いが進まず、自主的にはどうしても問題が解決されないときに、その話合いのとりなしをして、争議を平和的に解決するために必要な援助をします。
労働委員会が行う争議の解決のための援助(これを「調整」といいます。)の方法には、あっせん、調停、仲裁の三つがあります。どの方法を選ぶかは、原則として、当事者の自由です。
労働委員会は、単に争議を解決すればよいという考えではなく、労使双方にとって良い助言者であると同時に、公平な第三者として、できるだけ労使の納得の得られる合理的な解決を図るよう努力します。
(注)労働争議の調整(あっせん、調停、仲裁)は、労働組合などの労働者の団体と使用者との間に起きた紛争を扱うものです。
労働者個人と使用者との間に起きた紛争(トラブル)については、「個別労働関係紛争のあっせん」により、紛争解決のお手伝いをします。
労働争議とは
労働争議とは、「労働関係の当事者間において、労働関係に関する主張が一致しないで、そのために争議行為が発生している状態、又は発生するおそれがある状態」(労働関係調整法第6条)をいいます。
また、争議行為とは、「労働関係の当事者が、その主張を貫徹することを目的として、業務の正常な運営を阻害することによって相手方に打撃を与え、その譲歩を引き出そうとする集団的実力行使又はこれへの対抗行為」(同法第7条)をいい、同盟罷業(ストライキ)、怠業(サボタージュ)、作業所閉鎖(ロックアウト)などが代表的なものです。
なお、いわゆる政治スト等、労使間の交渉によっては解決できない労働争議は、労働関係調整法上の労働争議の定義にあてはまらないことから、同法による調整の対象とはなりません。
労使紛争自主的解決の原則
労働関係調整法では、労使紛争について、当事者が自主的解決の努力を尽くすべき責務を負うことが規定されており(第2条、第4条)、労働委員会による調整中であっても、当事者間における自主的な解決を妨げるものではありません(第16条、第28条、第35条)。
したがって、労働委員会が労働争議の解決に乗り出した場合であっても、当該労働関係の当事者は、その労働争議について、別の方法により自主的に解決を図ることができます。
なお、労働委員会は、原則として、労働争議の解決を当事者の意思に関わらず推し進めること、あるいは労働争議の解決を当事者に強制することはできません。
調整方法の相違点
あっせん
開始
- 労使いずれか一方の申請
- 労使双方の申請
- 職権
調整者
- あっせん員
通常、公益委員、労働者委員、使用者委員各1名の三者構成
方法・効果
- 団体交渉の取りもち、主張の取りなしなどにより当事者間の自主的解決を促進する。
- あっせん案を示すこともある。
調停
開始
- 労使双方の申請
- 労使いずれか一方の申請(労働協約に定めがある場合、公益事業の場合)
- 職権(公益事業)
- 知事の請求
調整者
- 調停委員会
公益委員、同数の労使委員で構成
方法・効果
- 調停案を示して労使双方に受諾を勧告する。
- 調停案を受諾するかどうかは自由であり、法的に拘束されない。
仲裁
開始
- 労使双方の申請
- 労使いずれか一方の申請(労働協約に定めがある場合)
調整者
- 仲裁委員会
公益委員3名で構成
労使委員は、意見を述べることができる。
方法・効果
- 仲裁裁定を出す。
- 当事者は、この裁定に従わなければならず、その効力は、労働協約と同一である。
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