平成28年台風第10号に係る河川事業の完了について
概要
平成28年8月30日、台風第10号は、統計史上初めて東北地方の太平洋側に上陸し、沿岸部を中心に総降雨量が約300mmとなる記録的な大雨をもたらし、岩泉町を中心に小本川などの河川氾濫や土砂災害が数多く発生しました。
これを受けて、岩手県では小本川や安家川などにおいて「河川激甚災害対策特別緊急事業」や「災害復旧助成事業」、「災害関連事業」、「河川災害復旧等関連緊急事業」などを導入し、平成28年台風第10号と同規模の洪水に対する家屋等の浸水被害を防止することを目的に、河道掘削、護岸等による河川改修を行いました。

被害状況
岩泉町内の被災状況(出典:平成28年水害統計調査ほか)
浸水面積:617ha
人的被害:死者26名(関連死含む)
住家被害:全壊 1,068棟、半壊 742棟
土木施設等被害額:439億円

事業の実施状況
河川激甚災害対策特別緊急事業
事業箇所:二級河川小本川(岩泉~小本)24.1km
二級河川清水川(沢廻~岩泉) 2.0km
事業費 :約262.5億円
事業期間:平成28年度~令和7年度
工事内容:河道掘削、護岸、築堤(輪中堤含む)、橋梁架替等

災害復旧助成事業
事業箇所:二級河川小本川(門~尼額)22.8km
事業費 :約114.9億円
事業期間:平成28年度~令和6年度
工事内容:河道掘削、護岸、橋梁架替、流木捕捉施設等

災害関連事業、河川災害復旧等関連緊急事業
事業箇所:災害関連事業 二級河川安家川(安家橋上流)0.5km
河川災害復旧等関連緊急事業 二級河川安家川(安家橋~新橋)2.2km
事業費 :災害関連事業 約5.3億円
河川災害復旧等関連緊急事業 約62.0億円
事業期間:平成28年度~令和4年度
工事内容:河道掘削、護岸、橋梁架替等

整備効果
令和6年8月の台風第5号では、平成28年台風第10号と同規模の総雨量を記録しましたが、小本川及び安家川では治水対策の進捗により、河川氾濫による家屋等の浸水被害はありませんでした。
その他の取組
流域治水の取組
平成28年台風第10号をはじめとした近年の激甚な水害や、気候変動による今後の水害の激甚化・頻発化に備え、小本川水系流域において、あらゆる関係者が協働して流域全体で水害を軽減させる治水対策「流域治水」を計画的に推進することを目的として、全国に先駆けて令和3年2月に小本川水系流域治水協議会を設立しました。
また、小本川流域において、これまで県、岩泉町及び住民などのあらゆる関係者の協働により実施されている、様々な対策を「小本川水系流域治水プロジェクト」としてとりまとめました。
「小本川水系流域治水プロジェクト」では、河川改修、砂防堰堤整備、治山施設等整備、森林整備といった「氾濫をできるだけ防ぐ対策」の実施状況や避難訓練の実施などの「被害の軽減・早期復旧・復興のための対策」の取組状況について、毎年関係機関で情報共有しています。
事業PR
平成28年台風第10号災害の復旧・復興等の状況について、「いわいずみ台風災害復興かわら版」の発行や、現場見学会、竣工式の開催などを通じて、事業の進捗状況や整備効果などの情報発信を行ってきました。
サクラの苗木植樹の取組
「小本川河川改修事業乙茂工区の完成」と「ふれあいらんど岩泉のリニューアルオープン」とを記念して、令和7年6月3日に県・町・小本小学校の児童ら約50名で、小本川沿いのふれあいらんど岩泉「CYMBALS」敷地内にサクラの苗木40本を植樹しました。
植樹に参加した児童が大人になる頃、満開のサクラの花が見られることを期待しています。

復旧・復興記念式典の開催
平成28年台風第10号災害からの復旧・復興事業(道路・河川・砂防施設)は、発災から9年の歳月を経て、令和7年10月末に全ての事業が完成しました。
これを記念して、令和7年11月1日(土曜日)、岩泉町民会館にて「復旧・復興記念式典」を執り行いました。
式典には知事をはじめ、関係者や来賓約70名が出席し、事業の完了を祝いました。

PDFファイルをご覧いただくには、「Adobe(R) Reader(R)」が必要です。お持ちでない方はアドビシステムズ社のサイト(新しいウィンドウ)からダウンロード(無料)してください。
このページに関するお問い合わせ
県土整備部 河川課 河川担当
〒020-8570 岩手県盛岡市内丸10-1
電話番号:019-629-5903 ファクス番号:019-629-5909
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。
