第3回高田松原地区震災復興祈念公園構想会議会議録
第3回高田松原地区震災復興祈念公園構想会議
開催日時
平成24年11月12日(月曜日) 10時30分から12時00分
開催場所
マリオス18階 183会議室
(盛岡市内)
出席者
- 高田松原地区震災復興祈念公園構想会議委員(9名)
- 事務局
岩手県 県土整備部道路都市担当技監 小野寺徳雄 他
陸前高田市 建設部長 須賀 佐重喜 他
議題及び報告事項
- これまでの検討経過について(報告)
- 高田松原地区震災復興祈念公園のあり方について
会議資料
- 次第 (PDF 48.9KB)
- 資料1 これまでの検討経過 (PDF 1.6MB)
- 資料1-2 高田地区・今泉地区土地利用計画(案) (PDF 817.0KB)
- 資料2 公園のありかたに関する提言(素案) (PDF 236.8KB)
- 参考資料 公園が持つ機能とゾーンの考えかた (PDF 173.4KB)
概要
これまでの検討経過について(報告)
資料説明
事務局からこれまでの検討経過及び陸前高田市高田地区・今泉地区の土地利用計画案について説明。(資料1、1-2)
主な意見
地元代表
- 「松原」は、高田町だけでなく、西側の半分は気仙町にあり「気仙松原」とも言われている。土地利用計画上で公園とされている気仙川の西側は、高田松原の現状を眺める場所としても多くの人が訪れており、是非、一体的な公園として整備を期待したい。
高田松原地区震災復興祈念公園のありかたについて
資料説明
これまでの構想会議での議論や市民等からの意見をふまえてとりまとめた「高田松原地区震災復興祈念公園のありかたに関する提言(素案)」について事務局から説明。(資料2、参考資料)
主な意見
地元代表
- 「松原」だけではなく、陸前高田市の自然・歴史・文化遺産、すべてを含んだ景観形成を念頭に置いて、市全体が活性化する視点をもった構想にすることが望ましい。
- 強いインパクトを与えるためには、震災遺構や震災遺物の保存なども含めた検討が必要。
- まちの賑わいを「早く」、あるいは、生活と連動して再生していく必要がある。
- 三陸縦貫道が整備され、交流人口が増えれば良いが、むしろ通過するだけで陸前高田に立ち寄らないことが危惧される。今までは、松原が人を集めたが、今は何もない。公園の整備には、非常に長い時間がかかるため、仮設でもよいので防災文化を発信できるようにしてほしい。
- 気仙川を津波が遡上し、海岸部だけでなく内陸部まで被害を受けたという被害の大きさや恐ろしさを点的な遺構の保全や新たなアートの設置なども活用しながら、後世に伝えていく必要がある。
- 公園予定区域に入っている雇用促進住宅は津波の高さや波を容易に想像できる建築物である。住民や遺族の方々の意見への配慮が重要であるが、雇用促進住宅についても保存を検討してはどうか。
- 何年か先に災害遺品を収集しようとしても貴重なものは集まらない。解体作業が進んでいる中で、遺すべきものは今遺さなければならない。
- 「まちの賑わい」に関する記載をもう少し充実してもらえると良い。
有識者
- 従前から高田松原の海水浴客の避難は大きな課題だった。「避難路」だけの記載ではなく、公園内に何らかの「避難施設」が必要であることを明記する必要がある。盛土施設か展望台を兼ねた避難タワーなど具体施設の議論は、今後でよい。
- できれば公園予定地内に存在する雇用促進住宅や気仙中学校も保存対象として考えた方が良い。特に、気仙中学校は、生徒と職員が訓練通りに避難し、全員助かっていることから、高田の防災教育上の観点から誇るべき、意義のある資源である。
- 災害遺構は建物に限ったものではない。例えば、建物の土台だけでも相当のインパクトがある。桜ラインのように津波到達位置を何らかの形で遺すようなものも広い意味での災害遺構になり得る。
- 岩手県を代表し、陸前高田全体の想いを伝える提言と考えた場合、内容が少し物足りない。県内の他の被災地の想いも受け止めた内容になっているかを十分に考え、陸前高田、岩手県の沿岸部が歩んできた歴史を提言の中に表現していくと良い。なぜこの陸前高田に白砂青松ができたのか、広田湾全体の中での位置、歴史的背景、地形的な美しさなど。
- 古くから津波と戦ってきた三陸海岸、陸前高田ならではの津波防災文化など、気仙1300年の歴史を「フィールドミュージアム」として子供たちに伝え、この公園に来れば歴史を感じられることが重要。そうした取り組みを行うことで世界にも知らしめることができる。
- 古川沼を単に「ふれあい」の対象とするだけでなく、水との「戦い」と「親しみ」の両面から捉え、公園の中に反映させられないか。
- 本公園が岩手県で一つ、あるいは全国で一つになる可能性もあり、その観点からも骨太の方針が言葉として必要。どういったものを創るのかという意志が欠けると、他でも同じようなものが出来てしまう可能性がある。幸いこの地には、松原というシンボルがある。
- 博物館など、いわゆるハコモノの整備は、市街地の賑わいにもつながるため、公園内ではなく、市街地の中でも良いのではないか。例えば、収集した災害遺品などは貴重な資産であるため、再び、同様の津波が来れば流される危険がある公園内に置くべきではない。
- 公園と市街地内のハブの配置など、公園と市街地をどのように連動させていくかをそろそろ考える必要がある。
- 現在の土地利用計画の市街地は「海」を向いていない。海を向いていない軸線をどのようにしたら松原を通して海に意識が向くかを考える必要がある。
- 博物館の機能は展示以上に保管が重要。災害遺品のほとんどが塩を被っているため、大きな倉庫を設置して緊急避難的に保管し、いずれ博物館等に納めていくことが必要。
まとめ
- 「岩手、あるいは国を代表する」という意識を明確に打ち出す必要がある。三陸海岸の地形や生活、空間的な構造、水と戦いながら共生してきた歴史などを明記することで、公園の大きな位置づけが明確になるのではないか。
- 市街地とどのように連携するかということ。嵩上げ市街地とその下の公園という空間的位置関係の中で物理的あるいはソフト的にどう連携していくかを考える必要がある。
- 公園自体の安全性の確保、避難施設について、もう少し強調する必要がある。
- 被災遺構について、具体的に「気仙中学校」、「雇用促進住宅」などが挙げられた。現在、保全する予定の遺構が公園予定区域の西側に集中しており、東側に位置する雇用促進住宅は、公園の中の動線などの面で考慮が必要。
- 完成まで相当の時間がかかるため、最終的な絵姿も思い浮かべながら、仮設あるいは暫定的な施設整備に手をつけていくことも重要。そういった先行着手区域の検討など、整備のプロセス(途中段階)についても記述した方が良い。
今後の予定
本会議の意見をふまえて提言素案の修正を行い、提言に対する意見募集をホームページ等により行う。その後、2月頃、次回会議を開催する予定。
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このページに関するお問い合わせ
県土整備部 都市計画課 公園担当
〒020-8570 岩手県盛岡市内丸10-1
電話番号:019-629-5890 ファクス番号:019-629-9137
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