束稲(たばしね)山麓地域の日本農業遺産への認定
令和5年1月に、「束稲山麓地域の災害リスク分散型土地利用システム」が日本農業遺産に認定されました!!
世界農業遺産・日本農業遺産とは
世界農業遺産・日本農業遺産とは、「生きている遺産」として農林水産業が守ってきた伝統的な知恵と仕組みを現代に生かし、 持続可能な地域づくりにつなげるための認定制度です。
日本農業遺産とは、日本において重要かつ伝統的な農林水産業を営む地域(農林水産業システム)を、日本農業遺産の認定基準に基づき、農林水産大臣が認定を行う制度です。
束稲山麓地域の災害リスク分散型土地利用システムの概要
束稲山麓地域は、東側に束稲山、西側を東北地方最大の北上川が流れ、東西の水平距離で6kmほどの狭いエリアに、低平地と山麓地、山地が存在する地域です。
束稲山麓地域の人々は、古くから山麓地に暮らしてきました。地形的要因から、台風や大雨による洪水害が二年に一度は起き、土砂災害の危険もあります。また、山麓地は大きな水源がないことから、干ばつにも見舞われてきました。
こうした自然災害の影響を最小限に抑え、食料と収益を確保するために、暮らしと営農に必要なため池や森林の共同管理を行ってきました。また、山麓地と低平地の両方に農地を所有し、営農の工夫を行いながら、複数の災害リスクを分散する土地利用システムを築き上げました。
被認定団体
束稲山麓地域世界農業遺産認定推進協議会
会長 青木幸保(平泉町長)
副会長 佐藤善仁(一関市長)
倉成 淳(奥州市長)
永井榮一(県南広域振興局長)
組織構成
一関市、奥州市、平泉町、岩手県、いわて平泉農業協同組合、岩手ふるさと農業協同組合、胆沢平野土地改良区、北上川東部土地改良区、照井土地改良区、いちのせきニューツーリズム協議会、おうしゅうグリーン・ツーリズム推進協議会前沢支部、平泉町グリーン・ツーリズム推進協議会、農事組合法人アグリパーク舞川、農事組合法人アグリ平泉、舞川地区区長会、生母地区振興会、平泉町区長会、舞川3区集落協定、舞川18区集落協定、赤生津中央地域活性化組合、成岡田農地・水保全管理活動組織、14区集落協定、18区中村集落協定、生母生産森林組合、束稲山さくらの会、有識者
被認定地域
岩手県束稲山麓地域(一関市舞川地区・奥州市生母地区・平泉町長島地区)
これまでの経緯
年月 | できごと |
---|---|
平成28年9月 | 束稲山麓地域の活性化を目的として、束稲山麓地域世界農業遺産認定推進協議会が設立(会長:青木幸保平泉町長) |
平成30年6月 | 認定申請書提出(1回目) |
平成30年8月 | 一次審査不通過 |
令和2年7月 | 認定申請書提出(2回目) |
令和2年9月 | 一次審査通過 |
令和2年11月 | 世界農業遺産等専門家会議委員による現地調査 |
令和3年1月 | 二次審査会(リモートでプレゼン) |
令和3年2月 | 不認定 |
令和4年6月 | 認定申請書提出(3回目) |
令和4年8月 | 一次審査通過 |
令和4年10月 | 世界農業遺産等専門家会議委員3名による現地調査 |
令和4年12月 | 二次審査会(農林水産省でプレゼン) |
令和5年1月 | 日本農業遺産認定(世界農業遺産認定申請に係る承認は見送り) |
日本農業遺産として評価された点
個人による農地の分散所有と、地域の共同組織による共有林やため池、水路の管理が伝統的に行われてきたことで、災害に対する高いレジリエンス(適応力)を持った土地利用システムが300年前から受け継がれてきたことなどが高く評価されました。
また、若い移住者による棚田オーナー制の取組や、企業と連携した森林保全活動など、多様な主体の参画による効果的な取組が行われていることも高く評価されました。
これから
日本農業遺産認定をきっかけに、地域活性化に向けた地元住民の機運が高まっています。協議会では、引き続き、関係機関・団体と連携し、束稲山麓地域の魅力や価値を広く発信していきます。
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このページに関するお問い合わせ
県南広域振興局農政部 農政調整課 企画・管理チーム
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