土木部が取り組む津波防災教育

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ページ番号1015030  更新日 令和4年7月15日

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土木部が取り組む津波防災教育

津波防災教育とはロゴ

イラスト:津波防災教育のイメージ

  津波のメカニズムや特徴および自分の生活する地域の特徴を知り、どのような備えが必要か、災害発生時にはどのように対処すればよいのかを学び、それを実践につなげられるようにするための教育のことです。

 土木部では、

  • 1、津波防災施設の効果と限界
  • 2、多重防災型まちづくり(ハード・ソフト対策の融合)

を重点テーマに、久慈広域(久慈市・洋野町・野田村・普代村)に住む子供から大人まで、すべての方が津波防災の知識を身に付け、災害時に活かせるよう、地域全体の防災力向上に向けた取り組みを行っています。

津波防災教育の実施状況

  《児童の感想》

  • 防潮堤が東日本大震災津波を止めて、街を守ったこと。
  • 津波警報等が発表された時、水門が4分以内に閉まるようになっていること。
  • 津波防災施設(防潮堤、水門、陸閘)が必ず津波を止めるもものではないため、津波が来る時はすぐ避難して自分の身を守りたい。

東日本大震災 【平成23年3月11日 14時46分18秒】

 東北地方太平洋沖で発生した大地震と、それに伴う津波により甚大な被害が発生しました。いつ起こるかわからない災害に対し、日頃の備えが必要となります。

写真:久慈市、洋野町の震災時の様子

写真:野田村、普代村の震災時の様子

津波防災施設とは…

津波から地域を守るための施設で、例えば防潮堤・水門・防波堤・陸閘(りっこう)などがあります。

写真:防潮堤および水門


【防潮堤】とは…津波から陸地を守るためにつくられた堤防で、コンクリートで出来ています。

【水門】とは…川につくられた門です。門を閉じることにより、津波が川に沿ってまちに入ってくるのを防ぎます。

写真:防波堤および陸閘


【防波堤】とは…主に波から港を守るための堤防で、津波からもまちを守ります。

【陸閘(りっこう)】とは…防潮堤のうち、車や人が通れるよう道路になった部分で、津波が来るときは扉を閉めます。

津波防災施設の「効果」と「限界」

写真:効果を説明

施設(防潮堤)の高さ>津波の高さ

 津波より高い防潮堤がまちに津波が入るのを防いだので、まちに津波の被害はありませんでした。⇒効果


写真:限界を説明

施設(水門)の高さ<津波の高さ

 水門より高い津波は水門の上を越えました。⇒限界

 このとき水門が津波の力を弱めたので、水門より陸側のまちに津波の被害はありませんでした。⇒効果

多重防災型まちづくりとは…

 『多重防災型まちづくり』とは、「最大クラスの津波」に対して、ハード対策だけではなく、ソフト対策を融合したまちづくりのことで、これにより津波被害を減らす(減災)ことを目標とします。

ハード対策とソフト対策を融合させた街づくりのイメージイラスト

 ハード対策 : 施設による直接防御

  「頻度の高い津波」に対しては、人命・財産・経済活動、国土を守ることを目標としています。防潮堤等の津波防災施設(ハード対策)により、施設より陸側への津波の侵入を確実に防ぐこととしています。

*「頻度の高い津波」とは…数十年から百数十年の頻度で発生する津波です。昭和三陸地震津波やチリ沖地震津波などを分類しています。

 ソフト対策 : 避難施設の整備、土地利用の規制、住民の高台移転、津波防災教育の推進など

 東日本大震災津波のような「最大クラス」の津波に対しては、住民の生命を守ることを最優先の目標としています。防潮堤等の津波対策施設だけでは津波の被害を防ぐことができないため、防潮堤等の整備(ハード対策)と併せて、避難施設の整備や土地利用の規制などのいろいろな対策(ソフト対策)を行い、「多重防御(ハード対策+ソフト対策)」の考え方で「減災」を目指すこととしています。

*「最大クラスの津波」とは…史上最大クラスの津波として、明治三陸地震津波や東日本津波などを分類しています。

東日本大震災の教訓を活かした津波防災施設の整備

 1、防潮堤を「粘り強い構造」とするために工夫しています。

 東日本大震災では、防潮堤を越えた津波により多くの防潮堤が壊れました。そこで倒壊のメカニズムを調査し、例え壊れたとしても、壊れるまでの時間を長く延ばし避難時間を稼ぐ事が可能となるよう、構造上の工夫(技術の導入)を行っています。


粘り強い構造とした「防潮堤」の説明図

【粘り強い構造】とするための主な工夫

  • (1) 防潮堤の裏側を舗装する
  • (2) コンクリートを厚くする
  • (3) 堤防の裏側の傾斜を緩くする
  • (4) 防潮堤の基礎を深く入れる

 2、水門・陸閘(りっこう)操作の自動化や遠隔操作化をすすめています。

 東日本大震災では、海や川の近くで水門・陸閘(りっこう)を操作していて亡くなったり、危険な目にあったりした消防団員の人たちがいました。そのため、岩手県では水門・陸閘(りっこう)を海や川から離れた安全な場所から操作することが出来るように自動化や遠隔操作化をすすめています。

写真:モニター、水門・陸閘
《消防署など、海や川から離れた場所で操作することが出来ます。》

 水門・陸閘(りっこう)の自動化・遠隔操作化の仕組みは、次のようになっています。

  • 【自動操作化】⇒津波警報などの情報を受信し、自動で閉鎖命令を行います。
  • 【遠隔操作化】⇒ボタン操作により、閉鎖命令を行います。

 水門・陸閘(りっこう)操作の自動化・遠隔操作化を行うことにより、津波の危険があるときに現地に行く必要がないため、操作員の安全が確保されます。

津波防災教育プログラム

 現在、土木部では震災からの復旧・復興に向け、津波防災施設の整備を推進しています。久慈地域に住む子どもから大人まで全ての方に、地域の安全を担う津波防災施設について理解を深めていただくことが、地域の防災力向上に向けて重要と考えており、施設整備と並行して、津波防災施設の管理者の視点による「津波防災教育・啓発活動」を行っていく必要があると考えています。

 このような考えのもと、教育部局(学校、教育委員会等)や防災部局などが取組んでいる防災教育との連携を図り、土木部が取組むと寄り効果的な津波防災教育の内容を整理し、平成26年1月に「久慈地域における津波防災教育・啓発プログラム」を作成しました。(*平成26年12月改訂)

 今後も想定される津波災害に対し、防潮堤整備等にハード対策と併せ、同プログラムに基づく津波防災教育・啓発活動を推進し、久慈地域の防災力向上に努めていきます。

写真:小学校での出前講座や施設見学の様子

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このページに関するお問い合わせ

県北広域振興局土木部 河川港湾課 河川砂防チーム
〒028-8042 岩手県久慈市八日町1-1
電話番号:0194-53-4990(内線番号:352) ファクス番号:0194-61-1123
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。