岩手県ツキノワグマ対策パッケージ
岩手県では、県内のツキノワグマに係る被害防止対策を計画的に進めていくため、「岩手県ツキノワグマ対策パッケージ」を策定しました。
パッケージの概要は、以下をご覧ください。
1 策定の趣旨
・ 全国的にツキノワグマ(以下「クマ」という。)の出没件数や人身被害が増加傾向の中、国では令和6年4月にクマを指定管理鳥獣に追加するとともに、クマ被害対策施策パッケージをとりまとめ、令和6年8月には指定管理鳥獣対策事業交付要綱を改正したほか、市街地での銃使用の規制緩和を柱とする鳥獣保護管理法の改正作業を進めています。
・ 本県では、国の動きと並行して、第5次ツキノワグマ管理計画を改定したところであり、クマ被害の課題先進県として、次の4つの柱で構成する部局横断的な中期的取組を「岩手県ツキノワグマ対策パッケージ」としてとりまとめのうえ公表し、総合的な対策を講じていくこととしました。
【4つの柱】 (1) 人の生活圏への出没防止 (2) 出没時の緊急対応 (3) クマ類個体群管理の強化 (4) 人材育成・確保
・ なお、このパッケージに記載の令和7年度以降の取組は現時点での想定であり、効果や実績を踏まえて、毎年度の予算編成において見直しを行いながら推進していきます。
期間
令和6(2024)年度から令和8(2026)年度(3年間)
2 現状と課題
・ 令和5年度は、クマの出没件数及び人身被害件数が過去最多となっており、人の生活圏への出没抑制のため、環境整備等が必要となっています。
・ クマが市街地に出没した際の対応マニュアルを整備し、マニュアルに基づく訓練を実施しているところですが、今後、市街地における銃規制が緩和された場合の体制を構築する必要があります。
・ 本県は、全国的にみても人身被害が多く、県民に被害防止の正しい知識の普及啓発が必要です。
・ これまでの農林業被害を及ぼす有害な個体の捕獲から、人の生活圏への出没を未然に防止するため、被害の有無に関わらず、人の生活圏周辺の緩衝域(里地里山)における「個体数管理」の強化が必要です。
・ クマの捕獲には危険が伴うことから、捕獲や放獣に関する正しい知識と技術を有した捕獲技術者の育成・確保が必要です。
3 目指す姿
人とクマとのすみ分けが行われ、クマの安定的な個体数が維持されるとともに、人の安全安心な暮らしと農林業生産が行われている
4 県が取り組む具体的な推進方策
(1) 人の生活圏への出没防止
人の生活圏への出没を防止するため、集落周辺での放任果樹等の誘引物の除去等の管理の徹底、農地への電気柵の設置、人の生活圏と接する山林や耕作放棄地等の刈り払いや緩衝帯の整備、クマ類の移動ルートとなる河川敷等における生息環境管理を促進します。
(2) 出没時の緊急対応
クマ類の市街地等への出没に備え、県や市町村、警察、猟友会等と連携して、地域住民と捕獲従事者の安全を確保した上で捕獲できる体制を構築するとともに、市街地での銃による捕獲の実施を見据え、「市街地等出没時対応マニュアル」の抜本的な見直しや、これを円滑に運用するための訓練の実施、人身被害を防止するための啓発を進めます。
(3) クマ類個体群管理の強化
個体群の安定的な維持を図るため、生息数等のモニタリングを実施しながら、農地周辺に出没する有害性の高い個体の捕獲や、人の生活圏への出没を未然に防止するための緩衝地帯での捕獲を進めるとともに、市町村と連携し、人とクマとの空間的なすみ分けを図るためのゾーニング管理を進めます。
(4) 人材育成・確保
クマ類は他の鳥獣と比較して、捕獲を実施する際の危険度が大きいことから、捕獲や放獣に関する正しい知識と技術を有した捕獲技術者の育成・確保を図るとともに、地域の実情に応じた被害防止対策を推進するため、クマ類の生態や対策に関して知見を有する人材を配置します。
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