JICA海外協力隊:山口 碧さん(ブラジル派遣)
- やまぐち みどりさん
- 日系社会青年ボランティア(コミュニティ開発)
- ブラジル連邦共和国派遣(2019年1月から)
あなたの近況を教えてください。
・間もなく2年という任期を迎えますが、活動の成果や今後の課題について教えてください。
地域の活気と一体感を生み出せたことが成果です。赴任直後は住民の間でコミュニティとの関わりに対する温度差があり、それぞれが別々に活動している印象がありました。そこで始めた住民参加型ワークショップや地域おこしプロジェクトを通して、現地の人々が互いの考えを知り、地域のビジョンを共有した上で同じ目標に向かって活動を進めることができました。持続可能な地域開発の方法とプロセスの一例を住民の方々に実際に地域活動に参加してもらいながら提示することができたと考えています。また活動分野ごとにチーム分けをして組織化を図り、効率的かつ継続的に活動できる地域の体制をつくれたことも成果の一つです。
一方、新型コロナウイルス感染症拡大のため、3月末から配属先等の活動やプロジェクトは全て中断されています。そして私達隊員は急遽全員一時帰国となり、7月末現在も再赴任できる日を待っている状態です。活動先の日系社会では、こうしたソーシャルディスタンスの影響で一部の人々がコミュニティから距離を置こうとする動きも見られます。また高齢化した農村部であり、インターネット環境が整わない中、オンラインでの会議やイベントの開催も難しい状況です。これまで積み重ねてきた活動や住民同士の関係、現地の人々のモチベーション維持が課題です。
・忘れられないエピソードはありますか。
特産品開発もち米プロジェクトにおいて、収穫時の地域の皆さんの笑顔が印象的でした。計画段階や栽培過程では、住民の気持ちと行動を一つにすることに苦労しました。しかし収穫の際に皆さんが嬉しそうな表情で生き生きと作業に参加している様子から地域活動への関心の高まりと達成感が伝わってきました。また販売方法や加工品づくり、次回の栽培計画などについて自発的に話し合ったり行動を起こし始めたりするリーダーたちが出てきました。「あなたが来てから地域の団結が強まり活動が活発になった。」と住民の方々に言ってもらった時は、プロジェクトを実施して良かったと感じました。
・海外で培った経験を今後どのように活かしていきたいですか。
異なる文化を学ぶ価値や楽しさを岩手の若い世代に伝えていきたいです。また岩手で暮らす外国人のサポートや県民向けの国際交流活動に携わり、岩手の多文化共生社会の推進に活かしていきたいと考えています。
岩手に関することについて教えて下さい。
・岩手(日本)を離れて、あらためて感じた岩手(日本)の良いところはありますか。
自然の豊かさと真面目で忍耐強い県民性です。今回のパンデミックの中、岩手が早くから対策を講じていたことや感染未確認が長く続いたことからブラジルのニュースサイトでも特集され注目されていました。今回を機に岩手の生活環境や県民性、風土に関心を持った人たちは国内外にたくさんいたのではないかと思います。
岩手県の皆さんにメッセージをお願いします。
青年海外協力隊として活動した時間はとても濃く、新しい発見に溢れ、感動が詰まっていました。コロナが収束したら、ぜひ岩手の皆さんもこのような事業を活用して体験してもらえたらいいなと思います。
その他何かありましたら御自由にお書き下さい。
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