岩手県「復興の火」
~2日間、ご来場ありがとうございました~
岩手県知事による「復興の火」宣言
ギリシャで採火された火が、東京2020オリンピック競技大会聖火リレーに先立ち、「復興の火」として、本日、岩手県宮古市に到着しました。そして、宮古駅をスタートして、今日と明日、県内各地を巡ります。
改めて、平成25年9月7日、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで行われたIOC総会で、東日本大震災という未曽有の大災害から復興を進める日本の、首都・東京が、「復興五輪」の意義について世界中から多くの共感を得て、オリンピック開催都市として選出されたことを思い出します。
平成23年3月11日、我が国観測史上最大規模の巨大地震が生み出した凄まじい津波により、本県において、4,674名もの方々の尊い命が奪われ、また、この震災が原因となって469名の方が亡くなられました。
そして、今もなお、1,112名の方々が、行方不明となっています。
東日本大震災の直後には、本県だけで最大5万人を超える方々が避難所での生活を強いられましたが、以来、9年間、復旧、復興に向け、県民一丸となり取り組んでまいりました。
災害廃棄物の処理、被災した漁船や養殖施設の整備が完了し、復興道路や津波防災施設、災害公営住宅の整備、商業施設や水産加工施設の再開、被災したすべての県立病院や公立学校施設の復旧が完了するなど、復興の歩みは、たゆまず進んでいます。
本日「復興の火」を運ぶ三陸鉄道は、一昨日の3月20日、全線の運行が再開いたしました。東日本大震災、平成28年台風第10号災害、そして台風第19号による災害も乗り越えながら復旧・復興の歩みを進めている本県を象徴する存在です。
東日本大震災、そして度重なる台風被害からの復旧と復興にあたって、国内・国外からの支援に改めて感謝申し上げます。
そして、支援に対する感謝の気持ちと復興への誓いを、この「復興の火」に込めて、岩手から送り出したいと思います。
全世界で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症対策に、世界の人々が取り組んでいます。東日本大震災からの復興では世界を結ぶつながりが、大きな力を発揮しました。このような「絆」によって、必ずや世界は新型感染症からの危機を克服できるでしょう。
平和のもとで、世界の人々が自由にスポーツを通じて交流出来るように、そのような「復興五輪」の成功に向け、「復興の火」宣言をいたします。
令和2年3月22日 岩手県知事 達増 拓也