環境対策
岩手県では、簗川ダム建設予定地とその周辺における自然環境保全対策の策定を目的として、平成5年から環境調査を行なっています。
平成8年12月には、猛禽類の生息や生育環境を踏まえ、ダム建設に伴う付替道路計画の今後の方針について検討することを目的とする「周辺環境調査検討委員会」を設置しました。
その後、上記委員会に代わって、動植物を含む生態系の環境保全の方針及び保全措置の計画検討を目的とする「簗川ダム周辺自然環境検討専門委員会」を平成13年12月に設置しています。
これらの委員会で示された方針を基に平成9年度から工事用道路・付替国道・付替県道の工事に順次着手しています。
自然環境調査
これまでに行なった自然環境調査は、次のとおりです。
- 環境調査(現地踏査・資料収集、地域概要の把握、文献調査)
- 動物調査(哺乳類、鳥類、昆虫類、両生類・爬虫類、魚類、底生動物)
- 植物調査(現存植生、植物相、注目すべき植物)
- 希少猛禽類(クマタカ等)の生息状況及び繁殖状況調査
- 注目すべき植物生育状況調査
- 注目すべき蝶類生息状況調査
- 付替道路工事に伴い重要な植物種の保全措置を実施し、その後の経過をモニタリング
- 道路法面評価
- 環境影響評価報告書の作成
詳細については添付の「年度別周辺環境調査等一覧表」をご覧ください。
保全対策
これまでに行った保全措置は、次のとおりです。
- 猛禽類営巣地付近において工事を行なう際は、専門家の指導・助言を受けるとともに、繁殖に成功した年の繁殖期における営巣地付近のピーク騒音レベルを超えないよう配慮しました。
- 沢水を処理するために設置した道路を横断するボックスカルバートに動物の通路(けもの道)を確保しました。
- 付替道路は地形・地質条件と経済性を考えて、森林の伐採面積を極力減らすよう設計しています。
- 発破等による振動や騒音は、周辺住民の方々若しくは希少猛禽類に影響があると考えられることから、この影響を軽減するため、付替道路のトンネル工事では、防音扉やサイレンサーを設置しました。
- 法面保護工は周辺の植生に影響を与えないよう、在来種が生育しやすい工法を検討しており、そのための試験施工を行ないました。
- 斜路付き側溝を設置し両生類へ配慮しています。
- 付替道路工事による改変区域内の希少植物を移植しています。
- 自然に配慮した沢部の処理(河川切替)を行なっています。
環境影響評価
簗川ダムは、環境影響評価法や条例の適用を受けませんが、事業区域周辺は自然環境が豊かな地域であることから、事業者が自ら県条例と同等の環境影響評価を行なうこととしました。
なお、環境影響評価は、平成13年度再評価時点におけるダム計画を基に行なっております。しかし、その後の社会経済情勢の変化に伴い、事業に参加していた『かんがい用水』は撤退するとともに『水道用水』は取水量が減少となりました。その結果、ダムに貯水する量が少なくなることから、当初の計画より湛水面積が減少となりました。
このことにより、環境への影響も縮小すると考えられることから、この計画の見直しに伴う本書の見直しは行なわないものとします。
本事業による環境影響評価は、法や条例の適用を受けないことから、名称を「報告書」としております。
『簗川ダム建設事業 環境影響評価報告書』は、県庁1階「行政情報センター」及び盛岡地区合同庁舎1階「行政情報サブセンター」にて閲覧できます。『概要版』は添付の「環境影響評価報告書 概要版」をご覧ください。
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このページに関するお問い合わせ
盛岡広域振興局土木部 河川砂防課 河川チーム
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