岩手県内水面水産技術センター
業務概要
岩手県は、豊かな森林からもたらされる豊富な水により、多くの河川でアユや渓流魚を対象とした漁業や遊漁が行われており、ニジマスやヤマメ、イワナなどの淡水養殖は中山間地域の重要な産業の一つです。また、自然環境が残された水辺では魚を通じて自然に親しむ機会も多くあります。
岩手県内水面水産技術センターは、岩手山からもたらされる豊富で清浄な湧き水が確保できる現所在地に昭和34年の開設以来、ニジマスやイワナ、ヒメマスなどの養殖技術の開発やその卵や稚魚の供給を行うとともに、アユ増殖に関する研究や魚類防疫及び魚病診断や指導等も行っています。また、近年では、増殖要望の高いサクラマス増殖に関する研究や刺身需要に対応した、ニジマス全雌3倍体等のバイテク種苗の量産化、海面養殖用種苗の開発にも取り組んでおります。
沿革
養鱒関係
- 昭和27年(1952年)
遠野市に県営の青笹養鱒場が開設される - 昭和30年(1955年)
青笹養鱒場が淡水魚指導所青笹養鱒場に組織換えとなる - 昭和32年(1957年)
淡水魚指導所青笹養鱒場が岩手県青笹養鱒場に組織換えとなる - 昭和34年(1959年)
岩手県青笹養鱒場が廃止され、サケ科魚類の飼育に適した豊富な湧水がある松尾村(現在地)に岩手県養鱒場として開設 - 昭和54年(1979年)
岩手県内水面水産指導所に名称変更 - 昭和57年(1982年)
魚病による養殖の生産性低下を抑えることを目的に魚病指導総合センターを併設 - 平成元年(1989年)
岩手県内水面水産試験場に名称変更 - 平成6年(1994年)
岩手県内水面水産技術センターに名称変更して現在に至る
養鯉関係
- 昭和13年(1938年)
岩手郡太田村(現盛岡市)に淡水魚増殖場が開設される - 昭和26年(1951年)
淡水魚増殖場が廃止され、紫波郡赤石村(現紫波町)に赤石淡水魚ふ化場が設置される - 昭和27年(1952年)
赤石淡水魚ふ化場が淡水魚指導所赤石ふ化場に組織換えとなる - 昭和32年(1957年)
淡水魚指導所赤石ふ化場が岩手県紫波養鯉場に組織換えとなる - 昭和37年(1962年)
岩手県紫波養鯉場が岩手県養鯉場と名称を変える - 昭和54年(1979年)
岩手県養鯉場が岩手県内水面水産指導所紫波支所に組織換えとなる - 平成元年(1989年)
岩手県内水面水産指導所紫波支所が岩手県内水面水産試験場紫波養鯉場に組織換えとなる - 平成4年(1992年)
岩手県内水面水産試験場紫波養鯉場が廃止される
おもな業務
1 サクラマス増殖に関する研究
- 種苗生産技術開発:遡上系県産種苗を当センターで親まで飼育し、50万尾の放流用稚魚を安定的に生産する技術を令和2年度に確立しました。
- 放流技術開発:2河川をモデル河川と選定し(安家川及び豊沢川)、河川での放流サクラマスの動態や天然親魚の資源動向を把握するなど各種調査に取り組んでいます。
2 内水面増殖に関する研究
- 天然資源を考慮した効果的なアユ増殖手法検討のため、天然稚魚のそ上状況調査を実施しています。
- ヤマメ、イワナ種苗放流効果向上のため、天然魚と養殖魚の交配による種苗生産、放流技術の開発に取り組んでいます。
3 魚類防疫及び魚病診断・治療に関する研究
養魚業者等からの依頼により魚病診断や治療指導を行うとともに、水産用医薬品の適正使用の指導や最新知見の情報提供に取り組んでいます。
4 新たな養殖種目の開発に関する研究
- 内水面における刺身用の大型魚の生産効率化のため、サクラマス、ヒメマス等の全雌3倍体魚の生産技術開発に取り組んでいます。
- 海面でのサーモン養殖推進のため、選抜育種による優良種苗開発に取り組んでいます。
5 さけ・ますふ化場実態調査
県内のさけ・ますふ化場の魚病発生状況を調査するとともに、北上川水系の各ふ化場については巡回調査や現地研修会を通じて適正な飼育管理について指導しています。
6 カワウ等鳥類による食害被害調査
内水面漁業・養殖業におけるカワウ等鳥類の食害被害防止対策のため、捕獲個体の胃内容物調査を行うとともに、最新の技術情報を提供しています。
7 マス類種苗生産及び生産物供給
岩手県内水面養殖漁業協同組合(電話:0195-78-2086)に委託して、ニジマス、イワナ、ヒメマス等の種苗(種卵・稚魚)や成魚を生産し、県内の養殖業者や漁協等に供給しています。また、ご当地サーモンブームに対応して刺身用バイテク種苗の量産化に取り組んでいます。
お問い合わせ先
- 所在地
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〒028-7302 岩手県八幡平市松尾寄木1-474
- お問い合わせ先
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電話:0195-78-2047
ファクス:0195-78-2549
問い合わせ専用フォーム