令和5年 年頭における知事訓示

ページ番号1061161  更新日 令和5年1月4日

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とき:令和5年1月4日(水曜日)
ところ:県庁3階 第一応接室(録画)
対象者:全職員

年頭における知事訓示

 令和5年の年頭に当たり、訓示を行います。

 

 昨年は、コロナ禍やロシアによるウクライナ侵攻、原油価格・物価高騰など、全国的に閉塞感が漂う中、北京オリンピックにおける小林陵侑選手や永井秀昭選手のメダル獲得や岩渕麗楽選手の超難度の大技への挑戦に感動し、大谷翔平選手のベーブ・ルース以来、104年ぶりの同一シーズンでの2桁勝利・2桁本塁打、佐々木朗希選手の史上最年少での完全試合達成に歓喜するなど、スポーツの力が県民に大きな活力を与える年となりました。

 さらに昨年は、「日本スポーツマスターズ2022岩手県大会」や岩手県で初めてとなる「IFSCクライミングワールドカップいわて盛岡2022」が開催され、国内外から多くの方が岩手を訪れ、岩手のおもてなしや食、歴史、文化などの魅力を伝える機会となりました。

 来月には「いわて八幡平白銀国体」が開催され、4月に盛岡市と共同で整備を行っている「いわて盛岡ボールパーク」の供用開始が予定されています。

 今後、スポーツへの関心が一層高まり、スポーツが生み出す人的・経済的な交流が、地域の力となるよう取り組んでいきましょう。

 

 新型コロナウイルスの流行からほぼ3年が経過しました。

 これまで、職員の皆さんには、感染した方への対応や感染拡大防止、社会経済活動への支援など、様々な対策に全力で取り組んでいただきました。

 昨年は、感染力の強いオミクロン株が猛威を振るい、8月下旬をピークとした第7波、そして11月にはそれを超える第8波が到来するなど、県内でも感染が広がりました。

 これまでにない規模の感染者が確認され、全庁的に業務継続計画(BCP)を実行し、多くの職員がコロナ対応への業務支援を行うなど、新型コロナウイルス感染症対応に尽力いただいていることに改めて感謝します。

 新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中で、原油価格・物価高騰により、多くの個人・事業者がさらなる困難に直面しています。

 引き続き、関係団体等からの意見も広く伺いながら、必要な対策について、適時適切に、そして臨機応変に対応していきましょう。

 今後とも、職員一人ひとりが、基本的な感染対策をしっかりと継続しながら、県民の命と健康を守り、社会・経済活動を支えていきましょう。

 

 東日本大震災津波から、今年の3月11日で12年となります。

 これまで、職員の皆さん、そして、全国の自治体等からの応援職員の皆さんとともに復興の取組を着実に進めてきました。

 今後も、残された社会資本を早期に整備するとともに、被災者のこころのケアや新たなコミュニティ形成の支援、水産業における水揚げ量の減少対策や担い手の確保、商工業における販路回復や従業員の確保など、引き続き復興に取り組む必要があります。

 今年6月には天皇皇后両陛下の御臨席のもと、高田松原津波復興祈念公園で第73回全国植樹祭を開催します。

 岩手の豊かな森林環境を国内外の皆様に実感していただき、森林環境の保全に向けた機運を盛り上げるとともに、復興の姿とこれまでの支援に対する感謝を伝えられるよう、関係機関や団体をはじめ、県民が一丸となって準備を進めていきましょう。

 昨年、「岩手県地震・津波被害想定調査報告書」を公表しました。

 将来、発生が予想される巨大地震津波に備え、沿岸市町村と共に、今年の夏を目途に、被害想定を踏まえた具体的な減災対策を取りまとめることとしています。

 岩手県では、これまでも何度も大きな津波被害に見舞われてきましたが、決してくじけず、県民が協力し合い、苦難を乗り越えてまいりました。

 この過去の教訓を活かし、犠牲者ゼロを目指して、市町村や県民、関係団体等とともに、全力を挙げて対策に取り組んでいきましょう。

 

 昨年は、「いわて県民計画(2019~2028)」第1期アクションプランの最終年度を迎え、新型コロナウイルス感染症の対応とともに、幸福を守り育てるための取組を進めてきました。

 県政の各分野で多くの進展がありました。「早池峰神楽」や「吉浜のスネカ」などに続く、永井の大念仏剣舞や鬼剣舞を含む「風流踊」のユネスコ無形文化遺産登録、日本初進出となる「ハロウインターナショナルスクール安比ジャパン」の開校と県との連携協定の締結、医療的ケア児と家族を支援するための拠点となる「岩手県医療的ケア児センター」の開設や障害者支援施設「みたけの杜」の開所、キオクシア岩手の北上工場第2製造棟の建設開始やTDKエレクトロニクスファクトリーズ北上工場の増設などの半導体関連産業の集積、県オリジナル八重咲りんどうの新品種「いわて八重の輝きブルー」の本格出荷、「いわて県産木材等利用推進本部」の設置による県産木材の一層の利用促進、国道4号盛岡南道路や国道45号山田北インターチェンジのフルインターチェンジ化の事業決定、幼稚園や保育所、認定こども園などの修学前教育推進の拠点となる「いわて幼児教育センター」の開所など、それぞれ関係部局の尽力により、力強く進めることができました。

 社会経済情勢の大きな変化を踏まえながら、今年も、各分野において、成果を出していきましょう。

 

 「いわて県民計画(2019~2028)」第2期アクションプランは、間もなく最終案を取りまとめます。

 第1期アクションプランの評価結果や東日本大震災津波からの復興の進捗、新型コロナウイルス感染症の影響などの社会経済情勢の変化等を踏まえ、市町村や企業、団体など、様々な主体から広く意見を伺いながら策定に取り組んできました。

 第2期政策推進プランでは、人口減少対策に最優先で取り組むこととしており、 男女がともに活躍できる環境づくりを進めながら、結婚・子育てなどライフステージに応じた支援や移住・定住施策を強化すること、GX(グリーントランスフォーメーション)を推進し、カーボンニュートラルと持続可能な新しい成長を目指すこと、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、デジタル社会における県民の暮らしの向上と産業振興を図ること、そして、災害や新興感染症など様々なリスクに対応できる安全・安心な地域づくりを推進すること、この4つを今後、取組を強化すべき「重点事項」としています。

 岩手県の人口は、自然減と社会減が相まって減少が続いており、未婚化・晩婚化や仕事と育児の両立の困難さなどを背景とした出生数の減少、若者を中心とした転出超等が大きな要因となっています。

 昨年は、「いわてで生み育てる支援本部」の自然減対策と、「いわてで働こう推進本部」の社会減対策の相乗効果を発揮させ、人口減少対策の一層の推進を図るため、「人口問題対策本部会議」を開催し、全庁挙げた取組を強化しました。

 4月には組織体制を強化するとともに、取組に必要な予算を重点的に措置し、全庁一体となった人口減少対策を一層強力に推進します。

 そして、人口減少対策で成果を得るには、県だけではなく、市町村をはじめとする多様な主体の取組が不可欠です。

 県や市町村、企業、団体など、県民が一丸となって、オールいわてで人口減少対策を強力に推進し、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわてを実現していきましょう。

 

 新型コロナウイルス感染症の拡大によって、職員やその家族に感染が広がるとともに、濃厚接触による自宅待機を余儀なくされるケースも増えています。

 職員の皆さんの心身の健康を保ちながら、様々な政策課題の解決に取り組む姿勢が今まで以上に求められています。

 そのため、ペーパーレス化や電子決裁・文書管理システムなどによる業務の効率化、サテライトオフィスやリモートワークなどによる柔軟な働き方の推進、ワーク・ライフ・バランスを重視し奨励する組織風土の醸成など、「岩手県庁働き方改革ロードマップ」に基づき、引き続き職員の働き方改革を進めていきましょう。

 職員の働き方改革は、持続可能な県民サービスの提供を実現するためだけのものではありません。職員一人ひとりが、仕事と生活の調和を保ち、明るく、いきいきと生活するためのものでもあります。

 岩手県職員憲章に掲げる5つの信条、「県民本位」、「能力向上」、「明朗快活」、「法令遵守」、そして「地域意識」に常に立ち返りながら、引き続き、力を合わせて取り組んでいきましょう。

 

 岩手県は今、大谷翔平君のように、個人が岩手県をベースにして、経済的に、あるいは社会的に、全国や海外で活動できるようになっています。

 岩手県に居ながらにして全国や世界の情報を知り、また全国や世界に移動することも容易になり、全国・世界に通用する活動を行うことができるようになっています。

 また、岩手に生まれ育った人のみならず、県外や海外から岩手に来た人たちも同じように、岩手県をベースに自由に自己実現をすることができます。

 このように全ての岩手県民と岩手に関わる全ての人たちが、岩手県をベースに自己実現し、お互いに幸福を守り育て、そして誰もが希望をもてる岩手であり続けられるよう、今年1年頑張ってまいりましょう。

 

 職員の皆さんの活躍、そして御多幸を祈念して新年の訓示といたします。

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