知事訓示

ページ番号1068583  更新日 令和5年9月7日

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とき:令和5年9月6日(水曜日)
ところ:知事室(テレビ中継)
対象者:全職員

 この度、岩手県知事選挙に当選し、岩手県知事を務めることになりました達増拓也です。

 今回の選挙では、いわて県民計画と第2期アクションプランの内容、それにマニフェストプラス39という新しい政策を加えたものを紹介し、広く県民の皆様に浸透し、評価をいただいたものと考えています。

 選挙運動を通じて感じましたのは、県民の皆さん、燃料費・物価高騰に対して、非常に強く影響を受け、心配をし、また困っているということです。生活、事業、仕事、特に農業を始めとする一次産業、そういったところで県の支援を求める声、強くいただきましたので、しっかり対応していきましょう。

 そして、政策の柱として打ち出した人口減少対策。人口減少対策を政策の柱として、それに様々な政策を関連させて政策体系を訴えていったわけです。この人口減少対策については、まずは生きにくさを生きやすさに変える。結婚、出産、子育て、これが難しいような、十分な収入が得られないような状態から、きちんと十分な収入、特に賃金、一定の水準の賃金を確保し、十分な収入が得られるようにするということ。また、忙し過ぎてもいけませんので、結婚、出産、子育てと両立する働き方にする。そういう働き方改革。働き方改革は特に女性の働き方が大事だということで、女性の働き方改革を突破口にすれば、男女問わず働きやすくなり、かつ様々な障がいのある人もない人もというような、共生社会の推進にも働き方改革というのが突破口になっていくというような話をし、広く受け入れていただいたと思います。

 それに、全国トップレベルの子ども・子育て支援。これについては多くの県民の皆さんが関心を持ち、うんうんと、うなずいて話を聞いてくださいました。期待が高く、また、既にその成果、「自分も4月から子どもの保育料が無料になって助かった。」とか、「8月から子どもの医療費、窓口負担、現物給付、これも大変助かっている。」というような話も聞きましたので、これもしっかり進めていきましょう。

 また、交流人口対策、人口減少対策であると同時に、一つの大事な柱でもあるのですけれども、ニューヨーク・タイムズの記事の効果を紹介しながら、より岩手の地域の魅力を全国に、海外に発信し、交流人口を拡大して、それを人口減少対策にも繋げていこうという話は、県内の随所で、これもうんうんと、うなずいて聞いていただきました。

 ニューヨーク・タイムズが注目した、盛岡の良い所というのは、住民の皆さんが普段から利用している飲食店やお店、住民の皆さんが普段から歩いている公園や道、こうした所の良さというのは、生活文化の良さで、盛岡以外、岩手で広く生活文化の豊かさというのがあるのですが、生活文化というくらいで、住民の皆さんの生活が苦しくなってくると、外食する余裕が無くなってくるとか、喫茶店に寄る余裕が無いとか、また映画館や書店も生活文化でしょうから、そういうところにお金を出す余裕も無くなってくると、生活文化が衰えていきますので、県民生活をしっかり支えることが、生活文化の豊かさを維持・発展させることに繋がり、交流人口の拡大にも繋がっていくと、そういう話をしてまいりましたので、これも頑張って取り組んでいきましょう。

 それから、人口の少ない町村を重視するということを強調しました。人口減少対策上、子ども・子育て支援では、人口の少ない町村は、むしろ何年も前から様々な分野での無償化を先行して進めていて、そういうところに対して、交流人口拡大などでは、県として力を入れて、優先的に対応していくということが必要だというふうに改めて感じたところです。

  一番人口の少ない普代村でありますとか、それから町としても人口が少ない葛巻町でありますとか、そういったところに人が行くようにしますと、そういう人たちというのは、盛岡市を通ったり、あるいは飛行機で来れば花巻市ですとか、沿岸から来れば宮古市、北から来れば二戸市、市を経由して人口の少ない町村に行くという人の流れが増えていくということは、市にとってもそれはメリットで、岩手全体の交流人口が拡大していくということにもなりますので、そういう戦略的といいますか、そういった面からも、人口の少ない町村を交流人口対策上、重視していくことが必要だというふうに考えます。

 また、人口の少ない町村の中には、選挙結果、私の票が次点候補の票よりも少なかった所がありますけれども、それは決して人口の少ない町村を重視しようという政策に反対されてそうなったわけでもなく、特にいわゆる北・北道路のような具体的な政策に反対されて私の票が伸びなかったわけではなく、私の事前の段階から含めて、運動が足りず、政策を十分浸透させないまま投票日を迎えたからそういう結果になったと反省しておりますので、今からでもそういう政策を伝えながら、その地域に、より丁寧に対応し、そして政策を実行していくようにしたいと思います。その地域にとって良い政策であるということについては、合意ができると思っておりますので、そのように進めていきたいと思います。

 選挙運動期間を通じて、沿岸地方の復興の状況、非常に進んでいるなという印象を受けました。復興道路、これは選挙運動にとっても非常に移動に便利で役に立ちました。また、様々な所の工事現場で働いている方々、猛暑の中で一生懸命働いてらっしゃいましたけれども、107号の仮橋を造って、やがて今までにないようなトンネル掘って、107号を改良していく工事のスケールの大きさや、そこで働く人たちの誇りに満ちた働き方など、非常に印象に残りました。

 そして、稲刈りの直前の田んぼのあぜ道の草刈りの時期でしたので、県北、県南、沿岸、山の方もあちこちで草刈りが行われていて、多くの場合、1人でヘクタール単位になるような田んぼの草刈りをやってらっしゃって、猛暑の中、かつ燃料費・物価高騰で、経営は大変であるにもかかわらず、なりわいに励み、選挙カーから私が声を掛けますと、大変朗らかに手を振り返してくださるという、そういう姿に非常に打たれました。こういう一人ひとりを大切にしなければならない。県民一人ひとりを大切にする県政ということを改めて大事にしなければならないと思ったところです。

 今回の選挙運動を通じて、県民と知事との距離が一層近づいた感じがします。県民の知事に対する関心はより高くなり、また知事も県民に対してより関心を強めたというような、そういうことがあり、より絆が強まったというふうに思います。5期目の知事としての仕事を始めるに当たり、やはりそのような県民の皆さんに選ばれた、改めて選び直された存在として、まずは県民の皆さんとの関係というのを大事にしていきたいと思っておりますので、そういう県民の代表として、まず知事の仕事をさせていただくということを、冒頭改めて確認したいと思います。

 そして県職員の皆さんと知事との関係というのも、改めて県民の皆さんにそういう関係を繋ぎ直していただいたということで、初心に返って、丁寧に、フレッシュな気持ちで仕事をしていきたいと思います。

 そして職員の皆さんには、それぞれ県職員とは何か、県職員とはどうあるべきかということを、改めて初心に返りながら、仕事をしていくことをお勧めしたいと思います。私自身、今、初心に返りフレッシュな気持ちでいるところでありまして、知事の人間は交代していないのですけれども4期目から5期目、その間には県民の負託という、決定的に新しい関係の繋ぎ直しがあり、そういう意味で県組織としても、新しい時代を今日からスタートさせるという、そういうフレッシュな気持ちで仕事をしていってほしいと思います。

 様々、変化の大きい世の中で、世界や全国の動きを見ながら仕事をしていかなければならない。そういう時こそ原点に返って、県職員とはどうあるべきか、その中で新しいあり方、新しい考え方、新しい政策、新しい仕事の仕方などなど、どんどんそういうものが生成されていくことを期待したいと思います。ともに新しい岩手を生成してまいりましょう。以上です。

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