知事からのメッセージ 平成28年12月
平成28年12月3日
12月3日、長野市で「いわて三陸復興フォーラムin長野」を開催しました。
当日は、務台俊介内閣府大臣政務官兼復興大臣政務官を来賓としてお迎えした中、阿部守一長野県知事、信州大学の菊池聡地域防災センター長と私の3人で「地域で進める災害からの復興」をテーマに鼎談を行いました。また、岩手県と長野県で、東日本大震災津波や平成26年11月に発生した長野県神城断層地震からの復興に取り組まれている方々をパネリストにお迎えし、「地域の復興力」をテーマにパネルディスカッションを行いました。
これまでの復旧・復興の歩みや支援活動を振り返り、災害の経験を共有することで、今後想定される災害への備えや、地域が持つ復興力について考える貴重な機会となりました。
岩手県では、災害廃棄物処理の完了、災害公営住宅の整備、被災した漁船や養殖施設の整備、グループ補助金を活用した事業所の再開など、復興に向けた歩みを着実に進めていますが、震災直後から現在に至るまで、全国の自治体や関係機関から多くの人的な支援をいただいています。特に長野県からは、これまで、大阪府、東京都に次ぎ、県の中では最も多い82名の応援職員を派遣いただいているところです。
今後も、全国、そして世界の皆様との「つながり」や「絆」を大事にしながら、被災の経験を希望に変え、必ず復興を果たし、以前よりもっと生き生きとしたふるさと岩手・三陸を実現するよう努めて参ります。
平成28年12月5日
12月5日、盛岡市で、ILC(国際リニアコライダー)の研究者が集う国際会議「LCWS(リニアコライダーワークショップ)2016」が開幕しました。
ILCは、全長31キロメートルから50キロメートルの地下トンネルに建設される加速器を中心とした世界最先端の大規模研究施設です。ILCによって電子と陽電子を光速に近い速度まで加速して衝突させることで宇宙誕生(ビッグバン)直後の状態を再現し、その際に現れる「ヒッグス粒子」などの様々な粒子を観測することで、宇宙誕生の謎に迫ります。世界中の研究者が協力し、「世界に1つだけ」建設する国際プロジェクトで、岩手県と宮城県にまたがる北上山地が建設候補地となっています。
LCWSは、国際共同研究を推進するLCC(リニアコライダーコラボレーション)の主催で、毎年、欧州、アジア、北米の持ち回りで開催され、12月5日から9日までの5日間、ILCの建設候補地である岩手県に世界中から約350名の研究者が集い、ILC計画の実現に向けた課題などが協議されます。
開会式には私も出席し、北上山地でのILC実現に向けた期待と熱意をお伝えしました。また、LCWSを通じて、参加している研究者の方々に対し、ILC建設候補地の状況やILC実現に向けた東北の様々な取組を紹介し、地元の熱意を伝え、ILC実現に向けた機運を一層高めていきたいと考えています。
東日本大震災津波からの真の復興を果たすためには、震災前の状態に戻すだけではなく、東北、そして日本復興の象徴となる取組が求められます。ILCの実現は、まさに岩手の未来を創造するビッグプロジェクトになると考えています。今後も、岩手そして東北の産学官が連携しながら、ILCの実現に努めて参ります。
平成28年12月8日(1)
12月8日、東京都で、岩手県オリジナル水稲品種「岩手118号」名称・ロゴマーク発表会を行いました。
岩手118号の名称は、「金色の風(こんじきのかぜ)」です。「金色」は、“黄金文化”や“黄金の國”など、岩手県をイメージさせる言葉であり、また、たわわに稔った黄金色の“稲穂”を連想させます。また、「風」は、豊かな岩手の“風土”を表すとともに、日本の食卓に新たな“風”を吹き込むイメージを表現しています。
当日は、女優・創作あーちすとの「のん(本名:能年玲奈)」さんにスペシャルゲストとしてご出演いただき、力強い応援メッセージをいただきました。
県オリジナル水稲新品種としては、「金色の風」の一足先に本年10月「銀河のしずく」が市場デビューしました。白くてつやがあり、“かろやかな口あたり”と“ほのかな甘み”を楽しめる「銀河のしずく」は、先月行われた日経トレンディが主催する「米のヒット甲子園」において、“今一番食べてほしい米”として見事大賞に選ばれました。
一方、「金色の風」は、国産米の常識を打ち破る“ふわりとした食感”と“豊かな甘み”を楽しめるお米で、全国最高水準の品質と食味を備えており、全国に誇れる岩手県の最高品種として、平成29年秋に市場デビューします。「金色の風」は、県が定める品質目標を達成したお米だけを出荷し、最高の品質を求める消費者の皆さんの期待に応えていくこととしています。
今後とも、岩手県オリジナル水稲新品種「金色の風」と「銀河のしずく」の両ブランドを核として、県産米の生産、流通、販売に関わる機関・団体が一丸となって、岩手県産米の評価・知名度向上の取組を強化し、全国トップクラスの米産地の形成に努めて参ります。
平成28年12月8日(2)
12月8日、東京都で、岩手県産プレミアムりんご「冬恋」スペシャルステージを行いました。
「冬恋」は、岩手生まれの黄色りんご品種「はるか」のうち、糖度や蜜入りに厳しい基準を設けて選定された、甘みと美味しさ、美しさを備えた最高級プレミアムりんごです。全ての実にたっぷり蜜が入った「冬恋」は、その名のとおり、寒さの中でほのかに灯る冬の恋、極甘でスイーツのような味わいが楽しめます。
当日は、恵比寿ガーデンプレイス・センター広場のクリスマスイルミネーションに特設ステージを設け、「冬恋」のイメージに沿った高級感と透明感を演出、私とのん(本名:能年玲奈)さんがプレゼンターとして、「冬恋」の魅力をアピールしました。
「冬恋」は、究極のおいしさの証です。是非、皆様には、岩手が誇るプレミアムりんご「冬恋」を味わっていただきたいと思います。
平成28年12月10日
12月10日、盛岡市で「『メイカー塾』キックオフイベント」を開催しました。
ICTや3Dプリンター、レーザー加工機等のデジタル工作機器の進化によって、ものづくりが身近になり、一人ひとりが「物の作り手(メイカー)」となることができるようになりました。誰もが自らのアイデアを「もの」として形づくり、様々な方々と価値や技術を共有することで、社会全体の「創造性」と「多様性」を高め、豊かな世界を目指していく新たな潮流として「メイカームーブメント」が展開されています。このムーブメントは、世界的な広がりを見せ、日本においても、「ファブラボ」など多くの市民工房が開設されたり、メイカー達の祭典「メイカーフェア」が盛大に開催されたりしています。
当日は、岩手県でメイカーを育てる人材育成の取組「メイカー塾」のキックオフとして、私も参加して、メイカームーブメントの取組を実践し活躍されている県内外の有識者の方々とともに、岩手におけるメイカームーブメントの展開の可能性について語り合うクロストークを行いました。
「メイカー塾」の取組を通じて、多くの県民の方々にメイカームーブメントを知っていただくとともに、ものづくり人材としての「メイカー」を育成し、イノベーションによる新たな価値の創造や地域課題の解決などに結び付けていきたいと考えています。
平成28年12月18日
12月18日、東京都で「第2回いいね!地方の暮らしフェア」が開催されました。
このイベントは、将来世代を支える社会を実現するため、私を含めた13県(岩手県、宮城県、福島県、長野県、三重県、滋賀県、鳥取県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、高知県、宮崎県)の知事で結成された「日本創生のための将来世代応援知事同盟」が、首都圏在住の若い世代に向けて地方の暮らしの魅力をアピールし、地方への移住を促進していくことを目指して開催したものです。
当日は、私も参加し、トークショー「地方で暮らす・地方で子育て」のコーナーで、岩手の子育て環境の良さを紹介しました。また、スペシャル婚活イベントでは、岩手県出身でAKB48チーム8の佐藤七海さんや、いわてまるごとおもてなし隊の三陸鉄男さんとともに岩手の魅力をアピールしました。
そして、当日イベントに参加した11県知事全員で、地方で誰もが希望をかなえ活躍できる社会、結婚して子育てに幸せを感じられる社会を目指して行動していくことを宣言しました。
地方には、さまざまな可能性があふれています。今後も、「日本創生のための将来世代応援知事同盟」に参加する知事の皆さんと連携しながら、人口減少に歯止めをかけ、東京への一極集中の流れを変え、地方創生を実現するよう努めて参ります。
平成28年12月20日
12月20日、県庁前で、ラグビーワールドカップ2019開幕1000日前記念イベントを行いました。
FIFAワールドカップ、近代オリンピックと並ぶ世界三大スポーツ祭典とも評される大規模な国際大会、ラグビーワールドカップの日本大会開幕まで、今月24日で1000日となりました。「岩手県・釜石市」は、本大会が開催される全国12都市の1つで、東北、そして東日本大震災の被災地から選ばれた唯一の開催地です。
当日は、私も参加して、県議会復興スクラム議員連盟や県ラグビーフットボール協会の皆さんとともに、釜石開催をPRする横断幕、懸垂幕、カウントダウンボードの御披露目を行いました。
本年7月には、官民一丸となったラグビーワールドカップ2019釜石開催準備委員会が発足し、オール岩手で開催準備を進めています。今回設置した横断幕や懸垂幕、カウントダウンボードを、県民や岩手県を訪れる多くの方々に御覧いただくことにより、本大会への関心が高まり、釜石開催に向けた機運が、県内から東北、そして全国へと広がっていくことを期待しています。
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