岩手県内のヒトスジシマカの生息地域が一目でわかる「ヒトスジシマカ生息リスクマップ(岩手県)」を作成しました
デング熱やジカ熱等のウイルス性疾患を媒介するヒトスジシマカは、地球温暖化などにより生息域を北に拡大しつつあり、県内の生息北限は盛岡市とされています。当センターでは平成21年から継続している蚊類の調査結果と気温等のデータから、統計モデリング手法を用いてヒトスジシマカの生息条件を解析し、このほどヒトスジシマカの生息リスクマップ(岩手県)を作成しました。
ヒトスジシマカとは?
ヒトスジシマカとは、デング熱やジカ熱等のウイルス性疾患を媒介する東南アジア原産の蚊です。近年、地球温暖化などの影響により生息域を北に拡大しつつあります。
活動期は、本県では6月上旬から10月上旬までであり、古タイヤの溜まり水など小さな水たまりで繁殖します。成虫は、通常灌木や草むらなどに隠れており、人が近くにくると吸血行動をおこす、待ち伏せ型の蚊です。
岩手県にも棲んでいるのですか?
岩手県では、平成12年に一関市で初めて確認され(国立感染症研究所調べ)、平成14年には、奥州市で確認されました。その後、生息確認地の北限が徐々に北上し、現在では、盛岡市、花巻市、北上市、奥州市、一関市、大船渡市、釜石市、住田町及び大槌町の7市2町で確認されています。
当センターでは、平成21年から岩手県内の蚊類の生息調査を継続しています。これまでの調査では、岩手県での生息北限は盛岡市玉山区ですが、平成22年のみ生息が確認され、平成23年以降は確認されていません。平成28年までにヒトスジシマカの定着(2年以上連続して同一地点で生息を確認)が確認された北限は盛岡市前九年町であることがわかっています。
また、平成28年には青森県青森市及び八戸市においてヒトスジシマカの定着が確認されています。
ヒトスジシマカの生息域はわかりますか?
県内のヒトスジシマカの生息分布結果と、調査地点の気温データ等から、統計モデリング手法を用いて、県内の1kmメッシュ毎のヒトスジシマカ生息確率を算出することができました。この成果を利用し、「ヒトスジシマカ生息リスクマップ(岩手県)」を作成しました。
このマップに表示された地域には、過去にヒトスジシマカの生息が確認された地点の92%が含まれます。また、ヒトスジシマカの活動シーズン初期である6月からシーズン終期である9月末まで、徐々に生息域が拡大していることがわかります。
研究詳細
研究内容について、より詳細にご覧いただけます。
参考
ヒトスジシマカは、空き缶にたまった雨水など、小さな水たまりを好んで卵を産み付けます。住まいの周囲の水たまりを無くすことで、蚊の数を減らすことができます。
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このページに関するお問い合わせ
岩手県環境保健研究センター 地球科学部
〒020-0857 岩手県盛岡市北飯岡1-11-16
電話番号:019-656-5672 ファクス番号:019-656-5671
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