平成22年におけるヒトスジシマカ分布調査の結果を掲載しました!
「ヒトスジシマカ」ってどんな蚊ですか?
ヒトスジシマカはヤブ蚊の一種で、デング熱やチクングニヤ熱などのウイルス性感染症を媒介し流行させることが知られており、温暖化の進行により、その生息域が拡大することが心配されています。
岩手県にも棲んでいるのですか?
岩手県では、平成12年に一関で初めて確認され、平成14年には、水沢で確認されました。その後、生息確認地の北限が徐々に北上し、現在では、盛岡市、花巻市、北上市、奥州市、一関市、大船渡市、釜石市、住田町及び大槌町の7市2町で確認されています。
平成22年調査における岩手県での生息北限は、盛岡市玉山区であり、平成21年に比べて、更に約20キロメートル北上しました。なお、平成21年調査の北限であった盛岡市仙北町では、平成22年の調査で定着していることが確認されました。
また、平成22年に初めて青森県においてヒトスジシマカの生息が確認されました。
なぜ生息地が北上してきているのでしょうか?
気温の上昇が影響していると考えられています。
ヒトスジシマカの分布調査の目的は何ですか?
岩手県における生息の分布状況を明らかにするとともに、年平均気温などとの関連を調べることにより、これらの病気の予防や対策に役立てることを目的としています。
ヒトスジシマカの幼虫(ボウフラ)はどんな場所にいるのですか?
道路側溝の雨水ます、古タイヤ、墓地の水差しなどに溜まった水の中で生息しています。
ヒトスジシマカ分布調査を行っているのは誰ですか?
国立感染症研究所昆虫医科学部の小林睦夫部長、二瓶直子客員研究員と、岩手県環境保健研究センター地球科学部員が共同して分布調査を行いました。
分布調査はどのように行ったのですか?
平成22年6月から8月、盛岡市など岩手県内10市7町の計102地点で、古タイヤなどのたまり水に生息している幼虫(ボウフラ)を採取しセンターに持ち帰りました。その後、実験室で羽化させた成虫をエーテルで麻酔して、実体顕微鏡で体の特徴を(胸背部に白いヒトスジのシマがあるなど)観察し、ヒトスジシマカであるかどうかを鑑定しました。
その後、GIS(地理情報システム)を利用して、ヒトスジシマカの生息確認地域と、年平均気温、1月の平均気温などの関係を検討しました。
なお、平成21年8月から10月にも、盛岡市など岩手県内7市3町計99地点で同様の調査を行っています。
調査の結果を教えてください。
- 平成22年の調査において、岩手県における生息北限が、盛岡市玉山区であり、平成21年の北限から更に北上したことがわかりました。また、平成21年の北限であった盛岡市仙北町ではヒトスジシマカが定着していることが確認されました。
- GIS(地理情報システム)を利用して、ヒトスジシマカの生息条件が、年平均気温や1月の平均気温などがある一定の温度以上となる地域であることが示されました。このことから、今回の調査結果が、今後のヒトスジシマカ防除対策に有効であることがわかりました。
(注)詳しい内容は、下記の「岩手県におけるヒトスジシマカ分布調査(2010報告書)」を参照してください。
(注)「岩手県におけるヒトスジシマカ分布調査」は、(1)厚生労働省 平成21年度、22年度厚生労働科学研究費補助金 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究事業、(2)環境省 地球環境研究総合推進費S-4、の協力研究として行われたものです。
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このページに関するお問い合わせ
岩手県環境保健研究センター 地球科学部
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