岩手県水道広域化推進プラン

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ページ番号1060439  更新日 令和6年4月15日

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概要

1 はじめに

策定の背景

  • 水道事業を取り巻く経営環境は、急速に進む人口減少や水道施設・管路の老朽化、多発する災害への対策などにより厳しさを増しています。
  • 水道事業を担う職員の不足も深刻な状況です。

プランの目的

現状分析・将来推計や広域連携シミュレーションなどを通じ、市町村の区域を越えた多様な広域連携を推進する方策を示すことが目的です。

圏域

地勢、水源等の自然条件や広域的水利用の可能性を考慮し、広域振興局管轄区域を基に5つの圏域(広域ブロック)を設定しています。

2 現状・将来見通しと課題

岩手県の水道事業に関する課題を、事業水準の確保、人員の確保及び専門知識・技術の承継、財源の確保の3つの観点で整理しました。

事業水準の確保

水道事業ビジョン等の計画の策定が進んでいないなど、懸案業務を抱えた事業者があります。
改善するためには懸案業務に対応する人員や知識・技術、財源が必要ですが、将来的な事業環境は悪化する可能性が高く、その確保はより困難になっていく見込みです。
計画の策定は水道事業の経営状況を改善するために行うことを考えると、早期に取り組むことが必要です。
新いわて水道ビジョンの目標達成に向けた取り組みが進んでいません。
「新いわて水道ビジョン」における目標設定と現状
指標 目標設定時(2016年度) 現状(2020年度) 目標(2028年度)
水道事業ビジョンの策定率 74.1% 79.3% 100%
経営戦略策定率 59.5% 90.9% 100%
アセットマネジメント実施率 44.4% 75.9% 100%
水安全計画策定率 22.2% 34.5% 100%
クリプトスポリジウム未対応施設数 51か所 35か所 30か所
基幹管路耐震化計画策定率 29.6% 48.3% 100%
浄水場・配水場耐震化計画策定率 33.3% 48.3% 100%
基幹管路の耐震適合率 49.4% 48.1% 68.6%

人員の確保及び専門知識・技術の承継

現状で既に、水道事業等に関する人員や知識・技術が不足しています。
将来的には人口減少に伴って職員数が減少し、より状況が悪化する可能性があります。
また、併せて、更新需要の増加や、水需要の減少に対応する水道施設全体の再構築業務の発生など、業務が増加及び高難度化する見込みです。
したがって、将来的な事業環境を踏まえ、水道職員の増員や委託による外部化など、追加の投資を行うことにより、課題に対応しうる人員の確保や知識・技術の承継を図っていくことが必要です。
専門知識・技術の承継が困難です。
職員の割合。
    職員の水道業務経験年数
  • 職員の年齢層が高いが、ベテランが少ない傾向です。
  • 技術職員が0人や1人の市町村があります。
人員が不足しています。
岩手県内の水道事業者の人出の不足感を示したグラフ
         現在の職員数の状況に関するアンケート回答ブロック別集計
  • 9割近くの事業者が「適度な人数を下回っている」と認識しています。
  • 5事業者は「業務に支障が出るほど人数が不足」と認識しています。
業務は増加及び高難度化します。
  • 施設の老朽化にともない、更新業務が増加する見込です。(直近10年平均と比べて約4割増)
2070年度までの施設投資額の推計グラフ
年度別費用の実績及び見通し(全県)
  • 人口減少などに対応した事業の再構築が必要となり、業務が高難度となる見込です。(令和52年度給水人口は平成30年度と比べて約6割減)
岩手県の2070年度までの人口推計です。
将来人口(行政区域内人口、給水人口)の推計結果(全県)

財源の確保

現状で既に、料金回収率や経常収支比率が低い傾向の事業者がいます。
将来的には水需要の減少に伴って状況がより悪化する見込みのため、料金の見直しや原価の圧縮が必要です。
しかし、人員や知識・技術が不十分で現時点では改善の見込みがないことや、有収率がかなり低いブロックがあることなどを踏まえると、人件費や設備投資といった事業への投資が不足している可能性が高く、原価の圧縮は困難です。
したがって、水道事業等の経営方針について住民と共有しながら、水道料金の改定(値上げ)や将来的な更新投資の圧縮により、必要な財源の確保を図っていくことが必要です。
水需要が減少します。
  • 水の使用量は、令和52年度には平成30年度と比べ約5割減少します。
2070年度までの水の使用量の推計
将来水量(有収水量、一日最大給水量)の推計結果(全県)
収入が不足します
  • 推計期間(令和2~令和52年度)全体の全県の収支合計は、1兆1,576億円程度の収入不足となる見込です。
 2070年度までの水道の収支見通しの結果
収支見通しの結果の概要(全県)
経営状況がさらに悪化します。
  • 人口減少及び施設更新需要の増加により、今後さらに収支が悪化し、料金改定や一般会計からの基準外繰入等による財源確保が必要となります。
不足財源を料金改定で確保する場合の試算
圏域 令和元年度家庭用20m3当たり料金(月額) 令和52年度家庭用20m3当たり料金(月額)

料金増加倍率(令和52年度/令和元年度)

盛岡 2,890円~4,172円 3,719円~37,437円 1.29~11.09倍
県南 2,563円~4,884円 8,539円~56,844円

2.13~17.52倍

沿岸南部 3,080円~4,070円 7,610円~29,740円 2.47倍~7.51倍
宮古 2,475円~3,930円 14,874円~48,670円 4.51倍~12.86倍
県北 2,960円~5,104円 14,169円~57,402円 3.40倍~16.74倍

 

3 広域連携シミュレーションと効果

課題解決に繋がる広域連携の可能性を広く検討するため、水道事業者等に希望調査を行い、その結果に基づいて、広域連携の取組に関するシミュレーションを実施しました。
 
シミュレーション概要
広域連携の形態 実施件数 主なメリット

管理の一体化

(維持管理業務の共同委託、総務系事務の共同委託)

11件

  • 単独委託と比較すると、委託費用が削減
  • 直営業務の委託化により、懸案業務への人員振り向けが可能
  • 必要人員の確保、育成が外部化され、適正な実務実施の継続が担保

施設の共同化

(水道施設の共同設置・共用)

10件

  • 単独での更新と比較すると、整備費用が削減
  • 施設数が減少した事業者は、懸案業務への人員振り向けが可能
  • 施設余力の有効活用が可能

 

4 広域連携の推進方針

広域連携推進方針

「新いわて水道ビジョン」で定めた基本方針【持続・安全・強靭】の実現を図るため、水道事業者等の課題解決に向けた広域連携を推進

課題解決に向けた取組の方向性

水道事業者

連携でより高い効果が得られる課題を抽出し、広域連携に取り組みます。

情報提供等により各事業者を支援するほか、希望する事業者同士の広域連携が実現するよう検討グループ等の検討の場を設置します。

具体的取組内容

「新いわて水道ビジョン」の最終年度である令和10年度を目途として取組を進めていくとともに、次期水道ビジョンの策定と併せて本プランの見直しを行います。

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このページに関するお問い合わせ

環境生活部 県民くらしの安全課 生活衛生担当
〒020-8570 岩手県盛岡市内丸10-1
電話番号:019-629-5360 ファクス番号:019-629-5279
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。