【開催報告】「令和6年度北上川バレープロジェクトシンポジウム」を開催しました

ページ番号1081087  更新日 令和7年4月10日

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【開催報告】「令和6年度北上川バレープロジェクトシンポジウム」を開催しました

県では、「いわて県民計画(2019~2028)」において、第4次産業革命技術のあらゆる産業分野、生活分野への導入などを通じて、働きやすく暮らしやすいエリアの実現を目指す「北上川バレープロジェクト」を推進しています。
今回、本プロジェクトを多くの方々に知っていただくため、県南地域を中心に集積が進む半導体関連産業をテーマとした北上川バレーシンポジウムを開催しました。

第1弾 半導体関連産業BCPセミナー

1 日時

 令和7年2月6日(木曜日) 午後2時30分 から 午後5時25分 まで
 (交流会 午後5時45分~午後7時15分)

2 方法

 ハイブリッド開催

  対面:ブランニュー北上(北上市大通1-10-1)/ オンライン:ZOOM

3 内容

半導体関連産業が集積する北上川バレーエリアの持続可能な発展を図るため、災害等に備えるBCP(事業継続計画)の必要性と具体的な取組について紹介しました。

基調講演

演題:「BCP策定で、企業は何を優先すべきか ~熊本地震の実体験から、生産復旧までの有効性を再検証~」

講師:上田 康弘 氏

   元・ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング株式会社 代表取締役社長
   株式会社 日本マイクロニクス 社外取締役
   熊本大学 半導体・デジタル研究教育機構 アドバイザー

【講演要旨】

  • 地震の熊本地震の体験を踏まえて、迅速な備品調達や設備強化が重要性であり、特に半導体工場の装置保護が復旧の要である。
  • 日本産業全体の発展のため、BCPの実践例やノウハウを公開し、他企業との情報共有が重要である。
  • 震災時、社員の家族支援と工場復旧を両立させるため、専門チームによる初動対応の仕組みを導入した事例を紹介。

取組事例紹介

事例1

「キオクシアのBCPの取り組み」 

 キオクシア岩手株式会社 経営企画部 参事 岡 幸広 氏

【講演要旨】

  • 大規模災害の経験がない中で他社の教訓を学び、政府ガイドラインを基に、震度6強や停電3日間を想定した具体的な対応策を構築。
  • 被害想定や初動対応、復旧計画をタイムラインで管理し、リスク評価に基づく実効性のある目標設定を重視している。
  • 訓練や教育を繰り返し実施し、継続的な改善を進める。社内外の防災知識を共有し、日本全体の防災力向上を目指している。
事例2

「日本半導体産業界のBCPの取組みについて」

 一般社団法人 電子情報技術産業協会 半導体部会
 半導体統括委員会・副委員長、政策提言タスクフォース主査
 WSC・政策運営委員会・委員長、JSTC 日本議長 三井 豊興 氏

【講演要旨】

  • 東日本大震災を契機に、業界全体で災害時の被害を最小限に抑えるためのBCPマニュアル作成。
  • 過去の地震や洪水、コロナ禍でのサプライチェーン断絶に対応した事例を紹介。災害時の初動対応の重要性を指摘。
  • 地政学的リスク、輸出規制、サイバーセキュリティの脅威などに対処するため、BCPの範囲拡大と政府の迅速な支援の必要。包括的なサプライチェーン管理と相互協力の事例が他産業への示唆を提供している。
事例3

「大分県LSI クラスター形成推進会議 災害時における相互協力、連携の取り組み」

 大分県LSIクラスター形成推進会議 事務局長 矢野 勇 氏

【講演要旨】

  • 地域産業の発展に向けたLSIクラスターの構築に注力し、研究開発、人材育成、販路開拓、会員間の交流を柱とした活動を推進している。
  • 災害時における相互協力が重要であり、クラスター内での情報共有体制の整備や、他県クラスターとの連携を強化する計画を検討している。
  • BPC連携を進める中で、企業間の信頼関係構築と災害影響の最小化を重視し、日本全体でのBCP対策が重要である。

第2弾 半導体業界動向セミナー

1 日時

 令和7年3月6日(木曜日) 午後2時30分 から 午後5時20分 まで
 (交流会 午後5時30分~午後7時00分)

2 方法

 現地開催 

 ブランニュー北上(北上市大通1-10-1)

3 内容

半導体業界に精通した専門家を招き、最新の半導体業界・施策動向等を紹介しました。

講演1

演題:半導体・デジタル産業戦略の現状と今後

講師:経済産業省 商務情報政策局情報産業課 デバイス・半導体戦略室 課長補佐(総括) 大岡 知生 様

【講演要旨】

  • 半導体は現代技術に不可欠な存在であり、経済安全保障や環境問題に深く関わるものである。
  • 日本は国内生産基盤の強化、次世代半導体の開発、国際連携を通じて、半導体産業の復活を目指している。
  • 特定半導体基金や経済安全保障基金を活用し、国内の生産基盤や研究開発を支援し、地方経済の活性化を図る政策を推進している。

講演2

演題:産学共創による東北大学の最先端半導体研究と、高度半導体人材育成への貢献

講師:東北大学国際集積エレクトロニクス研究開発センター  センター長 遠藤 哲郎 氏

   注北上川バレープロジェクトアドバイザリーボードメンバー

【講演要旨】

  • 半導体分野におけるアカデミアは、新技術の開発と人材供給が重要であり、大学発の技術の産業化や経済効果の向上が課題である。
  • 東北大学は、最先端の半導体研究を推進するため、関連研究を統合する組織体を設立し、評価・分析施設を整備している。また、新たな人材育成プログラムやジェンダーバランス向上を目指す取り組みを実施し、地域経済の活性化を進めている。

講演3

演題:AI で沸騰する半導体…今後のAI革新はどこにあるのか?未来を見通す~GAFAM NVIDIA に訪問した太郎が未来を想定する~

講師:株式会社ブーステック 代表取締役 ものづくり太郎 氏

【講演要旨】

  • 半導体業界においては、AIによる生産効率の向上や、PLM(製品ライフサイクル管理)を活用した製造プロセスの最適化が競争力の鍵となる。
  • 日本のエネルギー問題においては、供給の安定性から原発再稼働の必要性がある。
  • 日本製造業の課題として労働力不足やデジタル化の遅れがあり、AI技術導入による効率的な生産管理が重要である。

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ふるさと振興部 地域振興室 地域振興担当
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