買え買え詐欺に注意!
質問
B社から「A社からイラク通貨の購入申込書が届いていませんか」「将来価値が高まる通貨なので、申込書が届いたら教えてください」と電話がありました。その後、本当に申込書が届いたのでB社に電話したところ、「申込書が届いた個人しか購入できないものです。お金は当社で出しますから、代わりに申し込んでください。謝礼も支払います」と言われました。代わりに申し込むだけならと思い、1口10万円で10口100万円分申し込みをしました。ところがお金を出すと言っていたB社から、都合が悪くなったので、お金を立て替えてほしいと言われました。やむを得ずA社に指示されたとおり、信書宅配封筒に100万円を入れて送りました。すると、イラク通貨と外貨保有証明書が届いたので信用できる話だと思い、言われるままに総額300万円立て替えました。しかし、A社、B社ともに連絡が取れなくなってしまいました。
回答
高齢者を中心に、詐欺的なもうけ話のトラブルの相談が多く寄せられています。「買え買え詐欺」ともいえる詐欺的なもうけ話に用いられる金融商品は、相談事例のような外国通貨のほか、未公開株、社債、ファンド、CO2排出権等の権利の取引など多種多様です。
「買え買え詐欺」に共通した特徴は、複数の業者が入れ代わり立ち代わり登場し、あたかも演劇のシナリオのように仕立て上げられている「劇場型勧誘」と呼ばれる手口です。
今回の販売業者(A社)と勧誘業者(B社)は、共謀または同一業者の可能性が疑われます。これらの業者は実態のないことが多く、このようなもうけ話で消費者が利益を得られたケースは1件も確認されていません。(参照図1)
利殖のトラブルとしては、過去の損失を取り戻すことができるという「被害回復型」が依然として多く見られる一方、自分は購入する資格がないので、代わりに買ってくれれば高く買取るという「代理購入型」の発展型で「申し込みさえすればよい」という「代理申請型」、消費者を脅して強引に申し込みや金銭の払い込みをさせる「恫喝型」(どうかつがた)、郵送や手渡しで支払わせる「口座振込回避型」など、手口はより巧妙で複合的になっています。
また、不動産等を担保に借金までさせて全財産を奪い取ろうとする「根こそぎ型」など、非常に深刻で悪質なケースも見られます。
このような被害に遭わないためには、自分が持っていない金融商品や権利について、「買い取るから」「利益になるから」などと言って、他社と契約させようとする話には絶対に耳を貸さないことです。
郵送や手渡しでお金を渡してしまうと、銀行振り込みの場合は可能であった口座凍結の処置すらできなくなり、証拠も残らないことが多く、お金を取り戻すことは極めて困難になります。
また、「買え買え詐欺」は、特に高齢者が被害に遭いやすいトラブルです。業者の説明を信じ、被害に遭ったことすら認識していないことが多いため、ご家族や周囲の方など高齢者を見守る立場の方も日頃から気をつけましょう。
怪しい金融商品やもうけ話の勧誘を受けた場合には、絶対にお金を渡さずに、すぐに県民生活センター、市町村の消費相談窓口にご相談ください。
不安に思ったら一人で悩まず、県民生活センターや市町村の消費生活相談窓口へご相談ください。
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