食中毒を予防しましょう
予防するための注意点等を掲載しています。
ノロウイルスによる食中毒を予防しましょう
ノロウイルスはヒトの小腸粘膜で増殖するウイルスです。60℃10分程度の加熱では病原性を失わず、逆性石鹸や消毒用アルコールに対しても抵抗性があります。
令和4年(2022年)に全国で発生した食中毒のうち、ノロウイルスによる食中毒は、総事件数962件のうち63件(6.5%)、総患者数6,856名のうち2,175名(31.7%)となっており、患者数では食中毒原因の第1位となっています。
岩手県においてノロウイルスを原因とした食中毒は、令和2年から令和5年5月末までの期間には発生しておりません。
ノロウイルスには次のような特徴がありますので、手洗いや食品の取扱い等には十分に気をつけてください。
ノロウイルスの特徴
いつ発生するか
秋から冬にかけて多く発生します。冬季に集中する傾向がありますが、1年を通じて発生します。
どんな症状か
ウイルスが体内に取り込まれてから、24時間から48時間で発症し、吐き気、下痢、腹痛、嘔吐、発熱(38℃以下)など、風邪に似ています。
なお、症状がなくても、便からウイルスが検出されることがあります。排出は、1週間から1か月間も続きます。
どのように感染するか
ノロウイルスを含む二枚貝等を食べる、ノロウイルスに感染した人の手などを介してウイルスが付いた食品を食べる、などにより感染します。
どんな食品が原因となるか
牡蠣等の二枚貝が多い傾向にありますが、ほうれん草のおひたし、サンドイッチ、ロールケーキ、餅など、他の食品でも食中毒が発生しています。
どのように予防するのか
次のことに気をつけてください。
- 特に子供やお年寄りなどの抵抗力が弱い方は、加熱が必要な食品は中心部までしっかり加熱しましょう(中心温度85~90℃で90秒間以上)。
- 食品取扱者や調理器具などからの二次汚染を防止しましょう。
- トイレの後、調理する際、食事の前、外出から帰ったときにはよく手を洗い、清潔なタオル又はペーパータオルで拭くようにしましょう。
- 嘔吐や糞便などの汚物は適切に処理しましょう。
食品取扱施設等の皆様へ
食品取扱施設等においては、調理従事者等に不顕性感染者((注))がいることを前提として、施設におけるノロウイルス食中毒の防止に努めましょう。具体的には、以下の点を中心に改めて確認してください。
- 適切な手洗い(方法、タイミング)
- 手袋の適切な交換
- 塩素系消毒剤等を用いた消毒
- 普段からノロウイルスに感染しないように、調理従事者の健康管理を徹底する。
- 作業着等の衛生的な管理
- 食品取扱施設等の調理従事者等は、原則として、当該施設で調理された食品を喫食しない。
((注))不顕性感染者:ウイルスに感染していても、下痢や嘔吐などの症状が現れない人のことです。症状がなくても、便の中にウイルスが排出されており、適切な手洗い等が重要となります。
【特に再確認すること】
加熱せずに喫食する食品を提供する場合、その食品に直接触れる工程について再点検を行い、適切な衛生管理が実施されていることを確認しましょう。十分な加熱工程がある食品についても、加熱工程以降にその食品に触れる工程がある場合は、同様に再点検をしましょう。
腸管出血性大腸菌による食中毒を予防しましょう
「腸管出血性大腸菌」とは、牛などの家畜や人のふん便中に時々見つかります。家畜では症状をださないことが多いです。
腸管出血性大腸菌による食中毒事例は、国内では、焼肉店などの飲食店や、食肉販売業が提供した食肉を、生や加熱不足で食べて感染する事例が多くなっています。なお、原因食品と特定あるいは推定されたものは、国内では井戸水、ユッケ、牛レバ刺し、ハンバーグ、サイコロステーキ、牛タタキ、ローストビーフ、生野菜サラダ、シーフードソースなどです。
腸管出血性大腸菌による食中毒は、年間10件~30件、患者数は100人~400人で推移しています。
(令和4年は8件、78人が食中毒を発症しました)
予防のポイントは、食品の衛生的取扱いです。
- 市販されている肉の多くは加熱調理用です。
- 食肉を取り扱うときは、前後に必ず手を洗いましょう。
- 食肉など加熱処理する食品は十分に加熱しましょう。(75℃1分間以上)
- 食肉は、ビニール袋に入れて、冷蔵庫内で肉汁が漏れないようにしましょう。
- 食肉を調理する器具は、他と区別し、使用した器具は、使用後に洗浄・殺菌しましょう。
- 生肉の触れた箸などで食事をしないようにしましょう。
カンピロバクターによる食中毒を予防しましょう
令和4年に全国で発生した食中毒は962件です。そのうちカンピロバクター食中毒は185件、患者数は822名で、一年を通じて発生し、発生件数では全体の19.2%を占めています。
主な原因は、鶏肉を中心とした肉類又はレバーなど内臓の生食や、加熱不足、調理中の手やまな板等による二次汚染が明らかになっています。
予防のために次のことを十分に気をつけましょう。
- 食肉は冷蔵庫内で他の食品と触れないよう保存しましょう。
- 食肉を調理する器具は、他と区別し、使用したまな板・包丁・ざる等は使用後に洗浄・殺菌しましょう。
- 食肉に触れた場合は、手を十分に洗ってから、他の食品の調理をしましょう。
- 食肉は十分に加熱調理しましょう(食肉の中心まで、75℃以上かつ1分間以上の加熱)
カンピロバクターによる食中毒(詳細情報)については、以下のページをご覧ください。
リステリア・モノサイトゲネスによる食中毒を予防しましょう
欧米において、ナチュラルチーズ、生ハム、スモークサーモン等を原因とした、「リステリア・モノサイトゲネス」という細菌による集団食中毒が発生しています。
また、国内では、乳製品や食肉加工品から、菌数は少ないものの、リステリアが検出されています。
リステリアに感染した場合の症状には個人差がありますが、特に妊娠している方、高齢の方、免疫機能が低下している方は重症化しやすいので注意してください。
妊娠している方
母体が重篤な症状になることは稀ですが、胎児・新生児に感染による影響が出ることがあります。
高齢の方(65歳以上)、免疫機能が低下している方
- 若い方よりもリステリアに感染すると発症するリスクが高いといわれています。
- 65歳以上の高齢の方が、リステリア症患者数の77.6%を占めています。
岩手県環境生活部及び厚生労働省のホームページに、より詳しい情報が掲載されています。下にリンクがありますので、ぜひ御覧ください。
リステリアによる食中毒の予防法
- 食品は期限内に食べきるようにし、開封後は期限にかかわらず速やかに消費しましょう。
- 冷蔵庫を過信せず、保存する場合は冷凍庫やチルド室(0~2℃)を利用しましょう。
- リステリアは他の食中毒菌と同様に、加熱することで予防できます。
- 食べる前に十分加熱しましょう。
- 生野菜や果物などは食べる前によく洗いましょう。
容器包装詰低酸性食品(ボツリヌス食中毒)による食中毒を予防しましょう
容器包装詰低酸性食品の原材料の処理及び当該食品の製造においては、以下の1又は2に示す方法により、
- 当該食品中のボツリヌス菌を除去する
- ボツリヌス菌の増殖を防止する
- ボツリヌス毒素の産生を防止する
のいずれかの措置を講じることが必要になります。
方法
- 中心部の温度を120℃4分間加熱する方法又はこれと同等以上の効力を有する方法での殺菌
- 冷蔵(10℃以下)保存
ボツリヌス食中毒の防止には、要冷蔵食品の冷蔵保存を徹底しましょう。
密封した自家製の食品等にもボツリヌス食中毒のリスクがあるので気をつけましょう。
このページに関するお問い合わせ
沿岸広域振興局保健福祉環境部宮古保健福祉環境センター・宮古保健所
環境衛生課 食品医薬品チーム
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電話番号:0193-64-2218(内線番号:237) ファクス番号:0193-63-5602
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