令和2年 年頭における知事訓示
とき:令和2年1月6日(月曜日)
ところ:宮古地区合同庁舎(テレビ中継)
対象者:全職員
新年明けましておめでとうございます。
今年の年末年始は天気もさほど悪くなく、穏やかな形で過ごすことができたのではないでしょうか。また、普段よりも仕事納めが早く、また仕事始めが遅くなっていますので、休む日数が長く、その間、ワーク・ライフ・バランス、生活と仕事のバランスや働き方についてもいろいろ考えるいい機会だったのではないかと思います。
去年、「いわて県民計画(2019~2028)」ということで、新しい県の総合計画がデビューしたわけでありますけれども、今年は一年の初めから、お正月から一日一日県民の幸福度を高め、そして岩手に関わる全ての人を幸福にできる県ということを、一日一日を大事にしながら進めていく、そういう一年になってきます。
また、新しい県民計画は、基本目標「東日本大震災津波の経験に基づき、引き続き復興に取り組みながら、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわて」ということで、その真ん中にはやはり東日本大震災津波からの復興ということがあります。これも、お正月、年明けから着実に進めていく必要があるところでありまして、そのためにも、一年の計は沿岸にあり、ということで今年はここ宮古から知事訓示を行っていますけれども、年明けから丁寧に復興関係の仕事を進めていきましょう。
壊れた所を直したり、新しく作ったりということがまだ残っています。これを速やかに進めながら、復興の長期化により仮設住宅生活も長くなっている中での支援、そして新しいコミュニティを作っていく支援、また漁獲量の減少など、様々な困難、課題があり、なりわいの再生ということを軌道に乗せていくための事業者支援も重要なところです。
そして、東日本大震災津波を発信し、その教訓を全国で、さらに海外でも生かしてもらうための活動も大事でありまして、去年9月オープンした東日本大震災津波伝承館、おかげさまで多くの方々がいらしてくださっています。そうした拠点の立地をしながら、この震災津波の、そして復興の伝承と発信にも力を入れていく一年にしたいと思います。
そして台風19号災害を受けての年越しでもありました。これも新年早々からしっかり取り組んで、速やかな復旧を果たしていかなければなりません。象徴的なのが三陸鉄道の復旧でありますが、3月20日の復旧、開通を目標にしながら、そこに間に合わせることができれば、復興の火、東京2020オリンピック・パラリンピックの聖火リレーが始まる前に被災3県で復興の火という展示をやってもらうことになっておりまして、これに三陸鉄道も参画するということで、年度的には令和元年度になりますけれども、まず当面この三鉄の復旧ということをシンボルにしながら、台風19号災害からの復旧。そして三鉄は東日本大震災津波全体のシンボルでもありますので、東日本大震災津波からの復興ということも併せて年度内に弾みをつけていくという勢いでやっていきたいと思います。
年度が替わる頃になりますと、新年度予算に基づいて改めて新しい県民計画を進めていくということで、10の政策分野ごとの政策、そしてプロジェクト関連。
プロジェクト関連としては、ILC、去年日本政府正式関心表明ということで、一段高いステージに上がっているILC推進に、地元からも貢献をしていく必要があります。
そして北上川流域、三陸岩手沿岸、北いわてそれぞれのゾーンプロジェクトを軌道に乗せていくことが今年は大変重要になります。北上川流域での半導体、自動車関連の民間投資、事業の拡大等々、今年も見込まれておりますので、それをてこにした産業と生活のバランスの取れた新しい地域を作っていくということ。
そして沿岸においては、復興の成果を生かした新しい三陸地域づくり。去年の三陸防災復興プロジェクト2019で示されたような、そして県民の皆さんにも感じていただいたような岩手沿岸三陸の新しい姿というものを軌道に乗せていく、そういう大事な一年となります。
そして北いわて。今田中舘愛橘博士をフィーチャーして県外広報をやっていますけれども、豊かな歴史、文化、自然にも恵まれ、そして昔から交流の要所であったこの北いわてのポテンシャル、豊かな地域資源を最大に生かしながら、そこに新しいテクノロジーを大々的に活用し、岩手県立大学、また県外の大学や研究機関の力も借りて、大学や研究機関をプラットフォームにした新しい地域振興というものも北いわてで大いに進めていく、そういう一年にしたいと思います。
そのような活動を展開していくに当たりましても、職員の皆さんの健康、そして意欲を持って働くことができるような環境が大事であります。このお正月、全国からいらしていただいている応援職員の皆さんとともに、新年を迎えています。応援職員の皆さんも含めまして、県職員同士もお互いの幸福を守り育てるということを大事にしながら仕事を進めていってほしいと思います。
県職員の皆さんから案を出してもらって、そして取りまとめた職員憲章。県民本位、能力向上、明朗快活、法令遵守、そして地域意識というこの5つの項目を大事にしながら、さらに育児や介護休業を取得しやすい環境づくりなど、働き方改革も進めながら、業務に精励いただきたいと思います。
去年はラグビーワールドカップイヤーでもありまして、そのレガシーは釜石はもちろん、岩手全体に残っています。これを今年にもつなげて、そして東京2020オリンピック・パラリンピックが復興五輪として成功するよう、岩手県としても積極的に参画し、その復興部分としての成功を期す。そのためにも、東日本大震災津波の事実や教訓の発信ということにさらに力を入れていくことが大事であります。
防災、そして復興を核とした地域づくりは、岩手沿岸三陸地域のみならず、岩手全体としてもそれが大変大事でありまして、日本全国災害が多く、首都直下地震や東南海地震などが予測されている中、何かあったら岩手から助けに行くことができるような、また岩手の中で災害が起きたときに迅速に対応し、県民、そして岩手に関わる人たちの命を守り、そして幸福度を高めていくという、そのような仕事を一生懸命やっていきたいと思います。
職員の皆さんの活躍、そして御多幸を祈念して新年の訓示とします。以上です。
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