希望郷岩手放課後座談会(平成22年9月7日)懇談記録
- 訪問学校:専修大学北上高等学校
- 実施日 平成22年9月7日(火曜日)
- 場所 専修大学北上高等学校
開会
高橋教頭
ただいまより「希望郷岩手放課後座談会」を始めます。
知事挨拶
高橋教頭
はじめに達増知事からごあいさつをお願いします。
達増知事
さきほどスクールセッションということで、授業をやらせてもらいましたが、一日に何回も授業をやる先生方の大変さがわかりました。
今日は、こちら専修大学北上高等学校にお邪魔をいたしました。何かと忙しいときにこのように時間をとっていただいて大変恐縮なのですけれども、教育というのは地方自治の中でも非常に重要な分野で、県民全体アンケートをとっても教育に対する関心は非常に高いです。ただ、そこに知事がどう関わっていくのか、また行政としてどう関わっていくのかについてはいろんな議論もあるところで、教育委員会制度は廃止して知事が直轄でやるようにしたほうがいいのではないかとか、そういう行政改革の話としていろいろ教育について語られているのですが、まずは私自身が現場の声を聞くのが最初であるべきなのではないかと思い、まず現場中の現場である教室の中に入れてもらって、生徒といろいろやりとりをさせてもらい、また先生方やご父兄、PTAの皆さんとも意見交換をして岩手の教育が今どうなっているのかというのを現場を通じてしっかり把握して、県としてやらなければならないことをきちっとやっていこうという趣旨であります。忌憚ないお話を伺えればと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
校長挨拶
高橋教頭
では、続いて校長あいさつ。
及川校長
知事さんには、今日は本当に公務ご多忙のところを本校にご来校いただきましてありがとうございます。
先ほどのうちの生徒たちのお話の中で、私は朝会で知事さんが来るのは50年に1回か100年に1回の記念の日だというお話をしたのですが、生徒たち、最後は感心したのですが、希望郷の「希望」のキーワードは何ですかと生徒が質問したことに非常に僕も感心したのですけれども。
達増知事
今の岩手県政の核心に迫る質問でした。
及川校長
最後の最後に、あと6分残すところで話が出まして、あの生徒は希望塾のほうに選ばれていまして、今年10月に参加するということで、それだけのものを持って臨むのだなと、改めて関心をしたわけです。
先ほどの知事さんのお話が生徒たちのこれからの人生の糧になると僕は確信持ったわけですけれども、本当にありがとうございました。
あいさつということなのですが、本校の概況をお話ししてあいさつにかえたいと思います。本校は報恩奉仕という建学の精神で、今年度60歳、60周年を迎えることになっております。この間、卒業生が2万700余名を輩出しまして、地域、職場等で活躍をしていただいております。この間、私たちは地域に信頼される、そして地域に根差して、そして社会は常に変化していくわけですが、常にニーズにこたえられるような、そして魅力ある学校づくりということを忘れないで現在に至っているわけです。最近の社会変化はめまぐるしいものがあるし、ニーズもかなり変わってきておりますので、それに合わせてというか、迎合するわけではないですが、私たちが特色ある教育を今後とも続けていかなければならないなというふうに思っております。少子化、これは県に限らず全国的な傾向の中で厳しい現況に置かされていることは確かなのですが、そればかり言ってられないわけで、預かった子供さんたちを私たちがいかに漸次的に自立して、そして社会に貢献できる人材を輩出するかということは、常に私たちが持っていなければならない自覚であり、認識であるというふうに思っております。
今日はせっかくの機会ですので、忌憚のない懇談会ができればというふうに思っております。あいさつにかえます。
高橋教頭
それでは、最初に参加させてもらっている方々から自己紹介を簡単にさせていただきたいと思います。
最初に、PTAの代表で3名来ていますので、会長さんから、簡単でいいですので、ご紹介、後でまた意見等言ってもらいたいと思います。お願いします。
川邉PTA会長
本日はどうもありがとうございました。1年のときは副会長、2年になったら会長やれというむちゃくちゃな振られ方をしまして、私でいいんだなということで、本当は3年の父母さんがなられるところですが、私も本校の卒業生ですし、いろいろ娘と息子がお世話に現在なっています。今息子は野球部の2年生で、人数も少ないですけれども、一生懸命頑張っているところです。私も野球部のほうの役員もやっておりまして、ちょっと大変ですけれども、何とか学校のため、子供のためになればと頑張っております。よろしくお願いいたします。川邉です。
高橋教頭
では、平塚さん。
平塚PTA副会長
今日は初めて知事さんにお会いできてとても嬉しいです。また、私もスターウォーズファミリーでありまして、スターウォーズ会議ができたら嬉しいななんて思っていました。夫は金ヶ崎の関東自動車工業に勤めておりまして、系列で今KRKに勤めておりまして、何度か知事さんをご案内させていただいたことがありますけれども、今日は直接今度は私がお会いする機会をいただきまして本当に嬉しく思います。どうぞよろしくお願いいたします。
千田PTA副会長
こんにちは、ようこそお越しくださいました。知事さんとは久しぶりに何年かぶりでお会いさせていただきまして、そのときは大変大きな声で失礼をさせていただきまして、選挙のときに本当にお世話になりました。
達増知事
いいえ、こちらこそ。ウグイス嬢というやつで。
千田PTA副会長
そうです。お世話になりました。本当にありがとうございました。
娘は、今高校2年生ということで普通科でお世話になっておりまして、知事さんもソフトテニス部であられたということなのですが、下の娘もソフトテニス部、教頭先生の等先生が顧問なのですが、地区予選敗退というちょっと成績の振るわないテニス部ですが、地道に子供たちは頑張っていると思います。
PTAの副会長ということで、去年は1学年長ということでお世話になりましたが、今回から副会長ということでお世話になっております。子供たちと学校のために何かできればということで、うちの主人も専北の卒業生で、お兄ちゃんも専北の卒業生ということで、すごく子供たちが主人と一緒に専北の話をしていると専北ファミリーのようで、私だけがちょっと置いていかれそうだったので、PTAに入ったら幾らか雰囲気が味わえるのではないかなと思って役員引き受けさせていただきました。今日はどうぞよろしくお願いいたします。
高橋教頭
では、続いて学園のほうから常務理事さん。
佐藤常務理事
本日はどうもありがとうございました。私は、法人の常務理事をしております佐藤一徳といいます。理事長は専修大学の出向ということで、なかなか北上のほうには来れないということで、月1回または2回来ていろいろ業務していただいておりますが、いない間の業務をさせていただいております。今日は楽しい話を聞けるのかなと思って、本当に楽しみにしております。うちの学校始まって以来、現役の知事さんが見えられたということで、本当に名誉なことだなと思っております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
高橋教頭
では、校長。
及川校長
改めて、学校長の及川です。よろしくお願いします。
高橋教頭
では、小井塚先生。
小井塚教頭
今日は本当にありがとうございます。教頭の小井塚義則といいます。教頭ですけれども、クラブ顧問を持っておりまして、軟式野球部と郷土芸能部の顧問をしております。今日はよろしくお願いいたします。
高橋教頭
では、及川先生。
及川教諭
ようこそ専北にいらっしゃいました。ありがとうございます。教務という学習成績や在籍について担当している及川広樹と申します。教科は数学を持っています。私は、生まれも育ちも盛岡で、そこから出たことがなかったのですが、公立の中学校に採用になりまして、北上中に初任でした。そこから十数年北上にいるうちにこの高校さんの魅力ある実践にあこがれて、生徒と一緒に中学校を卒業して本校に自ら志願してというか、試験を通させてもらって、今在職10年目です、岩手インターハイの年からバスケットボールを担当しながらやっています。よろしくお願いいたします。
菊池教諭
こんにちは。ようこそいらっしゃいました。入試広報という高校生というか、中学生相手の仕事が多い分掌で、よっぽど人材不足なのでしょうか、部長をさせていただいております菊池秀成といいます。生まれも育ちも北上市でして、専大北上高校が私の母校でもあります。今日はよろしくお願いします。
藤原教諭
こんにちは。進学指導を担当しています藤原悟といいます。初めまして。いつもテレビでは拝見していたのですが、知事さんを直接見てすごく感激しております。
私の仕事は、教科は世界史を担当していますが、委員会活動では広報委員会というのを担当していまして、実はホームページ担当で、毎日更新することを目標に、県のホームページに負けないように頑張りたいと思います。よろしくお願いいたします。今日はいろいろと話を聞かせていただきます。よろしくお願いいたします。
千田教諭
就職指導部長を担当しております千田省一と申します。例年普通の学校であれば進学も就職も一緒になって進路指導というふうな形でやっているところが多いかと思うのですが、うちの場合は就職がかなり人数も多いということで、進学も就職も一緒にお互い連携をとりながらも、分掌としては分けて仕事しております。私は数学を担当していまして、部活動のほうは吹奏楽部の顧問です。私のところは北上ではなくてすぐ隣の金ヶ崎で生まれも育ちもずっとあれなのですが、本校の卒業ではないのですが、縁あって来ないかと誘われまして、30年がたちました。よろしくお願いします。
高橋教頭
この会の進行役ということで、教頭の高橋等といいます。どうぞよろしくお願いします。
歌や踊りは得意なのですが、話は下手なので、進行はちょっとどうなるか心配なのですが、皆さんの協力を得て何とか有意義な会になればいいなと思っています。よろしくお願いいたします。
懇談
高橋教頭
それでは、意見をもらうところなのですが、最初に学校の様子を紹介させていただきたいと思います。紹介は、入試広報部長の菊池秀成が行います。
菊池教諭
それでは、最初に学校紹介のDVDがありますので、約12分ぐらいの尺なのですが、そちらのほうを見ていただきたいと思います。
( DVD放映 )
菊池教諭
ありがとうございました。知事さんの机の上にこういう袋あるかと思いますが、中のほうには今年度の学校案内、パンフレットが入っております。あとは4月発行のちょっと古いものになるのですけれども、年に2回発行している学校の広報、新聞ですね、4月ですので、入学式の様子を中心に。あとは校名が表すとおり、本校は専修大学の附属高校ですので、発行されるたびに専修大学のほうからニュース専修ということで大学のニュースのほうが送られてきております。専修大学のほうなのですけれども、岩手県ではなかなかそんなにメジャーな大学ではないのです。例えば、早稲田とか慶應とかというふうなのを聞けば大体の人たちは、ああと言ってくれるのですが、私も専修大学の卒業なのですけれども、大学時代に夏休みに帰省していて近所の人に「どこの学校に行っているの」と聞かれて、「専修です」と言ったらば「何の専門学校」と聞かれたことがありました。岩手県で専修大学の認知は、もう数十年というか数年というか、時間がたっていますので、そのときよりかはある程度は認知度は深くなっているかとは思うのですけれども。ただ歴史はすごく古くて、日本で一番古い私立大学は慶應義塾大学なのだそうです。2番目は知事さんどこだかわかりますか。
達増知事
専修大学。
菊池教諭
大正解でございます。3番目が法政大学ということで、早稲田とか明治とかは、またその後というふうな話になります。
あと知事さんの出身校である東京大学でありますけれども、赤い門で有名なのですが、東大赤門、あとは島袋君が進学の意向を表明した中央大学は白門、専修大学は赤門、白門に対応して黒門というような呼び方があったそうで、ついこの間、大学の150周年というふうなことで黒門が復活でまたつくられたというふうなことでニュースになっております。
あとはこちらのパンフレットのほうは大学の話ばかりだったのですが、このパンフレットのほうですが、中学生向けにつくっているパンフレットですので、大人が見ていただければ内容的には学校の様子等大体わかるようになっているかと思います。ただ、学費がどのぐらいかかるのかというような部分に関しては、生徒募集要項のほうに載せておりますので、こちらの学校はこういうふうな感じで授業やっていますとか、部活動やっていますというふうな明るい部分をこちらのほうにまとめていましたので、どうぞ目を通していただいて、何かあとは不明な点があれば質問していただければと思います。
パンフレットの一覧に関しては、専修大学と宮城県の石巻専修大学と、あとすぐそこ、先ほど見学していただいた実習工場のすぐ隣にあるのですけれども、本校と併設している専門学校の3つに本校から進学すると特典がありますよというふうなものもこちらのほうにまとめてあります。よろしくお願いします。
高橋教頭
学校の紹介でした。これから懇談会ということでよろしいですか。
達増知事
はい。
高橋教頭
それでは、お茶等をせっかくですので、飲みながらということで、座ったままでよろしいですか。
達増知事
ええ、そうしましょう。
高橋教頭
では、座ったままということでお願いしたいと思います。
それでは、早速ですけれども、普段やっている活動とか、夢とかということでお話しいただいて、知事さんにコメントいただくとか、意見いただくとかという形で進めたいと思います。
最初に、ご父兄さん代表して3人からお話しいただいて、それからコメントいただくという格好でお願いしたいと思います。
それでは、会長さんお願いします。
川邉PTA会長
私は、今57です。それで本校を卒業して、私は郷土愛というのは、希望郷岩手ではないですけれども、一度は東京にあこがれて出まして、それで海外に、知事さんも言われましたイラクとかイランのほうへ仕事で行ってまいりまして、そのときに思うのですよね、望郷の念というか、そして日本ですね。戦争に入りまして、日本航空のチャーター機でヨルダンから帰ってきたという記憶があります。そのとき思うことは日本、お袋、そんな感じですね。そして、日本に帰ってくると、やはり岩手。そして、代々木公園で全国芸能祭りか何か年何回かやるみたいで、そのときに鬼剣舞のはやしが聞こえてきたのです。若かったのですけれども、もう涙ぼろぼろですね。
そして、まず年に1回なり2年に1回なり帰ってきますよね。そうすると変わっていないと思えば、それなりに変わっている。ですから、私は思うのですけれども、郷土愛というのは、イコールではないですけれども、私も現にこうやってまた岩手に戻ってきまして、子供も本校に入れさせてもらいまして。話が前後するのですけれども、ソフトボール部に入って、今久慈で中学の教師を今年度からしています。パンフレットに出ていますけれども、本人曰くやはり専大北上で良かったと。私も本校卒業ですから、その良さですか、私学の良さ、愛校心ですか。ですから、先ほど言われました、何ゆえに帰ってきたか、私ですね。やはり東京は生活する場ではない。仕事する場であっても生活する場ではない。子供はこういうところでは育てられない。そんな感じでUターンですか、Iターンですか、戻ってきたのです。娘も感激していますし、いずれ県内ではなくて県外に行くのかなと思いましたが、娘も岩手に。そういうことで、今はせがれもいますけれども、今2年ですけれども、自動車科ですけれども、野球をやって監督に鍛えられて、これだけ鍛えられれば社会に出てもちょっとやそっとじゃへこたれないというくらい鍛えてもらっています。本当に日曜、昼夜問わず一生懸命指導してくださっています。ですから、その思いで、例えば社会に出て、岩手県外へ出てもはやしの音が聞こえる祭りの時期とかなんかは帰りたいなと、そういうふうな思い。だから、一度は岩手を出て、初めて知る岩手の良さとか、あと学校の素晴らしさ、思い出づくりですね、そういったことを経験して、今現在してほしいなとは思っております。
高橋教頭
では、平塚さんお願いします。
平塚PTA副会長
副会長の平塚弘子と申します。私は、娘が2人おりまして、2人ともここの専修大学北上高等学校にお世話になっておりまして、上の子は系列の、先ほどビデオでも紹介されましたけれども、北上の福祉教育専門学校を出まして、介護士として市内で働いております。上の子は、ここに入学させたいと思ったのは、私も2人の子供がここに入学する前から専修大学北上高等学校の大ファンでした。というのは、私は吹奏楽がとても好きでしたし、本当に岩手を代表する素晴らしい先生方がこの専北さんの吹奏楽だと思って、特に下の子は今3年生なのですけれども、幼稚園からパーカッションやっていまして、ここの学校以外絶対入らないから入れさせてくれとお願いされて入ったのです。それで、今日はこれから知事さんにご披露する機会があって、とても本人も張り切っていますので、ゆっくり見ていただきたいなと思っているのですけれども、クラブと勉強と本当に両立できる学校だと思います。
スポーツも大変優秀な成績を残しておりますし、文化部におきましても郷土芸能部とかたくさん活躍しているクラブがありまして、特に吹奏楽部というのは地域の人にも大変知られて有名になりましたし、また東北の中でも常にトップクラス、ナンバーワンの成績をおさめています。今回は、それでもうすぐマーチングの大会も控えておりまして、生徒が本当に一生懸命頑張っています。朝7時から、帰りは夜10時ぐらいなのです。絶対休まないで頑張ると言っております。目標に向かって子供たちが頑張っておりますので、今年は何とか東北大会を突破してマーチングの全国大会は埼玉県のスーパーアリーナで開催しているのですが、そこを目指して子供たちが一生懸命取り組んでおりますので、この伝統をみんなで頑張って守っていきたいなと思っております。
また、専北さんの先生方というのは本当に親しみやすくて、先生と生徒の距離というのは非常に近いと思います。また、公立と違った点というのは転勤がないところがありまして、ずっとなじみの先生がいる、母校という気持ちがすごい強いと思います。会長さんがここの出身でもありますし、なじみの先生もいるということで、ほかの学校の先生と比べてもやっぱり親近感といいますか、それはずっと大人になっても持ち続けることのできる本当によい学校だなと思っています。10月には毎年PTAの研修旅行がありまして、昨年は気仙沼の大島で地引き網体験をしておりました。学校の先生方と触れ合う機会というのは余りないですけれども、こうした機会を通して学校の先生方といろんなお話をしながら、相互理解といいますか、すごく良い関係を築ける一つの機会だと思いますので、そこはPTAのほうからもPRして、一人でも多くの参加を願っていました。それで、去年はバス2台で行ってくることができまして、私も夫婦で参加しましたけれども、夫婦で参加する方も多くなり、またあとは家族旅行ということで家族全員で参加して楽しい思いをつくることができました。今年は10月に宮城県の専修大学の視察と、あとは笹かまづくり体験ということで、寿司の食べ放題、とても楽しい企画を練りましたので、また多くの方に参加していただいて、学校の先生と本当に楽しい一日を過ごせるよい機会を持てればいいなと思っております。
また、あと学園祭が今月の9月25日、26日と学園祭も近くなっておりますので、この学園祭も他校と比べますと大変華やかでとても立派なものだと思います。大変多くの方々に参加していただき、結構遠くからも楽しみに参加してくださる方が多いです。昨年はお天気にも大変恵まれましたので、すごくたくさんの方に参加していただきましたので、今年もより多くの人に来ていただけるように迫ってきていますので、学校のほうの準備も忙しいのだと思いますが、子供たちもいろいろ案を練っているようですので、何とか成功して素晴らしい学園祭になればいいなと思います。
また知事さんには、今日はこういった機会でお話しさせていただくことができまして本当にありがたく思っておりますし、専北は本当に素晴らしい学校でありますので、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
高橋教頭
千田さんお願いします。
千田PTA副会長
うちは、先ほどもちょっとお話ししたのですが、主人も専北の卒業生であって、長男が今専北を卒業して、同じ系列なのですが、福祉教育専門学校の2年生ということで、福祉のほうに就きたいということで先日試験を受けてまいりましたので、今結果を待っている状況ということで、親としてもそちらのほうが非常に気になってどきどきして毎日郵便ポストを眺めているところなのです。下の娘も高校を決めるとなったときに、どこに行きたいかと聞いたらやっぱり専北と、最初に答えるのが専北だったのです。何でと理由を尋ねたところ、上のお兄ちゃんは公立高校を失敗して専北さんにお世話になったのですが、3年間すごく楽しく学校生活を送っている話を毎日、毎日家に帰ってきてするので、下の娘も専北というところはとても楽しい学校なのだと、ぜひそういう学校に入りたいということで、親としては正直財布のほうも厳しいなという思いはあったのですが、子供がそう言うのであればということで入学させていただいてお世話になっているのです。今2年生ということで、うちは普通科なのですが、1年生のときよりはまじめにクラブに行くようになってはきています。何せ私の住んでいるところが北上の更木というところで、ここから自転車で45分ぐらいのところで、バスは通ってない、電車も通ってないという地域なので、親が送り迎えするか、もしくは本人が自転車で通っています。
達増知事
先週更木小学校に出前授業行ってきました。
千田PTA副会長
そうでした、ようこそお越しくださいまして、そのときも事務所のほうから、物陰のほうからこっそり知事さんを見ておりました、黒塗りのお車でいらっしゃったので、こっそり見ていました。ありがとうございました。
すごく交通に不便なところなのですが、1年生のときは本人も頑張って、自分が入りたい高校なので自転車で行くということで45分間毎朝、夕方はテニスコートがグリーンパークというところがあるので、そちらのほうだと大体1時間ぐらいかかるので、帰りは自転車で帰ってくると9時ごろということで、近くの駐在所さんにやっぱり女の子を真っ暗な街灯のない中を一人で帰らせるのはとても危ないので、2年生になったら送り迎えを考えたほうがいいのではないのというふうな指導も受けて、今送り迎えしているのです。でも本人も頑張っておりますし、また自分も役員が好きなわけではないのですが、なぜか会長さんに引っ張られるようにして、子供が同じ中学校なものですから、自分が中学校のときはPTA会長ですごく川邉さんにも、会長さんにもお世話になりましたので、何かのご恩返しができればということで引き受けさせていただいたのです。専北のPTA活動を見ると、さっき平塚さんもお話ししてくださったのですが、研修旅行もありますし、あと専北のPTA活動としては地域懇談会というのが毎年6月に開催されておりまして、24地区で開催されております。先生とPTAの役員の方々が何人か参加させていただいて、そこの地域に出向いていっていろいろ懇談して、その後懇親会をする地区もあるのです。今年も終わったのですが、出席率が43.4%という出席率で、目標は何とか50%を達成したいということだったのですが、残念ながらちょっと50%には満たなかったということで、それは私たちPTAのPR不足でもあったのかなということでちょっと反省する部分もあるのです。私学のよさというのはさっきお話しされていましたけれども、先生の転勤がないということ、子供たちの様子が本当に手に取るようにわかるということで、子供たち一人一人をきちんと見てくれて、それで心の指導、いろんな勉強の指導、ケアをしてくれるのです。よく周りのお母さん方からも専北さんって幾らかかるの、授業料幾らかかるのとよく聞かれることがあるのですが、それをお話しすると、えっというところもあるので、お金は公立よりは高いのだけれども、それ以上に素晴らしい子供を育ててくれる学校だよと言っています。私は専北の卒業生ではなくて非常に残念に思うのです。うちの息子は今福祉教育専門学校に在籍しておりまして、20日には学園祭がございます。知事さんが来る機会はないと思うのですが、北上に来る機会がありましたら、ぜひグリーンパークで子供たちと一緒にテニスを教えていただければ、非常に子供たちも張り切って子供たちもクラブ活動してもらえるのではないかと。
達増知事
和賀川の河川敷のところですよね。
千田PTA副会長
そうです、はい。ぜひいらしていただければと思っております。
私からは以上です。
高橋教頭
ありがとうございます。では、一区切りということで、ひとつ知事さんからコメントなりいただければと思います。
達増知事
PTAの役員の皆さんが本当に学校を愛していらっしゃるのがよくわかってすばらしいと思います。授業とクラブとそれぞれ大変いい教育になっていて、それで卒業後もしっかり進路をとっていくことができるということで大変いいなと思いました。
高橋教頭
ありがとうございます。
それでは、次に常務理事さんのほうから。
佐藤常務理事
うちの法人名は北上学園といいます。北上学園は、専修大学北上高等学校と、専修大学北上福祉教育専門学校、それと専修大学北上幼稚園の3校を設置運営をしている法人であります。高等学校は昭和26年、当時女子高で、黒沢尻女子高等学校と言って、かなり地域の要望があって、女性の社会進出を目的に家庭科、それから被服科を中心とした女子高校でスタートでございます。そして、この北上の地には商業科がなかったということで地域からの要望があって、商業科をつくろうということで、校名を北上商業高等学校とし、32年に校名変更して男女共学になってスタートいたしました。
それから、36年には今の専修大学の附属となり、専修大学附属北上商業高等学校、そして38年に今の校名になっております。当時、北上市のいろいろな市長さん始め教育長さん、助役さんがこの北上商業高等学校を市立高等学校にしようと、そして充実、発展しながら県立高校にしたいという非常に強い要望があった学校でした。ただ、いろいろな事情があって市立高校にはできなかったことから、専修大学の附属になったという経緯があります。
それで、校長も話したのですが、来年創立の60周年を迎える高校になっております。専門学校は、昭和39年に保育、幼稚園教育の養成校としてスタートしました。当時は、専修大学北上女子専門学院としてスタートして、専修大学北上保育専門学校、そして平成3年に福祉介護科を設置し、校名を今の専修大学北上福祉教育専門学校というように変えております。それで、専門学校の卒業生は3,800人を超えております。高等学校のほうは、校長が話しましたが、2万700人。それから幼稚園は昭和40年に北上幼稚園としてスタートして3歳児、4歳児、5歳児を保育し、卒園児が4,500名を超えている。それから、高校、専門学校、幼稚園は地域に深く根差した学校になっております。
高等学校の校舎は、正面玄関入った建物が一番古く40年を経過しております。耐震検査したところ、NG箇所が何カ所か出て、補強工事もしなければいけない校舎になっておりますが、果たして補強工事がいいのか、なかなか難しいのですが、新築工事したほうがいいのか、今先生方といろいろ協議をしているところでございます。
専門学校は、ご存じのように少子高齢化ということで、幼稚園の数が少なくなり、果たして今までのように幼稚園の先生が必要になるのかどうか、非常に心配しているところもあります。専門学校の先生方は幼児教育の大切さを一生懸命学生たちに教えているところでございます。
介護のほうは、介護現場の業務が非常に厳しいということで高校生が介護の現場に目が向かなくなっているのも現状でございます。それで去年ですか、廣田室長さんが当時いたときに離職者対策事業の一環として、去年は27名の学生というか、生徒というのですか、受け入れたことで非常に助かっているところでもございます。先生方は高校を訪問して、介護の現状は、今そのような現状ではないということを説いて一生懸命頑張っているところでございます。
幼稚園のほうは、保育園が待機児童がたくさんいるということなのですが、幼稚園のほうは保育時間が決まっておりまして、4時間という限定的なところでなかなか厳しいところもあります。北上幼稚園では国が進めているような認定こども園が可能なのか、または保育園がいいのか、いろいろ今検討しているところでございます。今高等学校、専門学校、幼稚園とも非常に頑張って、厳しい世の中なのですが、頑張っているところでございます。有能な先生方に一生懸命先に立って生徒の指導していただいているというところでございます。うちの法人は個人オーナー的な経営ではないということで、先生方、教職員全員が経営者の立場に立って物事を考え、生徒の指導をしている学園ということで今になっております。
高橋教頭
コメントございましたらお願いしたいのですが。
達増知事
この北上幼稚園で保育もやっているのですか。
佐藤常務理事
いや、幼稚園だけです。今後保育が必要になるのか、または認定こども園がいいのか、いろいろ検討しているところでございます。ただ、通常の保育のほかに預かり保育ということで、今かなりの預かり保育を受けていると、預かっているというところです。
達増知事
わかりました。
高橋教頭
小井塚先生。
小井塚教頭
では、時間が長くなってきましたので、短時間で話したいと思います。
本校は1人の生徒を大切にする教育をしておりますけれども、先ほど授業で聞いて、希望を与えられるような、そういう教育も目指していきたいなというふうに思っております。
本校は今年で専修大学の附属高校になりまして50年になるということでお話あったとおりでございますけれども、実は昨年の12月4日に石巻専修大学と高大連携の調印式をここで行いました。今年はその調印式を踏まえて、1年目のさまざまな事業を展開している年でございます。事業の一つとしては普通科が中心となりまして、3年生を対象とした大学の授業を、90分の授業ですけれども、単位を認定する授業の実施を行っております。石巻の大学の先生が本校に来て授業を行う。また、本校から大学に行って授業をしてくる、これを15回繰り返しまして、現在まで9回既に終わっておりまして、あと6回行いまして試験をやって合格すれば石巻専修大学の単位2単位を取得できることになっております。
2つ目は商業科の生徒を対象にした特別授業ということで、日商簿記の2級合格を目指して大学で行われております研究会とか授業に参加するということです。今年から実施いたしますけれども、10月上旬に実施することになっています。また、来年の2月には商業科の1年生全員を対象にして大学からの出前授業を企画しております。
3つ目は、自動車科の生徒を対象にした整備実習、特別授業の実施についてです。石巻専修大学には機械工学科の中に自動車工学コースというのがありまして、高校では学べない授業を行うことになっております。これも今年から実施するわけですけれども、今年は自動車科の2年生の生徒全員が10月に石巻専修大学に2日間行きまして、今話題のハイブリッドについて学習してきますし、本校の実習場、先ほど見ていただいた実習場にはない旋盤やフライス盤を使って物づくりをすることになっております。また、1年生に対しても商業科同様で前授業を2月ごろ行うことになっております。そして、何と言っても全校生徒が在学中に大学に行って施設の見学とか、授業に参加して専修大学の附属高校の一員だという意識を持って高校生活を送ることが非常に大事だということを思っていましたので、良かったなと思っております。昨年は、当時の1年生と2年生が全員石巻専修大学に行きましたし、今年は新1年生が全員行きましたので、在校生すべて行ったことになります。今後も本校も専修大学も建学の精神は同じであります。報恩奉仕でありますので、この報恩奉仕を原点として社会に有意な人材育成を目指して教育をしてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
以上です。
達増知事
最初に話した90分の授業というのはどんな講座というか、科目というか、何でしょう。
小井塚教頭
高校生に授業するので、大学の授業そのものやると非常に難しいですので、入り口の授業、興味ある授業を1人の先生が担当するのではなくて15人の先生がそれぞれ高校生の興味を引くような授業を90分間やっていただいております。
高橋教頭
今ので直接の担当者である藤原先生何かございませんか。
藤原教諭
進学担当で3年目になりますが、教頭先生が話したとおり、昨年度から高大連携ということで、岩手県にはないと思いますが、高校生でありながら大学の単位を取るという、そこは本当にありがたい調印をしていただきまして、実際に15回のうちどんな内容をしたかといいますと最初の授業は、高校は50分とかの授業ですので、大学は90分であって、15回をこなさないと2単位もらえないということからガイダンス、それから大学ではどんな研究、勉強するかという導入部分と、それから理系と文系の違いという内容とか、あと簿記なのですが、簿記に関しては2011年に地デジになりますけれども、それにあわせて会計基準が国際基準のIFRSになるということも、実際高校の教科書では出てないのですが、そういうことを学ぶことによって、実はアメリカと日本だけが昔ながらの簿記会計のやり方で、中国を初めほとんど世界基準になっているのだという話を聞いて、生徒たちはそういう視野もあるのだなということもありました。
それから、あとは最近は粘菌といいますか、菌に関しての勉強です。
達増知事
粘る菌。
藤原教諭
その粘る菌の研究で、例えばがんを阻止するためにはどうすればいいかと、結局人間の体を使うわけにはいかないので、そういった基本的なものができている生物を使ってやるのだというような授業をこの間はやりました。
高橋教頭
では、続いて及川広樹先生お願いします。
及川教諭
私は先ほど言ったように公立出身で本校に10年前に初めて私学の教員として来たのですけれども、公立の中学校教員だったころは、余り自分の給料について考えることがなかったのですけれども、私学に来て生徒の授業料で自分の給料が出ていると思った瞬間に、目の前の生徒が非常にいとおしくなりまして、非常にレベルの低い話で申しわけありませんが、急に教員であるということを10年前に自覚して必死になって勉強して、生徒をとにかく社会に出せるように頑張らなければと奮い立った思い出があります。
本校は、まず県外からの生徒もいますし、普通科もあり、商業科もあり、自動車科、もちろん共学であり、それから私学ですので、第一志望で入っている子もいれば、正直公立高校を不合格でやむなく第二志望で入った生徒もいます。そういう子、さまざまな入学意欲であったり、さまざまな学習形態を望んで来ている生徒たちに触れて、自分が体験したことのない高校生活をこの子たちはしているなというのをすごくうらやましく感じました。私は、先ほど言っていた、ここの周りにいるような同窓生ではないのですけれども、早くこの学校の色に染まりたいなと思って頑張っています。最近学力低下とかさまざま叫ばれていますけれども、この学校の生徒たちは非常に生活力があります。学力の定義によって、さまざまな子供の見方が出てくるとは思うのですけれども、私の担当する部署が学力向上ということですが、その学力の定義の中にどこまで本校の生徒の良さとかを入れて教育していくかということが私の今の研究課題です。すごくいい生徒に見えます。ただ足りないところもあります。その足りないところを補充しながらもいいものを持っているのだと声を出して、自分もだし、母校もだし、もう少し自慢して、人の前で話せる生徒を育てていきたいと思っています。
以上です。
高橋教頭
では、先生お願いします。
千田教諭
私は就職指導を担当しておりますけれども、この長引く不況の中、どうしても求人数が少ないということで、どこの学校も苦労しているのでしょうけれども、あと昨日のニュースでしたか、去年に比べて求人数が少ないという話が出ていまして、私が感じる限り北上あるいはその近辺の花巻とか水沢の高等学校は若干増えているような感じは受けています。ハローワーク単位で若干増のところもあったと思いますけれども、ただし就職希望者も例年3割程度が就職希望だったものがここ数年だんだん上がってきていまして、今年は270人の生徒数に対して99人の志望です。3分の1以上が就職ということです。ただ例年1回目は就職希望出したけれども、残念ながら不合格になって就職から進学に変えるという生徒もいるのですけれども、何となく今年はそういう生徒が少ないような、要するに親の懐がそれを許さないというような状況になってきているのかなという感じは受けています。景気が早く良くなって、企業の採用数がどんどん増えてもらうのはもちろんそうなのですけれども、これはうちの生徒にも直してもらわなければならない部分もあります。それは、すごくいい学校だな、楽しくて素晴らしいと評価していただいていることは良いことなのですが、逆にこれがせっぱ詰まったときの心構えが若干不足しているのかなという部分も感じております。それがなかなか就職ということに対してピンと来てないというか、社会人になるということに対して、あまり意識をしないうちに就職試験に臨む生徒が多いように感じます。1回目落ちてきて、そこで初めて目が覚めて、真剣になって2回目を探すという実態で、1回目の合格率は決して高くないのです。それを何とかもう少し生徒の意識を高めてやっていきたいなというところが一番考えているところです。
高橋教頭
続けて藤原悟先生。
藤原教諭
先ほどちょっと話をしたのですが、石巻専修大学は比較的岩手県に近いし、石巻専修大学の考え方は地域に根差して、もしくは学生が地元に戻って地元で就職する。地元に人が残るということは人口も増えるし、生活設計も成り立っていくという考えで、実は石巻専修大学の学長さんを初め、本校に対しては、たまたま附属だということもありますが、経済的に厳しい子たちがいるのですという話をしたら、石巻専修大学のほうでは、では北上から通えるようにしましょうかということで、今年から北上駅東口から毎日出ているのです。それで、石巻まで幾らで行くかなというと片道450円です。ですから、往復すると900円ですから1,000円かからない。ちょっとここから盛岡に行くとか、あるいは北上駅から翔南高校に行くまでよりも安い金額で実際に通っている生徒もいます。結局は大学建学の精神が報恩奉仕ですので、地元に還元、地元に戻って、地元のために頑張ってほしい、学生になってほしいということもあるみたいです。その点はすごく助かっていますし、実際に今年入った生徒もいますし、来年度入りたいという生徒も結構います。その点は、私は大学の附属高校で、大学にも感謝したいと思っております。
高橋教頭
悟先生の息子さんは、先ほどのスクールセッションで消防士になりたいという息子さんでした。
達増知事
格好良かったですよね。
藤原教諭
私は親という立場でいえばなかなか照れくさいのですが、本人から、自分から入りたいという意思で入ってきました。たまたま学業奨学生という制度で入ってくるのですが、うちの学業奨学生制度は勉強だけではなくてクラブ活動もできるという点に本人は引かれて入ってきたみたいですが、どっちもうまくやっているか、それは心配ですが。
達増知事
陸上部と言っていましたよね。
藤原教諭
そうです、はい。頑張ってくれればありがたいと思います。私も頑張ります。
高橋教頭
では、菊池先生。
菊池教諭
ちょっと独り言を言わせていただきます。独り言です。川邉さんとか平塚さんとか千田さんもお子さんが本校に入りたいというふうに話してくれて、中学生の皆さんの進路が希望達成できるのが一番いいとは思うのですが、先週と先々週にオープンスクールを中学校の3年生に対象にアンケートとったときに、専大北上について知りたいこと何かありますかという項目にお金のことが非常に多い。保護者に聞いたのではなくて中学校3年生に聞いて、お金の件が非常に多いというふうなことで、独り言ですよ。CMで国境の境目が命の境目であってはならないというフレーズがありますけれどもけれども、保護者の出せるお金の境目が進路先の境目であってはならないなと思って、ちょっと独り言を言ってみました。
今度は学校とは全然関係ない話なのですけれども、岩手県全体のことで感じているという話をちょっとさせていただきたいのですが、岩手県内の中学校をいろいろ回らせていただいたりとか、あるいは報道で岩手県の小学校や中学校の先生たち大変よく頑張っていると思います。何を頑張っているのかといったらば、それぞれ住んでいる地域の地元愛というのがすごく強いのです。県北は県北で、盛岡あたりから北上あたり県央というのでしょうか、あと県南は県南で、沿岸だったら沿岸北部で、沿岸南部でというような形で、それぞれの郷土芸能だったりとか、昔からの伝承だったりとかというようなのを小学校、中学校の子たちにすごく熱心に教えている先生たちもそうだし、地域の方も非常に多いので、地元愛が非常に強いと思うのです。高校に入ってきてもほとんど町の高校あたりに進学するとは思うのですけれども、高校を出るときの進学先であったり、就職先であったりというふうな受け皿がなかなか県内には選択肢として広くないので、仙台に出たりとか、東京のほうに行ってしまったりとかというふうなことで、自分が生まれ育った地域に住み続ける割合というか、そういう統計は多分県庁のほうで出しているとは思うので、私が勉強不足で見てないとは思うのですけれども、例えばそういうふうな部分で川邉さんのように東京に出ていった岩手県出身の人とか、日本全国に散らばっている岩手県出身の人が、簡単なことを言えば岩手県にみんな戻ってきてくれれば非常にいいとは思うのです。新聞でもニュースでもよく岩手県は関東に限らず宣伝が下手くそだというようなことを言われたり、書かれたりしていて、バラエティ番組でも岩手県というのはいいものはあるのだけれども、ばっと来るものが……、というふうなのを見たり聞いたりしていたときにふと思ったことは、結局岩手県というのは優しい人たちが多いので、さっき言った県北だろうが、県央だろうが、県南だろうが、沿岸北部、南部だろうが、岩手県は岩手県だと受け入れているところがあって、逆に、それが、じゃ岩手県とは何なのとなったときにもやっとしているような感じがするのかなと。なので、例えば食べ物のことでもいいですし、冠婚、祭りでも何でもいいですけれども、やっぱり盛岡なら盛岡でも構わないので、満遍なく一つ二つ何か、全国に売るとか、世界に売るというふうなものをどんどん、どんどんそれに特化して発信していったほうがいいのかなと。岩手県民の人たちが盛岡のことばかりってなるかというとならないですよ、地元愛が強いので、盛岡はああやってやっているけれども、実はうちらの祭りのほうがすごいのだぞというふうな形になるので。
政治的なことは抜きにして、スペインとかという国は、例えば首都はマドリードですけれども、マドリードが全部そうなるかというとそうではないし、バルセロナ、カタロニアだとか、バスクだとか、それぞれの地域、地域で自分たちの文化を持って、あっちよりおれたちのほうがすごいのだというふうな自負を持ってやって、国として分裂しているのかといったら、この前にワールドカップ優勝したときには一つにまとまったというふうなことがあるのですけれども、岩手はスペインみたいに、岩手としてこうだというふうなものをもうちょっと特化したほうがいいのかなと。三大麺と言っているけれども、三大麺って何だと言われたときに岩手県人は冷麺、じゃじゃ麺、わんこそばと言って、ではわんこそばを岩手県民全員食べたことあるのというと、私は残念ながら食べたことないです。というのは、私は生まれてからこのかた、家が貧乏だというのもあったのですけれども、わんこそばというのは観光客相手に食べさせるようなものなのかなというふうな感じがしたので、三大麺はそれでも浸透してきていますけれども、何かそういうふうなものをどんどん特化して宣伝していただいて、盛岡のこういうふうなものだけ、北上のこういうものだけではなくて沿岸に行けばこういうのもあるよというふうな形でどんどんリピーターが来るようにしたほうがいいのかなと考えました。
高橋教頭
知事さんのほうからコメントをちょうだいしたいと思いますので、お願いします。
達増知事
地元愛と就職先、進学先の関係はすごく大事なポイントだと思いますが、1990年代の終わりごろには岩手の人口流出はプラス・マイナスで、マイナス1,000ぐらいで、いっときはマイナス1,000を切ってマイナス900人ぐらいだったことがあるのです。そのころはITバブルとか言われ、電気、電子部品とかの工場が盛んで、あとは国の公共事業も非常に多かったころで、そのころはプラス・マイナス1,000人切るぐらいだったのです。ただ、ITバブル崩壊と公共事業の削減が重なって、それが2001年に同時に起きていて、2001年から流出がすごい勢いで増え、差し引き2,000、3,000、4,000、5,000と毎年1,000人ぐらいずつマイナスが増えて、3年前が6,800までいってピーク、そこから6,500、6,300ぐらいかな、若干歯どめは効いているのですが、そこからわかることは、やっぱり就職先があれば残るということですね。
あと統計データをさらに細かく見ますと、差し引きマイナス1,000ぐらいのころでも高校卒業、大学卒業ぐらいで18歳から22歳ぐらいで出ていく人はやっぱり結構いたのです。ただ、30歳ぐらいで戻ってくる人がかなりいて、差し引きでマイナス1,000を切っていた。戻ってくる人が激減しているのです。出ていく人が増えているわけではなく、出ていく人はやっぱり同じぐらい出ていって、ただ戻ってくる人が減っている。そういう意味で、30歳くらいで働ける場所が激減したというのがここ10年くらいの人口流出の実像なのです。
繰り返すと、みんな岩手が嫌で出ていくわけではなく、働く場所があれば戻ってくるというのがパターンですので、ここはやっぱり岩手に働ける場所をつくっていく、経済雇用対策というのが非常に重要だと思っております。
高橋教頭
ありがとうございました。もっともっと知事さんのお話を聞きたいところなのですが、時間もお忙しい方なので、この次もあります。これでこの会を終わりにしたいと思いますが、よろしいですか。
佐藤常務理事
30秒いいですか。先生方は全然自慢もしないし、自分がやっていることを自慢しない先生なので私のほうからちょっとだけ。
私がすごいなと思うこと、PTAの方は感じると思うのですが、うちの卒業式、入学式の素晴らしいこと、これは卒業生の保護者が全員感じていることだと思います。
式には、近年近隣の中学校の校長先生が見えているのですが、非常に感動して帰られます。それが先生方の教育の一番最後の総仕上げだったのかなと。私は岩手県で1位だけではなくて日本一の卒業式だと、また入学式も日本一の入学式だと思っています。一度、もし時間がとれるのであれば日本一の卒業式にぜひ来てください。
あともう一つ、今年の夏の高等学校珠算大会、岩手県を代表してうちの生徒が伝票算で日本一になりました。これも快挙だなと思います。非常にいい指導者がいるということを最後にご報告させていただきたいなと。
以上です。
閉会
高橋教頭
すみません、本当に時間オーバーになってしまいました。外で吹奏楽の子供たちが準備しております。ただ、途中で音をとめてしまったので、まだウォームアップ不足かもしれませんが、ベランダへ行って見ていただきたいと思います。
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