「熱中症予防に留意した換気の悪い密閉空間」の改善

ページ番号1032420  更新日 令和6年3月13日

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熱中症予防に留意しつつ、新型コロナウイルス感染症予防のため、二酸化炭素濃度1,000ppm以下となる状態を目安とし、適切に換気を行いましょう。

(以下は建築物衛生法に定める「特定建築物」を例にしていますが、その他の建築物(一般住宅等)でも参考となるものです。)

夏場における換気の方法について

熱中症予防に留意した「換気の悪い密閉空間」を改善しましょう

「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気の方法

換気機能内冷暖房設備(循環式エアコン)しか設置されていない商業施設等の場合外気温が高いとき必要換気量を満たすための換気(30分ごとに1回数分間窓を全開にする)を行うと、建築物衛生法(ビル管理法)で定める居室内の温度および相対湿度の基準(28℃以下、70%以下)を維持できないときがあります。

新型コロナウイルス感染症のリスク要因の一つである「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気と、熱中症予防を両立するため、以下の点に留意してください。

窓を開けて換気する場合の留意点

  • 居室の温度および相対温度を28℃以下および70%以下に維持できる範囲内で、2方向の窓を常時、できるだけ開けて、連続的に室内に空気を通すこと。
    この際、循環式エアコンの温度をできるだけ低く設定すること。
    1方向しか窓がない場合は、ドアを開けるか、天井や壁の高い位置にある窓を追加で開けること。
  • 居室の温度および相対湿度を28℃以下および70%以下に維持しようとすると、窓を十分に開けられない場合は、窓からの換気と併せて、可搬式の空気清浄機を併用することは換気不足を補うために有効であること。

空気清浄機を併用する際の留意点

  • 空気清浄機は、HEPAフィルタによるろ過式で、かつ、風量が5立方メートル/min程度以上のものを使用すること。
  • 人の居場所から10平方メートル(6畳)程度の範囲内に空気清浄機を設置すること。
  • 空気のよどみを発生させないように、外気を取り入れる風向きと空気清浄機の風向きを一致させること。

熱中症の予防のためには、こまめな水分補給や健康管理などにも留意が必要です。

 

【注1】エアコン本体に屋内空気の取り入れ口がある(換気用ダクトにつながっていない)エアコンは、室内の空気を循環させるだけで、外気の取り入れ機能はないことに注意してください。(いわゆる「ルームエアコン」と呼ばれるタイプには、ほぼ、外気の取り入れ機能はありません。)

【注2】換気の方法の詳細については、リーフレット「「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気の方法」を参照してください。(以下リンク先)

【注3】ビル管理法で定める居室内の温度および相対湿度の基準(28度以下、70%以下)を維持していれば、軽作業を連続で行う場合の熱中症予防の基準値(暑さ指数(WBGT値)29度)を越えることはありません

【注4】窓を開ける幅は、居室の温度と相対湿度をこまめに測定しながら調節してください。また、窓を開けるときは、防犯などにも配慮してください。

【注5】空気清浄機は、換気を保管する目的で使用するものですので、窓を閉めて空気清浄機だけを使用しても十分な効果は得られないことに留意してください。

【注6】間仕切りなどを設置する場合は、空気の流れを妨げない方向や高さとするか、間仕切りなどの間に空気清浄機を設置するなど、空気がよどまないようにしてください。 

  

夏場における換気対策リーフレット(厚生労働省)

換気対策の基本的事項

新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の見解(令和2年3月9日及び3月19日公表)では、集団感染が確認された場所で共通する3条件が示されています。新型コロナウイルス感染症厚生労働省対策本部では、この見解を踏まえ、リスク要因の一つである「換気の悪い密閉空間」を改善するために、多数の人が利用する商業施設等においてどのような換気を行えば良いのかについて、有識者の意見を聴取しつつ、文献、国際機関の基準、国内法令基準等を考察し、推奨される換気の方法をまとめました。

専門家検討会の見解(抄)

クラスター(集団)感染発生リスクの高い状況の回避

  1. 換気を励行する換気の悪い密閉空間にしないよう、換気設備の適切な運転・点検を実施する。定期的に外気を取り入れる換気を実施する。
  2. 人の密度を下げる:人を密集させない環境を整備。会場に入る定員をいつもより少なく定め、入退場に時間差を設けるなど動線を工夫する。
  3. 近距離での会話や発声、高唱を避ける:大きな発生をさせない環境づくり(声援などは控える)。共有物の適正な管理又は消毒の徹底等。

推奨される換気の方法

ビル管理法(建築物における衛生的環境の確保に関する法律)における空気環境の調整に関する基準に適合していれば、必要換気量(一人あたり毎時30立方メートル)を満たすことになり、「換気が悪い空間」には当てはまらないと考えられます。このため、以下のいずれかの措置を講ずることを商業施設等の管理権原者に推奨いたします。

なお、「換気の悪い密閉空間」はリスク要因の一つに過ぎず、一人あたりの必要換気量を満たすだけで、感染を確実に予防できるということまで文献等で明らかになっているわけではないことに留意していただく必要があります。

(1) 機械換気(空気調和設備、機械換気設備)による方法
  • ビル管理法における特定建築物に該当する商業施設等については、ビル管理法に基づく空気環境の調整に関する基準が満たされていることを確認し、満たされていない場合、換気設備の清掃、整備等の維持管理を適切に行うこと。                
  • 特定建築物に該当しない商業施設等においても、ビル管理法に基づく必要換気量(一人あたり毎時30立方メートル)が確保できていることを確認すること。必要換気量が足りない場合は、一部屋あたりの在室人数を減らすことで、一人当たりの必要換気量を確保することも可能であること。

ビル管理法における空気調和設備を設けている場合の空気環境の基準

項目

基準

ア 浮遊粉じんの量 0.15mg/立方メートル以下
イ 一酸化炭素の含有率

100万分の10以下(=10ppm以下)

注 特例として外気がすでに10ppm以上ある場合には20ppm以下

ウ 二酸化炭素の含有率 100万分の1000以下(=1000ppm以下)
エ 温度

(1)17℃以上28℃以下

(2)居室における温度を外気の温度より低くする場合は、その差を著しくしないこと。

オ 相対湿度 40%以上70%以下
カ 気流 0.5m/秒以下
キ ホルムアルデヒドの量 0.1mg/立方メートル以下(=0.08ppm以下)

【注意】機械換気設備を設けている場合は、上記の表のアからウまで、カ及びキを遵守する必要がある。

(2) 窓の開放による方法
  • 換気回数を毎時2回以上(30分に一回以上、数分間程度、窓を全開する。)とすること。
    【注意】換気回数とは、部屋の空気がすべて外気と入れ替わる回数をいう。
  • 空気の流れを作るため、複数の窓がある場合、ニ方向の壁の窓を開放すること。窓が一つしかない場合は、ドアを開けること。

換気に当たっての留意点

(1) 特定建築物に該当する場合
  • 特定建築物に該当する商業施設等の管理権原者は、ビル管理法に基づく空気環境の調整に関す基準に従って当該建築物を維持管理しなければなりません
  • 基準を満たしていない場合は、建築物環境衛生管理技術者の意見を尊重して適切な是正措置を講じ、当該建築物が基準を満たすように維持管理しなければなりません。

【注1】ビル管理法における特定建築物とは、興行場、百貨店、集会場、遊技場、店舗等の用途に供される延べ面積3000平方メートル以上の建築物であって、多数の者が使用・利用するものをいいます。
【注2】近年、二酸化炭素の含有率の基準を満たしていない特定建築物が多数報告されています。改めて換気設備の点検を行うなど、適切な維持管理を行ってください。

(2)特定建築物に該当しない場合
  • 特定建築物に該当しない商業施設等の管理権原者についても、ビル管理法に基づく空気環境の調整に関する基準に従って当該建築物の維持管理をするように努めなければならないとされています。
  • これを踏まえ、機械換気による場合、換気設備を設計した者や換気の専門業者に依頼し、換気量がどの程度あるかを確認し、一人あたりの必要換気量が確保できるよう、部屋の内部の利用者数の上限を把握するよう努めなければなりません。

効果的な換気のポイント

令和4年7月14日に開催された第17回新型コロナウイルス感染症対策分科会の資料において、効果的な換気のポイントがまとめられておりますので、参考にしていただき、適切な換気の実施をお願いします。

【医療機関等の皆様へ】新型コロナウイルス感染症の治療を行う場合の換気設備について

厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生課より、新型コロナウイルス感染症患者及び疑似症患者の治療を行う場合における換気等の留意点が示されましたのでお知らせします。

 

換気設備の点検・換気量の測定を行いましょう

厚生労働科学科研「新興・再興感染症のリスク評価と危機管理機能の実装のための研究」(研究代表者 国立感染症研究所 齋藤智也)の分担研究として、北海道大学 林基哉教授が実施した「室内環境が新型コロナウイルスのクラスター感染に与える影響に関する調査」を踏まえ、各医療機関における換気設備について点検が必要である旨をお知らせします。

 

1、換気量(給気量や排気量)の不足が、病院内でのクラスター感染の要因となった可能性が否定できないと考えられ、換気量が設計時に対して減少する要因として、換気設備の老朽化や省エネルギー、省コスト等のための換気量調整が挙げられます。

 

2、新型コロナウイルス感染症患者の治療に当たり、換気設備について以下の対応を検討することとしてください。

 (1) 換気設備の換気量の測定を行い、適切に機能していることを確認しましょう。

 (2) (1)の測定の結果、適切な換気量が確保できていない場合は、フィルター等の清掃や老朽化した換気設備の補修等を行うことにより、換気状況の改善を図れるよう検討を行いましょう。なお、改善を行うまでの対策として、窓開け等により換気を行うことも考えられます。

    

【参考】冬場における換気対策について

外気温が低いときに、「換気の悪い密閉空間」を改善する換気と、室温の低下による健康影響の防止を両立するため、以下の点に留意しましょう。

[注意]

 「換気の悪い密閉空間」は新型コロナウイルス感染症のリスク要因の一つに過ぎず、一人あたりの必要換気量を満たすだけで、感染を確実に予防できるわけではありません。人が密集した空間や密接な接触を避ける措置を併せて実施する必要があります。

 

推奨される換気の方法

1 窓の開放による方法

 換気機能を持つ冷暖房設備機械換気設備が設置されていない、または換気量が十分でない商業施設等は、以下に留意して窓を開けて換気してください。

  冷暖房設備本体に屋内空気の取り入れ口がある(換気用ダクトにつながっていない)場合、室内の空気を循環させるだけで、外気の取り入れ機能はないことに注意してください。

居室の温度および相対湿度を18℃以上かつ40%以上に維持できる範囲内で、暖房器具を使用しながら、一方向の窓を常時開けて、連続的に換気を行うこと。

  加湿器を併用することも有効です。

 

居室の温度および相対湿度を18℃以上かつ40%以上に維持しようとすると、窓を十分に開けられない場合は、窓からの換気と併せて、可搬式の空気清浄機を併用すること。

 

窓開け換気による室温変化を抑えるポイント

 1  一方向の窓を少しだけ開けて常時換気をする方が、室温変化を抑えられます。窓を開ける幅は、居室の温度と相対湿度をこまめに測定しながら調節してください。

 2  人がいない部屋の窓を開け、廊下を経由して、少し暖まった状態の新鮮な空気を人のいる部屋に取り入れること(二段階換気)も、室温変化を抑えるのに有効です。

 3  開けている窓の近くに暖房器具を設置すると、室温の低下を防ぐことがきでますが、燃えやすい物から距離をあけるなど、火災の予防に注意してください。

 

空気清浄器を併用する際の留意点

 1 空気清浄機は、HEPAフィルタによるろ過式で、かつ、風量が毎分5立方メートル程度以上ものを使用すること。

 2 人の居場所から10立方メートル(6畳)程度の範囲内に空気清浄機を設置すること。

 3 空気のよどみを発生させないように、外気を取り入れる風向きと空気清浄機の風向きを一致させること

  間仕切り等を設置する場合は、空気の流れを妨げない方向や高さとするか、間仕切り等の間に空気清浄機を設置するなど、空気がよどまないようにしてください。

 

    

 

2 機械換気(空気調和設備、機械換気設備)による方法

 必要換気量を満たすことのできる機械換気設備等が設置された商業施設等は、以下のとおり換気を行ってください。

 機械換気設備等の外気取り入れ量等を調整することで、必要換気量(一人あたり毎時30立方メートル)を確保すること。

  

 冷暖房設備により、居室の温度および相対湿度を18℃以上かつ40%以上に維持すること。

 

冬場における換気対策リーフレット(厚生労働省)
冬場における「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気の方法

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このページに関するお問い合わせ

環境生活部 県民くらしの安全課 生活衛生担当
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