令和元年度(第51回)ガンカモ類の生息調査の実施結果
環境省では、全国のガン・カモ・ハクチョウ類の冬期における生息状況を把握するため、毎年1月に一斉調査を行っています。
岩手県では、令和元年度は1月12日を基準日として、令和2年1月11日から13日までに334か所で調査を行い、調査結果は次のとおりとなりました。
ハクチョウ類
- オオハクチョウ3,522羽、コハクチョウ1,328羽、ハクチョウ類種不明1羽の合計4,851羽が記録された。合計数は平成30年度とほぼ同程度で、過去10年間においても平均的な渡来数であった。
- オオハクチョウの個体数は平成30年度と大きく変わらなかったが、コハクチョウは約4割の増加がみられ、過去最高となった。
順位 | 調査地点 | 羽数 |
---|---|---|
1 |
赤石提(金ケ崎町) |
476羽 |
2 |
和賀川-猫谷地(北上市) |
460羽 |
3 |
蒲沢堤-油島(一関市) |
350羽 |
ガン類
- 県内の15か所の調査地点において、1,404羽が確認された。
- コクガン(いわてレッドデータブックBランク、環境省レッドデータブック絶滅危惧2類、国の天然記念物)が、洋野町、釜石市、山田町の海岸で合計49羽確認された。渡来数は年により変動があり、今回は少ない年であった。
- マガン(いわてレッドデータブックCランク、環境省レッドデータブック準絶滅危惧種、国の天然記念物)は、一関市の5地点で合計1,259羽が確認されたほか、北上市で計72羽、盛岡市で1羽が確認された。年によって数十羽から数千羽まで変動が大きいなか、今回は平均的な渡来数となった。
- シジュウカラガン(環境省レッドデータブック絶滅危惧1A類)は、平成30年度も渡来のあった普代村で22羽が記録された。
- ヒシクイ(いわてレッドデータブックBランク、環境省レッドデータブック絶滅危惧2類)が、県内では4年ぶりに八幡平市で1羽記録された。
順位 | 調査地点 | 羽数 |
---|---|---|
1 | 永井鹿沼(一関市) | 831羽 |
2 |
金流川-花泉老松(一関市) |
204羽 |
3 |
郷ノ目沖(一関市) |
164羽 |
注)当該3地点で確認されたのは全てマガン
カモ類
- 合計26,428羽が記録され、過去10年間では2番目に多い渡来数だった。
- 少数が不定期に渡来するコオリガモが、釜石市の2か所で計4羽確認された。
- 個体数の多いカモ類では、マガモが平成30年度に比べて3千羽近く増加したほか、コガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ホシハジロなどでも増加が目立った。
- 例年300羽前後で推移していたカワアイサは、過去最高の638羽を記録した。
順位 | 調査地点 | 羽数 |
---|---|---|
1 |
御所湖(雫石町) |
1,603羽 |
2 |
新堤(北上市) |
1,585羽 |
3 |
唐丹町片岸川(釜石市) |
821羽 |
餌付けの状況
- 餌付け自粛以前(平成19年度まで)は約50地点で餌付けが報告されていたが、平成29年度は10地点、平成30年度は10地点、令和元年度は6地点であった。
- 令和元年度、餌付された地点に渡来していたハクチョウ類は合計257羽、カモ類は1,156羽で、県全体の渡来数に占める割合はハクチョウ類が5.3%、カモ類が4.4%程度であった。
注)餌付け自粛以前は、ハクチョウ類の60~70%、カモ類の40~50%が餌付け地点に記録されていた。
最近10年間の個体数の推移
年度 | H22 | H23 | H24 | H25 | H26 | H27 | H28 | H29 | H30 | R1 | 対前年度増減 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ハクチョウ類 | 3,876 | 3,786 | 3,907 | 4,715 | 4,327 | 4,033 | 3,850 | 6,219 | 4,610 | 4,851 | 241増 |
ガン類 | 213 |
404 |
910 | 591 | 505 | 3,122 | 4,447 | 179 | 2,392 | 1,404 | 988減 |
カモ類 | 23,981 | 23,068 | 19,608 | 19,298 | 20,884 | 28,021 | 22,966 | 21,334 | 22,265 | 26,428 | 4,163増 |
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