「クーリング・オフ」とは?
質問(1)
「クーリング・オフ」という言葉をよく耳にしますが、具体的な内容について教えてください。
回答(1)
契約は原則として守らなければなりません。しかし、訪問販売などでは、契約者は購入する意思がはっきりしないまま販売員に勧められて契約の締結や申し込みをしてしまい、後日トラブルになる場合があります。
そこで、消費者に熟慮する余裕を与え、一定期間内であれば無条件で契約解除できるのがクーリング・オフ制度です。
クーリング・オフが適用されるかどうかのポイントは、
- クーリング・オフ制度のある取引形態であること
- クーリング・オフが適用される商品・サービスであること(政令指定消耗品(※)を使用・消費した場合や乗用自動車は除く)
- 書面交付から一定期間内であること(訪問販売の場合は8日以内、マルチ商法や内職商法では20日以内)
です。3千円未満の現金取引、営業用の商品・サービス契約には適用されません。
クーリング・オフは必ず書面で行います。はがきに契約年月日、商品名、金額、販売業者名と「この契約を解除します」という内容を記入します。後日のトラブルを防ぐためにも両面のコピーを取って保管し、「特定記録郵便」または「簡易書留」などの配達記録付きで送りましょう。クレジット契約をした場合は、販売業者とクレジット会社にも同時に、同様の方法で郵送しましょう。
なお、通信販売にはクーリング・オフ制度の適用はありませんが、広告に返品特約の表示がない場合は、返品可能な場合があります。
(注)政令指定消耗品
健康食品、不織布および幅13センチ以上の織物、生理用品等、医薬品を除く防虫剤等、化粧品や合成洗剤等、履物、壁紙、配置薬
質問(2)
クーリング・オフできる取引はどのようなものがありますか。
回答(2)
クーリング・オフとは、商品の購入において特定の場合、契約後一定の期間内であればその理由を問わず、消費者が一方的に契約の解除ができる制度です。
クーリング・オフできる取引は、特定商取引法や割賦販売法など各法律に定められています。クーリング・オフできる取引としてもっともよく知られているのは訪問販売ですが、訪問販売以外にもクーリング・オフ制度が設けられている取引があります。
クーリング・オフ制度がある主な取引と期間は、次のとおりです。
特定商取引法
- 訪問販売(キャッチセールス、アポイントメントセールス等を含む):8日間
- 電話勧誘販売:8日間
- 特定継続的役務提供(エステ、語学教室、学習塾、家庭教師、パソコン教室、結婚相手紹介サービス):8日間
- 連鎖販売取引(マルチ商法):20日間
- 業務提供誘引販売取引(内職商法、モニター商法等):20日間
- 訪問購入(業者が消費者の自宅等を訪ねて、商品の買い取りを行うもの):8日間
訪問購入の場合、クーリング・オフ期間内は、消費者(売主)は買取業者に対して売却商品の引き渡しを拒むことができます。
特定商取引法以外
- 個別クレジット契約:訪問販売・電話勧誘・特定継続役務提供は8日間、連鎖販売・業務提供誘引販売は20日間
- 投資顧問契約:10日間
- 預託等取引契約:14日間
- 宅地建物取引:8日間
- 生命・損害保険契約:8日間
- 冠婚葬祭互助会契約:8日間
契約の起算日は原則として法定書面が交付された日ですが、業者からクーリング・オフ妨害があったときやクーリング・オフの記載内容が不備な書面を交付された場合などはこの期間は延長されます。
なお、消費者自ら店に行ったり、広告を見て電話で申し込んだ場合などは、通常クーリング・オフできませんので留意しましょう。
不安に思ったら一人で悩まず、県民生活センターや市町村の消費生活相談窓口にご相談ください。
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