うるし(いわてお国自慢)
このページでは、岩手県が日本一、日本初あるいは唯一無二であるなど、全国に誇るべき岩手のお国自慢をご紹介します。
今回は「うるし」!
日本文化の象徴の一つである『漆(うるし)』(英訳はjapan)。岩手県は漆の出荷量が日本一(令和4年)です。
- 第1位 岩手県:全国シェア81.3%(1,435kg)
- 第2位 茨城県:全国シェア15.2%(268kg)
- 第3位 福島県:全国シェア0.7%(12kg)
現在、県内出荷の中心を担うのが、県北に位置する二戸(にのへ)市の浄法寺漆(じょうぼうじうるし)です。奈良時代、浄法寺にある天台寺に遣わされた僧侶たちが、日用の器などを作るために漆工技術を持ち込んだことからその歴史が始まったと伝えられます。今や国宝や重要文化財の修復に欠かせない国産漆。高品質の浄法寺漆は、中尊寺金色堂、鹿苑寺金閣、日光の社寺(日光東照宮を含む)などの世界遺産となっている建造物の保存修理にも用いられています。
一方、保存修理に必要とされる漆の使用量に対して生産量が不足しており、産地では漆の確保(増産対策)が課題となっています。二戸市では、漆産業の後継者育成のため「地域おこし協力隊うるしびと」を募集しており、最年少で参加したのが、長島(ながしま)まどかさん。平成28年からうるしびととして漆掻き技術の習得に励み、職人としての自立を目指しています。「朝5時に起きて、7時頃から山で漆掻きをしています。最近は漆の原木の数が減っているので、苗を育てたりもしています」と活動について語る長島さん。
また、県南地域の一関(いちのせき)市大東(だいとう)町では、「衝撃波粉砕技術」の導入による漆生産を検討しており、この新技術により、これまで植樹から10年以上かかっていた漆の採取が約5年で可能になります。岩手の県北そして県南が、日本の漆生産拠点となることが期待されています。
漆は硬化すると、熱や湿気、酸、アルカリにも強く、抗菌効果があることから、食器にも最適です。長島さんは「漆器は、値段が高いというイメージからか、日常的に使われることが少なくなっているので、まずは使ってもらいたいと思います。例えば、漆器は熱をゆっくり伝えるので保温性があるし、口あたりがとても優しかったりと、修理をすれば一生付き合えるものなので、ちょっとずつでもそういうことが伝わっていったらなと」と漆器の魅力を話してくれました。
岩手県内では浄法寺塗、安比(あっぴ)塗、秀衡(ひでひら)塗などの漆器も現代に受け継がれています。ぜひ足を運んで漆の良さを感じてください。
豆知識
【うるし(漆)】
- ウルシ(ウルシ科ウルシ属)から採取した樹液を精製した天然樹脂塗料
- 採取方法:漆の幹に専用の道具で傷を付けて樹液を採取する。1本の木から約200gほど採れる。
- 塗料以外の用途:漆の実の表皮には蝋(ろう)がついており、昔はその蝋を取り、ロウソクを作っていた地域もある。
- 食用:ウルシの花から蜜を採取した「うるし蜂蜜」がある。
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