概要(旧松尾鉱山)
概要(旧松尾鉱山)
旧松尾鉱山は、北上川の支流の一つ赤川の上流、八幡平の中腹に位置しており、硫黄の生産により一時は「雲上の楽園」と呼ばれ隆盛を極めましたが、重油脱硫による安い回収硫黄が出回るなどして経営が悪化し、昭和47年に鉱業権を放棄し事実上閉山しました。この鉱山から大量の強酸性水が赤川に流入し、北上川を汚濁していたため、大きな社会問題となっていました。
このような状況の中で、岩手県議会は昭和46年7月「北上川水質汚濁防止の恒久対策の樹立」を国に請願しました。これを受けて国は、同年11月に林野庁、通商産業省(現:経済産業省)、建設省(現:国土交通省)、自治省(現:総務省)、環境庁(現:環境省)で構成される「北上川水質汚濁対策各省連絡会議」、いわゆる五省庁会議を設置し対策の検討が進められました。
昭和47年5月から建設省が暫定中和処理を行う一方、この五省庁会議においては昭和51年、新たな中和処理施設を建設することが決定され、岩手県が通商産業省(現:経済産業省)の補助を受けて建設するとともに、昭和57年4月から維持管理を行うことになりました。
旧松尾鉱山操業当時の風景
旧松尾鉱山の宿舎と硫黄製造工場等
赤川の汚染状況(昭和49年頃) 1
赤川の汚染状況(昭和49年頃) 2
暫定中和処理
最近の動向
北上川清流化確保事業を円滑に進めるため、平成11年から「五省庁等連絡会」を毎年開いています。国の担当者の方々に出席いただき、個別課題ごとの状況や結果について、関係機関の共通認識を図っています。
平成18年には、平成12年度から16年度まで行われた新中和処理施設省エネルギー総合実証試験設備を買い取り、効率のよい運転管理に努めています。平成19年度からは、分散制御システムを導入するなど、さらに確実な坑廃水処理を行っています。
発生源対策工事(昭和47年~平成14年)による原水の水質向上や省エネルギー設備導入による効率化等により、処理水単価は処理開始(昭和57年)と比較して約4割の節減が図られています。
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