平成23年度地価調査結果の概要
1 地価調査制度の概要
- 根拠法令:国土利用計画法施行令(昭和49年政令第387号)第9条第1項
- 調査目的:地価公示とともに土地の正常な価格を示すことにより、一般の土地取引価格に対して指標を与え、又、公共の利益となる事業の用に供する土地に対する適正な補償金の額の算定等に資し、もって適正な地価の形成に寄与することを目的とするものである。
- 調査主体:岩手県
- 調査対象:県内34市町村の385地点(休止地点11地点を除く)
- 価格時点:平成23年7月1日
- 価格判定:不動産鑑定士の鑑定評価に基づき、県が基準地の標準価格を判定する。
2 岩手県の地価の動向
(1)住宅地
本県の住宅地は、人口の減少や地域経済の低迷を背景とした住宅地の需要退及び震災の影響などにより、11年連続の下落となった。
前年度より引き続き調査を行った236地点の平均変動率は-4.7%(平成22年度-4.2%)となり、昭和50年度の調査開始以来過去最大の下落率となった。
県内において上昇した地点はなく、下落率の最も大きな地点は、陸前高田市米崎町字松峰59番7(陸前高田(県)-2)であり、その変動率は-16.0%(平成22年:八幡平市松尾寄木第1地割590番120(-10.7%))であった。
(2)商業地
本県の商業地は、空き店舗の増加や郊外型商業施設への顧客流出に伴う既成商店街の空洞化の進展及び震災の影響などにより、18年連続の下落となった。
前年度より引き続き調査を行った60地点の平均変動率は-6.4%(平成22年:-6.8%)となり、地価の下落率が縮小した。
県内において上昇した地点はなく、下落率の最も大きな地点は、奥州市水沢区中町86番[マリヤ化粧品店](奥州(県)5-2)であり、その変動率は-11.2%(平成22年:釜石市上中島町1丁目96番2外(ドクターヒューズマン)-11.3%)であった。
(3)林地
本県の林地は、林業就業者の離職及び不況等の影響による国産材市況の長期低迷などにより、17年連続の下落となった。前年度より引き続き調査を行った31地点の平均変動率は-8.8%(平成22年度-8.8%)となり、前年と同じ下落率となった。
用途 |
宅地及び宅地見込地 住宅地 |
宅地及び宅地見込地 宅地見込地 |
宅地及び宅地見込地 商業地 |
宅地及び宅地見込地 準工業地 |
宅地及び宅地見込地 工業地 |
宅地及び宅地見込地 調区内宅地 |
宅地及び宅地見込地 計 |
林地 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
地点数(総数) | 258 | 2 | 64 | 10 | 11 | 9 | 354 | 31 | 385 |
地点数(うち継続) | 236 | 2 | 60 | 8 | 8 | 9 | 323 | 31 | 354 |
平均価格 | 26,700 | 13,600 | 53,000 | 30,800 | 13,600 | 16,100 | 30,900 | 52,100 | なし |
平均変動率(平成23年) | -4.7 | -3.7 | -6.4 | -4.3 | -5.5 | -6.1 | -5.1 | -8.8 | なし |
平均変動率(平成22年) | -4.2 | -4.0 | -6.8 | -5.6 | -5.0 | -5.9 | -4.8 | -8.8 | なし |
- 平均価格は全基準地を対象とし、十の位を四捨五入したものであり、宅地及び宅地見込地は1平方メートル当たり、林地については10アール当たりの平均価格である。
- 「平均変動率」は、継続基準地ごとの価格の対前年度変動率の合計を当該基準地点数で除したものである。
- 「調区内宅地」は、市街化調整区域内の現況宅地である。
3 沿岸市町村の状況について
(1)調査地点数
東日本大震災により甚大な被害を受けた沿岸市町村において、昨年度実施した基準地82地点(林地を除く)のうち、11地点を休止、12地点を選定替えし、71地点を調査した。
地点数 | 宮古 | 大船渡 | 久慈 | 陸前高田 | 釜石 | 大槌 | 山田 | 岩泉 | 田野畑 | 普代 | 野田 | 洋野 | 計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
平成23年 | 17 | 11 | 11 | 1 | 8 | 1 | 1 | 2 | 3 | 4 | 3 | 9 | 71 |
平成22年 | 18 | 12 | 11 | 5 | 9 | 3 | 3 | 2 | 3 | 4 | 3 | 9 | 82 |
継続 | 13 | 9 | 11 | 1 | 7 | 0 | 1 | 2 | 1 | 4 | 1 | 9 | 59 |
休止 | 1 | 1 | 0 | 4 | 1 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 11 |
選定替 | 4 | 2 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 2 | 0 | 12 |
- 林地は全地点継続調査したため、地点数から除いている。
- 「休止」地点とは、震災被害により建物が倒壊したり、近隣地域の利用状況が変化するなどして基準地としての適性を欠いた地点のうち、適切な選定替候補地がなかった地点である。
- 「選定替」地点とは、基準地としての適性を欠いた地点の替わりに、代表性、安定性等を有した適切な地点を新たに基準地と定めて調査を実施した地点である。
(2)平均変動率
住宅地
沿岸市町村の住宅地は、鉄道等交通施設、市役所等公共施設、港湾施設等の都市機能の喪失等による減価と、人口減少や地域経済低迷による一般的な需要の減退が相まって下落率が拡大した。
沿岸市町村において、市町村別平均変動率の下落が最も大きかったのは、陸前高田市の-16.0%(平成22年:-6.1%)で、次いで山田町が-14.7%(平成22年:-5.6%)であった。
商業地
沿岸市町村の商業地は、住宅地と同様、都市機能の喪失による減価と、空き店舗の増加や既成商店街の空洞化の進展等一般的な需要の減退が相まって下落率が拡大した。
沿岸市町村において市町村別平均変動率の下落が最も大きかったのは、宮古市の-9.3%(平成22年:-6.8%)で、次いで大船渡市の-7.9%(平成22年:-6.4%)であった。
用途・年 | 宮古 | 大船渡 | 久慈 | 陸前高田 | 釜石 | 大槌 | 山田 | 岩泉 | 田野畑 | 普代 | 野田 | 洋野 | 平均 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
住宅地23年 | -4.0 | -6.2 | -5.2 | -16.0 | -5.8 | -14.7 | -7.6 | -4.0 | -2.6 | -6.6 | -2.3 | -5.1 | |
住宅地22年 | -4.1 | -1.7 | -4.1 | -6.1 | -6.3 | -4.4 | -5.6 | -3.8 | -1.3 | -1.8 | -1.6 | -1.7 | -3.4 |
商業地23年 | -9.3 | -7.9 | -7.6 | -5.7 | なし | なし | なし | なし | -5.5 | -4.6 | -6.6 | ||
商業地22年 | -6.8 | -6.4 | -6.4 | -9.7 | -11.2 | なし | なし | なし | なし | -4.8 | -6.4 | -4.1 | -6.1 |
- 住宅地のうち大槌町、商業地のうち陸前高田市及び野田村は、震災の影響による調査休止で継続地点がなかったため、平均変動率が算出できなかったもの。(「なし」欄は基準地が設定されていない市町村)
- 「平均」は、沿岸市町村の継続基準地ごとの価格の対前年度変動率の合計を当該基準地点数で除したもの。
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このページに関するお問い合わせ
環境生活部 環境保全課 環境影響評価・土地利用担当
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