平成28年度地価調査結果の概要
- 住宅地の県全体の平均変動率は、16年連続の下落(-1.1%)となり、昨年度(-0.9%)より下落幅が拡大。盛岡市の盛岡南新都市地区等生活環境が良好な地域における住宅需要は旺盛で地価は上昇しているが、少子高齢化や人口減少等が進む地域では、土地需要が低迷し地価は下落。
- 盛岡市の平均変動率は、盛岡南新都市地区等生活環境の良い地域を中心に上昇(31地点)したことから、平成27年度(1.0%)に引き続き2年連続で上昇(1.8%)。
- 沿岸部では、少子高齢化や人口減少により旧町村部等の住宅地の価格が下落したため、住宅地の平均変動率が-1.3%(平成27年:0.1%)と下落に転じた。
1 岩手県の地価の動向
(1)住宅地(262地点)
- 県全体の平均変動率は、16年連続の下落(-1.1%)となり、昨年度(-0.9%)より下落幅が拡大。盛岡市の盛岡南新都市地区等では、住宅ローン減税や低金利政策等による住宅需要の下支え及び大型店舗の開店や道路の整備等により、生活環境が良好な地域における住宅需要は旺盛で地価は上昇しているが、少子高齢化や人口減少等が進む地域では、土地需要が低迷し地価は下落。
- 県内において上昇した50地点は、内陸部39地点(盛岡市31地点、北上市3地点、一関市1地点、滝沢市2地点、紫波町1地点、矢巾町1地点)と沿岸部11地点(宮古市1地点、大船渡市3地点、陸前高田市1地点、釜石市5地点、山田町1地点)。
上昇率が最も大きい地点は、盛岡市向中野5丁目25番5「向中野5-25-10」(盛岡(県)-28)、変動率は10.0%(平成27年: 8.7%)。国道46号線盛岡西バイパス沿いに、商業施設が開店して生活環境が充実してきており、住み替えや世帯分離の需要等に対応した分譲地が高値で取引され、地価が上昇。 - 平均変動率は3市町で上昇。内陸部は、盛岡市が盛岡南新都市地区等生活環境の良い地域を中心に上昇(31地点)したことから、平成27年度(1.0%)に引き続き2年連続で上昇(1.8%)。沿岸部は、5年連続で釜石市(1.4%)と山田町(0.4%)が上昇。横ばい(0.0%)は紫波町、金ケ崎町、大槌町の3町。
- 下落率が最も大きい地点は、一関市千厩町千厩字町浦40番1(一関(県)-14)、変動率は-8.2%(平成27年:-6.9%)。東磐井郡の中心地域であったため地価は高い水準であったが、少子高齢化や人口減少等により土地需要が低迷し地価は下落。
(2)商業地(74地点)
- 県全体では、路線商業施設等の開店や中心市街地の商店街の空洞化等により、23年連続の下落となった。平均変動率は-2.5%(平成27年:-2.5%)となり、下落幅は横ばい。
- 県内において上昇したのは、沿岸部の3地点。土地区画整理事業等の進捗により商業施設等の需要から沿岸部の一部で上昇。
上昇率が最も大きい地点は、大船渡市大船渡町字明神前3番19(大船渡(県)5-2)、変動率は2.8%(平成27年:2.0%)。土地区画整理事業の進捗に伴い、商業施設等の需要から地価は上昇。 - 下落率が最も大きい地点は、葛巻町葛巻第13地割字葛巻49番(葛巻(県)5-1)、変動率は-7.4%(平成27年:-7.6%)。総人口及び世帯数の減少により、商業地としての需要が低迷し地価が下落。
(3)林地(31地点)
- 県全体では、国産材市況の長期低迷や林業就業者の後継者不足等により、22年連続の下落となったが、平均変動率は-1.0%(平成27年:-1.5%)となり、下落幅は5年連続で縮小。
- 震災復興のための公共買収や林地価格の底入れ感等により14地点で横ばい。
用途 |
宅地及び宅地見込地 住宅地 |
宅地及び宅地見込地 宅地見込地 |
宅地及び宅地見込地 商業地 |
宅地及び宅地見込地 工業地 |
宅地及び宅地見込地 計 |
林地 |
合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
地点数(総数) |
262 |
2 |
74 |
14 |
352 |
31 |
383 |
地点数(うち継続) |
257 |
2 |
69 |
13 |
341 |
31 |
372 |
平均価格 |
24,700 |
12,300 |
45,900 |
12,400 |
28,600 |
42,200 |
- |
平均変動率(28年) |
-1.1 |
-1.6 |
-2.5 |
-1.4 |
-1.4 |
-1.0 |
- |
平均変動率(27年) |
-0.9 |
-1.7 |
-2.5 |
-1.5 |
-1.3 |
-1.5 |
- |
(注1) 「平均価格」は、全基準地を対象とし、十の位を四捨五入したものであり、宅地及び宅地見込地は1平方メートル当たり、林地は10アール当たりの平均価格である。
(注2) 「平均変動率」は、継続基準地ごとの価格の対前年度変動率の合計を当該基準地点数で除したものである。
2 沿岸市町村の状況
(1) 住宅地(61地点)
- 61地点の約2割の11地点で上昇したが、平均変動率は、-1.3%(平成27年:0.1%)と下落に転じた。
- 沿岸南部では、大型店舗の開店や道路の整備等により生活環境が改善した地域で、世帯分離や建て替え等被災者以外の需要が顕在化し、釜石市5地点等の11地点で引き続き上昇。
災害公営住宅及び防災集団移転事業等の復興事業の進捗に伴い被災者の移転需要は落ち着きつつあるほか、少子高齢化や人口減少により旧町村部等の住宅地の価格が下落したため、宮古市は平成27年度に引き続き2年連続[-2.7%(平成27年:-0.9%)]の下落、大船渡市[-0.1%(平成27年:1.2%)]と陸前高田市[-0.8%(平成27年:1.9%)]は、下落に転じた。
上昇率が最も大きい市町村は、釜石市の1.4%(平成27年:5.2%)。 - 一方、住宅等の全半壊件数が少なく、被災者の移転需要が少ない沿岸北部(野田村を除く)では、少子高齢化や人口減少等により土地需要が低迷し、地価は引き続き下落。
なお、野田村[-0.8%(平成27年:1.1%)]は、災害公営住宅等復旧・復興事業が進展したため、震災後初めて下落に転じた。 下落率が最も大きい市町村は、岩泉町の-6.0%(平成27年:-3.1%)。
(2)商業地(13地点)
- 13地点の約2割の3地点で上昇したが、平均変動率は-1.4%(平成27年:-0.9%)と3年連続で下落。
既存商店街が被災した大船渡市と野田村において、土地区画整理事業の進捗に伴い商環境が改善し地価が上昇。 - 上昇率が最も大きい市町村は、大船渡市の1.9%(平成27年:1.0%)。下落率が最も大きい市町村は、洋野町の-5.7%(平成27年:-4.9%)
市町村名 |
宮古市 |
大船渡市 |
久慈市 |
陸前高田市 |
釜石市 |
大槌町 |
山田町 |
岩泉町 |
田野畑村 |
普代村 |
野田村 |
洋野町 |
合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
地点数 |
13 |
9 |
8 |
5 |
6 |
3 |
2 |
2 |
3 |
2 |
2 |
6 |
61 |
うち継続 |
13 |
9 |
8 |
5 |
6 |
3 |
2 |
1 |
3 |
2 |
2 |
6 |
60 |
28年 |
-2.7 |
-0.1 |
-1.8 |
-0.8 |
1.4 |
0.0 |
0.4 |
-6.0 |
-2.0 |
-3.6 |
-0.8 |
-2.6 |
-1.3 |
27年 |
-0.9 |
1.2 |
-2.1 |
1.9 |
5.2 |
1.4 |
4.2 |
-3.1 |
-1.6 |
-3.1 |
1.1 |
-2.4 |
0.1 |
26年 |
2.3 |
4.0 |
-3.1 |
2.1 |
8.9 |
3.2 |
4.3 |
-3.7 |
-1.4 |
-3.3 |
2.4 |
-2.8 |
1.4 |
25年 |
3.2 |
4.0 |
-4.3 |
1.4 |
8.1 |
18.4 |
14.0 |
-5.6 |
-1.4 |
-4.7 |
2.5 |
-3.8 |
2.2 |
24年 |
0.3 |
-2.3 |
-4.7 |
14.6 |
0.5 |
1.8 |
2.3 |
-6.2 |
-1.4 |
-4.7 |
4.0 |
-2.4 |
-1.3 |
市町村名 |
宮古市 |
大船渡市 |
久慈市 |
陸前高田市 |
釜石市 |
大槌町 |
山田町 |
岩泉町 |
田野畑村 |
普代村 |
野田村 |
洋野町 |
合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
地点数 |
3 |
2 |
2 |
2 |
1 |
1 |
2 |
13 |
|||||
うち継続 |
3 |
2 |
2 |
1 |
1 |
1 |
2 |
12 |
|||||
28年 |
0.0 |
1.9 |
-3.3 |
0.0 |
-4.0 |
1.3 |
-5.7 |
-1.4 |
|||||
27年 |
1.1 |
1.0 |
-3.4 |
1.6 |
-3.3 |
0.0 |
-4.9 |
-0.9 |
|||||
26年 |
0.4 |
5.8 |
-5.5 |
2.9 |
-3.2 |
0.0 |
-5.1 |
-0.4 |
|||||
25年 |
1.6 |
6.3 |
-5.6 |
3.5 |
-3.1 |
4.7 |
-5.6 |
0.0 |
|||||
24年 |
-4.6 |
0.0 |
-6.0 |
-1.5 |
-5.8 |
-3.2 |
-4.9 |
-4.1 |
(注)各年度の「合計」欄は、沿岸市町村の継続基準地ごとの価格の対前年度変動率の合計を当該基準地点数で除したものである。
地価調査制度の概要
- 根拠法令:国土利用計画法施行令(昭和49年政令第387号)第9条第1項
- 調査目的:土地の正常な価格を示すことにより、一般の土地取引価格に対して指標を与え、又、公共の利益となる事業の用に供する土地に対する適正な補償金の額の算定等に資し、もって適正な地価の形成に寄与すること。
国においては、地価公示法に基づき、毎年1月1日の正常な価格を判定し公示している。 - 調査主体:岩手県
- 調査対象:県内33市町村の383地点
- 価格時点:平成28年7月1日
- 価格判定:不動産鑑定士の鑑定評価結果に基づき、県が基準地の標準価格を判定する。
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