令和7年4月1日知事会見記録
開催日時
令和7年4月1日13時30分から14時02分まで
会見記録
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。本日は知事からの発表はございません。
幹事社
質問の前に、記者クラブへの加入者を紹介します。転入した記者から一言挨拶をお願いします。
(記者紹介)
幹事社
今日は、記者クラブを代表しての幹事社質問はありません。新年度ですので、まず訓示に関わってちょっと伺いたいのですけれども、朝の訓示の中で製造品出荷額などについて触れられています。今日は日銀短観も出て、いろんな評価はあると思いますが、県内の今後の景気について、ちょっと一言いただけますでしょうか。
知事
いろんな要素がありますが、大きく観光面でインバウンドが増えていて、そして、インバウンドの皆さんが食べるようなものの輸出に対する引き合いが増えているということが成長の基軸になっていくと思います。そして、農林水産業は、いろんな災害でありますとか課題もあるのですけれども、お米もやはり供給を増やしたほうがいいのではないかという、そういう追い風がありますし、また、基本的に日本の農業は担い手の数は減っているのですけれども、生産されるもののクオリティーというのはどんどん上がって、消費者の反応というのは基本的にいいものがありますので、それは水産業とか林業もそうなので、第1次産業というのもプラスの方向性が期待できると思っています。
そして、サービス業の関係では、スタートアップ、ヘラルボニーとか、雨風太陽とか、あるいはIT関係でエルテスとか、そういうのが岩手でもどんどん出てきていますし、サービス業の中核、金融機関もいろいろスタートアップとかそういうのを育てるとか、事業承継を手伝うとか、環境対策、そういうSDGs的な方向性をどんどん支援しようとかやっていますので、大きいところはいい方向性だと思います。
そうですね。しゃべっていて思い出しましたが、物価高騰問題というのは深刻な影を落としていまして、賃上げは今年の春闘でもいい数字が出てきているようではありますけれども、やはり全体として賃上げが物価高騰を上回るようにしていかないと、そこは経済が縮小してしまいますので、消費の縮小というところで経済、景気が縮んでいく、そういう方向性はありますので、うまく賃上げから消費の拡大という方向に持っていくというところが非常に大事な局面を迎えていると思います。
幹事社
ありがとうございます。各社、自由にどうぞ。
記者
私から大きく2点お伺いいたします。先ほどもありましたが、新年度スタートということで、冒頭の知事訓示のほうでは、大船渡市の林野火災からの復旧、復興であったり、あと人口減少対策と、様々な県政課題に関する御発言もありました。改めて本年度を迎えての知事の抱負をお聞かせいただければと思います。
知事
大船渡林野火災の復旧、復興をしっかり進めていくということが、まず大きいテーマとしてあります。東日本大震災津波との二重被災ということで厳しい状況はあるのですけれども、一方、綾里のワカメは全国有数で、ブランドと言ってもいい引き合いがありますので、どんどん生産、出荷していけば、それは売れるという希望はあると思います。そして、みちのく潮風トレイルが通っているところでもありまして、潜在的にはインバウンド観光ですとか、そういった観光の発展も期待できるところで、今回の林野火災で全国的に綾里とか赤崎とか大船渡市内の地域や集落の名前が広く全国に知れ渡るところとなり、新たなつながりの力というのが生まれてきていますので、それを復旧、復興に生かしながら、さらにその先につながっていくようにしていければと思います。これは、東日本大震災からの復興全体にも共通する方向性ですので、14年経(た)ったわけですけれども、生活再建については心のケアなどの課題がまだあるので、それをしっかりやり、そして、物価高騰問題とか主要魚種不漁問題とか、ここにも影は落ちているのですけれども、それを乗り越えていくような復興を力強く進めていくということが次のテーマであります。
そのように県外、海外との様々なつながりの力というのは、インバウンドや輸出をてこにしながら、新しいタイプの地方創生を進めていくということにつながり、その一つの象徴的なテーマとしてジェンダーギャップ解消というのがあります。SDGsの17の目標の一つでもありますので、国際的にはもう基本的なことでありますから、そこをちゃんとやることで世界に通用し、また、全国有数の地域づくり、新しい地方創生というのを進めていくことができますので、それをしっかり進めていきたいと思います。
記者
ありがとうございます。新年度の絡みでいきますと、本日知事はノーネクタイで会見に臨まれているということで、本日からスタートしたいわてわんこBiz(ビズ)の一環だなと推察されますが、この取組を進めるに当たって期待される効果等を含めまして、一言いただければと思います。
知事
いわてわんこBiz、通年でノーネクタイなど、日々の気温や湿度、執務環境に合わせて快適に仕事ができる服装で執務しようというものです。今日からスタートするいわてわんこBiz、令和5、6年度「いいね!アワード」の提案から来ておりまして、職員がいろいろ考えて編み出したやり方でもありますので、職員の自主性、自発性が生きて、執務全体にいい影響が広がることを期待します。
記者
ありがとうございます。話題替わりまして、3月28日に発生したミャンマーの大地震について伺います。発生から4日が経過して、死者が2,000人を超えるという大災害になっております。まずは、知事の御所感と、県として現地への支援、何かお考えがありましたらお願いいたします。
知事
これは、非常に気の毒なことになっていると思います。大勢の方が亡くなっており、御冥福をお祈りしたいと思います。また、被害は非常に広範囲に及び、深刻でありますので、深くお見舞いを申し上げたいと思います。
救助の活動がなかなかうまく進まないということを報道で見聞きしております。軍事体制で諸外国との交流もあまりないような状況で、まして国内では内戦と言えるような武力闘争も起こっている中での巨大地震ということで、幾つか国が緊急援助隊を送ってはいるのですけれども、なかなか全体の救助を加速していくような形にはなっていないというのは本当に気の毒だと思っております。やはり防災の観点からも、日頃から民主的な経済社会、そして国際交流、いざというときに助け合ってスムーズに救助活動ができるような体制を平時からつくっておかなければならないということなのだと思います。
一方、今こうなっている状況を前提に、少しでも犠牲者を少なくし、また、被災して困っている人たちの困窮を少しでも緩和するということで、やっぱり国際的な枠組みをうまく工夫しながら、救助から復旧、復興というふうに進めていかなければならないと思います。いろいろ国連とか、ASEAN(アセアン:東南アジア諸国連合)とか、いろんな枠組みがあると思うので、それらをうまく活用しながらやっていく中で、岩手県とか岩手県民もできることをやるみたいなふうになっていくことを期待します。
記者
ありがとうございます。最後に、情報が錯綜(そう)している中だとは思いますけれども、現時点で本県に関係する個人もしくは企業の被害であったり、あと流通面での何か影響等、把握されていることがございましたらお聞かせください。
知事
今のところ、私への報告はないのですけれども、ただいろいろ連絡がつかない人が大勢いるという状況ですから、そういう中に日本人がいないのか、さらに岩手県人がいないのかということは、気をつけていたいと思います。
記者
私からは、昨日久慈市の久慈川漁協が自主解散を決めたことについてお伺いします。近年のサケの不漁ですとか、遡上の激減が大きく響いた結果です。この件に対する受け止めをお聞かせください。また、知事はこれまでも本県沿岸部のサケの不漁への懸念を示されていました。今回の漁協の解散からは、県内の不漁問題とその影響がより深刻な段階に入ったように映ります。いま一度この県内の不漁対策や漁業振興にどのように取り組むおつもりか、また、今回の解散を受けてさらに取組を考えているものがありましたら伺います。
知事
久慈川漁業協同組合は、昭和26年に設立され、久慈川流域でアユなどの種苗放流事業やサケマス増殖事業等を通じ、久慈地域の内水面漁業の振興に貢献してきているので、今回の解散は残念に思います。
内水面漁協ということで、久慈川漁業協同組合の組合員の多くは沿海漁協の組合員と異なって、漁業をなりわいとはしていないということで、地域への影響は限定的と考えていますが、従業員3名の再就職について、漁協が久慈市やハローワークと連携して対応していくと聞いています。
本県の主要魚種であるサケの不漁は、生産から流通、加工に至る関係事業者の経営に深刻な影響を及ぼしており、県としてはサケ資源の回復に向けた持続可能なふ化放流体制の構築を目指して、大型で遊泳力の高い強靱な稚魚の生産やふ化場の集約化、ふ化場施設の有効活用の取組を支援していきます。
厳しい経営状況にあるサケふ化放流事業に取り組む漁協については、これまで国との協議、調整を行って、ふ化場の有効活用を進めるとともに、令和6年度2月補正予算を活用して、ふ化場を活用した海面養殖用サーモンの種苗生産をより一層促進し、漁協の経営安定につなげていきます。
記者
まず1点目、大船渡の林野火災についてです。2月定例会で可決しました補正予算では、生活再建のほうに重点を置いており、なりわい再生については今後随時検討するということでした。現時点での検討状況であるとか、補正予算の提案のタイミングなど、決まっていることがあればお聞かせください。
知事
林業関係で、被害木に関して被害の程度に応じて木材製品に使えるチップ、あるいは木質バイオ発電の燃料等にしか使えないとか、いろいろあるのですけれども、木質バイオマス発電の燃料として使いたいというような声も聞こえてきているところでありまして、被害木の有効活用に向けて、関係者と情報共有しながら取り組もうというところであります。
そして、農林水産関係の被害全体についてですけれども、その詳細についてはまだ大船渡市や関係団体と連携して調査を進めているところで、全容の早期把握に努めているのですが、被害木等の伐採、搬出や伐採跡地への造林、定置網倉庫や定置網の復旧等については、国庫補助事業の活用に向けて国や関係機関と調整を進めています。
先月28日に激甚災害指定されたことによって、被害木等の伐採、搬出に災害復旧事業等の活用は可能となっています。農業関係など、それ以外の被害の支援については、被害調査を進め、その調査プラス被災した生産者の声も伺いながら、どのような支援ができるか検討している状況です。
記者
ありがとうございます。2点目、山火事関係の先日の復旧・復興推進本部会議で出ました火災警報についての考え方についてお聞かせください。市町村に対して県が助言を行うことで、市町村が火災警報を出すことができる。その場合に、屋外での火の使用などについて罰則を設けることもできるというものですが、県としての有効活用の仕方であるとか、今後の扱いの見直しなど、もし何か決まっていることがあればお聞かせください。
知事
先週の大船渡市林野火災復旧・復興推進本部会議で、火災警報という制度があるということが紹介されたわけですけれども、一方では一定の乾燥状態、そこに一定以上の風速の風が見込まれる場合に、火災警報というのを発令し、場合によっては罰則もあるということなのですけれども、一方では岩手県含め日本のほとんどの都道府県で発令の実績がほとんどないということで、消防庁としても現実に火災警報が機能していないというようなことを報告書の中で述べたりしています。ですから、まずニーズとしては、気象情報として非常に林野火災のリスク高い場合に、それを市町村から地域に発信する必要があるということ、一方それが実際には行われていないということで、使い勝手の悪さというところもあるということですので、この辺を県としても有識者の知恵も借りながら、現状を分析しながら、火災警報についてどのように運用していくのがいいのか、あるいは火災警報の使い勝手の悪さというのをどう克服していくのがいいのかということを検討していきたいと思います。
記者
ありがとうございました。その検討なのですけれども、例えばどこかのタイミングで有識者会議なのか、どこかの検討に諮問するであるとか、そういったスケジュールは何か決まっているものはありますでしょうか。
知事
改めて年度が替わって、部や課の体制も新しくなりましたので、そこでまず検討し、今月の終わり頃に知事への業務報告があり、その辺でこういうふうにやりたいというその時点での状況報告を受ける予定です。
記者
今の質問にちょっと関連します。検討という部分だったのですけれども、これまでなかなか実際に発令されている例がまずないという状況があると思います。そして、先日の復興推進本部会議の中で、躊躇(ちゅうちょ)なく発令できるようにというふうなニュアンスの話が部長からたしかあったと思うのですけれども、市町村からは例えばこの火災警報の適切な運用の仕方について、これまで何か県に対して要望ですとか、要求などがあったのか、あるいは今回の検討の中で市町村の実務の担当者レベルと検討、協議して、やりやすいものをつくっていくのか、その辺についてのお考えをお願いします。
知事
私自身も、今回の大船渡市林野火災があって、初めてこういう火災警報という制度があるというのを知ったというか、気がついたというか、ところがありまして、今まで市町村からその使い勝手云々(うんぬん)というような要望があったような記憶はありません。
ただ、法令上、気象状況で一定のリスクがある場合に、必要と認めた場合に火災警報を発するとあるのですけれども、必要と認めた場合というところが緩く解釈されて、ほとんど火災警報が発せられなかったということなのでしょうが、今回のような2,900ヘクタールも延焼してしまうような火災というのは、二度とあってはならない、防止しなければならないと思いますし、小さな山火事は毎年毎年かなりの数出ているということも、実は非常に危険な状況なのではないかとも思いますし、そこはやはり改めて検討しなければならないということだと思います。
記者
先日広瀬めぐみ元参議院議員の判決公判がありました。その中で、本人としては、本人の言葉で言うと返済、寄附という言い方をしていましたけれども、党への寄附が重かったとかということを動機に上げたりとか、また、そのやり口については元秘書の関係者の方から聞いたとか、分かったところもありつつ、よく分からない部分もあるのかなという気はします。恐らく情報等入っていると思いますけれども、この公判通じて知事はどのように思われたかということと、あと一応これで一区切りということだと思うのですけれども、この件、今後参院選とかもありますけれども、今後の岩手の政治の上でどういうふうに教訓にしていくべきなのか等々、影響等、お考えをお聞かせください。
知事
一つは、執行猶予がついた点で甘いのではないかというような意見もあるようではあるのですけれども、求刑どおりの長さの懲役ですし、そういう意味で考え得る最も厳しい長さの懲役の罰が出ていて、執行猶予も5年という、これもまたものすごい長さになっていて、やはり厳しい判決が出たというふうに見ていいのだと思います。
そして、今質問にもあったように、政党、県連との選挙資金の在り方とか、日常の政治活動、政党活動でのお金の使い方についてとか、あとはそもそも秘書給与を詐取するやり方を身近な議員さんでしたか、秘書さんでしたか、教えてもらったというようなことも出てきているわけですので、さきの県議会で知事の政務秘書や政務秘書の給与をめぐって、これだけの財政が大変な中、公費で秘書の給与が出ていることについて、今のままでいいのかとか、もっともっと情報を公開すべきではないのかとか、そういうことが問題になっている政党の方々や、その政党がやっている会派のほうからそういう指摘があったと記憶しているのですけれども、その関係する政党の岩手県連、公費で賄われる秘書の給与の問題について、それだけ問題意識が高く、また透明性を確保しなければならないという思いがあるのであれば、やはり本人からの説明とか、さらに背景的なところを党県連として説明するとかということをしなければならないのではないかなと思います。
広聴広報課
以上をもちまして記者会見を終わります。
次回記者会見
次の定例記者会見は4月11日(金曜日)の予定です。
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