令和5年度のけんせつ小町部会の取組について
いわて女性の活躍促進連携会議に設置された5部会の一つである「けんせつ小町部会」における、令和5年度の取組を紹介します。
当部会は、一般社団法人岩手県建設産業団体連合会の構成団体及び岩手県で組織され、建設産業の担い手確保のため、建設産業における女性の就業割合を増やすことを目的に設立されたものです。
取組内容
第1回会議(令和5年7月12日)
会議では、令和5年度の取組計画のを決定するとともに、女性が働きやすい職場環境整備に関する取組状況調査の実施について意見交換を行いました。
女性活躍推進講座・事例発表会の開催(令和5年8月7日)
本講座は、建設業界で働く女性のスキルアップを図るために開催しており、女性活躍推進講座と併せて、職員の育児休暇の取得を支援する建設企業や、週休2日制の導入を促進する業界団体の取組について事例発表・意見交換を実施しました。
(1)女性活躍推進講座の内容
現場に従事する技術者に代わり、施工データの整理や書類作成業務を担う新しい職域として、多様な人材の活用が期待されている「建設ディレクター」の業務内容や活用事例について、一般社団法人建設ディレクター協会講師による講座を開催(建設企業の経営者等約70名参加)
(2)先進事例発表会 事例発表企業
【事例1】社員の育児休暇取得推進の取組について 株式会社高福組
【事例2】岩手県電業協会における働き方改革の取組について 株式会社興和電設
女性活躍推進講座では、『建設業における新しい職域「建設ディレクター」―労働時間の上限規制などの働き方改革への解決策と担い手確保にもたらす効果―』と題して、一般社団法人建設ディレクター協会 田辺直子先生を講師に研修を行いました。
令和6年4月1日から、建設業にも時間外労働時間の上限規制が適用されることを受け、様々な対策が求めれられている中で、ITスキルとコミュニケーションスキルの活用により、現場に従事する技術者に代わり、施工データの整理や書類作成業務を担う新しい職域として、多様な人材の活躍が期待されている「建設ディレクター」の業務内容や活用事例についてお話をいただきました。
女性が働きやすい職場環境整備に関する取組状況調査の実施(7月10日~8月10)
(1)調査の目的
けんせつ小町部会では、建設業界で女性が働きやすい職場環境づくりを目指して、現場見学会や女性技術者との意見交換を行い、職場においてそれらの取組を実践することで、「誰もが働きやすい職場環境づくり」に取り組んできました。
令和4年度に性別や職域に関係なく誰もが働きやすい建設業界となっていくことを願い、県・建設業団体が取り組む事項について掲げた『提言書』を策定したところです。
これまで部会の取組に参加した建設企業等が、取組事例を参考に、各職場において働きやすい職場環境の整備等に向けてどのような取組を実践しているかを把握するため、調査を実施しました。
調査結果から、多くの会社で、これまで部会の活動等を通じて紹介された優良事例や取組を参考に自社でも取組を始めていることがわかりました。
具体的な取組として、女性職員による現場のパトロールの実施、女性専用共有スペースの設置(専用トイレ、更衣室)柔軟な配置転換の実施があり、社内・現場等の環境改善の取組を実践していることがわかりました。
また、子の看護休暇、介護休暇、子育て・介護等を理由に業務を免除する制度の制定など社内規定の見直しによる休暇制度等の制定や、併せて妊娠・出産・子育て期間中の職員のライフイベントに応じた配置転換の取組を行っている企業もあることがわかりました。資格取得のための研修制度の創設など技術力を高める取組も実施されていました。また、いわて子育てに優しい企業の認定や、女性活躍推進企業の認定を受けている企業が建設企業には多数あることもわかりました。
しかしながら、一方で取組を行っていないと回答している方もおり、その理由として、そもそも職場に女性職員がいない、子育て世代の社員が少ないといった会社もあり、休暇制度やライフイベントに応じた勤務体制の整備が進んでいないといった意見がありました。
今後も、休暇制度(子の看護休暇、介護休暇など)の整備や、社員それぞれのライフイベントに応じた働き方に対応するため、多様な勤務体制(フレックスタイム制、短時間勤務、在宅勤務)の整備や柔軟な配置転換の整備の必要性について、けんせつ小町部会の取組を通じて経営者の方々にPRしていく必要があると感じました。
いわて建設業みらいフォーラム(11月21日)
けんせつ小町部会会員と参加者との意見交換
けんせつ小町部会では、令和2年度から実施している取組として、展示ブースを設置し、部会の取組や女性技術者の活躍状況を紹介するとともに、生徒からの建設業に関する様々な相談等に対応しました。
参加した生徒からは、「学校の授業ではわからない建設業の仕事(業種)があることをしった。もっと勉強したいと思ったし、建設業に進みたいと思った」、「女性も建設業で働いていること、男性も育児休暇がとれるなど、建設業が変化していることがわかりました」、「普通科の高校なので建設業のことが全くわからなかったが、実際に働いている人の話を聞いて建設業も良いなと感じた」といった感想をいただきました。
工業高校の生徒を対象とした交流会(1月22日)
建設業のイメージアップによる県内建設企業への入職促進を目的に、盛岡工業高校建築・デザイン科2年生を対象に、けんせつ小町部会委員及び女性技術者との意見交換会と併せてDX体験学習会を開催しました。
DX体験学習会は、東北地方整備局が事務局となっている東北復興DX・i-Construction 連絡調整会議の取組の一環として、建設業の次世代を担う学生に対し、建設業への関心を深め、魅力を伝えるための 体験学習会を実施しているものです。
DX体験学習会では、MR(複合現実)、VR(仮想現実)体験を行いました。
意見交換会では、5班に分かれて各班に2名の先輩方(管理職、技術職)を配置し、『魅力ある建設業に向けて』をテーマに、意見交換を行いました。
進学前後で自分がイメージしていた「建設業」について、変化があったかとの質問に対して、「建築・デザイン科」を専攻した理由として、「デザインの勉強をできると思って入学したのに(特に女性生徒)、建築の勉強がメインだったので、正直思っていたのと違った」といった思いを吐露する生徒がいたことが印象的でした。
入学して早々に、想像していたものとは違ったと感じた生徒もいて、今後の進路にも迷いがあるといった話も出ていて、生徒たちの率直な意見や思いに対して、先輩技術者や経営者の方からは、思っていたのとは違ったかもしれないが、やってみると意外と面白いこと、自分に向いているかもしれない。高校生のうちは、まずは「やってみるか」といった姿勢で取り組むことでもよいのではないかといった助言がありました。
資格取得について、先輩技術者に質問をしている生徒に、土木・建築それぞれの分野で必要となる資格はあるが、資格を持つことで出来る仕事の幅が広がること、技術者が資格を取得することで、会社としても対応できる業務範囲が広がり会社の利益にもつながるので、社員が資格をとる場合は、全力で応援しているといった心強い発言がありました。
建設業=3Kのイメージがあるとった意見に対して、建設業も作業にICTを活用することで、安全性を高め、生産性を上げることに取組んでいることがわかったといった感想をいただきました。
今後も、建設業のイメージアップのためにも、建設業の担い手となる工業高校生との交流を続けていくことの必要性を感じました。
第2回会議(令和6年2月8日)
会議では、部会の令和5年度の取組の実施状況、令和6年度の取組の方向性について事務局から報告し、意見交換を行いました。
会議の詳細については、別添資料をご覧ください。
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このページに関するお問い合わせ
県土整備部 建設技術振興課 建設業振興担当
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