牛丘疹性口炎

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ページ番号1007934  更新日 平成31年2月20日

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本病はパラポックスウイルス属に分類される牛丘疹性口炎ウイルスの感染により引き起こされ、国内で散発しています。ときに集団的に発生し、鼻、口唇、口腔粘膜および舌に形成される病変の分布が口蹄疫に類似することから、本病の発生時には口蹄疫との鑑別を行う必要があります。平成19年11月に、県内で発生した本病の鑑定成績を紹介します。

発病は3カ月齢の肉用子牛1頭に限られ、舌の腹側面と歯ぐきに腫瘤様物が多発し、発熱と食欲の低下を伴いました。腫瘤様物は直径2から20ミリ、淡桃色で、ドーム状に隆起し、弾力性を有していました。

  1. 病変部に水疱が観察されず
  2. 同居牛への伝播がみられず
  3. 口蹄疫発生国からの帰国者の訪問や同国からの飼料や機材の搬入がない

という事実から口蹄疫を否定しました。腫瘤様物からパラポックスウイルス遺伝子が検出され、組織学的に上皮細胞の腫大と過形成が観察され、細胞質封入体を伴っていました。得られた成績から牛丘疹性口炎と診断しました。

本病は人の手指に感染して丘疹を形成することがあるので、病牛に触れる際は手袋を着用し、作業後は手指の洗浄と消毒(ヨード剤が有効)が必要です。

牛や豚の口腔、蹄、乳房に水疱やびらんを認めた際は、早期に臨床獣医師または家畜保健衛生所へ連絡願います。

(岩手の畜産平成20年3月号に掲載:病性鑑定課)

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このページに関するお問い合わせ

岩手県中央家畜保健衛生所 病性鑑定課
〒020-0605 岩手県滝沢市砂込390-5
電話番号:019-688-4111 ファクス番号:019-688-4012
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。