養豚場における日本脳炎予防
日本脳炎の流行時期を迎えています。厚生労働省の全国流行調査により、平成21年8月上旬までに九州・四国地域の各県、近畿・東海・北陸地域の三重県、愛知県、静岡県、富山県、関東地域の栃木県と群馬県で感染が確認され、今後、流行域が北上しながら拡大することが予測されます。当県の流行時期は8月下旬以降と推察されますので、各養豚場で下記対策を行い、本病による被害防止に努めてください。
なお、本病の原因ウイルスは人へも感染しますので、豚への対策は人への予防対策ともなります。
日本脳炎
コガタアカイエカの吸血時に日本脳炎ウイルスに感染することにより引き起こされる伝染病であり、養豚場では抗体を持たない妊娠豚および雄豚に感染した際に経済的被害を受ける。すなわち、妊娠豚では流産、死産および虚弱新生豚が引き起こされ、雄豚では一時的ながら精子異常による繁殖障害に陥る。予防にはワクチンが最も有効である。
本病ウイルスは人へも感染し、人の予防にもワクチンが用いられて来たが、幾人かのワクチン接種者に副反応がみられたことから、平成17年度以降、予防接種の積極的奨励が控えられた結果、予防接種を受けない子供が増加している現状にある。このため、厚生労働省では、人への感染防止の観点から、養豚場において本病の媒介蚊であるコガタアカイエカを駆除するよう関係者に要請している。
養豚場における予防対策
現在、予防に最も有効なワクチンの接種適期(8月中旬頃まで)を過ぎているので、原因ウイルスを媒介する蚊の駆除法を記載する。
豚舎内の蚊の駆除
殺虫剤の定期的な散布
殺虫剤にはピレスロイド系薬剤が有効である。吸血した蚊は壁面に留まって休息する性質があることから、壁面への散布が効果的である。
ライトトラップの活用
豚舎内にライトトラップ(ブラックライトの蛍光管)を設置することにより、蚊の駆除と蚊の吸血率を下げる効果が期待できる。
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このページに関するお問い合わせ
岩手県中央家畜保健衛生所 病性鑑定課
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