豚流行性下痢(PED)とワクチン
豚流行性下痢(PED)はウイルスの感染によって起こる豚の急性伝染病で、水様性の下痢及び嘔吐が特徴です。特に子豚で被害が大きく、死亡率は哺乳豚で50%以上、時に100%に達します。
平成25年10月に沖縄県でPEDが発生して以来、発生件数は2014年6月22日現在で1道37県789農場となり、これまでに全国で約104万頭が発症し、哺乳子豚を中心に30万頭以上が死亡しました。岩手県内でも今年4月16日に発生が確認されて以降、これまでに17農場で3万頭以上が感染し、約6千頭が死亡しています。
PEDの発生予防及びまん延防止のためには、飼養衛生管理の徹底等が基本であります。PEDワクチンの使用にあたっては、用法、用量を守るとともに、その性質(子豚への乳汁を介した免疫付与を目的とした母豚用ワクチン)を十分理解し、ワクチンを接種した母豚が十分量の乳を分泌しているか、また、子豚が乳を十分に飲んでいるかを確認し、適切な免疫付与を行うことが重要です。
ワクチン接種済みの母豚の乳汁にはPEDウイルスの抗体が含まれます。子豚が母乳を飲み続けることで腸管粘膜面を抗体で覆い、腸管に侵入したウイルスの感染を予防しようというのがワクチンのねらいです。産子数が多い場合には、大きめの子豚(産子の半数)を箱などに入れて隔離し、その間に小さな子豚にも均等に初乳を飲ませる「分割授乳」を行うと効果的です。しかし、農場内の排泄物の処理がうまくいかずウイルスで高度に汚染されているような場合、十分な効果が得られません。このため日頃から農場の飼養衛生管理と侵入防止策を徹底することが不可欠です。
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