知事からのメッセージ　令和6年4月

令和6年4月13日（土曜日）

　令和6年4月13日、三陸鉄道開業40周年記念式典を開催しました。　

　三陸鉄道は、沿線地域の強い希望により、昭和59年（1984年）に全国初の第三セクター鉄道として運行を開始いたしました。開業から約10年間は黒字基調が続きましたが、モータリゼーションの進展や少子化などにより、その後、経営が厳しくなり、経営改善や観光振興を強化しながら、沿岸市町村と県が力を合わせ、利用者をはじめ住民の皆様、そして三陸鉄道ファンの皆様によって支えられてまいりました。

　そのような中、東日本大震災津波、令和元年の台風19号、新型コロナウイルス感染症と、全てを覆すような巨大な困難に見舞われましたが、培われてきた底力とつながりの力で乗り越え、岩手県沿岸地域の重要な交通機関として、その使命を果たし続けてまいりました。

　このような歴史を経て40周年を迎えることができましたこと、地域の皆様や三陸鉄道を応援する皆様、そして鉄道及び鉄道行政関係の皆様からの御支援・御協力によるものであり、改めて感謝申し上げます。

　三陸鉄道を取り巻く環境は、沿線人口の減少という構造的要因に加え、世界的パンデミックであるコロナ禍の影響、ロシア・ウクライナ戦争に起因する燃料費や物価の高騰、そして地球規模の気候変動と関連する主要魚種不漁による地域経済への影響など、世界的な危機の直撃により厳しい状況が続いています。

　一方、三陸鉄道は、三陸地域の交通手段であることに加え、東日本大震災津波からの復興のシンボルになりました。TVの全国放送や新聞、雑誌などメディアに何度も登場し、三陸鉄道の車両そのものが、岩手沿岸や岩手全体を代表するおなじみのキャラクターとして、広く愛されているという状況になっています。

　三陸鉄道には、地域の底力と様々なつながりの力を引き出して、地域振興、観光振興、経済振興の力とすることが期待されます。

　今後も持続的な運行を通じて、地域の皆様の日常生活や三陸地域の振興に貢献できるよう努めてまいりますので、一層の御協力を賜りますようお願い申し上げます。