知事からのメッセージ 令和6年5月
令和6年5月18日(土曜日)~24日(金曜日)
5月18 日から24 日にかけて、中華人民共和国の遼寧省大連市、遼寧省瀋陽市、浙江省台州市天台県、上海市を訪問しました。
大連市では、大型国際文化観光祭である「大連アカシア祭」に出席し、参加自治体やその他の出席者との交流を推進したほか、大連市と友好交流に関する協定を締結いたしました。
大連市との間では経済、貿易分野や文化、観光分野での協力拡大を行うということを改めて確認し、岩手の物産が大連の企業を通じて、大連の中、あるいは、広く中国に出回るようになっていますので、それを強化していくということ、また、観光についてもコロナのときの人の移動の規制が緩和されて、人の行き来が徐々に可能になってきていますので、相互に観光を振興していくということを確認しました。
瀋陽市では、遼寧省と友好交流に関する覚書を新たに締結いたしました。
遼寧省とは、大連市に比べると、友好、協力を正式に文書、協定に基づいて行うということについては日が浅いのですけれども、短期研修を含む公務員相互派遣を展開するということを覚書に定めるとともに、ウインタースポーツ等の冬季観光を通じた交流人口の拡大に努めるという具体的なテーマを掲げることができましたので、これらをしっかり進めていきたいと思います。
浙江省天台県では、岩手県の南部鉄瓶を売ってくれている「上海大可堂」という事業者が、上海から新幹線で2時間程度の浙江省天台県にいわゆるリゾート開発を行っており、開発予定地を視察いたしました。
そこでは、住居や温泉旅館、文化施設などが建設される予定ですが、温泉旅館や文化施設には隈研吾さんや安藤忠雄さんなど、岩手県でもなじみのある世界的な建築家もプロジェクトに参画して、日本的な豊かな生活というイメージで開発されるところであり、そこに南部鉄瓶を始め岩手の物産を利用していただくという見通しが立ちました。
この日本的な生活の豊かさを共有したいというニーズ、これはニューヨーク・タイムズが盛岡市を取り上げたとき、盛岡、ひいては岩手の生活文化の良さを評価してくれたということで、このことについては東南アジアにおいてもニーズがあるということを去年12月に確認してきたところでもあり、南部鉄瓶に象徴される日常使うようなものが文化的に非常に豊かであり、そういったことを物産や観光の形で振興していくことが岩手にとって非常に良い方向性なのだということを改めて確認できました。
そして、上海市では中国東方航空を訪問し、花巻-上海便の運航再開を要請してきました。中国東方航空としては、花巻-上海線は有望な市場だという見方を改めて示してくれました。
また、運航再開に向けてタイミングを計っているという発言もあり、運航再開という当面のゴールを共有できているということを確認できたことが成果だと思います。
今後は、中国東方航空と岩手県側とで協力しながら運航再開に向けて取り組んでいくことを確認できましたので、事務レベルで調整をしながら進めていきたいと思います。
令和6年5月29日(水曜日)
令和6年5月29日、「いわてグリーン農業アカデミー」の開講式を開催しました。
このたび、本アカデミーに、高い志を持って入講された27名の皆様、誠におめでとうございます。また、本アカデミーの開講に当たり、二戸地域の各市町村を始め、関係の皆様に、多大なる御協力を賜り、深く感謝申し上げます。
岩手県北地域は、ブロイラー等の畜産業が盛んで、堆肥等の豊富な有機資源が利用されているほか、雑穀生産等における環境負荷低減の取組や研究蓄積を数多く有しています。こうした優位性を踏まえ、県北農業研究所において、有機農業を始めとする環境保全型農業の実践者の育成を目的に、「いわてグリーン農業アカデミー」を開講する運びとなりました。
このアカデミーは、農業大学校の農業者向け研修の一つと位置づけ、年間を通じて、スマート農業や環境保全型農業に関する知識や技術の研修、有機農業等の先進事例研修を行うほか、研修生の皆さんには、環境保全型農業に取り組む農業者の認定、いわゆる「みどり認定」に向けた計画策定に取り組んでいただくこととしています。
研修生の皆さんには、それぞれの夢や目標の実現に向け、積極的に取り組んでいただきたいと思います。
県では、「いわて県民計画(2019~2028))」に基づき、地域農業の核となる経営体の育成、次代を担う新規就農者の確保・育成とともに、環境負荷を低減する農業生産などのGXの推進や、スマート農業技術を活用するDXの推進など、生産現場のイノベーションによる生産性の向上などを進めています。
研修生の皆さんには、一年間、研修生同士の交流を深めながら、しっかりと知識や技術を習得し、今後、本県農業の発展や地域の振興に向け、活躍されることを大いに期待しています。
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