令和8年9月4日知事会見記録
開催日時
令和8年8月28日10時30分から11時32分まで
会見記録
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表が3件あります。それでは、知事お願いします。
知事
まず、知事及び県内高校生等による米国西海岸での岩手PRの実施についてです。県では、東日本大震災津波から15年、そして、岩手県政150周年記念期間の最終年度となる令和8年度に、人材の育成と「世界に開かれた地方創生」のため、県内高校生48人と高専生2人、計50人を対象とした次世代人材育成プログラムを実施しています。そのプログラムの一環として、9月16日から20日まで米国西海岸を訪問し、復興後の岩手の姿や多様な魅力を現地でPRします。私も同行します。
参加する50人の高校生たちは、6月の結団式以降、事前学習を重ね、岩手の復興や文化、産業などについて学びを深めてきました。今回の訪米では、現地の企業、行政関係者、同世代の高校生たちに対して、復興支援への感謝や岩手の魅力を英語でプレゼンテーションし、鬼剣舞や虎舞も披露します。さらに、シリコンバレー企業の視察や、カリフォルニア大学バークレー校での特別講座の受講など、世界基準の学びを得る機会もあります。帰国後、高校生たちは、プログラムで得た成果を周りに広めるため、11月に中間報告、2月頃に最終活動報告を行う予定です。
次に、台湾への知事トップセールスの実施について。観光振興及び交流促進のため、台湾へのトップセールスを実施します。期間は9月22日から24日までで、タイガーエア台湾を訪問し、台北線のこれまでの運航に対する御礼と今後の運航継続の要請を行います。また、台湾鉄路を訪問し、三陸鉄道及びIGRいわて銀河鉄道との、姉妹協定10周年記念式典参加の御礼と今後の連携継続の要請を行います。
3番目は、令和7年度の岩手県芸術選奨及び岩手県美術選奨の決定についてです。令和7年度に優れた芸術活動や美術活動を行った方などを表彰する、岩手県芸術選奨及び岩手県美術選奨の受賞者が決定しました。岩手県芸術選奨受賞者は、文芸作品を出版された小田島清朗(おだしませいろう)様、もりおか民子(たみこ)の会、そして、「2025芸術祭たきざわ」で「ひょうたん島物語」を公演された特定非営利活動法人劇団ゆうの1名2団体です。岩手県の美術選奨受賞者は、版画の個展を開かれた大場冨生(おおばとみお)様、絵画の個展やグループ展を開かれた菊池聡太朗(きくちそうたろう)様、髙橋政子(たかはしまさこ)様、土井潤美(ますみ)様、そして、鋳金の個展を開かれた森島久枝(もりしまひさえ)様の5名です。表彰式は9月24日、知事公館で行われます。
以上です。
広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
幹事社
質問の前に、記者クラブへの転入者を紹介します。転入した記者から、一言、挨拶をお願いします。
(記者紹介)
幹事社
それでは、ただいまの発表事項3件について、各社から質問があればお願いします。
記者
まず、アメリカ出張について伺います。今回、次世代人材育成プログラムの一環ということですけれども、県政150周年の節目にあって、県内の高校生50名の方、高専生も含めて向かうということですけれども、現地でどのようなことを学んで、本県の次世代を担う人材としてどう成長してほしいか、知事の御期待をお願いいたします。
知事
まず、5月の(県政)150周年記念式典で私が講演をした際、冒頭、岩手の150年というのは、大谷翔平さんのような人、つまり、そういう個人が世界で活躍することができるようになる150年間の歴史だ、というふうに述べたのですけれども、その象徴的な場所が、大谷さんのみならず、菊池雄星、佐々木朗希、両氏も活躍している、ロサンゼルス、カリフォルニア州でありまして、まずそういう岩手の歴史150年ということを、世界を舞台に感じてもらえればと思っています。
また、岩手と世界という点では、半導体などのものづくり産業の発展が著しく、シリコンバレー訪問というのは、経済、産業の面から、岩手の今というのを世界の中で感じることができるものと期待しています。
それから、ロサンゼルス近郊、トーランスでの交流活動がありますが、奥州市との交流の実績もありますし、もともと日本人が多く住んでいる街でもあります。そして、ロサンゼルスにはジャパン・ハウスという、日本政府の対外的な交流窓口もあって、そこで岩手のプレゼンをみんなでやりますので、国際交流の場として好条件の場所で、プレゼンテーションという発信を通じて、世界の中で岩手を発表するということで、世界と岩手について学んでもらえばいいなと思っております。
あとは、今回のプログラムはアメリカ政府も評価をしてくださっていまして、札幌のアメリカ総領事館から、50人の高校生たちプラス私も、アメリカ(建国)250周年のグッズを頂いておりまして、バッグのほかにノートとかタオルとかいろいろあるのですけれども、アメリカも250周年という周年なのですが、独立宣言で生命、自由、幸福追求の権利、そのために我々は国をつくるということが言われていて、そういう民主主義の原点、日本国憲法の13条にも書かれていることでありますけれども、そういうことも改めて学んでもらえればなと思っています。
記者
ありがとうございます。台湾の方のトップセールスについても伺います。タイガーエア台湾が運航する花巻台湾便は、コロナ禍を経ても好調だということで、今回の訪問を通して、例えば、航空会社に対する増便の要請等までされるかどうかというところが1点と、あと併せて、台湾での一連のトップセールスを通じて期待される効果についてもお願いいたします。
知事
コロナ禍での様々な移動の制限というのが、国際的にも、日本の関係でも制限がなくなって、その後、日本はインバウンド観光の伸びが著しく、岩手県もそうなのですが、岩手県においては、台湾から来る観光客が一番多く、半分以上を占めていまして、この実績を確認しながら、更に伸ばしていこうというようなことで、共通認識を持って、今後の発展に向けて力を合わせていこう、というようなことを確認できればいいなと思っています。
記者
ありがとうございます。観光の側面も大きいのかなと思いますけれども、各滞在される、交流協会さんであったり、そういった観光振興という側面が、今回、一番重要視されていらっしゃるという認識でよろしいのでしょうか。
知事
そうですね。タイガーエア台湾のトップと面会できるという、日程調整の関係でこういう内容でこの時期になっておりまして、台湾鉄路さんと併せて、今回は観光が軸になるような訪問になります。
幹事社
それでは、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事者質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いします。
記者
私から大きく2点伺います。まず、最低賃金について伺います。岩手地方最低賃金審議会の方で、8月末に、本県の最低賃金を現行より59円増の1,090円に引き上げるという答申をされました。議論の中では、労使は歩み寄ったということで、14年ぶりの全会一致という結果になりましたけれども、まずは今回の答申についての知事の御所感をお願いいたします。
知事
それぞれ公益、労働者、使用者、各委員が議論を尽くして、全会一致での決定ということで、大変お疲れさまでしたというふうに申し上げたいと思います。
岩手を含め、日本が直面する経済情勢というのは、戦争に起因する物価の上昇、そして、そこでの、一方での人手不足、特に地方における人口問題もあっての人手不足という状況があって、そういう厳しい状況の中で、賃上げを通じて物価高を克服し、また、人口減少にも歯止めをかけていこうという、そういう状況の大変さと、そして、やらなければならないことの方向性を共有しながらの、3者共有しながらの結論だったと思います。その結果、国が示した引き上げの目安額を上回るような、大幅な引き上げとなり、全国の平均、また、一番高い東京との差も縮まってきていて、金額で賃金格差が縮まってきているのですけれども、賃金水準が1,000円を超えて増えている中で、額が縮んでいるというのは、割合的には更に縮んでいるということですので、そういう最低賃金を決定していただいたというのはよかったと思います。
記者
ありがとうございます。引き上げ額でいきますと、過去2番目の大きさということでしたけれども、企業側としては賃金負担が増すということで、事業存続への懸念もあるのかなと思います。県としては、これまで独自の賃上げ支援というのを展開されてこられましたけれども、今後の支援策についてはどのようにお考えでしょうか。
知事
物価が上昇するのは、国内経済の調子が良くて、企業の業績がいいが故に物価も上がる、というパターンもあるのですけれども、今、日本で起きているのはそうではなくて、外的要因で、海外から入ってくるものの値段が高くなって、国内の物価も上がるということですので、それに直面する企業は、コストがどんどん上がっていくわけですので、利益がどんどん減っているわけですよね。企業の利益がどんどん減る中での賃上げというのは、もう原理的に非常に厳しいことなわけでありますので、それを支えるための、まず賃上げをするところに、賃上げをするということ以外の条件はもうほとんどないような形での、広い下支えの支援をしていく必要がありますし、また、利益を上げるためには、生産性の向上、技術革新、イノベーションによる生産性の向上こそが、外的要因での物価上昇を克服する切り札でありますので、それを可能とするような生産性向上支援をしっかりやっていきたいと思います。
記者
ありがとうございます。話題変わりまして、千葉企画理事の懲戒処分について伺います。出張に関する旅費調査の結果を踏まえて、8月末に戒告の処分となりました。行程外の訪問であったり、飲酒等も含めて、5件に違反が確認されたということですけれども、まず県幹部職員に対する今回の処分についての知事の御所感をお願いいたします。
知事
出張というものの、きちんとした手続にのっとって行われるべきものでありますし、また、飲酒ということも、例え出張日程の全てが終了していて、あとはもう帰るだけ、ほかにやることはないという状況であっても、勤務時間に位置づけられた中での飲酒というのは、これは駄目でありますので、そういったところ、やはり勤務時間ではないような手続が必要でありますし、そういった手続をしっかりしないのは駄目だということで、今後、こういうことが岩手県においてないように、職員には期待しますし、また、出張直前に目的を増やしたりとか、あるいは出張の最中に目的を増やすとか、出張の内容を膨らませたり、変更したりすることに関する具体的な規則がなかったということについて、人事課、総務部において、ルール策定を行うということですので、それが再発防止につながることを期待したいと思います。
記者
ありがとうございます。先日の県議会の常任委員会の方では、モラルの低下を招いたですとか、あと県の信用を落としたということで、処分の甘さを指摘する意見もありました。今回の戒告処分の妥当性について、知事はどのようにお考えでしょうか。
知事
手続的な問題とはいえ、やはり出張にせよ、勤務時間管理にせよ、手続ということが大事でありますので、これについては懲戒処分の一つである、戒告ということが必要だったというふうに理解しています。
記者
私は、話題が変わって、まず1点目、クマ対策についてお伺いします。まだ暑いですけれども、そろそろ秋も入ってきて、農作業であったり、行楽であったり、そういった形で山林とかに立ち入ることが増える時期になります。改めて、県としてクマ対策、どんなことを力入れて、また、県民にはどんなことを訴えたいかお聞かせください。
知事
昨日(9月3日)、環境省主催の訓練が盛岡市内で行われましたけれども、今までやったことないような訓練、背景としては、今までなかったような体制の充実や予算の確保、それに基づいた緩衝帯の設置に関わる作業でありますとか、また、農業被害防止のための柵の設置でありますとか、それと、いざ出没したときの対策など、今までにないようなことを、されど確実に行っていくというようなことが、今年度(令和8年度)着実に進んでおりますので、これで冬眠前のシーズンということを迎えていければいいのではないかと思います。
記者
ありがとうございます。県民に対して、これまでも何度も注意喚起されてきましたが、改めて一言いただいてよろしいでしょうか。
知事
そうですね、冬眠前のシーズンは秋の行楽シーズンでもありますので、クマ出没の危険があるようなところに一人で入っていったりとか、そういう危険なことは避けて、そういうところに入る必要がある場合には複数で音を立てながら、そういったことを改めて県民の皆さんや観光客の皆さんに周知したいと思います。
記者
ありがとうございます。すみません、話題変わって、先日、一部報道ありましたが、陸前高田市の方で、今後、選挙で電子投票を導入するという報道がありました。行政DX(ディーエックス:デジタルトランスフォーメーション)の一環だとは思いますが、電子投票に至っては、メリットとデメリット両方示されているわけです。知事として、この動きについてどうお考えかお聞かせください。
知事
最近、神栖市の市長選挙に関する裁判にもなっていて、有効票、無効票の区別の問題というのが、改めてクローズアップされていて、電子投票の一つのメリットは、そういう手で書くので、手で書くということによる判断の難しさとか、そういったことがなくなるということがメリットなのだと思います。あとは、数を数える、投票数を数えるとか、そういった部分の効率化も期待できるのだと思います。基本的には好ましい流れだと思っておりまして、やはり電子投票というのは、どんどん普及すべきものだと思っております。あとは、デメリットの部分で、機械の操作で投票ミスが出たりとかということは避けなければなりませんので、そういうリスクを避ける努力、少なくとも、手書きによるリスクよりも少なくなるようにしていかないと駄目だと思いますので、そういったところをきちっとやっていければいいのだと思います。
記者
ありがとうございます。私からは、次で最後の質問になります。今月(9月)10日で、知事の5期目の任期が残り1年となります。まずは、5期目の3年間の御自身の取組の振り返りをいただけますでしょうか。
知事
今年(令和8年)は、周年行事が多く、県の150年というのもあれば、中尊寺の900年とか、また、様々民間の団体とか、企業関係でも周年行事が多く、そういったことにきちっと対応しながら、岩手県の過去を振り返りながら、未来に向けて岩手のあるべき姿をつくっていくということに、今、集中しているところであります。また、県としては今年(令和8年度)は計画策定の年でもありまして、大きく、いわて県民計画のアクションプラン、次期アクションプランの2年計画を策定し、また、国の方も地方創生の戦略を地域未来戦略と衣替えして、成長戦略と併せて出してきているところで、岩手県としても地域未来戦略というのに力を入れるべきところですし、その作業をするに当たっては、岩手として成長戦略というのもつくる必要があるかなと思っております。
今日(9月4日)の政策会議、今日午後の県の政策会議で、岩手県版の成長戦略、国の日本成長戦略に当たるものを、岩手県としてもつくろうということが議題になる予定ですので、そこで特に問題なければ、そういう成長戦略岩手版も、今、つくらなければならないというところでありまして、5期目の知事として、そういう仕事をさせていただけるというのは非常にありがたいことで、自分自身の知事としての過去の蓄積というのも生かしながら、今後の岩手のあるべき姿を考え、そして、計画の形にしていくということを、まず今、やらなければならないなと思っております。
記者
ありがとうございます。そして、すみません、先週もちょっとこの話題出ましたが、6期目についてのお考えであるとか、決断のタイミングであるとか、何か今、方向性が決まっているものがあればお聞かせください。
知事
ということで、1年後より更にその先のことということについては、なかなかそっちの方には頭が回らないところであります。
記者
特にそういった決断のタイミングについても、この辺りである、ラインだろうなというお考えも、今のところはないということでよろしいでしょうか。
知事
そうですね。まず、5期目の知事の在り方ということについても、これでいいのかということを考えながら仕事をしているようなところがありまして、周年行事を通じた過去の振り返りと、そして、計画策定を通じた未来の形をつくるということを、5期目の知事としてどうするかというところに集中しているところです。
記者
先ほどの質問に附随してなのですけれども、この3年間の県政運営について、知事の方で100点満点中、点をつけるとしたら何点ほどだというふうにお考えになっているのかということと、あと地域未来戦略ですとか、県民アクションプランの策定といったこともありましたけれども、このほか、残り1年とかでやり残したことについて、どのようなものがあるのかお聞かせ願えればと思います。お願いします。
知事
3年前に、5期目の知事に向け、知事選に立候補しようと決めた頃、それはニューヨークタイムズの2023年に行くべきところで、盛岡が2番目に紹介されたということに強く背中を押されたというところがありまして、「世界に開かれた地方創生」ということを進めたい、進めようということで、過去3年間やってきたのですけれども、これは着実に進んでいるかなと思います。やり残しというのは常にあって、もっとやりたい、あれもやりたいというのは常にあるのですけれども、まず順調に進んでいるかなと。ただ一つ、日中関係が厳しい状況にあって、中国との地方からの関係発展というのについて、そこはもっと進めたいけれども、今は難しいなというところがちょっと引っかかってはいます。
一方、3年前に、9月に当選してすぐ取りかからなければならなかったのが、クマ対策のグレードアップです。北海道知事と一緒に環境大臣に面会して、国のクマ対策も強化、また、現場での銃の利用については柔軟にというようなことを、申し入れに行くところから5期目は始まっておりまして、クマ対策という流れがあり、そこに鳥インフルエンザが史上最大規模でどんどん起きたことや、大船渡、そして、大槌の林野火災というふうに、非常事態対応というものが過去3年、かなりそこに時間とエネルギーを割くことになったなと思うのですけれども、これは東日本大震災と復興やコロナ対策もそうでしたけれども、危機にしっかり対応することによって、危機を乗り越えられるだけの強さを、県として、また、県民として得ることができますので、そういう形で3年間、一難去ってまた一難ですね。一難去ってまた一難というような3年間ではあったのですけれども、県民みんなで力を合わせて、その難しい危機対応をやることで、より自然との共生でありますとか、そういう中で経済、産業を進めていくでありますとか、地域社会を守っていくというような、力を高めることができている3年間かなと思います。
記者
そうした上で、点数を御自身でつけられるとしたら100点満点で何点でしょうか。
知事
これは難しいですね。キオクシア第3棟を含む、あれは国の地域未来戦略イコール県の地域未来戦略でもあるのですけれども、7月、8月で、それをきちんと計画策定というのにこぎ着けたということだけでも、100点いただいていいかなという感じはするのですけれども、それ以外にもいろいろなことをやっておりますので、そういったことと足したり引いたりしながら何点かというのは、なかなか今、ぱっとはちょっと思いつかないですね。思い切って言うと、変な数字になって、それが一人歩きするのもあれなので、そうですね、その100(点)をベースにしながら、そこから足したり引いたりして得られる数字ぐらいな答えにしたいと思います。
記者
分かりました。ありがとうございます。
記者
ちょっと話題変わりますが、先週も関連の質問あったかと思うのですけれども、中道改革連合の動きについてで、分裂がほぼ確定しているという情報、報道がもうなされておりますが、この流れで行くと野党の枠組み自体も変わるという、大きな流れの中に入っていくかと思うのですけれども、今回の全体について受け止めを、知事の所感を伺ってもよろしいでしょうか。
知事
2年前には岸田内閣が、いわゆる裏金問題をうまく整理できないまま衆議院の任期が迫ってきて、これは新しい総理大臣の下で選挙をやるほうがいいだろうということで、石破首相の下で解散総選挙となって、そして、自(由)民(主)党与党でも過半数割れになって、あのときは野党が一つになれば政権交代ができるような、そういう民意が示されたわけですけれども、一方、今年(令和8年)の2月には、衆議院において、歴史上かつてないような、自民党与党の巨大な議席専有という民意が示されて、ただこの半年余りで見えてきたのは、参議院はそうではないので、そう簡単ではないということですね。
民意には、感情と意思とがあると思っていまして、意思として、例えば減税か給付かというのは、今、必要なのだと、特に中低所得者の手取りの少なさというのは経済的に深刻だし、特に若い世代がそうなので、婚姻率や出生率の低下にもつながっていて、減税か給付かのどっちかは必ずしなければ駄目だというような、そういう意思がこの2年間、選挙を通じて示されているというのは、日本国民の賢明さを表していると思います。
一方、衆議院の議席が極端に振れるような部分というのは感情でですね、もう今回はこれだみたいな、今回はこっちみたいな、そういう理屈抜きで、えいっというような、日本国民のそういう感情というのは、明治、大正の頃からいろんな現象を引き起こしてきているのですけれども。ということで、政党や政治家に求められるのは日本国民の賢明な意思ですね、そういう政策を組み上げていくには、かなり賢明な意思を日本国民は示してくれていると思いますし、それを実現するような政策パッケージをかちっとつくって、あとは国民が感情に流されずに、むしろ賢明な意思を実現するということに感情もうまく乗って、今までできなかったような改革を、一気に進められる政治の体制をつくるというような、そういう仕掛けをすれば、これはもう与党、野党を超えて、そういうことが求められているのだと思います。自民党さんは自民党さんで、そういう2年前の総選挙と今年(令和8年)2月の総選挙、全然違う結果にはなっているのですけれども、自民党として全然違うものになったわけではなく、ほぼ同じような内容で、国民の感情が大きく揺れ動いてこういう結果になっているということだと思いますので、改めて国民の意思によってしっかり支えられて、政策を遂行していけるような体質に、自民党さん側も生まれ変わっていく必要があると思いますし、野党は野党でそういう大きな塊をつくっていく必要があるということだと思います。
記者
先ほどの企画理事の不適切出張に関する処分について、改めてお伺いします。先ほど知事は、懲戒処分の戒告が必要だったというようなお話だったのですけれども、事案の概要に鑑みて、甘いんじゃないのというのが議会の指摘だったのです。つまり、勤務時間中の野球観戦であったり、観光地への立ち寄り、甲子園に行っていたときは遅刻して、ちゃんとその視察ができたかもよく分からない、外から見たというような話だった。そういったことから、県民の納得を得られるのかというような、そういうお話で、それを踏まえて、改めてこの戒告という処分がどうだったのか、妥当性というのが戒告でよかったのか、改めてお伺いします。
知事
人事当局は、きちっと根拠を積み重ねてそういう決断を出したと思っております。それを判断するに必要な情報というのは、ある程度時間をかけて入手した上でそういう判断をしたと思っています。
記者
ということは、にぎわいの創出だとか、人流を確認するというような目的で行った、例えば水族館とか、動物園とか、甲子園とか、そういったものも、きちんと報告書をやっぱり出す必要があると、そういうふうに思うのですが、いかがでしょうか。
知事
既に総務委員会の中での答弁においても、本人の意図として、本人の職務の中で、出張目的を拡大するような意図でやったと。ただし、手続をきちっとやっていなかったというような回答は述べられていると思いますし、そういった事実関係の確認、必要であればいつでも、議会の中でも、あるいはこういう機会といいますか、報道の場からの様々な質問についても、私が答えられるところは私が答え、より技術的、専門的な質問については担当の方から答えるということは可能だと思います。
記者
それとあと1点、7月末に復帰(復職)をされたこの判断というのが、妥当だったのかということに関してお伺いします。先日の総務委員会で、復帰(復職)した後に外部弁護士から、報復を恐れてヒアリングに協力しない職員がいるという、そういう報告を受けたのですと、県の事務方の方がおっしゃって、この発言は何だというようなことになったのですけれども、知事は8月初旬の会見で、具体的に目の前にあるリスク、そういうものがなければ外さないというふうにおっしゃっていたのですが、結果としてリスクが出ている、支障が出ているというような状況なのかなと。改めて、これ外す必要があるのかどうかというのをもう一回お伺いします。
知事
どういうリスクがあるかについては、働く場、職場において何か脅迫を受けそうだとか、何か権利を侵害されそうだ、損害を受けそうだということがあれば、もうすぐ人事課でもいいですし、上司でもいいですし、人事委員会という手もあれば、弁護士さんの公益通報窓口という手もありますし、まず自分の権利を守るために直ちに動いてもらえればと思いますし、また、それが職場を悪くしない、職場を良くすることにもつながりますので、職員の、ある種自分の権利を守りつつ、職員としての務めを果たすために具体的に言ってもらえれば、それにはすぐに対応します。今のところ、こういうことをされそうだ、ああいうことをされそうだという情報は得ていないというところです。
記者
報復を恐れてヒアリングに協力しない職員がいるというような報告は、県の事務方から知事に報告は受けていないと、そういうことなのですか。
知事
そういう現象は起きているのだと思いますけれども、もともと匿名性を維持したいということで、県当局には情報は伝えないし、また、人事委員会とか、そういう正規の職員の権利保護や職場改善のための組織を利用することで、情報発信者の匿名性が失われることを恐れているということは、広くあるとそれは思っておりまして、であるが故に、弁護士さんにお願いして、第三者の立場からメールで通報する場合も、匿名性を維持できるやり方なわけでありますし、その匿名性の維持ということに関しては、本人が企画理事であろうが、なかろうが、匿名性の維持というのはできるのだと思います。
記者
私も先ほどの企画理事に関連して御質問させてください。今回は手続に関連した処分であると思っているのですけれども、処分の枠組みやちょっと内容とはまた別に、知事の御認識や所感についてお伺いさせてください。総務委員会で御報告された御本人のお話では、業務の範囲内であると考えていたと、にぎわい創出や施設の維持管理の状況に着目して訪問し、業務のつもりだったというふうにお話しされていらっしゃると思っています。行動としては、アポイントを取っていた視察先に、甲子園のチケットを取って観戦し、アポイント先には部下のみを行かせて御自身は遅れた上に、ただ外観を見て回るだけだったと。また、災害応援職員の激励や政府予算要望の前に、勤務時間内に、特に現地の職員に話を聞くわけでもなく、上野動物園やすみだ水族館に訪れたりしていたというものでしたけれども、20年近く県庁職員の方々を率いているお立場として、また、以前は国家公務員を務められていたお立場から照らして、これは業務の範囲になるというふうにお考えかというのをお伺いさせてください。
知事
総務部長、そして、企画理事は、ほぼ県政全般に関して、職務の中に入ってくるポストになります。そして、出張の内容を出張直前に変更したりとか、また、出張の最中に変更する権限も持っているわけですけれども、であるが故に、その権限の行使というのは、きちんとした手続を経て行われなければならないものであって、そういう意味では、そういう権限があるポストに就いたが故にの、この不祥事と言っていいと思います。そういう権限がなければ、そういうことは起きないわけでありますので。権限の行使に当たって、きちんと手続を経てやるというのは非常に重要な部分で、それでこそ出張同行者にも目的をきちっと共有して、そして、より効果的に目的が達成されるような出張をできるようになるわけでありますので、そういうことができていなかったということもあって、やはり戒告ということになると考えております。
記者
つまり、岩手県では、これは業務であって、報告さえすれば、これは業務になるということなのでしょうか。
知事
そこは、出張のつくり方でありまして、少なくとも実際に行われたことについては、全体として戒告に当たるような内容だったと、あってはならない、認められないものだったということです。
記者
企画理事に関して御質問します。甲子園出張の際に、先日の総務委員会で、大阪府茨木市内の訪問先に遅刻したという件なのですけれども、議員の方からはカラ出張ではないかと、実際は行っていないのではないかという声もあって、再調査を求める声も出ましたけれども、意見も出ましたけれども、それにどう対応されるお考えですか。
知事
人事当局は、検討するに当たって、弁護士さんなど有識者の意見も参考にし、その中で職務の範囲とか、権限とかについて、分かれる部分もあったということではあるのですけれども、カラ出張というのは詐欺罪、刑法上の犯罪ですので、それに当たるという指摘はありませんでした。
記者
もう一点、先ほど知事は、再発防止策、ルールに関する再発防止策を検討していくということなのですが、時期的にはいつぐらいまでに取りまとめる考えか、あと、どのように公表していくのか、その辺のお考えをお願いします。
知事
そこは、担当の方からは、このくらいのスケジュール感覚という報告はまだ受けていないところでありますけれども、第三者の意見とか、外部で議論してもらうということはあまり必要のない、内部のルールの変更という作業になるので、そんなに長くはかからないと思います。
記者
先ほどの質問の回答がよく分からなかったので、同じことの繰り返しになるのですけれども、少なくとも、甲子園の観戦がにぎわい(創出)につながるというのが、どう考えてもよく理解ができないのですけれども、あれが岩手県、少なくとも東北のチームが参加されるならまだしも、別に何の関係もなく、それを事前にチケットを職員に取らせて、言ってみれば彼にとっては予定どおりの行動なわけですよね。それを今、知事は手続論の不備だというふうに御本人も言っているし、人事担当者も手続上の不備だというような説明を繰り返しているのですけれども、その手続云々の前に、そもそも甲子園観戦が出張というか、業務という説明をすること自体が非常にナンセンスだと思うのですけれども、これは知事の感想でいいのですけれども、これ業務、答弁繰り返しになるのかもしれませんけれども、それはこういうのを、少なくとも一般職のトップの方が、言い訳として言うということがどうなのかと思うのですが、知事の所感を聞かせていただけないでしょうか。
知事
記憶をたどりながらですけれども、本人は総務部長から企画理事にかけて、県の体育施設も含めた様々な施設の今後の在り方を検討したり、そういう仕事もしていて、そして、大型運動施設、アリーナとか、そういうもので、スポーツ振興、地域振興というものは、最近の地方自治、地方行政の一つの論点ではあります。ただ、そうであれば、やっぱりそういう関係の担当を同行させるとか、実際に大型運動施設が活用されている状況を見るという見方についても、専門家の解説を受けながら見るとか、やりようはいろいろあったと思われ、手続が足りなかったということは形式的な問題だけではなく、そういう出発直前に出張内容の変更、目的を増やすとかという手続を取ろうとした段階で、そういう内容であれば別の機会にすべきではないかとか、移動のときの数時間の空き時間だけでそこをやろうというのは無理ではないかというような、そういうチェックがちゃんと入るようにするところが手続という意義でありますので、そういう意味でやはり懲戒処分、戒告に当たるということなのだと思います。
記者
先ほどの質問と回答に関連してなのですけれども、そもそもの話として、出張内容を変更したいといって、それが認められなければ、もちろんその行動は取らないわけであるという、それが手続の意義だという御認識でいらっしゃいますよね。
知事
何か特別な認識を持っているわけではなく、もう一般的にといいますか、普通の言葉の意味で、出張というのは出張手続があって、出張計画から終わった後の報告まで、そういった中でやらなければならないということです。
記者
その前提の上でなのですけれども、これは過去に起きたことは変えられないので、思考実験になってしまうかもしれませんが、仮に企画理事が、そのとおり事前にチケットも取れたし、甲子園も見に行きたいという申請を、仮に県当局に出していた場合、県としての取扱いはどうなるものなのでしょうか。例えば、それはやっぱり認められないといって止めるものなのか、それであればそのとおり必要な人も追加で持っていきなさいというものになるのか、本当に思考実験のようになってしまうかもしれませんが、お聞かせください。
知事
そこはより良い効果的な出張の在り方というのを目指して、調整が進む中で、この時間で両方やるのは無理だとか、そういったチェックも入って、そして、より良い出張になっていくということが期待されるのだと思います。
記者
先ほども質問があった、企画理事の復帰(復職)の関係だったのですけれども、本来、そもそも匿名性が確保された中でのアンケートで、回答された職員の方に、第三者の弁護士の方が、ヒアリングが必要というところでヒアリングを求めた結果、報復を恐れてヒアリングを拒絶しているというふうな形の報告を受けたというふうに先日の総務委員会でも聞いているのですけれども、この調査自体も11月まで延長となって、さらに、補正予算でも追加されて、2,000万円規模での予算をかけて調査されるという中で、そうしたヒアリングを受けられない職員がいると、調査の公平性だったりだとか、正確性だったりも問題が出るのかなと思うのですけれども、その辺り、今後何か対応を取る予定はございますでしょうか。
知事
いろんな事情で、弁護士さんに直接会って話すことは避けたいというのがあるのだなということが、今、見えてきていると思います。匿名性を維持しながらの調査の難しさ、制度が想定しているのは、人事課などの人事当局への通報や弁護士さんの公益通報窓口への情報提供、あるいは人事委員会という場もあるのですけれども、そこにまず情報提供者が何者であるかが、まず最初から明らかで、その人が事実関係を述べ、そして、その事実関係を調べていくことができるというようなことが想定されているのですけれども、今回、そもそも最初のきっかけから、匿名のA4の1枚の紙が、一部の県議会議員さんに送られたというところからスタートしていって、そういう情報提供者が、匿名性を維持したいという中で事実関係を明らかにしていくというのには、いろいろ困難があるなということが見えてきていると思います。そういったことも含めて、最終的な報告書では、匿名性を求める人でも、既存の問題解決の仕組みに情報を提供してもらえるような、やり方の工夫でありますとか、あるいは弁護士さん、第三者にお願いするときの、やり方の前提に関する工夫でありますとか、そういったことが最終的な報告書の中、あるいはそれと同時に発表されるような形になるのかなと思います。
記者
そうなると、今回の調査に当たっては、もちろん調査主体は弁護士さんだと思うのですけれども、具体的な方策みたいなものは現時点でありますか。
知事
私が2月定例会で、本件について予算特別委員会で職員に呼びかけたときから、私の思いというのは一貫していて、その職員本人の権利を守るためにも、県を良くしていくためにも、情報を積極的に提供してほしいと、そのための人事当局であり、そのための通報窓口であり、そのための人事委員会なのだから、そこに言ってきてもらえれば、その人の権利を守って、県の職場をより良くするためにきちんと対応するということであり、それは今この瞬間にも変わりません。ですから、何か不安な人が弁護士さんに会えないというのであれば、今からでも我々の方に来てほしいと思います。
広聴広報課
以上をもちまして記者会見を終了いたします。
次回記者会見
次の定例記者会見は9月15日(火曜日)の予定です。
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