令和4年度地価調査結果の概要
概要
- 県全体の住宅地の平均変動率は-0.6%(令和3年:-0.8%)となり、22年連続で下落。
住宅地256地点のうち価格が上昇したのは74地点。
盛岡市の住宅地の平均変動率は1.4%(令和3年:1.2%)となり、8年連続で上昇。
生活利便性の良い地域を中心に価格が上昇(36地点)した。 - 県全体の商業地の平均変動率は-1.7%(令和3年:-1.9%)となり、29年連続で下落。
商業地72地点のうち価格が上昇したのは3地点。 - 県全体の工業地の平均変動率は0.9%(令和3年:0.5%)となり、4年連続で上昇。
工業地13地点のうち価格が上昇したのは6地点。
1 住宅地(256地点)
1. 平均変動率
県全体の住宅地の平均変動率は-0.6%(令和3年:-0.8%)となり、22年連続で下落。住宅ローン減税や低金利政策等による住宅需要の下支えが継続される中で、大型店舗の充実や道路の整備等により生活利便性が向上した地域に加え、医療機関の移転や工場の進出に伴い住宅需要が押し上げられている地域において地価の上昇が継続しているが、少子高齢化や人口減少等が進む地域では土地需要が低迷し、地価は下落している。
2. 価格が上昇した地点
価格が上昇したのは74地点(盛岡市36地点、花巻市6地点、北上市7地点、遠野市2地点、奥州市2地点、滝沢市7地点、紫波町5地点、矢巾町7地点、金ケ崎町2地点)。
3. 上昇率及び下落率の最大地点
地点 |
基準地の所在及び地番 |
基準地番号 |
令和4年度 |
令和3年度 |
---|---|---|---|---|
最大上昇地点 |
盛岡市西見前19地割4番25外 |
盛岡(県)-23 |
7.7% |
6.2% |
最大下落地点 |
軽米町大字軽米第4地割字蓮台野47番9外 |
軽米(県)-1 |
-7.1% |
-7.1% |
- 盛岡(県)-23 上昇要因
新規宅地開発が活発で、かつ宅地需要も旺盛な地域で、住宅地としての熟成度を高めているため。 - 軽米(県)-1 下落要因
少子高齢化や人口減少に伴い宅地需要が低迷しているため。
4.市町村別の平均変動率
市町村名 |
令和4年度 |
令和3年度 |
---|---|---|
盛岡市 |
1.4 |
1.2 |
宮古市 |
-2.3 |
-2.7 |
大船渡市 |
-1.8 |
-1.6 |
花巻市 |
-0.3 |
-0.5 |
北上市 |
0.7 |
0.3 |
久慈市 |
-2.5 |
-1.9 |
遠野市 |
0.5 |
0.0 |
一関市 |
-1.4 |
-1.5 |
陸前高田市 |
-1.4 |
-1.4 |
釜石市 |
-1.3 |
-1.2 |
二戸市 |
-1.7 |
-2.3 |
八幡平市 |
-2.4 |
-2.4 |
奥州市 |
-0.9 |
-1.3 |
滝沢市 |
3.2 |
2.4 |
雫石町 |
-1.4 |
-3.0 |
葛巻町 |
-3.6 |
-4.1 |
岩手町 |
-5.0 |
-5.6 |
紫波町 |
4.4 |
3.1 |
矢巾町 |
3.5 |
4.1 |
西和賀町 |
-3.5 |
-3.4 |
金ケ崎町 |
0.5 |
2.0 |
平泉町 |
-1.9 |
-1.9 |
住田町 |
-2.1 |
-1.9 |
大槌町 |
-3.0 |
-2.5 |
山田町 |
-3.0 |
-3.7 |
岩泉町 |
-3.1 |
-2.8 |
田野畑村 |
-3.5 |
-3.7 |
普代村 |
-3.2 |
-3.6 |
軽米町 |
-5.9 |
-5.8 |
野田村 |
-1.6 |
-1.6 |
九戸村 |
-3.4 |
-4.3 |
洋野町 |
-2.3 |
-2.3 |
一戸町 |
-3.8 |
-2.8 |
2 商業地(72地点)
1. 平均変動率
県全体の商業地の平均変動率は-1.7%(令和3年:-1.9%)となり、29年連続の下落。
盛岡地域の商業地は新型コロナウイルス感染症の影響から回復傾向にあるが、少子高齢化や人口減少等が進む地域では土地需要が低迷し、地価は下落している。
2. 価格が上昇した地点
価格が上昇したのは3地点(盛岡市2地点、矢巾町1地点)。
3. 上昇率及び下落率の最大地点
地点 |
基準地の所在及び地番 |
基準地番号 |
令和4年度 |
令和3年度 |
---|---|---|---|---|
最大上昇地点 |
盛岡市盛岡駅前通437番「盛岡駅前通8-17」 |
盛岡(県)5-9 |
2.4% |
-2.3% |
最大下落地点 |
軽米町大字軽米第8地割字大軽米59番1 |
軽米(県)5-1 |
-6.9% |
-7.9% |
- 盛岡(県)5-9 上昇要因
駅前地区は根強い需要があり、昨今、新たな商業投資活動も見られるなど新型コロナウイルス感染症からの回復傾向が見られるため。 - 軽米(県)5-1 下落要因
少子高齢化や人口減少に伴い宅地需要が低迷しているため。
4. 市町村別の平均変動率
市町村名 |
令和4年度 |
令和3年度 |
---|---|---|
盛岡市 |
0.2 |
-0.6 |
宮古市 |
-2.3 |
-1.2 |
大船渡市 |
-2.0 |
-1.4 |
花巻市 |
-1.1 |
-1.5 |
北上市 |
0.0 |
0.0 |
久慈市 |
-1.3 |
-2.4 |
遠野市 |
-1.8 |
-2.3 |
一関市 |
-3.0 |
-3.1 |
陸前高田市 | 地点なし | 地点なし |
釜石市 |
-0.6 |
-1.0 |
二戸市 |
-3.1 |
-2.8 |
八幡平市 |
-4.8 |
-4.6 |
奥州市 |
-0.9 |
-1.1 |
滝沢市 |
0.0 |
0.0 |
雫石町 |
-1.6 |
-1.6 |
葛巻町 |
-5.3 |
-6.2 |
岩手町 |
-6.0 |
-5.7 |
紫波町 |
-0.3 |
-0.3 |
矢巾町 |
1.1 |
1.9 |
西和賀町 |
-3.9 |
-3.5 |
金ケ崎町 |
0.0 |
0.0 |
平泉町 |
-1.8 |
-1.8 |
住田町 |
-1.9 |
-3.0 |
大槌町 | 地点なし | 地点なし |
山田町 | 地点なし | 地点なし |
岩泉町 | 地点なし | 地点なし |
田野畑村 | 地点なし | 地点なし |
普代村 |
-3.5 |
-4.1 |
軽米町 |
-6.9 |
-7.9 |
野田村 |
-3.4 |
-3.3 |
九戸村 |
-6.3 |
-6.6 |
洋野町 |
-3.4 |
-3.7 |
一戸町 |
-3.6 |
-4.0 |
3 工業地(13地点)
1. 平均変動率
県全体の工業地の平均変動率は0.9%(令和3年:0.5%)となり、4年連続で上昇。
2. 価格が上昇した地点
価格が上昇したのは6地点(盛岡市1地点、北上市1地点、奥州市2地点、矢巾町1地点、金ケ崎町1地点)。
3. 上昇率及び下落率の最大地点
地点 |
基準地の所在及び地番 |
基準地番号 |
令和4年度 |
令和3年度 |
---|---|---|---|---|
最大上昇地点 |
北上市北工業団地407番4外 |
北上(県)9-1 |
2.7% |
2.7% |
最大下落地点 | 釜石市甲子町第9地割171番8 | 釜石(県)9-1 | -0.6% | -0.6% |
- 北上(県)9-1 上昇要因
大手半導体メーカーの新工場が令和元年10月に完成したことに加え、本年4月に2棟目の工場建設に着工する等、周辺部における関連企業等の土地需要が高まっているため。 - 釜石(県)9-1 下落要因
沿岸地域における機械金属工業団地に対する需要が低迷しているため。
4 林地(11地点)
県全体の平均変動率は-0.4%(令和3年:-0.8%)となり、28年連続の下落。
ウッドショック等で木材需要は高まっているが、林地の取引価格への影響は見られず、林業経営の先行き不安や林業従事者の後継者不足等から林地需要は低迷しており地価は下落している。
参考
1. 用途別平均価格及び平均変動率(令和4年7月1日時点)
(1) 住宅地
総地点数 256地点 (うち継続地点数 254地点)
平均価格 25,600円(1平方メートルあたり)
平均変動率 -0.6%(令和3年:-0.8%)
(2) 宅地見込地
総地点数 2地点 (うち継続地点数 2地点)
平均価格 13,800円(1平方メートルあたり)
平均変動率 2.0%(令和3年:1.9%)
(3) 商業地
総地点数 72地点(うち継続地点数 72地点)
平均価格 44,300円(1平方メートルあたり)
平均変動率 -1.7%(令和3年:-1.9%)
(4) 工業地
総地点数 13地点(うち継続地点数 13地点)
平均価格 12,100円(1平方メートルあたり)
平均変動率 0.9%(令和3年:0.5%)
(5) 林地
総地点数 11地点 (うち継続地点数 11地点)
平均価格 55,100円(10アールあたり)
平均変動率 -0.4%(令和3年:-0.8%)
(注1)「平均価格」は全基準地を対象とし、十円の位を四捨五入したものであり、宅地及び宅地見込地は1平方メートル当たり、林地は10アール当たりの平均価格。
(注2)「平均変動率」は、継続基準地ごとの価格の対前年度変動率の合計を当該基準地点数で除したもの。
2. 全国の動向
(1) 全国の平均変動率は、住宅地、商業地ともに下落から上昇に転じた。
(2) 三大都市圏の平均変動率は、住宅地では東京圏と名古屋圏で2年連続の上昇となり、大阪圏では下落から上昇に転じた。商業地では東京圏が10年連続、名古屋圏が2年連続の上昇となり。大阪圏では下落から上昇に転じた。
(3) 本県を除く東北管内では、宮城県が住宅地、商業地ともに令和3年度を上回る上昇となったが、その他の県では、住宅地、商業地ともに下落となった。
3. 新型コロナウイルス感染症拡大の地価への影響について
(1) 全国の状況
経済活動の正常化が進む中で、新型コロナウイルス感染症の影響等により弱含んでいた住宅・店舗等の需要は回復傾向にある。
(2) 県内の状況
今般の地価調査を実施した岩手県不動産鑑定士協会によると、
- 住宅地は、新型コロナウイルス感染症による地価への大きな影響は見られない。
- 商業地は、新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に緩和される中で、盛岡地域では前年からの回復傾向が見られる。
地価調査制度の概要
- 根拠法令:国土利用計画法施行令(昭和49年政令第387号)第9条第1項
- 調査目的:土地の正常な価格を示すことにより、一般の土地取引価格に対して指標を与え、又、公共の利益となる事業の用に供する土地に対する適正な補償金の額の算定等に資し、もって適正な地価の形成に寄与すること。国においては、地価公示法に基づき、毎年1月1日の正常な価格を判定し公示している。
- 調査主体:岩手県
- 調査対象:県内33市町村の354地点
- 価格時点:令和4年7月1日
- 価格判定:不動産鑑定士の鑑定評価結果に基づき、県が基準地の標準価格を判定する。
関連情報
一般社団法人岩手県不動産鑑定士協会のホームページの「岩手県地価マップ」にて、調査地点を御覧いただけます。
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環境生活部 環境保全課 鉱業・水資源担当(水資源)
〒020-8570 岩手県盛岡市内丸10-1
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