岩手フロンティア・フレッシュトーク(平成21年10月26日)懇談記録
- 対象地域:県央広域振興圏
- 日時 平成21年10月26日(月曜日)
- 場所 盛岡地区合同庁舎
- 出席者
参集者 井上 研司(株式会社東光舎 常務取締役)
金丸 芙美江(エミフルマナカ 代表)
中村 美知子(有限会社アライブ 代表取締役)
工藤 佳輝(農業)
渡邉 里沙(有限会社秀吉 食材事業部長)
坂東 学(株式会社坂東木材 代表取締役社長)
県側
達増知事
望月盛岡地方振興局長
「若きリーダーが描く岩手の可能性」をテーマに、様々な分野で活躍されている青年層の方々と知事が懇談しました。
開会
望月局長
それでは、ただいまから県政懇談会「岩手フロンティア・フレッシュトーク」を開催させていただきます。
私、進行の盛岡地方振興局長の望月です。どうぞよろしくお願いします。
知事あいさつ
望月局長
それでは、開会に当たりまして、達増知事から一言ごあいさつを申し上げます。
達増知事
皆さん、おはようございます。この県政懇談会「岩手フロンティア・フレッシュトーク」といいますのは、フロンティアというのが岩手を四つに分けたそれぞれを新しいチャンス、可能性のフロンティアとして位置づけるということで、広域ごとにやるのを岩手フロンティアで、フレッシュトークは、若い皆さんに集まっていただいて、それぞれの活動している地域あるいは分野の近況報告などしていただきながら、これからこういうことをやっていきたいとか、そしてそれがそのまま岩手全体の作戦会議のように、岩手全体としてこういう方向に向かっていくのがいいというような、そういうのにつながっていくようにということで開いているものであります。若いながらも多忙な中、今日は本当にようこそおいでいただきました。ありがとうございます。
それから、県では今10カ年計画、新しい長期計画を立てて12月議会に提出して最終決定してもらうことになっているのですが、特にこれから10年という中で岩手がどういう方向に向かっていけばいいかというようなことにヒントになる話を伺えればいいなというふうに思っています。
全国知事会でもこの国のあり方研究会というのをことし設置して、中長期的な中央と地方というか、国と地方の関係とか、そういう長期的な議論を全国知事会でもスタートしていて、知事さんが20人ぐらい登録しているのですが、6人から7人ぐらいしか集まらないのです。その集まる6人から7人のうちの3人が下から順に若い県知事、今一番若い知事は大阪府知事ですけれども、彼は忙しくて来られないのです。次に、若いのが高知県知事、3番目に若いのが私で、4番目に若いのが新潟県知事なのですが、その高知、岩手、新潟の3知事は大体国のあり方研究会に出ていまして、やはり若い知事のほうがそういう中長期的将来については関心が高く、かつ真剣なのかなという感じがしております。岩手の将来というのは、やはり若い皆さんにとってより深刻、真剣な問題ではないかと思うので、そういう中長期的視野も入れながらお話ができればと思いますので、よろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
懇談
望月局長
それでは、本日の出席者を紹介させていただきます。
順番に、株式会社東光舎常務取締役、井上研司さん。
井上研司
よろしくお願いします。
望月局長
エミフルマナカ代表の金丸芙美恵さんです。
金丸芙美恵
よろしくお願いいたします。
望月局長
有限会社アライブ代表取締役、中村美知子さんです。
中村美知子
よろしくお願いいたします。
望月局長
花き、リンドウ農家の工藤佳輝さんです。
工藤佳輝
よろしくお願いします。
望月局長
有限会社秀吉食材事業部長の渡邉里沙さんです。
渡邉里沙
よろしくお願いいたします。
望月局長
株式会社坂東木材の代表取締役社長、坂東学さんです。
坂東学
坂東です。よろしくお願いいたします。
望月局長
なお、本日は県議会から喜多正敏先生、吉田洋治先生、三浦陽子先生のお三方にもご出席いただいております。ありがとうございます。
それでは、早速懇談に入らせていただきます。本日の懇談は、「若きリーダーが描く岩手の可能性」と、かたい書き出しになっていますが、産業振興関係の話を自由にご意見をお聞かせいただければというふうに思います。
最初に、自己紹介に絡めまして、一人5分程度でこんな活動していますとか、こんなことをやれればいいのではないかとか、そういったところをお話しいただければと思います。
順番に井上さんからお願いしてよろしいですか。
井上研司
東光舎の井上と申します。よろしくお願いいたします。先ほどから若い、若いという話ですが、余り若くないので、ちょっと何か場違いかなと思ったりするのですが。
弊社は株式会社東光舎といいまして、創業は1917年、まだ100年にはちょっと欠けるのですけれども、理髪店さんですとか美容院さんでお使いいただいているはさみを主につくっている会社です。岩手町に工場がありまして、今40人ほどでやっています。もしよかったらお持ちしたサンプルでティッシュを切っていただくと大体切れ味がわかると思います。
主な生産品というのは理美容関係のはさみですとか、今知事のお持ちのような医療関係のはさみですとか、鋼製小物と呼ばれる道具などもつくっています。年間の生産ベースで60,000丁前後を生産していまして、向け先は国内が4割ぐらい、輸出が残りの6割というところです。
ヴィダルサスーンというブランドをご存じかと思います。美容師さんのお名前なのですが、彼がうちのはさみを恐らく使っていたのではないかというふうに話が残っております。
私個人として最近思うところですが、うちのような業種ですと職人を育てるのにものすごい時間がかかりますし、なかなか若い人も入って来たがる職業ではありません。レース台や砥石の前に座って一日地道に仕事をするような職場ですので、できるだけ皆さんに興味を持っていただいて、また働いている職人にはプライドを持って仕事をしてもらいたいということを考えております。年に2回、先週も私はイギリスの展示会に行ってきましたが、職人を連れて現地で研ぎを実際に行いお客様にお返しするというようなことをすることで、実際に岩手町でつくっているものが世界中の美容師さんに使っていただいているのだということを実感してもらうということをやっております。
あとは2年ほど前に経済産業省の元気なモノ作り中小企業300社に選んでいただきましたので、その関係で雑誌ですとか、テレビですとか、何社か取材していただきました。そういったきっかけから職人に、自分の仕事の価値をちゃんと認識してもらって長く働いてもらおうということを考えています。
あと最近なかなか製品自体の差別化が難しくなってきている状況があり、商品に特色を出していこうという発想から、私自身ははさみの切れ味というテーマで博士号を取りました。そういったことで他社にはない技術力があるのだというアピールをしたり、あとはこちらに今年のポスターをコピーしてきましたけれども、左下のほうに「MADE IN IWATE」という文字が入っています。はさみの産地というとどうしても新潟県ですとか、岐阜県ですとか、大阪ですとか、そうなるのですが、うちの場合は岩手で物をつくっている点をアピールして差別化を図っていければいいというふうに思っております。
達増知事
これはありがたいですね、ばっちり岩手と。日本のどこにあるかもわかるようにしてあって。
井上研司
そうなっています。あとは私自身主に最近担当しておりますのは医療関係です。今はいわて医療機器事業化研究会というのをやっていただいておりますが、その共同代表の1社をやらせていただいております。前回の厚生労働省の薬事法の改正で我々のような鋼製小物をつくっているメーカー、ほとんど小さい家内制手工業的なメーカーさんがもともと多かったのですが、品質管理を厳しくしなくては業の許可がおりなくなったということで、多分これからどんどんと数が減っていくというトレンドの中にあります。ですから、今これをチャンスとして、岩手県に鋼製小物、はさみだけではなくて鉗子ですとか、ピンセットですとか、そういった一般医療機器という、グレードの高くない品種で岩手県に産業の集積化をしてゆけないだろうかという話を昨日いわて医療機器事業化研究会の大森コーディネーターや、TOHOKUものづくりコリドーの松下マネジャーさん話をさせていただいていますので、少しでも助けになっていければなというふうに考えております。
望月局長
ちなみに、あのはさみ一丁幾らするのですか。
井上研司
このタイプは、うちで一番高いものだと思うのですけれども、これで8万円前後の定価です。こちらは泌尿器の前立腺のがんの切除に使うわけですが、これで13万円ぐらいだったと思います。
望月局長
世界に対して売られるということですけれども、アフターケアはどうされているのですか。
井上研司
難しい問題ですが、大きい代理店さんは年に1度か2度まとめて修理品を送ってこられて、直して返すような形にしています。ただ、代理店さんでは不具合の原因が判断できないのでクレームのときには単に交換しているようです。あとは展示会でそれそれの国で研がれたはさみの状態を見ると地元の研ぎ屋さんが研がれた結果、大分ダメージを受けているのも見られます。
望月局長
では、ある程度一生もの的な使い方をされるのですね。
井上研司
そうですね、特にイギリスに行くとうちの20年ぐらい前のはさみをまだ持って来られるので、大事に使えばそのぐらいは十分に使えます。
望月局長
ありがとうございました。
では、金丸さんお願いします。
金丸芙美恵
金丸芙美恵と申します。よろしくお願いいたします。私は中ノ橋通の葺手町というところ、旧町名の葺手町というところで婦人服の販売をしております。
お洋服の販売と地域貢献とかそういうところの関連性というものを深く追求するとあれなのですけれども、イオンですとか、新しくクロステラスですとか、大きいショッピングセンターができている中で、そういう個人店がどういうふうな位置づけとか、頑張り方をしていったらいいのかというのを今井上さんの話を聞きながら考えていたのですが、今お店がある中ノ橋通一丁目は旧町名で葺手町といいまして、このごろ商店街の活動も活発になってきています。今はハロウィンの前なので大きいカボチャを各店舗1点ずつお店の前に置いて町内会でハロウィンのイメージづくりをしようということで取り組んでいます。近くですと肴町アーケード商店街は、一見大通りとかそちらに比べると地味な雰囲気があるかもしれないのですけれども、常に人がいます。年齢層は高いですけれども、大通に比べたら常に人はいますし、人がいるということはある程度はお金が動くということなので、そういうふうに人が安定して集まる場所というのを考えていったらいいのではないかなと思っています。
どうしても利便性の上で子供さんがいたりとかすると、イオンなど、そちらのほうが行きやすいかとは思うのですけれども、そうなるとイオンの中ですと個性が発揮できないというか、ありきたりのものしか目に入らなくて、ちょっと町を歩けばあの人も着ていたお洋服ですとか、また電車に乗れば違う人が着ていたりとかとそういうことが起こってしまうので、ちょっと残念なところがあるのです。ですので、やはりそういう大型店に対する個人店の魅力のアピールの仕方というのはお店の個性を発揮するということが重要になってくると思います。
望月局長
ターゲットはどんな方々なのですか。
金丸芙美恵
私は、ターゲットを絞らないというのがお店のコンセプトでやってきているので、お店にいらっしゃるお客様の年齢層というのもばらばらで20代前半から50代から70代ぐらいまでのお客様もいらしてくださっております。
自分のポリシーとしては、自分で取り扱っているお店のブランドは、ほかのお店でやっていないというものだけを集めているので、そういった意味でも個性を発揮できるというか、うちにしかないというものがお店に来れば得られるような感じです。
望月局長
バーチャルモールも出されているのですか。
金丸芙美恵
そうです。楽天のほうのオンラインショッピングに出させていただいております。やはり盛岡の人たちは保守的なところがあるので、ハイブランドのお洋服とか、ちょっと色が派手なお洋服とかはなかなか売り込みが難しいところがありますので、そういうお洋服を定価で売る、セールにしないで売っていくためにはオンラインショップの活用も大事だと思っています。
望月局長
売れ筋はどうなのですか、オンラインのほうは。
金丸芙美恵
オンラインのほうはまだ目に見えて売れているなという感じはないのですけれども、お店の助けにはなっております。出張のときでも売れているので、自分がお店に立たなくても売れるということがあるので、いい意味と悪い意味と半々なのですけれども、やっぱり個人店が存続していくためにはそういったところもバランスよく活用していかなければいけないなと思っています。
望月局長
対面販売とそういうインターネットですね。
金丸芙美恵
そうですね。
望月局長
一つ教えてください。エミフルマナカというのは何なのですか。
金丸芙美恵
よく聞かれるのですけれども、私の名前が「カナマルフミエ」で、それを逆から読むと「エミフルマナカ」というようになっております。
望月局長
わかりました。
では、中村さんお願いします。
中村美知子
おはようございます。中村美知子と申します。よろしくお願いします。
中ノ橋、エミフルマナカさんの近く、肴町にほど近いところで有限会社アライブという不動産会社をやらせていただいております。不動産業は、今8年目で、去年のリーマンショックから影響がないとは言われつつも賃貸が一番動かなくなったというのが現実です。法人企業さんの異動が少なくなったというのが多分大きなところだと思うのですが、あとは引っ越す費用が皆さんなくなったのだろうなと、敷金、礼金を創出する、大体30万ぐらい最初にかかるお金を新たに出すのがやはりちょっと怖くなった時期がありまして、去年の9月から今年の4月ぐらいは非常に動きが鈍かった時期を経験させていただきました。
起業した8年前も景気が悪い、景気が悪いと言われて、「こういう景気の悪い時代に起業するのだから、君はやれるよ」と、そういう口車にも乗せられ、一生懸命やってきたのですけれども、今回ずっと努力すれば何か必ず進むのだと思いながら営業させていただいた中で、非常に大きな壁にぶつかったなというすごくいい経験をさせていただきました。5月以降は比較的落ちついていますので、やはりいろんな事情があって売りたい方もいらっしゃいますし、何かの事情があって買いたい方、借りたい方もいらっしゃるという中で、いろんな方のご相談を受けながら不動産を取り引きしているという状況の中でアライブは経営させていただいております。
私が経営者ということで、スタッフはみんな女性にしようと思いまして。
望月局長
全員。
中村美知子
全員女性でやらせていただいております。そういった面で、メリットとしては、やはり今女性のひとり暮らしとかという形で不動産を買う方が非常に多いので、男の世界だった不動産業界だったのですが、今は司法書士さんとかも女性がいらっしゃるので、取引が全員女性という場合も中にはあるのです。売買するときに売り主さん、買い主さん、不動産会社、司法書士と揃うのですけれども、全員女性だったという経験が何回かありまして、そういうときには非常に今女性が不動産を買ったり、そういうものに一人の人間としていろんなもの住生活を考えていることが多いなというのを最近実感しております。
そんな不動産を通じていろいろ仕事させていただいて、やはりこのままでは盛岡の町を含めて、ただ動かしているだけだと多分何も化学変化が起きないというのを実感しまして、例えば不動産の店舗のレンタルをしたいというときに貸事務所とか、貸し店舗という看板を出すのですが、看板を出して見つけてもらう不動産はもう遅いかなと。正直皆さんニーズがあって、必要なところに必要な店舗を出したいという思いがあるのに不動産会社は看板を出しているだけだとか、そこの地域がどういう人に認められていて、どういうエリアであって、先ほど金丸さんがおっしゃっていたとおりで、お年寄りが多いのか、若者が多いのか、どういう人たちがその町に集まって、どういう店を開いていったらみんなが、個人事業主がうまくいって成功するかなというのをいろんな意味で捉えたくて、2007年に盛岡の町を元気にしたいという思いで盛岡3リングスという会社をつくらせていただいておりました。そちらのほうは、今1つビルを満室にしたのですけれども、菜園にある6階建てのビルがあったのですが、そちら1階から5階まで一時期あいていたときがありまして、そこのビルを当社で2フロアを借りさせていただいて、1つは美容院だったのですけれども、美容院を出ていかれるときに敷金が100万円預けてあったのです。その美容院を解体して出ていくには150万円予算がかかる。そうすると、オーナーさんも100万円の敷金を返すのは大変だし、借りている側も150万円ということは50万円自己負担をして退去しなければいけないという状況をみんながよくなる方法としてどうかなと思って、100万円も返さない、150万円も払わなくていいから、そのままで出ていってくださいというやりとりをさせていただいて、美容室をそのまま残して出ていっていただきました。そこを今盛岡3リングスが借り上げてブース型の美容室ということで、椅子と鏡を個人事業主に貸して、今6人の美容師が、美容院を独立したい個人事業主が6名そこで独立起業して働いております。そこで私たち念書もいただいて、それをオーナーさんに払うというシステムで、そのビルに活気を持たせようと思ってやらせていただいたおかげで1階から6階まで全部満室になりました。今までお客さんが出入りしてないビルに人が出入りすることで息を吹き返すというのを、そうやって実践して、すごく小さいことなのですけれども、実践して活動させていただいて、今ある不動産を生かす、遊休不動産をどう生かして個人事業主や、社会に貢献していけるかなというのを考えながら、今やらせていただいております。
望月局長
何かノウハウみたいなのはあるのですか。
中村美知子
ノウハウですか。
望月局長
ええ、企業秘密というか。
中村美知子
特にないです。本当にそのとき、そのときの発想と個人事業主がこうやりたいという思い、たまたまその美容室も40近くになる女性の方が今の美容院をやめたいと、独立したいといったときに相談に乗ったら、やっぱり500万ぐらいかかるのです、何かをやるというと。そうするとやれないと、親の保証人もないといったときに、どうしようといったときにたまたまそういう話があって、だからすべてが出会いとコミュニケーションとった中で結びつけるきっかけになったというものが、それがそもそもの最初のきっかけがすべてそんな感じでやっていましたので。
望月局長
そうですか、そういう出会いというか、日ごろのコミュニケーションの中からそういうのが出てきたわけですね。
中村美知子
そうです。
望月局長
わかりました。
では、工藤さんお願いします。
工藤佳輝
八幡平市で農業をしております工藤と申します。よろしくお願いします。
栽培している品目は切り花のリンドウです。岩手県のシェアが全国シェアの約70%を占めておりまして、そのうち約半分を八幡平地区で「安代りんどう」というブランド名で販売をしております。
研究開発から販売まで一貫して取り組んでおりまして、今年は約昨年並み、販売額は10億ぐらいいくのではないかなという予想であります。
農業をしておりますと、なぜ就農したかというところを最近の後継者不足で聞かれることが多いわけなのですが、私自身は親がやっていた、そういう環境で育ったというのがもちろん大きいわけですが、学生時代の研究で地元の産地化するまでの取り組みに触れたという点が大きいのではないかと思っています。当時私の父親世代は農業青年クラブというのがありまして、農業改良普及センターと二人三脚で取り組んできた、当時の地元に自生していたリンドウというものを生かして何とか地域起こししたいという、その気持ち、情熱、そういったものに触れたところが大きいです。お金とかよりもその情熱などという部分も私も何とか伝えていきたいという気持ちでここ10年間取り組んでまいりました。
その活動の一つとして、生産部会ですね、農協の活動に積極的に参加して、現在ではリンドウ専門部の役員等を務めさせていただいております。それから、農業青年クラブ活動ですね、こちらのほうにも積極的に参加しておりまして、ちょっと話は脱線しますけれども、今年の年の暮れには県の婚活関係の事業を利用いたしまして、パーティーを開く話し合いをここの合同庁舎の4階のほうで今日も持つことになっております。
当時の農業青年たちの思いですけれども、この私の住んでいる地域は旧安代町で、米づくりに不利な地域です。その山間地でどうやって暮らしていくかということですね、その取り組みの熱意というものを何とか伝えたい、そう思っております。
その結果、取り組んできて、新たなここ数年間の動きといいますとニュージーランドでの栽培事業や、あとはオランダへの輸出事業といったところが少し成果を出せた部分ではないかなと思っております。
実際の農業の現場を見てみますと、動きが少しあるかなと感じるのは、盛岡近郊を中心に産直を中心とした地産地消の動きがすごく活発になっていて、農業の自由度は少し進んでいる部分もあるのではないかなというのは感じます。一方、町村部、離れたほうへ行きますとやはり少子高齢化や後継者不足というのは確かにある部分で、例えばですが、現在私の世代を中心としますと子供らですね、小学校、保育所の数、児童数は私らのころの今は4分の1、逆に私の親世代を見てみますと、私らのころの4倍いるのです。そうすると、2世代で16分の1、これは本当に厳しい状況で、この先地域はどうなるのかというのは本当に切実な不安材料であります。
そこで、情熱だけで何とかなるかというと、やはりそうではない厳しい面もありまして、そこでは世代間のつながりとか、外からの活性化の力、でなければ数年単位では厳しいような状況、長い目を持った取り組みが必要なのではないかなと地方の活性化に関しては思っております。そのような話も今日できればいいなと思って参りましたので、どうぞよろしくお願いします。
望月局長
オランダへは今年もかなり出したのですか。
工藤佳輝
昨年途中からレートがかなり悪くなったので、昨年の計画よりは縮小して取り組んでおります。
望月局長
円高で。
工藤佳輝
はい、円高で。
望月局長
やっぱりその関係はあるのですね。
工藤佳輝
はい。それでもオランダ市場も国内市場と同じく一つの市場とみなして、輸出するための運賃がかかるわけですけれども、それも国内とどちらも同じ市場と見ることで、その運賃の差額をならすような形で生産者にはしっかり戻るようなやり方をして取り組んでおります。
望月局長
工藤さんのところはリンドウ専業みたいな感じなのですか。
工藤佳輝
切り花のリンドウと、あとはリンドウの苗づくりの2つを専業でやっております。
望月局長
わかりました。ありがとうございました。
では、渡邉さんお願いします。
渡邉里沙
こんにちは。有限会社秀吉食材事業部の渡邉と申します。よろしくお願いいたします。
秀吉という会社名なのですけれども、盛岡市を中心に飲食店を展開している会社でして、今年で34年目を迎えました。34年目を迎えた今年、新たに食材事業部というのを立ち上げまして、岩手県内の農薬を使わない、化学肥料を使わないといった生産者と直接つながりまして、その生産物を弊社の飲食店で提供したり、あとは流通ということで直接別な飲食店に卸したり、個人の方に販売したりということを始めました。
始めるきっかけとしましては、私自身が環境問題に関心があり、そういったことから農薬を使わない、化学肥料を使わない食材を流通させていきたいという思いもありましたし、会社としてもやはり直接生産者とつながって、食材を生かしたものを提供することが飲食店の価値を高めることになるだろうということで今年始めました。実際販売していくうちに、地産地消ということもやりながらも、東京の飲食店に卸したり、あとは直接私たちがその食材を持って東京のマーケットに出て販売してみますと、やはり「岩手の食材はおいしいね」という反応が返ってきまして、今いろんな場所でマーケットが開催されているわけですが、そこに何回か出品しますと「今週も来てくれてありがとう」という話をしていただいて、先週買ったトウモロコシがとてもおいしかったから今週も買いに来たよとか、結構食材自身の味というのをわかっていただける消費者というのがついてきました。私たちもこういうことをしながら岩手ブランドというのを名乗らせていただきまして、サイトで売ったりとか、そういった形で東京で販売したりということをしております。
実際に飲食業をしているわけですが、私自身が農家さんのほうに出向いて、北は軽米町から南は前沢のあたりまでそういう思いを持ってやっていらっしゃる方と30軒ぐらいの方とつながりまして、その時々の食材の生かし方を常に考えています。私たちは飲食店をしていますので、食べ方というのをもっと提供することでその食材を生かしていくというやり方で東京の飲食店にもこういう食べ方はどうですかというような形で、営業に行かせてもらったり、飲食店だからできるやり方で新たな流通がつくれればなと思ってやっております。よろしくお願いいたします。
望月局長
東京なんかで定期的に売られているのですか。
渡邉里沙
そうですね、月に2回ほどは。
望月局長
月に2回。
渡邉里沙
はい。
望月局長
どちらのほうで。
渡邉里沙
青山の国連大学前ですとか、あと代々木公園であるとか、あと赤坂サカスでも今はマーケットがあるので。
望月局長
そういうところに出店して。
渡邉里沙
そうですね。
達増知事
トレンディーなところで。
渡邉里沙
そうですね、今年の9月から結構大がかりなマルシェジャポンという大都市の中にマーケットをというようなことが取り組まれていまして、東京都内でも5~6カ所そういう場所があるので、そういうところを生かして私たちも販売しております。
望月局長
評判はやっぱりいいのですか。
渡邉里沙
そうですね、当初はマルシェ自体、マーケット自体の知名度が余りなかったのですけれども、徐々にお客さんが増えてきていまして、私たちが出店するときに岩手ということを語ると、岩手からわざわざ来たんだという形で、私たちが生産者のこと、生産物のことを説明して買っていただくと、やはり「おいしいね」ということで、また次の日も来ていただいたり、少しずつですけれども、私たちのこともわかっていただいているかなというふうに思っています。
望月局長
そのおいしいの中には安全、安心も入っているわけですね。
渡邉里沙
そうですね、そこはかなりあると思います、農薬使っていません、化学肥料使っていませんという話をさせていただいていますので。
望月局長
わかりました。
では、坂東さんお待たせしました。
坂東学
坂東と申します。株式会社坂東木材の代表取締役社長に8月になったので、なったばかりなので経営者のお話の会と言われてもなりたてなのでどうかなと思ったのですが。
まず、うちの祖父からやった会社でして、今は盛岡中央工業団地に会社がございます。それで、もとは木材の販売店だったのですが、時代とともに製材業をやるようになってきました。その中で、やはり時代に合わせていろいろ取り組んできたことがありまして、最近であれば木くず焚きボイラーを同じ工業団地内に、うちの会社でやったわけではないのですが、兼平製麺所という会社がございまして、兼平製麺所の専務さんから重油は大変だと、木でも燃やしたらどうなのだという相談がございまして、これあるよと言ったら本当にやってしまってこっちもびっくりしたのですけれども、それで木くずというか、燃料にしてうちの会社で出しているのは本当に微々たるものなのですけれども、一種の共同でやっている事業としては、木くず焚きボイラーというものがございます。
あと最近は県産材、地産地消という言葉があって、住宅に関しても割とそういう傾向は出ているのですけれども、数字で出してみると、上がってきたといっても国産材利用率がやっと2割超える程度。岩手県は林業県と言われていると思いますけれども、実際に家が建っているところで見てみると外材が使用されているところが多い。よく言われるのは、国産材は高いのではないかと言われるのですけれども、実際はそんなこともないのですが、今回円高になってちょっと外材は安くなってしまいましたけれども、実際にはそんなことはないわけです。県産材は、はっきり言えばうちの会社でいえば値段は同じですから。県産材が高いということは全くなくて、それを取り組んでいきたいなと思って、うちの会社では、技術的な話になるのですけれども、高温乾燥機というのを3年前に導入いたしまして、特に会社に入って一番最初に疑問に思ったことがあって、柱は杉を使っていたのですが、梁等はベイマツという外材を使っていたのです。それで、ナンブアカマツとか、カラマツの産地なのですけれども、何で使わないのかなと思ったら、乾燥することが難しいとか、そういうことだと。それを探しているうちに高温乾燥というのが一つの手だなと。大きなところでいくと集成材という張り合わせたものにしているのですけれども、うちの会社では、できれば集成の張り合わせのものではなくて一本ものでやっていきたいなという思惑がありまして、高温乾燥機を導入してやっているところで、これも技術的な話なのですけれども、これからはこの高温乾燥だけではなくて高温乾燥と天日乾燥というものがあるのですけれども、これを組み合わせた、これは「大分式」という方法なのですけれども。
望月局長
大分県。
坂東学
はい、大分県です。県の名前が入っているので、あれなのですけれども、「大分式」という方法がありまして、これは今のところでいくと品質的にも一番いいのではないかなと言われている方法で、それを岩手式、坂東式かわからないですけれども、やりたいなという思いがありまして、それに取り組んでいきたいなと思っていましたが、何せ売れないことには話になりませんので、これをどうやっていこうかなと思っているわけです。県産材、さっき言ったようにPRを業界団体とかでしていくのですけれども、建てる段階にならないとまず興味がわかないということがすごくありまして、来てもらった人に、だれが一番先に話をしたか、熱意があったかとか、そういう話が最初になるのでしょうけれども、家というのはやはりお金がかかるもので、そこに何らかのプッシュがあれば県産材もよく使っていただけるのかなというふうには強く思っているところで、宮古市とかもやっているようなのですけれども、そういうのもぜひ県産材という枠であれば県のほうでもプッシュしていただければ地元の製材業もいいのではないのかなと思うところはあります。これからも頑張ってやっていこうと思っていました。
以上です。よろしくお願いします。
望月局長
木質バイオマスの関係も何か、さっきの木くずボイラー、そういったものをもっとPRしていくとか、そういうことはあるのですか。
坂東学
当社としては自分のところでやっていくのがベターなのですけれども、乾燥機の規模というと採算に合わないので共同という形でやってきていますし、本当にあと10年、15年、20年ぐらいの間にエネルギーとして利用していくのであろうと思っていますので、木材というか、木質を。それにはいずれ取り組んでいくのではないのかなという漠然とした考えです。
望月局長
ありがとうございました。
知事、いかがですか。
達増知事
それぞれの分野で非常に先端的な仕事を展開されていて、非常に頼もしいなというふうに思いました。物づくり、それから商業、不動産、農業、また食材を販売する、そして木材、それぞれ岩手にとって大事な分野なので、こういう形がどんどん広がっていくと岩手の将来は明るいなというふうに思いました。
望月局長
一回りしましたので、あとこれからは産業振興についての提案とか、こんなことができたらいいなとか、何かそんなところを日ごろ考えておられることでも何でも結構ですので、自由にお話しいただければと思うのですけれども、どなたかさっきちょっと言い足りなかったなということも含めてお願いします。
工藤さんあたり何かありそうですね。
工藤佳輝
最初に就農したころは何とかいろんな活動をしてみようというそういう前向き、積極的な思いで、若さの勢いで来たわけですけれども、10年くらいたつとだんだんにゆっくりしたいなという思いとかも出てきまして、それは郷土の魅力といったものに少しずつ気づく余裕が出てきたせいではないかなと思いまして、郷土の魅力は一体何かなといったら、やっぱり自然や社会や文化に根差したものであると。そういったものをもう少しアピールしていきたいなという気持ちが最近あります。でも、実際何をやったらいいかというとそこは難しいところで、そこはかえって外にいる人のほうが地域の良さというのをわかっている部分があるかもしれない。そういったアイデアを外からいただきたい。そして、私らは中での連携を再構築して、今は世代間のギャップが大きいので、そこを、実際地域をまとめ上げられるのは年いった世代の方なのですよね。そこへ私たちの世代が入って説得して、そこへ外からの意見等を入れて何かやっていけたらいいのではないかなという思いがあります。
そこへの公的支援の話といいますと、最近市側と話してみても以前より合理化を進めている経緯もあると思うのですが、以前よりは市の職員の方のそういった部分への協力が身近に接するような協力関係というのが薄くなってきているような感じがするのです。私らで計画してNPO的な活動を起こしたときに、そうなった場合は支援しますよというのが、そこの部分は前よりすごく厚くなった感じはするのですけれども、実際そこまでやる元気がないというのが地方のほうへ行くと現実でして、そのためにもいま一度外からの力とか、取り組み内容の見直しといったところ、本当の基本的なところが必要ではないかなと感じています。
望月局長
渡邉さんなんかもまさにそれを売りにしているわけですよね、岩手の魅力を。
渡邉里沙
そうですね、先ほど郷土の魅力を伝えるという話でしたけれども、私自身が十何年東京にずっといまして、やはりその経験があったからこそ岩手の良さがわかったので、帰ってこようと思いましたし、岩手の良さがわかるので、それをまた伝えようという形で今始めたと思います。郷土の魅力、なかなかここに住んでいる人にとってはそれが当たり前になってしまっているので、その良さというのが薄れてしまっているかもしれませんが、やはり外から見るとこの自然なり空気がおいしくて、水がおいしくてというのは、本当にすごく恵まれたことだと思います。そういったことをもっと私も食材を通じて、本当においしいものは岩手で食べられるのだよと、同じ米でも水が違えば焚き方も違いますし、それをまた南部鉄器で焚けば、さらにおいしくなる、そういったことまで含めてお話しすることで岩手の魅力というのも伝えられると思いますし、そういう暮らしが、岩手ではできるのだよということが伝えられれば、また岩手に来たい、岩手に住みたいと思ってくれる人が出てくるのかなと思います。
今岩手に住んでいる者同士、岩手がそういう場所なのだということを認識するために私個人として、農業と近しい暮らしというのがやはり都会にはできないことだなというふうに思っています。
私自身が東京にいたときに週末に、わざわざ100キロ先の田舎というか、関東の農地のほうまで行ってお米づくりをしていたのです。その経験というのがすごく良かったので、そういうことを岩手で若い人たちも働きながらでもできるのではないかということで、個人的にお米づくりサークルをつくって、なかなか都会では難しいこともこういう形でできるのだよというのを、まず私たちが実践して、それを楽しんで、楽しんでいるのを見ることによって、そういうことが伝えられるのかなと思っております。
望月局長
坂東さん、県産材の売り方とか、今の話とも関連してくるのではないですか。例えばさっきナンブアカマツのお話が出たでしょう、アカマツの産地として岩手はいいものがあるわけですよね。
坂東学
ナンブアカマツというブランドになったのは、岩手のアカマツは、アカマツ自体は大きくなって曲がるのですけれども、岩手のアカマツは割と真っすぐ伸びるというところでブランドになったようです。松くい虫の被害が出ていますけれども、県北のほうはまだとれるということで。アカマツはただちょっと欠点もありまして、技術的なところで解決できればいいのではないかなと。
達増知事
乾きにくいとか。
坂東学
カビが入ってしまうのです。今研究とかしているのです。乾燥すれば何にも問題ないのですけれども。結構わかってきたようですけれども、うちの会社としてもアカマツを林業技術センターと共同試験してやってみたところ、いけるのではないかなというところまでは来ているので。
望月局長
では、それをあとはいかにしてセールスポイントにするかと。
坂東学
そうですね、セールスポイントはすごく大切ですね。テレビとかに強いですから、会社の名前だけの、コマーシャルやったところに負けてしまいますからね、地元の企業は。そういうのは大変です。
望月局長
中村さんはさっきビルの活性化というか、そういうことやっていたと思うのですけれども、地域の魅力とか、そういったものをうまく発信するやり方とか、そのあたりについてのご意見等ありましたら。
中村美知子
今いろんなお話を聞いて、例えば渡邉さんのお話を、東京を盛岡という中心市街地に置きかえていろんな集客、私たちも実際は岩手県に住んでいてもその食材を知らないこともたくさんあって、去年実際にやってみたのですけれども、大して結果はなかったといったらあれなのですが、やはりそのとき使った言葉としては土産土法という言葉を使って、その土地の産物をその土地の手法で提供してあげて、秀吉さんなんかは多分そうだと思うのですが、そういう環境を町なかにつくっていくことによって、町に集まる理由を私たちもつくって、集まっていきたいなと。
強いて言えば新しい建物を建設して、そこにいろんなものを入れていくのではなくて、その土地の産物として売れば町の中に空いている不動産も一つの産物であるかなと。その産物をそこに関わる人が利用することによって生きてくるのではないかなと。だから、空いている店舗があるから入れなければいけないということではなくて、何かそこで伝えなければいけないことがあるから、それが利用できるという考え方に不動産を利用していけたらなというふうに今思っております。ですので、盛岡3リングス自体、その会社自体今盛岡市の中心市街地活性化事業計画の中に入れさせていただいたのですが、実際特にそれで同じ活動しているわけではないですけれども、それを決めさせていただく前提の中の話として、例えば遊休不動産をお持ちのオーナーさんたちが、今多分決められた家賃で貸したいがために空いている不動産というのも結構あります。ですので、例えばそういう起業家さんたちとか、岩手の振興にかかわる方々がそのテナントを借りたいと言って借りてくださって、仮にそこで所得税なのか、法人税なのかわからないのですが、税収入がある前提で、例えばそのビルの不動産の固定資産税を免税するとか、そういう何かちょっと余り税金の話だと大きくなり過ぎるのかもしれないのですけれども、お互いにメリットがあるような活用の仕方で何か町なかをうまく利用していただいて活性化させていくという方法もあるのではないかなとうちらは考えております。
達増知事
金丸さんはどういう縁でそこにお店を開くことになったのかも知りたいのですけれども。
金丸芙美恵
どういう縁でというか、本当に自分の勘だけで、菜園ですとか、大通近辺もいろいろ店舗さんを見たのですけれども、旧古民家で100年以上の建物なのです。酒屋さんだったところを半分大家さんがお住まいになっておりまして、半分を店舗として活用になっているのですが……
達増知事
木村酒屋だったところですね。
金丸芙美恵
そうです、そちらになります。
達増知事
子供のころあそこに遊びに行ったことがあるのです、あそこの近くに住んでいたので。
金丸芙美恵
そのままです。自分がそこに立っているのが想像できたのがそこの場所だけだったので、特に迷いもせず、先ほどの空き店舗の看板もなかったので、大家さんの電話番号が張ってあったので、そこにいきなり電話をして……
望月局長
飛び込みなのですね。
金丸芙美恵
そうです、入らせていただいたような感じです。中ノ橋通、旧町名の葺手町を選んだ理由というのは、色がちょっとグレーっぽいような感じで盛岡城跡公園とかも想像できるように、盛岡らしい通りだったということがあったので、迷わずそこに決めました。
望月局長
盛岡らしさということにこだわったのですか。
金丸芙美恵
そうですね。
望月局長
それは雰囲気とか。
金丸芙美恵
雰囲気ですね。余り言葉で表現するのはちょっと難しいところもあるのですけれども、盛岡らしいという直感でそこに決めました。
よくお話に出るのが中津川を越えて移動するお客様がなかなかいらっしゃらないということもあるのですが、今店舗として、お客様は県内ですとか、あと東北からもいらしていただいているのですけれども、それはやはりオリジナリティーがあるということと、うちのお店だけでやっているブランドがあるということだと思います。
望月局長
なるほど、オリジナリティーへのこだわりということですね。
金丸芙美恵
そうですね。仕入れる量も1点ずつ、そのお洋服は1点ずつしか入れていませんので、ほかのお客様とお洋服がかぶるということがなくできるので、その点でもオリジナリティーということはあらわせると思います。
ちょっと話がずれるのですけれども、先ほどの中村さんのお話にもあったのですが、連携ということなのですけれども、私は前職が看護師をしておりまして、全く違ったアパレルのほうに入ったのですけれども、そういうことを知っている若いお客さんとかがどうやってお店始めたのですかとか聞きによく来るのです。そういうときに先ほどの不動産の美容院の形態とかそういうのを紹介して……
望月局長
ノウハウをね。
金丸芙美恵
そうですね、活性化していければ。関東のお客様に盛岡とか岩手をアピールするということも大事ですけれども、いざいらしていただいて楽しめる場所がないということはとてもマイナスだと思うので、岩手県内自身が盛り上がっていくことが大事だと思います。
望月局長
なるほど。今オリジナリティーという話が出たのですが、井上さんのところは、そういう意味でははさみという、普通のものですけれども、そのこだわりというかそういったものというのは恐らくピカ一なのですよね、そういうこだわりとか、あるいは職人の養成とか、そのあたりについて感じておられることが何かありましたら。
井上研司
はさみ作りはちょっと特殊、ニッチな産業でして、まずそれが一番大きいのですが、この技術というのはなかなか他とつながりがありません。はさみというのは、例えば包丁であれば鋭利に刃をつけるという技術で成り立ちますけれども、はさみの場合は2枚合わせる必要がありますので、その鋭利さを保ちつつ、お互いのハーモニゼーションというのですか、要は形をうまくつくっていく技術というのが実はコアになります。だから、例えばさっきもちょっとお話ししましたが、ロシアに行ったり、ヨーロッパに行ったりしたときに向こうの研ぎ屋さんのつくり方を見ていると刃を鋭利につけよう、つけようということだけが感じられて、はさみとしての本来持っていなければいけないものが何か欠けているようなところは実際感じます。だから、その辺が日本のはさみが世界的に見ても一番技術が高いというふうに評価受けている点と思います。日本のメーカーさんでも中国へ行ってつくるという試みをされているところもあるのですが、うちとしては岩手県の岩手町でいつまでもつくっていきたい、そういう意味でこの「MADE IN IWATE」というのを掲げて、社員にも鼓舞しているようなところもあります。
私自身は、母親は中ノ橋出身なのですが、私自身が生まれ育ったのは東京ですので、こちらに来て感じたこととしては、うちの社員の人は岩手町とか沼宮内とか葛巻とかの方が多いのですけれども、黙ってじっと仕事しているのには資質的には合っているというか、我慢強くて……
望月局長
県人気質がもろにいいわけですか、職人向き。
井上研司
はい、非常に合っているのではないかなと私自身は思っています。
達増知事
どういうふうに就職してくるのですか、人の紹介あるいはそういうのをやりたいと言って入門してくるとか、どんな感じで入ってくるのでしょうか。
井上研司
今一番働き手の方々は母の関係でこちらから紹介していただいて、当時東京に工場があったのですが、岩手で中学、高校を卒業された方を紹介していただいて、東京の工場で働いていただいていました。東京の工場は板橋にありましたけれども、周りが宅地化されて移転するときに、こちらがふるさとですから、みんな生まれたところへ帰ってもう一回やりましょうという話だったようです。最近は求人を出して、来た人を面接して、なかなか一回会っただけではよくわからない部分もあるのですけれども、そういう形でやらせていただいています。
私は、学校を出た後は川崎製鉄の岡山のほうにしばらく勤めていたのですけれども、こちらの人とは全然気質が違う気が何となくしますので、そういう点では非常にいいところへ来たのだなというふうには思っています。
達増知事
就職を希望して来る人は、例えば工業高校で金属加工やっていたとか、そういう何か身につけてから入ってくるのですか。
井上研司
ほとんどそういうことはありません。うちはせいぜい30人、40人の会社ですし、地元で近隣で通える方で仕事を探していらっしゃる方がぽつぽつ来られるような感じです。
達増知事
技術、技能は入ってからなのですか。
井上研司
そうですね。どちらにしても手の微妙な作業ですので、こういったことをよそでやられても、もともと器用な方と不器用な方というのはありますけれども、一から勉強してもらわないと難しいです。ただ、先ほど述べましたように一度入った人にはできるだけ長くプライドを持ってやっていただきたいということは考えています。
望月局長
結果的には岩手町で世界一のものをつくっているわけですよね。
井上研司
そのつもりでやらせていただいております。
望月局長
工藤さん、世界一といえば、日本一のリンドウということは世界一のリンドウということですよね。
工藤佳輝
はい、自信を持って。
望月局長
世界一のものをつくっているという誇りと同時に、やはり専業農家でやっていけるというのは、それだけ魅力ある、あるいは収入がちゃんと稼げば入ってくるということでもあるわけですよね。
工藤佳輝
そうですね、はい。
望月局長
そうやって儲かって世界一のものをつくっているのだという自負があれば後継者だって出てくると普通は思うのですけれども、そうではないのですか。そこらあたりですよね。
工藤佳輝
後継者は、やはりやり始めた私らの父親世代が飛びついたわけなのですけれども、当時は17名ほどでやり始めて、本当にやり始めた世代の子供たちが帰ってきているというのは事実です。私の場合は、取り組みたいという熱意と、あとは親が用意してあった型、そこにはまったというのが、今はなんでしょう、就農したという気持ちと、用意している型のギャップを少なくすればもっと就農希望者というのは増えてくるのではないかなという感じはします。
望月局長
そのギャップを埋めるために何が必要なのですか。
工藤佳輝
私は郷土の魅力だとは思っているのですが、実際は何でしょう。もしうまくいかなかった場合とかもやはりあるわけで、住宅の問題、土地の問題、大抵就農する場合には云千万円用意してどうこうという話になるのですよね、今ある支援策であれば。そこをもっと違った自治体独自、地方独自のやり方といったものが恐らくあるとは思うのです。それがどういう形になるか。あとは研修しながらあるかどうかを判断するとか、その辺のやりどころだとは考えています。
望月局長
結局軌道に乗るまでの研修期間といいますか、その期間のリスクが大きいということになるのですか。
工藤佳輝
大きいと思います。
達増知事
ちょっと前までは農家の跡取りというのは、むしろ兄弟がたくさんある中でみんなに分け与えていくとどんどん小さくなってしまうから、いかに跡取りを1人に絞り込むかとか、そういうところで悩んでいたのでしょうが、ちょっと前から逆にだれも跡を継いでくれないみたいな問題になってきて、だから後継者を絞り込んでいくとか、あるいは後継者になれなかった人にも一定の土地をあげる、そういうノウハウはもう100年、200年蓄積があるのでしょうが、跡取りが全然いないところによそから後継者とか担い手を連れてくるというのが全然確立していないということなのでしょうね。
商業の分野ではのれん分けとか雇い人に譲るみたいな、番頭さんに譲るとか、そういうのがあるのだけれども、農業ではそういうのはやらなくても、むしろ後継者が候補がいっぱいいて困っていたというのが江戸時代や明治、大正、昭和の初めだったのでしょうからね。
工藤佳輝
その辺、工業関係であれば、とりあえず技術は維持しなければならないと。私ら農業では、農地は維持しなければならないという気持ちで、最低限いる人たちで農地の維持だけはしていかなければならないというのは考えています。
望月局長
そこが1次産業と2次産業の違い、難しいところですよね。
達増知事
若い女性が農業をやるというのは、すごいブームになりつつあるではないですか。最近も秋田県で、いわゆるギャルというような髪を染めたり、爪に塗ったりしている渋谷ギャルとか、そう言われるような人たちが農作業をやるみたいな、鉄道ファンの女性が鉄女と呼ばれて、歴史ファンが歴女と呼ばれて、まだだれも使ってないのではないかと思うのですけれども、農女というのも既に増えつつあるのではないかな。それは、生産に携わるのがおもしろいという人から販売のほうをやりたいという人とか、その辺の農業を取り巻くそういう若い女性たちというのはどんどん増えているのではないですか。
渡邉里沙
そうですね、個人的なお米サークルなのですけれども、今年2年目を迎えまして、当初は5人から始まったのですけれども、今20名ぐらいになりまして、ただ予想以上に女性のほうが多いのです。先週も脱穀をしたときも女性だけ5人で脱穀作業をしたというような状況があったりして、多分女性のほうがそういうのを、自分自身が美容と健康に関しての関心も高いのと、やはり今後出産ですとか、子育てするという中で安心安全なものをつくっていきたいということの関心が高いのかなと思います。あと実際お米にしてもつくり方すらわからなかったと。自分がいつも食べているお米がこういう工程で育てられるのだというのを実感したときの喜びというのが、多分女性のほうが大きいのかななんていう感じがします。実際に今やっているメンバーも自分たちがつくれたということにすごく喜びを感じたりしています。あと東京で販売したりすると、私に対して農業をしてみたいのだけれどもとか、あとは地元に戻ってやりたいのだけれども、どうしたらいいかみたいな相談なども受けて、やっぱり東京とか都会にいながらも郷土心ですとか、あと自然に関わることを自分でやりたいと思っていても、その道しるべがないというか、自分が次に進むその一歩を踏む勇気がないのと、それを支えてくれる何かしらの支援など、そういうのがあるかもしれないけれども、わからないとか。なので、そういう関心を持っている人がいるにもかかわらず、いけない、第一歩を踏めるものを私自身も活動を通して伝えられたらと思いますし、先ほども連携という話が出ていましたけれども、いろんな方と連携をとってその一歩を踏めるような体制がとれればいいのかなと思います。
達増知事
花って女性はおもしろそうだとか、やってみたいとか、いきそうな分野かなとも思いますし、実際に花の生産を今やっている農家でもお母さん方が頑張っているところとかありますよね。どうでしょうか、そういう若い女性、サークルグループみたいなところにある程度任せるとかやってもらうとか。
工藤佳輝
ぜひ挑戦してみたいと思うのですが。今は割と盛岡から離れたほうの直売所で力入れている方というのはどちらかというと専業でない方のほうが多いのです。好きなように、好きなことを細かくやれるということで。専業農家が細かいことをするとなると、かなり余裕を持った範囲内で取り組まなければならないというのが今の現実でして、そこをもっと余裕を持って取り組めるにはどうしたらいいのかなというのはあります。そうすると、もう少し奥さん方が元気になれば地方の元気が出てくるというのがありますので、その辺はこの盛岡近郊からそういった動きがこれからもっと出てくるのではないかなという感じはします。
望月局長
どちらかというと、男性よりも女性のほうがエイヤッと言ってやる感じが、そういう踏ん切りがいいとか、金丸さんなどの話を聞いているとそんな感じがしますけれども、何かそのあたりあるのですか。
金丸芙美恵
どうなのでしょうね。でも、お店に相談に来る子たちも女の子のほうが多いですね。先ほどもおっしゃっていたように、農業をやりたいという子もいれば、飲食店の子もいれば……男の子もお店には結構いらっしゃるのですけれども、やりたいというふうに言うのは女の子のほうが多いような気がします。
達増知事
林業とか木材業というのはまだ余り女性が進出していない分野かなという感じもしますけれども、どうでしょうね、そういう女性の力を生かして発展を図るみたいな方向性は。
坂東学
かなり厳しいとは思うのですけれども、すごく大きな目で、視点でとらえると、家ということで考えれば実際に男の人よりも女の人が家の中にいる時間が多いですし。
達増知事
最終消費者とすればそうですね。
坂東学
ですので、最近は女性の設計士とかがかなり多くなってきているようで、意見も大分……
達増知事
ビフォー・アフターとか、結構女性が見ていて、すごくやってみたいなという感じで見ているみたいですよね。
坂東学
そういうことだと思います。木材だとどうしても力仕事になってしまうので。
達増知事
切ったり運んだりというのはなかなか確かに危ないですしね、結構機械をいじったりとかも。
望月局長
井上さんのところは職人さんの性別構成とか、そのあたりは何か特徴あるのですか。男の人が多いですか。
井上研司
約40人のうち十数人が女性だったと思います。ほとんどの方が検査を担当されています。実際に刃をつけている女性の方はいらっしゃらないです。特に何も問題ないと思うので、希望する方がいたらやって頂きたいと思います。ただ検査業務のような業務は以前論文で見ましたけれども、女性のほうが安定性が高いという実験結果があるようですので。
望月局長
そうすると、検査は女性のほうが向いているというか。
井上研司
そうですね、大抵そういうことが多いですね。
望月局長
男のほうがちゃらんぽらんなのですかね。
井上研司
今うちの一番熟練した職人でも検査の女性にこれではだめだと言われれば、もう一回研ぎ直しています。そこはお互い相手の立場をわかっていると思います。
望月局長
一回りしましたので、あと15~16分あるのですけれども、最後にといいますか、今後こんなことができたらいいのではないかとか、あるいは今までの話の中でこういうことをやっていけばこんなことにならないかなとか県や、あるいは皆さん方が考えていることの中で提案的なものをお聞かせいただければと思うのですけれども、いかがでしょうか。県がこんなことやったらいいのではないかとか、あるいはこんなところにもっと力を入れたらどうかとか、皆さんの仕事の関連でも結構ですので、そういったようなことを感じておられるようなことがありましたらお話しいただければと思うのですが。どうしましょう、順番にお願いできますか。
井上研司
先ほどもちょっとお話しさせていただきましたが、医療機器のほうを私はやっております。医療機器というと非常にグレードの難しいもの、最先端のものをイメージされるかもしれませんが、実は今参入しやすいのは、どこでも使っていそうだけど、実はお医者さんの要望を的確に取り入れたような新しいはさみですとか、そういったものです。現在この分野に参入するのには非常にいいタイミングではないかと思っていますので、県南の方とも一緒にやっていければなと思っています。
医療機器というのは非常に幅が広く、非常に安定した状態がコンスタントに続く業界ということで産業の基盤として地域を支える一つの分野になると思いますので、広げていければなというふうに思っています。既に医療機器関係は重点分野にしていただいているとは思いますが、よろしくお願いできればと思います。
望月局長
わかりました。
金丸さん。
金丸芙美恵
私の考え方に沿ったような意見で申しわけないのですけれども、岩手らしさというのをアピールしていくような感じがいいと思いまして、今取引先の会社は関東のほうが多いのですけれども、岩手から来ましたというと岩手はどこにあるのだとか、盛岡県ですかとか、そういうふうな考え方を持っている方もいらっしゃるので、岩手の岩手らしさというのは何なのかなというのをもう一回考え直してみればいいのかなと思います。
望月局長
そういう意味では、PR、アピールがまだ足りないということですか。
金丸芙美恵
そう思います。あとはアピールの方向性も時代に沿ったものに変えていってもおもしろいのではないかなと思います、インターネットを利用したりですとか。
望月局長
なるほど。これもやっぱり県民性なのですかね。
金丸芙美恵
そうですかね。やりたい、やりたいといってもなかなか腰を上げる人がなかなかいないというのが目につくことがあるので、やりたいと思ったら、その思いを大事にして動いていってほしいなということもあって、動くことにしても先ほど井上さんのお話にもあったのですけれども、資金面ですとか、そういった動きやすさの環境を整えるということも大事なのではないかなと思います。
望月局長
ありがとうございました。
中村さん。
中村美知子
同じような話になるのですが、私も町なかでいろんな事業をやりたいという方と携わる機会が多いので、補助金、支援金というのは、もらってしまうとどうしてもそれに頼ってしまって経営がいかなくなってしまうことも多々あると思うのです。例えばジョブカフェいわてで就職のほうの紹介とかもされているかと思うのですけれども、やはりすごく能力のいい方が東京のほうに出てしまって、そちらで就職をしてしまうというケースがやはり多いなというのをすごく実感するのです。なので、このときに能力のある方であればぜひ岩手で起業をしていただいてつなげたい。起業塾というのにたまに顔を出すのですけれども、すごくやる気のある方が多いです。こういう言い方は変かもしれませんが、もともと能力があってやれるという方に関して言うとそういうところに来ないですよね。そういうちょっとしたコミュニケーションの差なのだとは思うのですけれども、本当にこの地場でやっていきたいという人たちの取り込みが、例えば就職という意味だけのジョブカフェみたいなところではなくて、いろんな集約できる、情報を集約する場があれば多分金丸さんのところが集約の場だったり、渡邉さんのところが声を聞く集約の場だったり、当社もそうだと思うのですけれども、そういう場以上に何か直接的につなげていけるような環境が整っておくともっともっと盛岡、岩手で起業家も増えて能力のある人材がこの地場に残って活躍する機会が増えるのではないかなと思っております。
望月局長
ありがとうございました。
では、工藤さん。
工藤佳輝
私は、もっと情報を共有する場を、今回の会合のような場を有効に活用していきたいなと考えております。
実は井上さんとは産官学連携の私的な集まりで1度一緒になったことがありまして、あともちろん農業関係では渡邉さんも存じ申し上げておる仲なのですけれども、結構部門別ではいろんな集まりがあるのですが、その中ですら情報の共有が進んでいない。たくさんの情報があふれているのですが、それを生かし切れてないという部分をすごく感じるので、そこプラス部門間、あとは縦のつながりとか、そういったところを強化できるような取り組みができればもっとおもしろくなるのではないかなと感じております。
望月局長
では、渡邉さん。
渡邉里沙
私は、皆さんもうおっしゃっていただいたのと共通するのですけれども、今日の話題の岩手らしさですとか、オリジナルとかということを前面に打ち出した展開というのを私たちもしたいと思いますし、県のほうにも期待したいと思います。
あとは、今後次世代を担う若者たちが、先ほど言ったように業態とかは全く跨いだ形で、今日のこの場は私にとってもすごく良かったなと思いますし、今後こういう突拍子もない集まりというか、全く関係のないと思われたところから新たな化学反応が起きて、またそれが岩手らしさにつながっていくのかなと思うので、そういった場を設けたり、情報共有というのをしていただけたら嬉しいなと思います。
あとは、弊社でも6次産業支援の採択を受けておりますので、ありがとうございました。それも継続してとれることによって、また岩手らしさを打ち出しすることができるかなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
望月局長
坂東さん。
坂東学
自分は木の話しかできないので、木の話をもう一回させていただきますけれども、さっき国産で自給率の話がありました、2割というところがありましたけれども、岩手県、自社として割合を上げていくというのはすごい目標であって、実際やっていますので、岩手県でもいいですけれども、業界団体でもいいのですが、実際に具体的に目標を決めて、決めればそこに近づいていくと思いますので、その具体的な、今それがどのぐらいのあれなのかという資料があるかもしれないですけれども、自分が知らないぐらいなので、公になっているものではないと思うので、そこを調べていただいて、目標も設定していただければ地場の木材も使っていくのかなと思うのと、あとこれは自分の意見ではないのですが、この会に当たって、友達に話したところ、そいつも商売をやっている人間でして、ちょっと達増知事に言ってきてということがあったのですけれども、カジノをやりたいのだけれどもという人がいました。
望月局長
えっ、カジノ。
坂東学
カジノ。自分は全然詳しくないので、何の話をしているのかさっぱりわからなかったのですけれども、何か動きがあるのだよという話をしていまして、ちょっと耳に入れてきてちょうだいと頼まれたので、お話ししておきます。
達増知事
カジノというのは、日本では今法律で認められてないから、まず法律でやっていいようにしようという立法の問題として国会周辺には昔からあるのですよね。
東京都にカジノをつくろうとか、自治体単位でそういう運動があったり、アイデア次第だと思いますね、健全なものとしていかに地域に迷惑かけず、青少年の何とかをあれせず、みんなに愛されるようなものをどうつくるか。実はそこがこれなら大丈夫というのがないがゆえに10年、20年実を結ばないでいるというところもあるので、そこだと思っています。
あと岩手型住宅の推進を県でもやっているけれども、目標値を設定すべきだと、ちょうど先週までやっていた県議会でもそういう質問が出て、実は数値目標がないということが答弁で答えられたりしているのですけれども、その心は業者さんがやっぱり主役なので、そこで何個つくる、何個売るとかという目標、そこを無理に行政側が設定できないみたいな感じが実態ではあるのですけれども、でももうちょっとみんなでもっと盛り上げて自然に目標が、みんなが合意できる目標がにじみ出るような感じで取り組みが盛り上がっていくといいのですよね。
知事所感
達増知事
そろそろまとめの私の発言にだんだんなってきているのですけれども、岩手らしさを発信していこうというのが共通の課題、テーマかなと思いました。岩手らしさを発信していくには対外的に発信していく、そこは外からの目、自分も一たん外に出て、そこから見てみるとか、そういう外からの目が大事なのが一つと、あとは岩手の中でもお互い知らないことが多いので、岩手の中でお互い知り合うことで発信していく岩手らしさの中身を岩手の中でもんで高めていく、それをまた対外的に出していくという、やっぱり中での情報共有と外への発信というその両方が大事なのだなと思いました。
私は、知事の仕事というのは、一言で言うと知る事だと、そういう語呂合わせみたいなことをよく言っているのですけれども、岩手がどうなっているのか、どこでだれが困っているのか、どうすれば解決できるか、それを知ることができれば、あとは実行するだけだというのを特に職員に言っていて、それは知事一人が知ればいいということではなく、職員みんな、組織全体として知る事ができれば県民のためにちゃんと仕事ができるだろうと。それをさらに広げますと、県民一人一人が知事になったつもりで知る事という意味で、岩手がどうなっているのかというのを県民一人一人が関心持って、かなりの程度知っているというふうになると岩手全体は非常に強くなるなというふうに思っていまして、情報化社会でもありますし、そういうところがこれからますます大事になってくるのではないかなと思いますので、こういう企画自体お互い知る事、そして私自身が今岩手がどうなっていることかを知る事の大事な企画でもあるのですけれども、全くこれと同じ形で第2回、第3回というのは難しいかもしれないのですが、これで終わりではありませんので、それぞれ個別にとか、あるいは何かまた分野ごとにとか、皆さんには引き続きお世話になると思いますので、よろしくお願いいたします。
閉会
望月局長
それでは、以上をもちまして本日の県政懇談会を終了させていただきます。どうも長時間にわたりまして、ありがとうございました。
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