JICA海外協力隊:堀野 清華さん(ザンビア派遣)

ページ番号1022791  更新日 令和1年8月23日

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  • 青年海外協力隊(コミュニティ開発)
  • ザンビア共和国派遣(2018年9月から)

あなたの近況を教えてください

お住まいの国(地域)はどんなところですか。(地理、気候、言語、宗教、食事、文化・風習など)

 ザンビア共和国は、アフリカ南部に位置する、日本の約2倍の大きさの国です。気候は12月から4月頃までは雨季で、その他は乾季になります。雨季には毎日1時間ほど、台風の暴風域のような雨風に見舞われます。対照的に乾季は1ミリメートルも雨が降りません。赴任するまで、アフリカは年中灼熱であるというイメージを持っていましたが、6,7月は冬にあたり、朝晩は10度を下回ります。日中との寒暖差が激しく、日中は半袖、夕方からはダウンジャケットを着て過ごしています。

 主食はトウモロコシの粉をお湯で練った「シマ」というもので、野菜炒めや肉と食べます。野菜炒めには必ずと言っていいほどトマトが入っており、トマトはザンビア人の食卓に必須のようです。肉は主に鶏、牛、豚、ヤギを食べます。私の住む町では見たことはありませんが、カバやゾウを食べる地域もあるようです。マーケットで売られている食材は馴染みのあるものばかりで、自炊するうえで困ったことはありませんが、内陸国で魚があまり出回っておらず、手に入ったとしても高価なので、魚料理が恋しくなることがあります。

 公用語は英語のためオフィシャルな場では英語が使われますが、日常会話は現地語で行う人がほとんどです。少し街を離れ村に行くと英語はほぼ通じないため、コミュニティに入っていくためには現地語が必要であると日々感じています。

あなたの活動(仕事、勉強、取組)について教えてください。

 マイクロファイナンスと稲作の2つの活動を主に行っています。マイクロファイナンスとは、「商売をやりたいけれど始めるお金がない。担保となる資産もないから銀行から借りることもできない」という貧困層の女性を対象に、無担保で少額のローンや貯蓄サービスを提供する仕組みのことです。受益者は、商売や貯蓄で得たお金を元に子供を学校に通わせたり、家を修理するなど、生活の質の向上に役立てることができます。受益者は金利20%で8万円~10万円の融資を受けます。その後半年間、毎週決められた額を返済していきます。市役所の一部署である私の配属先では、現在6地域でこのマイクロファイナンスを行っており、受益者は150人以上います。私は現在、毎週の返済業務や、受益者のビジネススキル向上のためのワークショップを行っています。受益者から回収するお金が、次のサイクルに貸し出す資金になるため、一つひとつの業務に責任を感じています。

 稲作については、アフリカの食糧事情を改善することを目的に開発された「ネリカ」という品種の普及活動を行っています。その背景として、シマが主食のザンビアでのお米の人気の高まりがあります。またお米は換金作物としても注目されており、消費者のみならず生産者からのニーズも高まっています。ザンビアでは陸稲がメジャーな栽培方法です。2018年末、雨季に合わせて種を播き、5月に収穫することができました。次の雨季はさらに地域を広げ、より多くの人たちと活動を進めていきたいと考えています。

印象に残っている出来事はありますか。

 私の住む町は日本で言う県庁所在地で、スーパーマーケットが何軒かありますが、新鮮な野菜や果物が欲しい時はローカルマーケットに行きます。ローカルマーケットでは、とれたての質の良いものが安価で手に入ります。日本で売っている物の3倍はあろうかという巨大アボカドが30円、巨大ナスが3個で50円など。一度の買い物で一人暮らしには十分すぎる量が手に入るため「1週間ナス生活」のようなことになることも多々ありますが、日本から持参した調味料などで味を変え、レパートリーを増やして楽しんでいます。

岩手に関することについて教えて下さい。

岩手(日本)を離れて、あらためて感じた岩手(日本)の良いところはありますか。

 それぞれの季節で美しい景色を楽しみ、旬のものを味わうことができるのはとても贅沢なことだと感じます。約1年間ザンビアで過ごし、特に日本が恋しくなったのは年末年始の時期です。こたつでぬくぬくしながらみかんを食べたり、深々と降り積もる雪を眺めながら温泉に入りたくなりました。また、魚が貴重な環境で生活しているので、岩手の新鮮な海の幸がとても恋しいです。

岩手について話題になったことや、PRしていただいていることはありますか。

 ザンビア人で日本について詳しい人は珍しく、「中国と何が違うの?」と言われることが多く寂しく感じます。中古の日本車に乗っている人が多いので、日本という国の存在は知っている程度に思います。故郷の岩手について聞かれることもあり、雪の話には皆興味深々です。「岩手で獲れる魚は新鮮だから、生で食べるのが美味しいよ」と熱弁しても、信じられないといった様子です。また、よくお互いの家族の話をするのですが、ご長寿大国日本の平均寿命の話をすると驚きが隠せないようです。

岩手県の皆さんにメッセージをお願いします。

 生まれ育った場所と全く異なる環境に身を置くことで、自分の価値観について改めて考え直したり、遠く離れた故郷に思いを馳せることが多くなりました。ザンビアでの生活も折り返しを迎えようとしています。いつも支えてくださっている方々への感謝の気持ちを忘れず、健康第一で毎日を過ごしていきたいと思います。 

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