飼養規模に関わりなく鳥インフルエンザの侵入防止を
鳥インフルエンザの感染源として疑われている渡り鳥が飛来する季節を迎えています。今春、韓国で本病の流行があり、その後にわが国の東北地方と北海道で死亡した北帰行中の白鳥から高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1)が分離されましたが、その直前の冬季に東北地方の湖沼に飛来していた野鳥からも低病原性の同ウイルスが比較的高率に分離されています。渡り鳥が飛来し始めた現在、各養鶏場では飼養規模に関わりなく本病の侵入防止の徹底が必要です。ここでは、北里大学が実施した前述の野鳥の浸潤調査成績と養鶏場における具体的な侵入防止策を述べます。
陸生および水生野鳥の鳥インフルエンザウイルス浸潤調査(北里大学 第146回日本獣医学会学術集会)
平成19年(2007年)11月から平成20年(2008年)3月にかけて青森、秋田、宮城県の湖沼等で採取した15種類の陸生・水生野鳥の主として糞便を検索し、2,446検体中25検体(1.02%)から9種類の亜型の鳥インフルエンザウイルスを分離した。分離ウイルスはいずれも低病原性であったが、H7N7およびH5N2亜型も含まれた。
(注)H7とH5亜型のウイルスは鶏への病原性が低くても、家畜伝染病予防法上は高病原性株に変異し易いという理由から、感染鶏は高病原性鳥インフルエンザとして扱われます。
養鶏場における侵入防止策
人・車輌等による侵入防止
- 外来者を制限し、農場出入り時に車輌を消毒する。
- 鶏舎毎に踏み込み消毒槽を置き、鶏舎内では鶏舎専用の衣服を着用する。
野鳥・野生動物による侵入防止
- 鶏舎を網目が2センチ角以下の防鳥ネットで被う。
- 鶏舎と外界との間隙を塞ぎ、ネズミの侵入を防ぐ。
- 鶏舎周辺等に消石灰を定期的に散布する。
飲用水・飼料の汚染による侵入防止
- 新鮮な水道水を使用し、沢水等、他の水を使用する際は塩素消毒を施す。
- 飼料タンク周囲や飼料倉庫内にこぼれ餌がないよう、清潔に保つ。
鶏舎内外の整理・整頓・清掃
鶏舎内外の整理と清掃、鶏舎周辺の草刈りや立ち木の伐採などにより、野鳥やネズミの繁殖場所をなくす。
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