草の根地域訪問「こんにちは知事です」(平成22年9月16日)懇談記録

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ページ番号1000991  更新日 平成31年2月20日

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  • 日時:平成22年9月16日
  • 場所:羅象館(住田町)
  • 訪問団体 火縄銃鉄砲隊伝承会

開会

水野副局長
先ほどは火縄銃の演武を、暑い中、本当にありがとうございました。
それでは、ただいまから県政懇談会「草の根地域訪問『こんにちは知事です』」を始めさせていただきます。
皆様には、本日、私どもを快くお受けいただきましてまことにありがとうございます。
私は、本日の進行を務めさせていただきます沿岸広域振興局の水野でございます。よろしくお願いいたします。

知事あいさつ

写真:草の根地域訪問の様子1

水野副局長
それでは、開会に当たりまして知事よりごあいさつ申し上げます。

達増知事
皆様、こんにちは。また、地域の皆さんもこんにちは。
県政懇談会「草の根地域訪問『こんにちは知事です』」ということで、岩手県内のコミュニティ、自治会、町内会、またさまざまな活動に取り組んでいる団体を訪問し、その活動について伺いながら県政全体の参考にもさせていただこうという企画であります。
今日は、来たい、来たいと思っていて、ようやく来ることができました五葉山火縄銃鉄砲隊伝承会の本拠地にお邪魔をしまして、今も演武を見せていただいて、本当にすばらしいと思います。地域力、地域の活性化という観点からも大変すばらしいと思いますし、また昨今の戦国ブームの中で伊達政宗公はマンガやゲームにもなって全国的に大変人気があり、伊達といえば鉄砲隊でありますので、その鉄砲隊の伝承をされていて、また火縄の里ということで地域振興にもつなげている、大変特色ある、全国的にも自慢ができる活動だと思いますので、今回じっくりお話を伺いながら、私もさらに全国にPRをしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

水野副局長
ありがとうございました。
本日ご出席の皆様は、お手元にございます名簿をご覧下さるようにお願いいたします。なお、五葉山火縄銃鉄砲隊伝承会様につきましては、当県におきまして平成19年度に創設いたしました元気なコミュニティ100選の団体として選定させていただいております。本日は、伝承会の皆様の元気な活動をご紹介いただきながら意見交換をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

懇談

写真:草の根地域訪問の様子2

水野副局長
それでは、懇談を始めさせていただきます。
まず、伝承会の皆様から自己紹介を兼ねまして、伝承会の活動内容とか、会におけるご自身の活動内容などについてお話をいただければと思います。お一人様3分程度でお願いできればと思います。出席者名簿の順に、まず会長様からお願いいたします。

団体員
知事さんは公務のお忙しい中、こうして住田町の一番辺地な本当に奥地にある桧山集落、この羅象館にあります、我々鉄砲隊の拠点地へ、草の根地域訪問をいただきまして、本当にありがとうございます。つきましては、鉄砲隊の組織のことからちょっと触れさせていただきたいと思います。
平成2年の4月ころから、東京に住んでおられます、川越重昌さんという、日本銃砲史学会の火縄銃研究家の方が、住田町を訪問なされた経緯ありまして、火縄が仙台の博物館に、伊達藩に献上された火縄銃の文献があります、ということで来町してきました。そして、我々としても火縄を献上したなどつゆ知らず、代々の方々には何も教わったことはなくてびっくりして、それから有志の方々とこういう歴史の文化があるから、この地域の活性化になりますので、ひとつ組織をして、やってみようかという有志の人たちで約1年間ぐらいですね、準備委員会を持ちまして、ようやく3年の2月に設立総会、これは気仙管内の歴史研究家さんたちによって発足いたしました。
それで、ここには昔から大泉寺というお寺が840年ごろに設立されたと、そういう話がありまして、その大泉寺のご本尊様は、今は八幡寺のところに祀ってありますけれども、大日如来、阿弥陀堂、そのご本尊様はこの地域の守り神であります。そういうことで、これはゆかり深い歴史文化があったのかなと、そういうことであります。
それから、今話しましたけれども、有志の方々で準備委員会を開いて、3月に結成となりましたので、その後の会議の結果等は、活動内容は大目付の方からご説明をしていただきますので、よろしくお願いいたします。
終わります。

水野副局長
ありがとうございます。それでは、続きましてお願いします。

団体員
ただいまご紹介いただきました。一応侍のつもりでお話をさせていただきます。

達増知事
大目付。

団体員
大目付というのは、通常の集まりですと幹事長というような役割をいたしております。ですので、結構やりたい放題、言いたい放題をやっているというのでは、どこかのこの間選挙をやっていました先生によく似た部分があるのかなと、そのようにも思ったりしながらやっております。いずれこの地は、成り立ちについては先ほどお話しした内容でございますけれども、20年前に設立されたわけですけれども、この地は少子高齢化がこの住田町でも急速に進んでいる地域でもありましたし、地域の人々がここが自分たちの生きていく場所として、本当にこの場所がいいのかというような、そういう疑問さえも抱くような、そういう時期でありました。そういった折に、先ほどの川越重昌先生がここに来られて、かつては仙台藩、伊達藩で最も重要な、戦術的にも重要な場所なのだよと、年間1万4,000尋(ひろ)の火縄を供給していたのだよと、そういうふうなお話を聞き、さらにはここには鉄砲隊らしきものがあったというふうなお話も聞きまして、こんなに大変苦しい時代なのだから、武士は食わねどと、こういう言葉もありますので、食うものはなくても侍らしく威張って元気よく、そしてこういう歴史があるということを誇りとして生きていこうというようなことで鉄砲隊を結成しようという機運になったわけです。
ちょうどその当時は振興局という制度ができて間もないころでして、当時の局長さんは青木局長さんでした。青木局長さんと私はたまたま会うことがあって、地元にこんな歴史があるので、鉄砲隊を作りたいというようなお話をしましたところ、大変興味を持たれまして、町内の方々以上に興味を持たれまして、実はこの鉄砲隊を結成することにしたのです。そして、その平成3年の2月と申しますと、我々には一丁も鉄砲のない、まさに鉄砲隊としては無鉄砲な鉄砲隊を結成したという背景がございます。それで、その目的としては、その歴史を自分たちが忘れないように子孫にも伝えていく、それから侍として誇り高く生きていくということと、地域起こしはやはり自分たちの気持ちが活性化することが一番活性化につながるのだという、そういう目標を立てながら鉄砲隊を結成し、地域に眠っている鉄砲を掘り起こし、歴史をもう一度よみがえらせて、自分たちが元気に遊ぼうと、これが鉄砲隊の設立の目的として当時20年前に結成を決めたということです。それ以来、お金、軍資金は非常に足りないのですけれども、相手に対してお金はくれるのはいただくけれども、口は出すなと。我々は人の制約は受けない。つまり、侍より偉い人間は今の時代でもいないはずだと。みんな平民、百姓あるいは平民、町人、そういった者である。我々は侍だからというような、そういう意気込みでみんなで楽しく遊びながら、歴史なり、地域で誇り高く生きていく、そしてみんなで元気にこれからやっていこうと、そういうことで鉄砲隊を作ったという経緯でございます。私は、当時から大目付という大役をいただいていますので、できるだけこの立場を手放したくないので、今も元気に遊んでおります。

水野副局長
ありがとうございました。続きまして、よろしくお願いします。

団体員
よろしくお願いします。私たちは、鉄砲隊が結成されたときからサポーター的な役割の中で一緒になって活動してきました。鉄砲隊の集まりに出した麹なんばんが好評だったことから、皆さんに食べてもらいましょうということで、火縄の里かあちゃんの会を6人で結成し、町からの補助金をいただき、加工施設をつくってもらい、自分たちで作った米や小豆、野菜などを使って麹なんばんを初めよもぎ大福、くしだんご、豆もちなどを作って出しております。作ったものは町内の直売所などで販売してもらっています。小さな活動ですが、幾らかでも役に立てたかなと思っています。

水野副局長
ありがとうございました。引き続きまして、よろしくお願いします。

団体員
知事さん、雨の中、はるばるおいでくださいましてありがとうございました。
私は、職業は建築関係の鉄筋屋でございます。鉄筋工事業を営んでおります。ちなみに、工事の経歴を言いますと高田のループ橋とか、あとはキャピタルホテル1000、ちょっと古い話ですけれども、この気仙界隈の鉄筋工事を主にやらせていただいております。
銃士の身分としては、ここに大目付さんおりますけれども、こういうようなイベントとかそういうものでは鉄砲隊は華やかですけれども、時代背景からいいますと、私どもは下士で、要するに鉄砲を放すとその場で斬り殺されるような役目を仰せつかっております。あとはここの地区は五葉地区といいまして、この五葉地区の公民館長を4年前から仰せつかっている次第であります。足かけ4年になるか、あそこの皆さんのおかげでインターチェンジも開通しましたので、だからそういう意味合いを持ちまして、ここの里が昔のそういうようなイメージを残しながら、ここに五葉山があるのですけれども、そういうのを売り物にしながら地域の活性化というものをやっていきたいなと思っております。

水野副局長
ありがとうございます。続きまして、よろしくお願いします。

団体員
こういう会に入れていただいていて本当に誇りに思い、名誉に思う。99年、
JET(ジェット)プログラムで日本に来て、侍、武士道に関心があり、それでこういう活動に参加させてもらって本当にありがたく思っている。

達増知事
新渡戸博士の武士道は読んだことはありますか。

団体員
読んだことあります。

水野副局長
続きまして、よろしくお願いします。

団体員
初めまして。現在43歳です。父親が脳梗塞で倒れてしまいまして、良くなってきたかなと思ったら、今度は母が急に亡くなってしまいまして、長男も病気で亡くなってしまいまして、この地で生まれたのですけれども、16歳で出まして、大船渡で4年間、あとは東京のほうで22年間住んでおりまして、やむにやまれず帰ってきました。
鉄砲隊の活動は父も鉄砲隊に入っていまして、兄貴も入っていまして、必然的に入らされたような感じになっていますけれども、活動の内容としてはやっと鎧を着て列に参加して手伝いをしているのだなという感覚でしかありません。
以上です。

達増知事
槍士というのはパレードときとかには槍を持つ方なのですね。

団体員
はい。

達増知事
槍士という人もいっぱいいるのですか。

団体員
あそこにいるメンバーのネームプレートがあります。それぞれの役割がありますので、それぞれの役割に応じて、大体右側のほうから身分がありまして、身分制度がきちんとされていまして。

達増知事
伊達公がまず上のほうに。

団体員
そうです、上の段から順番にいきまして、下の段に行きます。ですので、鉄砲を撃つ侍、先ほど話していましたけれども、あの辺が一番身分が低くて、一番目立ちますけれども、戦場では一番早く死ぬという役割を果たしています。目立つ人は早く死ぬ、目立たないほうの人たちは長生きするということで、上の段の人たちは本陣から、槍の人たちは大体は警護の役割をしています。

団体員
うちのほうでは無礼者係と言います。無礼者係だけれども、排除するのですよね。

団体員
一般人が会場に出てくると、安全確保のために無礼者と称して、それを排除する、そういう役割をしております。

水野副局長
何か前の知事もネームプレートの中に……

団体員
そうです、前の知事さんもこちらに一度おいでになりまして、いろいろあまりかた苦しい懇談ではなかったのですけれども、ここを訪れまして、我々とちょっとお話ししまして、鉄砲隊に入るかと私が聞きましたら、ぜひ入れてくれということになりましたが、この隊は隊に貢献した者が偉くなるということになっていますので、増田知事さんはあれ以来ここに来てないので、あれ以来全く出世はしておりません。安穏なる状態でおります。
それから、もう一人うちの隊でホラ貝を吹いていた者がいたのです。それが現在の多田町長がホラ貝で、貝役と称しましてホラ貝を吹いていましたが、余りにもホラを吹き過ぎて、現在は町長になってしまいました。ホラ貝でやめればよかったのですが、ホラになってしまって、町長になってしまったという経緯があります。

水野副局長
ありがとうございました。今一通り皆様からお話をいただきましたけれども、知事から何かございませんか。

達増知事
改めて、非常に本格的な指導に基づいて立ち上がって、参加されている方も充実した体制で非常にいいなというふうに思いました。あとは、この火縄の里かあちゃん会というのがあるのがまたいいですよね。(出されたもちを)いただきますよ。

団体員
このことについてちょっとお話ししますと、男だけ遊んでいると奥様方にいろいろ批判が出るものですから、我々鉄砲隊は奥様方を武士の妻と称しまして、持ち上げまして元気に支援してもらおうということで始まったのですが、そうしたら本当に元気になりまして、我々がいろいろなところに出かけるときにこういったいろいろなものを作ってバックアップしてくれていたのですが、それが大変おいしいものだから、これ商品化したらどうなのという中から、かあちゃんたちが6人で集まって、ではいろいろ試行錯誤しながらやってみようということでこれができまして、現在では直売施設、種山にもあります道の駅等にもありますが、ああいったところとか、ほかの直売施設の中で販売をしていて、大変好評でして、あるときは品物が供給が追いつかないような状況になっています。

達増知事
おいしいですよ、これは。

水野副局長
毎日道の駅に持っていって供給しているのですか。

団体員
毎日ではないです。

団体員
土日です。

団体員
土日に行くのですですが、1週間ぐらいの間に品物がなくなっていくので、またそれを供給する、そういう形です。

水野副局長
わかりました。ありがとうございます。先ほど自己紹介兼ねてお話しいただきましたけれども、これからは自由な形で意見交換ということでお話ししてまいりたいのですけれども、ちょっと私のほうからお聞きしたいのが、今住田町のこの地域でコミュニティということで活動なさっているのですけれども、皆さんにお聞きしたいのは、これからこのコミュニティ、この地域あるいは住田町ですね、これがこうなったらいいなとか、こうしたいなとか、あるいはこの鉄砲隊の活動、これからこういうふうにしていきたいなとか、将来の夢とか、そういうのを熱く語っていただければ非常にいいのかなと思いまして、今度は逆の順番でよろしくお願いします。

団体員
熱く語ってくれと言われてもあれですけれども、私は入ってまだ間もないので、はっきりどうのこうの、これから先という考えはあまりビジュアルはないのですけれども、続けるのがすごく大変だと思うのです、やめてしまうのは簡単なことなので。とにかくこの状態を続けていくのが最大の意味のあることかなと、それしか今の時点では言えません。
以上です。

水野副局長
将来、何かこういうふうにしたいなとか、まだそこまではいってないということですか。

団体員
そうですね、やっと慣れてきたかなぐらいの感じなので。

水野副局長
いろんなイベントにも出られているみたいですけれども。そういうところにも参加されていると。

団体員
100%ではありませんけれども、80%ぐらいは顔出しているかなと。

水野副局長
そういうところを見ていて、いろいろ考えるところもありますか。

団体員
最初は見ているだけだったのですけれども、鎧を着ますとやはり人格が変わるといいますか、ちょっとひと味違うぞみたいな。ちっちゃい子が寄ってきて写真撮ってくださいとか、握手してくださいとかと言われますと、やっぱり鎧の意味はかなり重いなと、そういうふうには感じます。

水野副局長
やっぱり気が引き締まるというか、武士と。

団体員
そうですね、あまりだらだらできないかなという感じはいたします。

水野副局長
ありがとうございます。次の方は、何かそういう夢とか。

団体員
まだ住田に住んでいます。鉄砲隊と住田の子供たちの英語と国際理解を教えてます、楽しく。

水野副局長
住田に来られて何年目ですか。

団体員
10年ぐらいです。

達増知事
英語を教えてもいるのですね。

団体員
はい、そう。中学校、小学校と保育園。

達増知事
保育園でも。それはいいですね。

団体員
はい。

水野副局長
鉄砲を持つようになって何年ですか。

団体員
同じぐらい、10年ぐらいです。平成11年からです。

水野副局長
鎧は自分で作ったのですか。

団体員
違います。

団体員
この鎧は、ここの工房で彼のためにつくられたものでして、ちょっと色も派手な色になっています。その隣の工房でつくられています。

水野副局長
特注品。

団体員
特注ですね、このサイズにつくるのが大変なのです。このサイズがないので、オーダーメイドでないといけないのです。

水野副局長
ありがとうございます。次の方は何かありましたら、地域の魅力とか。

団体員
地域とのかかわりというのだけれども、まず鉄砲隊が結成されてから20年くらいたつのだけれども、毎年皮切りには5月の第3日曜日に仙台青葉祭りというところに私ども平成の家臣として、18代当主の伊達泰宗さんの直属の家臣なのです。それで、お祭りには欠かさず仙台の青葉祭りに行っております。それで、最初に始まったころは「岩手県の住田町、どこなんだべ」と、こういうような観客のお話があったのです。それがもう20年もたつと「鉄砲どこでやんのす」、「鉄砲の演武終わったのすか」と、鉄砲を見たい人たちが増えて、錦町公園で何時から何時までやりますよというお話をすると、今年なんか山のような人だかりで、そのくらい、20年も過ぎると鉄砲というものが仙台にはなくてはならない、青葉祭にはなくてならない存在になってきているのです。ただ、私どもといいますと、ただ行って見せるのではなく、これからはこっちに見たい人が来て、鉄砲を見ながらさまざまな、こういう五葉山の景色を見ながら、そして自然というものはこういうものだということを実感してもらいたい。そして、ここのかあちゃん工房の代表さんもいますけれども、産直もいいのですけれども、こちらのほうにも何ぼかお金をおろすような方向性をとれたらなと思っております。
今年もさまざま東京のほうからもツアー客が4団体くらい来まして鉄砲の演武、そして大自然に囲まれた山、川、空気のおいしさ、そういうものを実感していったと思うのです。だから、今日のテレビで見ても中国の豪華客船が九州のある港に着いて随分経済効果が、莫大なお金をおろしていく。それとは比較にはならないのだけれども、何というか、こういうようなさまざまなイベントをやるとどうしても地域のかあちゃんたちがボランティアで協力するのが今まであったのですけれども、まず儲かるとかそういうものは別としても、やっぱりトントンくらいになって、みんなの励ましになるような、そういう鉄砲隊を組織していってもらいたいです。
そして、知事さんに一つお願いがあるのですけれども、さっきもお話ししましたけれども、せっかくインターチェンジというものがありましたので、どうかそれにアクセスをする県道を、まず予算もありましょうけれども、何とか改良していただいて、そして大型バスがすれ違いのできるような道路にひとつお願いできれば幸いだなと、こう思っております。
以上です。

水野副局長
ありがとうございます。

達増知事
団体の観光などで見たい、見せてほしいというときはどこに言えばよいですか。

団体員
役場の地域づくり担当課に言ってもらえればと思います。

達増知事
お問い合わせは住田町役場にということにしているのですね。

団体員
はい。イベントが、青葉祭のお話だけやっていたのだけれども、そのほかにも鉄砲隊が見たいというお話があれば。今度は19日に上有住でお祭りがあるのだけれども、それは地元のお祭りだから、これはいいのだけれども、方々のそういうようなお祭りで引き合いで結構来ております。だから、そういう面で我々も奮起してそれに応えたいなと、そう思っておりますので、よろしくお願いします。

水野副局長
18代の当主は青葉祭のときはいらっしゃるのですか。

団体員
青葉祭りは総大将といって、要するに馬に乗って、そしてさっき礼射をやったのですけれども、総大将の伊達泰宗さんに礼射をやってもらうのです。

水野副局長
撃ってもらうわけですか。

団体員
撃ってもらうのです。撃った瞬間に仙台のビルの街に轟音が響くのです、バンと。そうすると、観客がオッとどよめきの声が上がるのです。それが何となく我々は快感だなと、こう思うのです。今日やったのですけれども、今日は雨の中、練習の一部なのだよね。本当は大目付、会長さんが本陣というか、我々はその本陣を警護する役目で、やはり陣形があるのですよ、そういう陣形をとって。今日はテントの中だから指物しなかったけれども、やっぱり鉄砲隊は伊達の鉄砲隊ということで旗印というか、指物と言うのだけれども、そういう目印のもとにみんな役目があって、そして本当の軍隊という格好でやるのです。だから、見る人もすごいなと。さっき知事さんもおっしゃったとおり、今は大河ドラマとかそういうのでもさまざまな武士の格好をしてやっているから、だから結構若い女の方にも武士というのは、ああ、そういうものだなと、いいものだなと、あこがれの目で見ていただいております。

達増知事
歴女と言うのですよね。歴史ファンの女子という人たちが増えて、若い女性も、特に伊達政宗公は人気があって、片倉小十郎の白石にも人がいっぱい来ていると。

団体員
白石も、それで片倉小十郎さんのミニかぶととか、そういう人形とか、そういうので地域起こしをやっているところありますよね。だから、うちも人のまねするわけではないが、何かそういうキャラクター的なものを作ってできないかなと、こう思っているのです。東京から来た人たちにも結構さまざまなキャラクターとかそういうものもあるから並べるのだけれども、なかなか思うように買ってもらえません。

達増知事
歴史ファンの男子が中心かもしれませんけれども、リアルに再現するのに関心の高い人たちというのがいて、学研の歴史物の本なんかでは当時の鉄砲隊の撃っている絵、イラストなんかがかいてある本なんか本屋に売っていますよね。さっき、それを本当に実際に見せてもらって、ああいう絵見たことあるなと思って、そういうのは本当に根強い、熱心なファンは全国にいると思います。

団体員
それから、知事さんは五葉山に登られたことありますか。

達増知事
残念ながら、まだ。

団体員
うちのほうの鉄砲隊で「五葉山」という本を出したのです。よろしければ、それを公務で忙しいでしょうけれども、目を通していただければ五葉山というものがどういうものだか、動植物から、さまざまなそういうようなまたぎのこともあるし、そういう著名人が書いた本でございますので、ひとつ目を通していただければ幸いだと思っています。

達増知事
火縄銃に一部割いてありますね。

水野副局長
ありがとうございます。
では、次は、女性の立場から火縄銃鉄砲隊の関係とか、この地域をこうしたいなとか何かありますか。

団体員
鉄砲隊のほうでなく工房のほうのことなのだけれども、おらどももう年なのだから、一緒にやってくれる人がもっと増えてくれればいろんなアイデアを持ち出して楽しくやっていくにいいのではないかなと思って語り合っています。昔から伝わってきた食べ物の文化がなくならないようにできる限り頑張っていきたいと思いますので、その節はよろしくお願いします。

水野副局長
先ほど6人で結成したとおっしゃっていましたけれども。

団体員
6人でやっていましたが、いろいろな事情で、今2人になっています。だから、やめたくもないし、無くしたくもないし、頑張っていきたいと思っているけれども。

水野副局長
鉄砲隊は結構若い方も入っていらっしゃるのですか。

団体員
鉄砲隊は、年齢幅は非常に広いです。年齢制限全くありませんので、まず我々の活動趣旨に賛同する方は、当地域の方々に限定しない、年齢も限定しないよと、一緒に楽しく遊べる方々にはどうぞ参加してくださいと門戸を開いていますが、どうしても侍の敷居が高いのか、外からはなかなか参加の方々は少ないですけれども、我々はいつも門口を開いていますので、これは知事さんをお勧めするのはどうかと、増田寛也さんもネームプレートがああなっているものですから、ですからなかなか知事さんは入隊されるとは言わないかもしれないのですが、皆さん方に参加していただければいいなと。年代は、若い人ですと20代の後半から、一番上が会長が70ぐらいの範囲になっています。

団体員
80歳の人もおります。

団体員
80歳の方もいるね。そういえば年齢には制限なくて、それぞれが果たせる役割をすると、こういうことにしていましたので。

水野副局長
そうすると、かあちゃん工房のほうも若い人が入ってくればいいですよね。

団体員
ちょっとお手伝いされる方もいるのですが、正式には、若いお母さんたちはなかなか時間を作るのが難しいみたいです。ですので、もう少し若いお母さん方を武士の妻として持ち上げないといけないのかなと思っています。

水野副局長
ですよね、先ほどおっしゃっていましたよね。
わかりました。ありがとうございます。では、他に何か。

団体員
私ども結成当初の夢は、まず大きく言えば政宗が果たし得なかった全国制覇をしたいなと、これがまず最初の夢でしたけれども、いずれ先ほど他の会員が話していましたけれども、鉄砲はよそへ行って見せるものではなくて、自分たちの里に鉄砲を見に来てもらえるような鉄砲隊になりたいと、こういうのが一つの大きな目標です。それが地域の活性化なり何なりに繋がっていくものだろうと。外に出ていくと、なかなかその効果というものは目に見えて出てこないというところがあります。よそから来てもらえるような鉄砲隊になることでいろんな経済的な波及効果が生まれるのだろうなと、そのように思っています。
今の時代はどんどん、どんどん時代の変化が激しくて、どんどんスピードが速くて、実は我々世代は、とても今の時代のスピードについていけないような状態にあるのですけれども、人の前になって速く進んでいくことだけが良いことではないと。だったら、時代の一番ビリを行く、そういうのが一番本当は豊かな生き方、生活ではないかと、そんなふうに思いながら、時代の一番ビリを歩いていく、そういう鉄砲隊、地域づくりができたら、みんなでゆっくりと豊かな経済ではなくて、豊かな心で生きていけるのではないかと、そんなことを目指しています。

水野副局長
ありがとうございます。会長さんは何かありますか。

団体員
私の夢は、最近イベントに招待されるわけですが、他の会員が話したとおり、この地区でイベントに来てもらって、何ぼでも空気、景色、それを見ながら、五葉山山ろくにも自然公園がありますので、それを散策しながら、せめて一日散策か何かしてもらうようなイベントを希望しておりますが、最近旅行会社さんも三、四社来ています。おとといですか、旅行会社さんが、仙台からバスを出して人数が集まれば来てみたいと。これからも旅行会社さんが何社か来られると思いますので、その方々に助けてもらっておりますので、何とかそれに合わせてやっていきたいという夢があります。

水野副局長
ありがとうございます。
先ほどのお話の中で、この地域も少子高齢化とか、地域がかなり元気がなくなってというお話がございましたけれども、鉄砲隊とこの地域の活性化とか、どのように生かしていこうと考えていらっしゃいますか。例えば若い方が戻ってこられるようにするとか、いろいろ少しお考えになっているところもあるのでしょうか。

団体員
鉄砲隊そのものの活動というのは、まず一つは鉄砲隊がなかったらという前提で考えていますと、よその人たちがこの地を訪れることはまずほとんどないということです。現在はその鉄砲隊の活動があるおかげでよそからの訪問客やいろんなメディアに紹介される機会がまず増えたということですし、それから楽しみながらこの地に皆様が来られると地元の方々との交流が生まれてくる、そういうつながりの中で、我々が価値として認めてなかったものがよその人が見て、その目で価値を見出してくれるという、そういう部分もありますし、それからここから出ていった方々でも自分たちのふるさとを振り返ったときに、やっぱりあそこは自分たちが生まれたところは本当はいいところだったのだと、あるいはこんな良さがあったのだとか、そんなものを改めて見直してもらう機会になるのではないかと。それで、地方に出ていった地元の方々の中には鉄砲隊のことがメディアで紹介される場面があったりして、いま一度自分たちが住んでいたふるさとの価値を見直したというようなところも、そういう話も実際あるわけです。実際ここで生きていくのは、正直言って産業的なものでは難しい部分もかなりあります。ですけれども、いずれ移動人口があってもいいのではないか。ここに定着して住むだけではなくて、外から来て、例えば一日ここでいろんな時間を過ごしていただく方々が増えていただければ、ある意味では定着する人口だけではなくて地域の活性化につながっていくのではないかと、そんなふうに思っています。

水野副局長
できれば来る人だけではなくている人も増えればいいですね。

団体員
そうなのです。そのためには若い独身の侍がその嫁をめとってここに定着してくれるのが本当はいいわけですけれども、そのためにはこれからは侍は男だけではないと、歴女も侍になれるのだというようなことで、若い女性の方々にも鉄砲隊の仲間として参加してもらう、そういう活動はこれからは必要なのではないかと。あるいはよそから来た若い侍とよそから来た歴女が一緒になっていいではないかと、第二のふるさとをここにしてくれたらいいではないかと、そういう考え方を我々持っています。

達増知事
政宗公と愛姫のカップルで結婚式挙げてもらって、周りでパンパン盛り上げるとか。

団体員
だから、侍式の結婚式やっても面白いではないかとか、そのときは仙台藩の当時の食膳を再現して、それでやろうよと、当時の侍が食べたものを食べながら、そして当時のような結婚式を挙げたらどうかとか、そういうようなことでいろんな発想の中で工夫すれば転換して何か楽しい地域になれるのではないかなと、他にない地域ですね。
我々も仙台に行って、さっき青葉祭の話がありましたけれども、実際は皆さんにあまり見てもらっていない部分というのはあるのです。というのは、青葉祭に行く前に、政宗の墓前といいますか、霊廟前で、もちろん政宗さんに伊達藩の侍になるよということで、そこで出陣の儀式、これは古式にのっとってやるわけです、三献の儀というのをやるのです。それは、今の当主の泰宗さん出席のもとに出陣の儀式をそこで再現するわけですけれども。

達増知事
瑞鳳殿。

団体員
あそこでやるのです。それは、我々にしてみれば実際のパレードなんかに出るよりはよっぽど侍の気分です。改まってですね。

達増知事
やりましたか。

団体員
出席しました。三献の儀、ご当主が出てきて、我々はそこでやるのですが、たまたまそこに見学に来た方のみが見ることができるという、そういうものなのです。これは例年やっております。(床の間の掛け軸を指して)これは、現在のご当主に「神武不殺」と書いていただきました。「シン」は、政宗は今神様になっているのですよね。武振彦命という神様になっていまして、神より与えられし武、人を殺すなかれ。つまり、平和維持軍ですので、平和維持軍が必要なときには自衛隊ではなくて我々に声をかけていただければ平和維持軍として出動したいと、そのように思っておりますが、いまだ声はかかりません。

達増知事
選挙監視団とかのほうが厳かな雰囲気になっていそうな感じしますけれどもね。

水野副局長
ありがとうございます。五葉地区公民館の館長さんを務められているということで、この地区の活性化というのですか、少子高齢化も進んでいる中でどのように館長さんとしてもいろいろ考えていますか。

団体員
ちょっと難しい質問ですけれども、少子高齢化に伴い、秋に行われる運動会ですか、スポーツ大会というのがあるのだけれども、当初は若い人たちがいたころは参加する人たちもたくさんいたのです。ところが、今は高齢化になったものでなかなか集まらないのです。そういう中で、我々はだれでも参加ができるような五葉スポーツ秋祭というのを最近やっているのです。その中で、郷土芸能の剣舞とか、鹿踊りとか、権現様とかありますけれども、鉄砲隊は郷土芸能ではありませんけれども、そういう中で鉄砲隊の存在感といいますか、はっきり言えば郷土芸能というのはどこにもあるのですよね、さまざま神楽もあるし、どこにもあるのだけれども、鉄砲隊という組織は岩手県ではここだけだと思うのです。だから、そういうような面で存在感というのは大きいなと思うのです。
それで、あそこの五葉小学校というのが去年まであったのですけれども、その校舎を本当は、ここは館としても、あそこは御用所と、そういうような侍の城にという声もあったのです。何かでそういうような、川井のほうには昭和の学校とかあってさまざまな面で活用しているところがあるし、今はそういうのが見直されてきているところがいっぱいあるのよね。その中で、そういうようなのも検討しているのだけれども、老朽化も激しく、さまざまな面で地域の人たちも、新しい公民館を作ったらいいのではないかということで壊してしまったのですけれども、それも残念といえば残念だったのですけれども、ただこれからはそういうようなことで、鉄砲隊だけではなくさまざまな、こういう自然に恵まれたところを利用しながら、そしてやっていければいいなと思うのです。
遠野のあたりでは、民泊と称して中学生の修学旅行を受け入れているのです。その点、住田町のほうにも、遠野のほうにも何百名と来るものですから、間に合わないところは住田町のほうにも来ています。そういう組織を立ち上げながら、住田町もそういうような修学旅行生を受け入れながら、そしてやっていければ地元にもお金がおりるのではないかと思っております。そういうのを踏まえながら、地域の活性化とか、そういうものをやっていけたらいいのではないかなと思っております。

水野副局長
そろそろ時間になりましたので、皆さんには本当にいろいろとお話しいただきましてありがとうございました。

知事所感

水野副局長
それでは、最後に知事のほうからよろしくお願いします。

達増知事
今日は、五葉山火縄銃鉄砲隊伝承会の演武も見せていただいて、羅象館にもお邪魔して、また資料もいただき、そしてお話を伺って、本当によくわかりました。ありがとうございました。
また、いかに地域の生活や、地域振興とも関わっているかもいろいろお話を伺って感じましたので、伺ったことは県のほうにもしっかりどういった形で応援できるか検討していきたいと思いますし、インフラ整備のことも含めて、道路なども含めてしっかり対応していきたいと思います。今日はありがとうございました。

閉会

水野副局長
それでは、これをもちまして県政懇談会「草の根地域訪問『こんにちは知事です』」を終了いたします。どうもありがとうございました。

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