草の根地域訪問「こんにちは知事です」(平成22年6月9日)懇談記録

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ページ番号1000995  更新日 平成31年2月20日

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  • 日時 平成22年6月9日(水曜日) 14時30分から15時40分
  • 場所 西和賀町 湯川地区公民館
  • 訪問団体 湯川「桧峠会(ひのとうげかい)」

開会

藤尾局長
それでは、今日はちょっと暑いので、涼しい格好でいきたいと思いますのでよろしくお願いします。定刻でございますので、ただいまから県政懇談会「草の根地域訪問『こんにちは知事です』」を開催いたします。
本日は、私どもの訪問を快く受け入れていただきまして誠にありがとうございます。また、県議会の先生方におかれましては、ご多忙のところお越しいただきまして、誠にありがとう存じます。心から感謝申し上げたいと存じます。
私は、本日の進行役を務めさせていただきます県南広域振興局長の藤尾と申します。どうぞよろしくお願いを申し上げます。

知事あいさつ

写真:草の根地域訪問の様子1

藤尾局長
それでは、開会に当たりまして、知事から一言ごあいさつ申し上げます。

達増知事
皆さん、こんにちは。「こんにちは知事です」という企画でありますけれども、県政懇談会「草の根地域訪問『こんにちは知事です』」、これは元気なコミュニティ100選というのに選ばれました、そうした草の根地域、自治会とか町内会とか行政区とか、地域によって呼び名は違うのですけれども、暮らしや仕事の一番身近な地域の単位、その草の根地域を訪問しまして、そこで行われている優良先進事例、そうしたことを直接お話伺って、それを県の他のコミュニティの地域の参考にしてもらいながら、またそれぞれの地域が行っていることについて県がどのような支援を行うことができるか、そういったことを県のほうで検討させていただく参考にしたいということで行っているものであります。
県政がうまく行っているかどうかというのは、暮らしの現場、仕事の現場、そうした地域の草の根の現場において評価されるべきと考えております。暮らしや仕事、どういった変化が今起きているのか、どういった方向に向けていかなければならないのかということについていろいろ伺うことができればと思います。どうぞよろしくお願いします。

藤尾局長
ありがとうございました。
本日ご出席の皆様につきましては、お手元の名簿をご覧くださるようお願いしたいと存じます。
また、本日は県議会の関根先生、高橋先生にお越しいただいておりますので、ご紹介申し上げます。ご足労いただきましてまことにありがとうございます。
湯川桧峠会様につきましては、先ほど知事のごあいさつにもございましたけれども、岩手県におきまして、19年度に創設した元気なコミュニティ100選の団体として選定させていただいておりますことを申し添えさせていただきます。

懇談

写真:草の根地域訪問の様子2

藤尾局長
早速懇談に入らせていただきたいと存じます。
まず、桧峠会の会長様からご挨拶をいただくとともに、出席者のご紹介をいただきたいと存じます。よろしくお願いを申し上げます。

団体員
皆さん、大変ご苦労さまでございました。桧峠会の会長を仰せつかっております。よろしくお願いします。今日は、知事さんとの懇談会ということで、こういう席を用意させていただきました。ご覧のとおり外を見ますと四方八方は山でございまして、お客様がこっちに向かってくると、この先に家があるのですとか、旅館があるのですかという人もたまにおります。よく言えば本当に自然が豊かで、大変静かでよいところでございます。
今日は、知事さんと我々桧峠会との懇談会ということでこういう席を設けさせていただきまして大変ありがとうございました。大変に地域も小さいですけれども、我々の会も本当に少人数でございますが、地域の皆さんのご協力やご理解をいただいて、地域をもう少し活性化させるにはどうしたらいいかと日々努力しているところでございます。行政の皆さんはもう耳にたこができるくらい聞いていると思いますが、少子高齢化で、例を一つとれば小学生が女の子1人という状態で、その先ちょっと若者が頑張って保育園の園児が5人で、本当に少子高齢化の最たるところでございます。やっぱり我々の青年会、今は桧峠会となっておりますけれども、大分年をとってきまして、青年会という名前ではちょっとこれはまずいのではないかということで桧峠会と名を改めたところです。これから先、我々の後を継いでいく息子、娘、それすら地元にほとんどいないというような状態で、よく10年後とは言いますけれども、3年後、5年後を考えた場合にこの湯川温泉というのは本当に旅館だけになってしまうのではないかと考えております。もしかしたら現実にそうなるのではないかという、そういう旅館やってないからそういうふうな考えは別に持たなくてもいいかもしれませんが、やっぱり今現在住んでいるとそういうちょっとした不安があります。ですから、少しでも今我々が動ける間に地域のことをもう少し真剣に考えて、自分たちの子供がその先はどうなるかちょっとわかりませんが、今自分たちができることを地域のみんなと一緒に考え、そして活動していきたいと思いますので、知事さんにもこういう田舎ですけれども本当に末端のところの事情を見て、聞いていただきたいと思いますので、今日は何も語るところがありませんが、思っていることを聞いていただきたいと思います。
そして、今日のこの会場ですが、湯川温泉でやる、旅館の大広間でも借りてやった方がいいのではないかという意見もあるようでしたけれども、我々の活動の拠点ですので、何をやるにもこの公民館に集まって第一歩をやるわけですから、そういう事情をちょっとご理解いただいて、今日この会場で私たちの意見を聞いてもらいたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
それでは、私の方から、今日知事さんと懇談する会員をご紹介いたします。名簿があると思いますけれども、ちょっと話をさせていただきます。
私、会長を務めさせていただいています。よろしくお願いします。会長を仰せつかっておりますけれども、先ほど局長さんとも話しましたが、地元で働いておりません。県外でございまして、朝出ていくと夜まで帰ってきません。それでよくそれで会長が務まるなと思われますでしょうけれども、副会長始め会員の皆さんの協力によって、私がいない間にいろいろ集まる資料でも何でも手配してもらって、何とかかんとか会長をやっております。どうかひとつよろしくお願いいたします。
それから、私の隣でございます。副会長でございます。町の商工会の副会長やらいろいろ役職があるようですけれども、私が副会長になってくれとお願いしました。同じ年ということもありまして、私がいない間に代わりとなって、いろいろ手足となって動いていただいております。旅館業でございます。
次の方でございます。町商工会総務部長とか、こちらもまたいろいろ役職がございまして、当湯川温泉の観光協会の会長を務めております。我々地域の活動とか行事、いろいろありますけれども、イベントの中で観光客とか旅館に泊まるお客さんをターゲットとしたイベントが多いわけでして、先ほど言ったように私たちは会員全員が旅館業でないものですから、会社員もおりますから、当然そういうお客さんの関連の行事は、俺会社員だからちょっと関係ないなと、もしかするとそういう話になってしまうのですが、ここではそういうことを言ってしまうとすべての行事ができませんので、人数が少ないので、そこはそういう隔たりなく地域の皆さんともご協力をいただいて、みんなで頑張っているそのパイプ役を務めていただいております。
次の方でございます。我々桧峠会はすべて消防団員でございまして、集まればいずれ消防の会員が全員集まってまいります。それで第1分団第5部の部長を務めております。火災その他が発生しますとこういう旅館街ですので、大変なことになりますので、この地域の安全、安心のためにリーダーとなって頑張っていただいております。
次の方でございます。この当西和賀町消防団の第1分団の副分団長でございます。そして、この湯川地区の行政区長でございます。我々地域の行事やらそういうイベントのときはまず区長さんに一応相談して、そこから始まるわけですので、地域の皆さんとの当然パイプ役を務めさせていただいております。旅館業でございます。
次の方でございます。我々桧峠会、そしてこれは後で話が出ると思いますけれども、湯川地区活性化協議会の事務局、窓口を務めさせていただいております。この間までニュースでいろいろ出ていましたが、事業仕分けで、我々は国の補助を得ましてちょっと取り組んでいた事業があったのですけれども、5年間という長丁場で一生懸命地域の皆さんのご協力を得てやってきたのですが、事業仕分けでカットされまして、私としては何でカットされたのだ、我々みたいな末端の者が一生懸命頑張っているのに、どこがどうなってカットされたのかちょっとわかりませんけれども、いずれそういう助成金やそういうものを使う場合には莫大な膨大な資料が必要ですので、一手にそういうのをやっていただいております。西和賀町役場の職員でございます。
簡単で申しわけございませんけれども、以上で我々桧峠会の出席者の紹介を終わらせていただきます。

藤尾局長
ありがとうございました。では、どうぞ、ゆっくりとお座りいただいて。
それでは、桧峠会さんの活動内容、その概要などにつきましてご説明いただきたいと思います。

団体員
私から桧峠会の概要について申し上げます。
桧峠会の桧峠という、東のほうにあります桧峠という峠があるのですが、そこから名前をとった会でございます。先ほど会長からのお話にもありましたとおり、もともとは湯川地区青年会が母体でございます。いつまでも青年ではないだろうというような意見もあったりして、途中から名称を桧峠会というふうに変えて、61年の4月に発足いたしました。現在会員数16人、全員が男性です。特に女性を嫌っているわけではないのですけれども、奥さんたちは結構和の会とか、若葉会とかいろいろ名前をつけて、そちらはそちらで活動しているというような状況です。特に活動日は設定しておりません。何か事業があるたびに、集まっては決めて、実施して、反省をしてというようなのことの繰り返しでございます。
湯川地区は、昔は土畑鉱山という鉱山が栄えていたころは、鉱山からこちらだけで2,000人ぐらいの人口があったのです。今は140人ぐらいというふうに町の過疎をさらに上をいく過疎でして、特に子供たち、小中学生が4、5人しかいないというような状態であります。超高齢化になっています。
そんな中で、この湯川地区を維持発展させていくために、我々は何をしていったらいいのかということを自問自答しながら、昭和61年に会をつくって、一応目標も立てて、それに沿って活動してきているというところですが、何せこういう140人ぐらいの人口しかなくて活動資金もままならない中で活動するといってもおのずと限度があるものですが、いろんな助成に手を出してはうまくいったり、うまくいかなかったりということを20年、30年繰り返してきている状態です。今でも、もちろん会員同士の親睦というのもあるのですが、さっき言ったように、ではどうするのだと、我々がこれから先陣をきっていくのに地域をどういう地域にしたいのかということを大きい目標としてやってきておりました。そのために、旅館が結構地区内に多いものですから、中小経営なのですが、まず観光を主体にしながら、観光地としての観光整備なり、あるいは誘客事業なりということを中心に取り組んできております。先進地の視察としては、黒川とか、湯布院とか、米沢の近くの小野川とかを見たりして、見たり、行って勉強してきたりなんかしましたし、それから会が発足した当初はまだ子供が2、30人というふうに、小学生だけでも二十何人もいたりして、結構にぎやかだったものですから、その子供たちに将来的に湯川に住んでもらうように何とか子供にも関わっていこうやということでいろんな子供向けの事業もやってきました。
それから、さっきは観光という話があったのですが、その観光客向けのイベント、地域住民向けのイベントと観光向けのイベントという二通りをやってきまして、地域向けについては夏の盆踊りだとか、冬のどんと祭、ここに張っているのですが、これは観光ではなくて自分たちが楽しむためのイベントでして。

達増知事
観光向けなのかなと思って見ていましたけれども。

団体員
よく何でうんと宣伝しないのだというふうに言われるのですが、何せ真冬の行事なものですから、天気が悪ければすぐ中止にしたりですね。

達増知事
本格的ですね。

団体員
使い古したマットを巻いて雪の土俵で相撲をとっているような、そういう楽しみをやったりしています。観光客向けには春の山菜祭り、これは今年から初めてやったのですけれども、春の山菜祭りと、秋のきのこ祭りは40年以上でしたかね、きのこ祭りはもう40年以上継続してやっております。
そのほかに観光にも関わるのですが、地域の住みやすさというか、そういうのを願って花壇をつくったりとか、あるいは花壇にベンチを置いたり、メロディチャイムを全地区民に聞こえるようにやったりとか、桜を植樹したりとか、そういうようなことも活動してまいりました。そんなに大きい事業をやっているわけではないのですけれども、ちっちゃいのを積み重ねて30年になってしまったということで、実は先ほど会長からも話がありましたように去年、一昨年、平成20年に農林水産省のふるさと地域力発掘支援モデル事業というのですか、その事業に手を挙げて採択いただきまして、5年間その事業に取り組む予定で、5年間の計画を立ててやろうという目標が見つかってよかったなという感じで進めたのですが、事業仕分けで21年度で廃止と、2年間やっただけで終わってしまったと、あと残りの3年分どうしようかなというので今迷っている最中です。
農林水産省の補助事業が何でこの地区だということなのですけれども、農家が一軒も無いのです、実はこの地区に。農家が一軒もないのに採択いただいたということで、採択いただくのには大変苦労しました。まず特用林産、山を何とか活用したいということをメインに据えた事業にしたので何とか採択いただいたというわけなのです。山菜とかきのこを使って何とか地域起こしをしていきたい。これ町の方針でもありましたので、それとのタイアップもできるかなという意味で。本当にみんなやる気で頑張ったのですけれども、残念だったなということで、これから先どうしようかなということで悩んでいるところでございます。
あの事業、この事業を繰り返しながら何とか地域を維持してきているという状態でございます。
桧峠会の概要については以上です。

藤尾局長
ありがとうございました。今、桧峠会さんの活動内容を発足の当初からこれまでのことにつきましてご紹介いただきました。このことに関しまして、知事のほうからお願いします。

達増知事
農水省のその事業は何百万円とか結構大きい単位の予算のものですよね。

団体員
そうですね、年間200万で5年間ですので1,000万。

達増知事
だから、急になしになると困りますよね。これは具体的にはどんな事業でしたか。

団体員
農水省の目的というのは5年間かけて、6年目以降自活できるような体制というのを組めということで、最初の年から何か成果を上げるということではなくて、助成期間が終了した後、どうやって自分たちで自立してやっていけるかという事業だったので、今までにはちょっとない事業だったのです。収益を上げることというより、むしろ収益を上げるのを目的に使えということだったものですから、地域にとってはすごく使いでのあるいい事業だったのです。

達増知事
山菜、きのこで回っていくようにという事業なのですね。

団体員
そうですね、こちらで意図したのは、大きくは山菜は観光ワラビ園、山の中を切り開いて観光ワラビ園を造成して、その入場料収入なりでその地域の活動資金を生み出していこうと意図したのが一つありますし、あとは毎年やっているきのこ祭りにきのこを供給できるように原木によるほだ木栽培、原木ほだ木によるきのこ栽培を拡大していきたいというのがまず大きい事業でした。

達増知事
観光ワラビ園というのはありそうでなかなかないですよね。県内にありますっけ、そういうの。

団体員
あります、地元にもあります。

達増知事
そうですか。

団体員
はい。結構田んぼ、畑が今荒れているものですから、そういうところに観光ワラビ園が1つ、2つと出てきて。

達増知事
田んぼ、畑を使うのですね、山の中に入ってもらうのではなくて。

団体員
そうですね、今あるものはそうですし、一般の人たちも真似してというのですか、結構自分のうちの畑にちょこちょこ植える。それでも結構生えるものですから。ただ、我々の事業は、知事さん言ったように、この山の中にやろうと思って、それで町からちょっと土地を借りまして、山の中に道までつけて、肥料まで撒いてやったのですけれども、それがもうボツになったものですから、途中半ばで駄目になってしまったので、それこそ、さあこれからどうしようという感じですね。手をつけてしまったものですから、途中でそういうふうに切られてしまうと、当然我々資金も無いわけですから、それをまるっきり当てにして5年間計画を立てたものですから、ただ単に無くなったから残念でしたというふうに終わられると大変。それこそ、これからどうするか、町に働きかけて少し補助してもらうかとかいろいろ考えていますけれども、やっぱり国であれ、県であれ、町であれ財政難ですから、湯川にばかりそうはできないという感じにもなるかもしれません。このままでは、手をつけた状態で終わってしまって結局何にもならなかったなという感じになってしまうので、助成金が無いからやめたとか、補助金が無いからやめたというのも、また悔しい話ですので、何とか打開策はないかとこれからもいろいろ考えて続けたいなとは思っているところでございます。

達増知事
アイデアはすごいいいんだと思うのですよね。山菜とりをしてみたいという人はいっぱいいるけれども、でも山菜とりというのは全く初めての人なんかはわからないですからね。やっぱりわかった人についていってやるわけですけれども、観光で初めての人でも山の中で山菜とりした感じになるというのはいいんじゃないかと思いますけれどもね。

団体員
今の観光ワラビ園というのは、車でどんどん乗りつけて、ばっと開ければ、もうそこで生えているというような感じで、それはそれで結構なのですが、私たちの目指している観光ワラビ園というのは、やっぱり山の中に生えているものを、少し汗をかいて山を登ってもらって、採ってもらうというのが本来ではないかなと思って。それでこういう山を開いてやろうという考えで、ほかの観光ワラビ園とはちょっと違うところを見せたかったわけです。

達増知事
旅館に泊まる人なんかはやってみたいとか思うでしょうからね。

団体員
そうですね。やっぱり自然の中のものは、同じワラビでもそういうところとはちょっと違うのではないかなと思います。

達増知事
湯川温泉のお客さんというのはどんなお客さんが多いのでしょうか。

団体員
昔は秋田と岩手の県境でございましたので、8割方秋田の農家の方々が、要は田んぼが忙しいときに体を休めに来るような、さなぶりの状態、滞在型の観光地だったのですけれども、やはり社会的な流れから、そういうゆっくりという方々もいらっしゃいますが、ちょっと違ってスパンが短くなって体を休めに来るという方が多いです。今のこういう時代ですので、遠くから車で乗りつけて、この自然を楽しみに来たりとかというお客様も増えてらっしゃいますので、やはりそういう対策は非常に大切になってきているのではないかなという感じはします。
町でも去年から観光ワラビ園ができまして、それも民間なのですけれども、その方々から話を聞くと、やっぱり1カ所は、例えば1回週末にお客様を入れてしまうと、もうそれで無くなってしまうのです。やはり何カ所かないと町のボリュームとしては確保できないということで、我々がちょうどそのワラビ園をやるといったときに、ぜひそのノウハウを協力してくださるという話までいただいていて、沢内の方にもワラビ園の動きはあるようですが、そういうふうに何カ所か出ることによって、西和賀に来るとそういうワラビ園がある程度確保されていて、お客様があてになるというか、来れば採れるという環境になればもっとまとまった感じでお客様にはアピールできるのかなという感じはしています。その中でも相当ワイルドな環境ですので、それもちょっと売り物にはなるのではないかなというのはあるのですけれどもね。

達増知事
町のほうとも相談しながらいろいろ情報を入れたりして。

団体員
今まで補助事業とかいろいろ助成は結構あるのですが、大半は自己負担つきというか、半分は助成するけれども、半分は自分たちでみなさいよというのが多かったのです。今回の農水省の場合はほとんど自己資金が必要なかったものですから、こちらとしてはすごいありがたい事業だったのです。半分の自己資金を出すのにまでやれなくて、いろんな助成に手を出せなかったというものがあるものですから、その辺がもうちょっと緩和していただければ大変使いやすいなというのは常々思っております。

藤尾局長
これまでの活動内容につきましてご紹介いただいたのですけれども、これまでそれぞれ皆さんいろいろな立場で携わってこられたと思うのですけれども、振り返っての所感と、今言ったような課題もあるわけですが、その他のいろいろ活動を進める上でほかになっているような問題、課題、そういったようなもの、あるいは活性化のためにはこういったところをもっと力を入れたいとか、そういったことにつきましてご意見を頂戴したいなと。自由な形で意見交換を進めていきたいというふうに思いますので、どなたでも最初結構でございますからお願いしたいと思います。

団体員
今桧峠会の会員というのは、この地区の中で中核になっていろんな活動しているわけですが、その会員が湯川地区の中で観光協会であったり、地域の消防団であったり、地区協議会であったり、温泉組合とか、すべての活動に関わっていて、今その中心になっているのが40歳の後半から50歳代なのですが、さっきも言っていましたが、子供が少なくて、結婚適齢期にある若い人もいるのです。結婚していないというような状況で、ますます子供は少なくなってきて、そういう状態の中で桧峠会が中心になってやっているわけです。これからやっていく上で、ますます年とっていくわけですが、どうやってこの地区を盛り上げて、それなりには考えてやっていることなのですが、その辺聞きたいというか、どういうふうにしたらいいのかなというところを教えてもらいたいところです。

藤尾局長
ほかの皆さんはいかがでしょうか。今会長さんのお話にもありましたように、少子高齢化というのは、特に日本の場合はどこの地域でもそうなので、コミュニティは岩手県の場合は3,000を超える数がありまして、やっぱり担い手をどう確保していくかというのが一番の課題になっているのですよね。ですから、いろいろ悩みながらさまざま模索されていると思うのですけれども、ほかの皆さんのご意見も頂戴したいと思いますが、どうでしょうか、こうあるべきだとか、そういう問題提起がありましたけれども、その前にほかの課題とかもあわせて、非常に重い課題でもあるので、ほかの課題なども出していただければと思いますが。

団体員
私は部落の会計と観光協会の会計をやっていますけれども、まず桧峠会で盆踊りをやって、これは地元のみんなで楽しむということですが、それにはやっぱり商品を出したりしていますけれども、足りないところは部落のほうからちょっと出してくれよと。観光協会の方もきのこ祭りという湯川の一大イベントの行事をやっていますが、それにもやはり大元から金をまず出して行事をやっています。ただ、行事をやって儲けようというか、トントンぐらいの行事になっています。何年か前までは一発100万円の赤字こいてみたり、そういうのが2年、3年続けば観光協会の方から金を出していても、それ以上の金が出たらどうするべという話にもなったこともあります。やはり何をやるにしても会計の私としては、余り足出ないように、足出ないようにといつも思いながら金は出しているような状態です。
桧峠会も会費といったって月1,000円集めて、それでみんな盆踊りのかかったもの、どんと祭にもかかったものとか、みんな桧峠会の会員の会費でやっているようなものですからね。それをやっぱりお金も少しは補てんしてあげてはいますが、この小さな部落ですからそんなに金なんかあるわけないし、無い中でやりくりしながら行事をやっている状態です。

藤尾局長
そうですね、一番の基盤ですか、財源というのは。会費だけに頼らないで、他から導入できるような、そういう道も模索していかなければならないということでしょうかね。どうですか。

団体員
そうですね。それに関連してもちょっとあるのですけれども、観光の側から、今事務局のほうからも話ありましたが、湯布院とか黒川温泉、小野川とかという先進地を訪問いたしまして、それなりに経営者はそういう活性化されているところの先進地を見て、自分たちはイメージして、湯川の取り組みとして長期ビジョンを実はつくっています。その長期ビジョンを何とか成し遂げようという感じで頑張ってきているところなのですけれども、なかなか自力ではそのとおりやりきれない部分がすごく多くありまして。何かの助成がついたときには、例えば単年度事業であるとかで夏ごろやっと採択されたよということで、単年度というと3月まで仕上げなければならないということになってくる。一応ビジョンが決まっていてもなかなかその短期間で有効にその予算を使い切れないというか、どうしても3月くくりになってくると時期的なこともあったりして、非常に限られた執行を求められる場面が結構多いのです。こちら側からすれば、やはりそういう採択を受けてから、例えば1年は1年だということで、そういう猶予がある、そういう予算の使い道をその辺柔軟に県側でも取り組んでくれたら、せっかく予算が出たから使わなければならないのだというのではなくて、もう少し有効にその予算を使わせていただけるのではないかなという場面が結構多いものです。その辺、県のお仕事のスパンというのは年度というのはわかるのですけれども、その辺のことを少し柔軟に回して措置していただければ、現場もそういうことになったときに非常に助かるなという感じがしています。

藤尾局長
そうですね。そういう厳しい財源状況の中で、せっかくの助成制度があっても使い勝手がもう少しいい方向で柔軟に取り扱えるようにしてほしいですよね。

団体員
そうなのですよね。例えば夏に採択されると、もうすぐ冬になってしまうのですよね、この地域は。3月というと雪が消えないという場面がありますというか、本当に現場がそういう状況ですので、やはりその辺の柔軟性というのを少し考えていただければ有効に予算を使わせていただけるなというのは現場としてはあります。

藤尾局長
では、次の方はいかがですか。

団体員
今はそういう補助金とか予算という話なのですけれども、考えてみますと事業によっては、例えばそちらにあるどんと祭奉納相撲ですとか、あとこの地域で一番大きいきのこ祭りというのは直接的には補助金だとかそういう交付金はいただいておりません。行政も企画段階から関わっておりませんので、全く自分たちでやらなければいけないというか、その自分たちの範囲内でということなのです。だから、必ずしも地域が良くなるというのは、予算があるからとかということは、イコールではないのだろうと。つまり、自分たちが何をしたいかとか、自分たちがどこまでできるかとか、そういうことが結構大きいのかなというふうに思います。この春、山菜フェスタという、これはよく県内でいうと県南地方は北上川流域云々で非常に工業を中心に活発な地域だという中にあって、西和賀地方は、ちょっとそれから条件が違う場所で、県のほうでも力を入れていただきまして、3年間特命課長さんをつけていただいて、今年3年目ということなのですが、それで正直言いますと、さっきの話からしますと予算がついたからやった事業ということなわけです。ただ、そうなるとこちらで十分に練って、それに予算がちょうど合えば、これはプラスに働くのかもしれないのですけれども、極端に言うと予算取りからどうするという話になると非常にこちらも後手をとって、無駄とは言いませんけれども有効に活用できない場合もあったのかなという反省はしております。事業によっては当然自分たちが出し合って限界あるということは多々あるわけで、ただそうやって思うと、やはり補助金ですとか事業補助するときも、やっぱり基本は自立目的という観点で出していただきたいなということを強く感じます。
さっき事業仕分けで切られたという事業なのですけれども、あれは5年間つけて、それから5年間は自立しなさいと、5年の経過措置も報告しなさいというある種緊張感もあってしっかりしなければいけない、有効に使わなければいけないという、非常にシステムとして良かったなという感じもしていましたので、やっぱりそれに限らず自立支援という観点で、こちらの思っているのと予算がぴったりとは言いませんけれども、合う形というかな、それは当然その担当者だけではなくて、当然県でやるとなると町当局も当然そうですし、例えば観光課のみならず、いろいろなほかの関係部署も含めて取り組まないと、せっかくの補助金といいますか、税金が活かされないのではないのかなと。また、地元のためにならないのではないかなということで、こちらが欲しいときにはなかなか無くて非常に難しいなと思っておりますので、その辺の見つけ方というか、見分け方も教えていただければというところもあるのですけれども。
あと、今日、県の方々で来られた方というのは、多分ここまで初めて来たと思うのですけれども、この先温泉街があるわけで、行ってみると、悪く言うとちょっと寂れている感じもしないわけでもないし、何か軒を並べた温泉街が並んでいまして、日本の温泉街というか、私から言わせればみちのく小京都だとか、そういうのと同じ扱いでいいのではないかなと思うぐらいなのです。やっぱり我々小さいころからこの場所に住んでいる者からしますと、温泉街あっての旅館だし、温泉街あっての個人なわけで、残念ながら今は飲食店とかお店屋さんがゼロ軒になってしまったのです。ですから、お客さんがいらしても外に出て楽しむ機会が無くなって、よくシャッター通りですとか商店街を何とかしようとかそういうのはよく聞くのですけれども、私はやっぱりそれからすると温泉街というのがこの地域の一つの拠りどころで、そういうのを例えば一つの何とかのまちみたいな感じで、そういうのを盛り立てる何か方法はないのかなというのをちょっとお答えできればなというところはあります。

藤尾局長
なかなか難しい問題ですけれども、予算があるなしではなくて、やっぱり自立志向で、言うなれば地域、行政ともに努力すべきだというようなこと、それからあとはやっぱり今言われたように、その地域の実態に合ったさまざまな活性化の仕組みといいますか、そういったようなものを考えていくべきだという、そういうご趣旨の発言かと思います。ほかに会長さん、いかがですか。

団体員
ちょっと話をすれば金のことになって大変申し訳ないのですけれども、いろいろ助成金を今まで利用させていただいてきていましたが、たまに新聞とかで見ると、こういう地域でこういう助成金を使っているとか、こういう補助金を活用しているのだなというのを新聞で見てあっと思うのです。我々も年度ごとにいろいろちょこちょこやっておりますけれども、実際問題として我々の方からこういう補助金があるのだからこれを使いましょうという感じになって、誰かに教えられてもらって、下手をすればほかのついででちょっとやれないから、やりませんかという感じで、それこそ後手後手で回ってきますので、半月しかないとか、1週間しかないとか、そういう感じでなってしまう。国のああいうものは公募がありますから、当然バンと出ますからやってみようかという気持ちの構えができるのですけれども、どこでどういうふうにそういう助成金、補助金が出てきて、みんなそういうのを見つけてやっているか、我々がちょっと分からないだけかもしれませんが、いつも新聞を見ていますといろいろな助成金や補助金を結構県でも出しているのだなというのはわかるのです。どこからどうなって、どういうふうな経緯でその人たちがそういうふうなものを利用しているのか、私どもちょっとわからないので、県のホームページとかそういうのを見れば出ていますよと言われて。我々は四六時中この活動しているものでは無いですから、当然勤めの合間合間にいろいろ集まってやっているものですから、なかなかアンテナを広げていても、他の人から教えられて初めて知るというような感じで後手後手に回ってしまうものですから、もしかして我々の身にもぱっとわかるというのですか、こういうものがあるのだなというのをもう少し広めてもらえれば、我々でも目につくのではないかなと思って。ほとんどが他の地区のを見て、こういうのがあるのだなというので、初めて、ああという感じでやってきている感じがしているので、この今まで町であればこういうのありますから、皆さんどうですかと来るから、それはすぐ対応できるのですけれども、やっぱり県、国レベルでないとなかなか、金額も大きくなってくれば後手に回ってしまいますので、もう少しそういうところを大っぴらにしてもらえれば。

藤尾局長
そうですね。せっかくそういう制度が創設されても知らなければね。

団体員
知らなければ何にもならなくて、結構あるようですので、お金がなくても活動している地域、活性化で頑張っている地域もありますよというところもあるでしょうけれども、やっぱり何かするとなればどうしてもお金かかりますので、5万、10万であれば桧峠会半分、部落半分とか、観光協会にちょっと出してもらいましょうかとなりますが、やっぱり30万、50万となればなかなか部落とかに協力要請はできないので、これからもなかなかそういう財政難ですので、我々でさえ財政難ですので、いろいろこの国の補助金はカットになったので、何とかしようとは思っていますけれども、このままではなかなか前には進まないのではないかなと思っています。さりとて余り補助金、補助金とあてにするのもちょっと大変なところもあるのですが、正直言って補助金、助成金がなければちょっと身動きができないなという感じでおりますので、その辺がちょっと今差し当たり問題じゃないかなと思っております。余り金、金、金と言えば怒られるかもしれませんけれども、実際問題そういう感じでございます。

藤尾局長
そうですね、そういった制度みたいなものについてはできるだけ皆さんの目に触れる形のようなことを努力していくということと、あとやはり同じような類似の団体間の情報交換の場みたいなものを、交流の場をできるだけ増やして、そういう中でこういうのがあるとか、こういう使い勝手がいいものがあるとか、そういったようなことまでできるようになればいいかと思うのです。

団体員
観光面で言えば、この3年間の西和賀元気なというそのものに関しては非常にやりやすいというか、私たちが取り組みやすいイメージで使わせていただけるというか、それをも一応視野に入れて活動しているということがありますので、普通のものよりもずっと効果的だったなという感じは実感はしております、現場では。今回の西和賀元気なというそのものに関しては非常に助かっております。そういう感じの、例えば3年とかという感じであればある程度こちらのほうもそのスパンで意識して、ではそういうことで活動していこうということもありますので。それは当然行政も巻き込んでいるものでしたので、非常にやりやすいというか、効果的な動きだったのかなという感じは実感としてあります。

藤尾局長
ほかにこういうふうな課題があるというふうなことでつけ加えてお話しされたいものがあればお願いしたいと思いますけれども。

団体員
私も地方公務員で、西和賀町役場に勤めているのですけれども、行政に携わっている私が言うのもちょっとおかしい話なのですけれども、例えば県が重点事業として観光を打ち出したと。観光の部署だけではなくて、農林の部署だったり、土木の部署だったり、教育の部署だったり、みんなで観光を考えていくということも大事なような気がするのです。例えば一例を挙げますと、ここは県道湯川温泉線という、おかげさまで県道にしていただいているのですが、旅館があるというだけではなくても、一応観光をここは中心の産業にしてこの地区はやっている。例えば県道は雪が消えてもう2カ月、3カ月になろうとしているのに県道の掃除が一切されてないとか、観光は平泉、遠野だけではないよなと、全県で観光を頑張っているのだよなというのにそういう部分が出てくるということは、地区に住んでいる者としては、ちょっとこれはどうかなというのはある。皆さん住民は感じていると思うのです。だから、その辺観光の担当部門だけが頑張ればいいということではなくて、例えば土木、県道の維持管理なら維持管理で観光にどういうスタンスで臨めばいいかというようなこともやっぱり考えるべきではないのかなという気はします。

藤尾局長
そうですね、全くおっしゃるとおりです。観光というのはさまざまな整備というか、準備だとかしなければなりませんので、そこの観光セクションだけではできるものではないので、きっちり連携をとりながら、まさに総合的に対応していかなければならぬということだと思いますよね。
いろいろ課題が出て本当に難しいものもあれば、すぐにでもちょっと工夫して改良、改善加えれば解消できるものもあるのですけれども、ちょっと論点が広がり過ぎるとなかなかお話しできないところがあるのです。私どもの手元には今言ったような課題を解決する方向でのヒントみたいなものが書かれた基本計画ですか、湯けむりの郷づくり事業基本計画を平成3年策定されたわけですよね。これに則っているようなお取り組みをされているということですが、常に交流といいますか、ほかの地域から、来ていただいた観光客の方が満足していただくような形のさまざまな面での配慮と活動というのがなされているのですよね。人口は減少するけれども、ほかから人を呼び込んで地域の活性化に結びつけていこうという、そういう何か素晴らしい戦略がこの基本計画の中にあると思うのですけれども、知事もお持ちですよね、そういった具体的な基本戦略を進める上で、特にこれまでの活動を振り返って苦労した点だとか、あるいはやってみて初めて、これはいいよね、将来につながるよね、少子高齢化だけれども、交流活発化して地域の活性化につなげられるよねというふうにご認識された点もあるのではないかなというふうに思うのですよね。その辺のところどうでしょうか。単にほかから観光客を受け入れるだけではなくて、満足度を高めて、あるいはリピーターとか、そういったようなところまで、あるいは湯川ファンを増やして、そしていろんなものを買ってもらったり、あるいはもちろんたまには訪れていただくという形で活性化につなげていくというか、そういうことをお考えになっているのではないかと思いますけれども、いかがですか。

団体員
本当に湯川温泉には資源がいっぱいあって、鉱山が閉山してから人口がすごい激減したといいながら、逆に言うとその鉱山の跡というのも非常に資源であるのですが、いろんな資源を確認し合いながら、湯川としての地域の住民が住みやすいまちをつくることがお客様に支持される温泉場になるのだということを旗印に活動を進めているのです。このように非常に山が迫った地域で、例えば温泉広場をつくりたいとかというビジョンがあるのですけれども、例えばそこに住んでいる方々の、そこの私有地をやはりイメージしなければならないとかということが現実的に出てくるのです。例えば今ここ離れている、空き地にもかかわらず、やはり使わせていただけないかと言っても、なかなかそれを説得できないでいたりとか、そのあたりが非常に大きな部分での湯川温泉としてのビジョンをつくるときに今のところは問題になっているところなのですよね。その問題というのは、やはり資金的な裏づけをきっちりするとか、そういうことをやったところで地域が活性化するということを中々きっちり説明できない責任もあるのですけれども、その辺のことを現実に持っていくためには、資金の裏づけであるとか、何かの対策がやっぱり必要だと思うのです。そのあたりがちょっと行き詰まっている、大きなビジョンをつくっているのですが、それを打ち破っていけば、また違った意味での湯川温泉としてのまちづくりということをやっていく呼び水になるのではないかなと思って、非常にその辺が難しい課題で今のところ止まっているところなのです。そのあたりの問題の解決策を何とかしていきたいなと。それにはやはりどういうところで資金を確保するかとか、逆に言うとそれやったことによって、地域が自立できるかですよね。それでお客様がきっちり来てとか、魅力あるまちになってみたいなところが出てくると思いますので、その辺のちょっと裏づけとかを固めながら進めていかなければならないなというのはすごい大きな問題ではあるのですけれども。

藤尾局長
吸引力にふさわしい資源はたくさんあるのだと、その資源は必ずしも生かせていないと、課題としてはそういう財政的なものもあるし、また地域の方々の理解というものも得なければならないみたいなことですね。

団体員
そうですね。やはり昔からの温泉街ということがやはり私たちの武器なのだと思うのです。小さいけれども、軒を連ねた温泉宿が連なっているということですので、やはりその特色を生かすということは、町としての魅力あるまちづくりというか、全体スパンで見た温泉街づくりというのがやはり求められているというか、ほかの地域との違いなのだと思いますので。それがお客様が外に出て回ることによって、商店というのもまた復活していくのではないかということはあると思うのです。

藤尾局長
とにかくほかの地域と差別化されて、ここにしかないという資源がいっぱいあるのだと。ですから、あるだけではなくて、それは知ってもらわなければだめなのですよね、情報発信ということですね。

団体員
そうですね。

藤尾局長
他にどうですか。その情報発信ということについては、今日は役場にお勤めの方がいらっしゃるのですけれども、役場だとか、県だとか、広域局だとかというのがどんどん西和賀再生事業の取り組みの中でもお気づきになったかもしれませんが、情報発信にどんどん活用されるべきだと思うのですけれども、どうですか、その辺のところは、会長さん、情報発信という面では、特に横手という大きい人口のまちがあって、商圏としては。

団体員
そうですね、私は旅館ではありませんけれども、私がこっちに来たころは、それこそ土日といえば旅館が満杯で、うるさいくらいカラオケがガンガン鳴っていまして、お客さんも浴衣を着て、下駄を履いてカラコロ歩いていた時代があったわけです。それが激減しまして、土日でも大変静かなような状態で。それでほかの地域でも施設がいろいろ立派なものができまして、旅館の人たちを目の前にしてちょっと申し訳ないのだけれども、自分が会社に勤めていて「湯川に行きませんか」と言えば「湯川か」と言われてしまうのですよ、実際問題。極端な話、飯屋も無いし、飲み屋も無いし。近くに湯本温泉ありますが、湯本温泉も今はちょっとぱっとしないような状態ですし。ほかの方にできるものは立派な大きいものができまして、湯川に行ってもちょっと何にもないものなという感じで言われてしまうので、そこがちょっと残念といえば、住んでいる者としては残念。だから、やっぱりもう少し旅館の皆さん、我々も同じ地域に住んでいる者ですけれども、何かやっぱりここでもう一踏ん張りして頑張らなければ、いろいろイベントはやっていますが、それはそのときだけで3,000人来た、5,000人来た、1万人来たといっていますけれども、やっぱりそれで飯食っているのであれば、1年間のことを考えなければ。そのときのイベントだけで何千人来ました、その日に10人泊まりましたといっても、それでは飯は食われないわけで。何とかいろいろ宣伝といってもなかなか大変で、ただ来てください、来てくださいでは、今はお客さん来ませんので、本当に行ってみようかという気になるようなものがなければなかなか。昔は湯治客とかそういう人たちが結構来たのでよかったのではないかと思いますけれども、今は湯治客もそんなにいないと思いますので。

達増知事
街場にできているスーパー銭湯みたいなところ、そこがライバルになっているのですか。

団体員
そうですね、秋田から来るときに巣郷温泉とかいろいろあって、その金額はちょっと私はわかりませんが、300円か500円払えば、ぱっと入って、ぱっと行ける。こっちの旅館に来れば、一々ごめんくださいと言って、話をして、どうぞというか部屋に通されれば何ぼ取られるんだべなという形になりますけれども。あっちは300円、400円払えば、ぱっとふろに入って、汗を流してぱっと帰れるという、そういう身近なものが結構ありますので、こっちまで来てなかなかそういうふうに泊まって、景気がよければいいのですけれども、こういう景気ですので、なかなかそこまではいかないというような状態で、なかなか私の知っている限りでは。景気よかったときは会社で、私がこっちに来る前は、年に2回も3回も「湯川に行くか」とぱっと来ましたけれども、会社もそのとおりですので、なかなかそういう状態ではないので、ますますお客が減っているのではないかと思います。何かやっぱり打開策がなければ大変じゃないかと思ってはおります。旅館業ではないのですけれども、そういうふうに思っております。

団体員
今の話に関連すると、昔の温泉場というのはどこも割とにぎやかで使い方がいろいろあったのだけれども、今スーパー銭湯という話があったのですけれども、一番大きかったのは竹下さんの1億円ですか、あれで農村地帯はほとんど、特に秋田なんかは温泉を掘ったと。岩手県でもかなりあったのですけれども、ただ福祉とかという目的らしいのですが。でも、この前のいろいろな改革で勤労者何とかセンターだとか、いろいろ施設を国が関与することではないだろうということで、大分見直しがかかって、簡保含めてですね、それはまだまだ県だとか市町村で関わっているのもあるので、民間の邪魔だけはしてほしくないなというのは大いにあるのです。温泉というのは温泉場に行かなければ入れないのだというのが、ボーリング技術の発達もあるのですけれども、いろいろ掘削して出たというのが一番大きいと思うのです。今会長から、なかなか湯川に行こうといっても行ってくれないというところはあるわけなのですけれども、この湯川温泉地区ですね、我々桧峠会という集まりなのですけれども、確かに一般の方もいるし、商売の方もいる。全体的な活力は下降ぎみだと思います。さっき言ったとおり、飲食店が無くなったり、お土産屋さん無くなったりと非常に全体のパイが下がりつつあるわけで、そうなってくるとどうなるのかなと。個々の企業がこの先どうしようかとか、我々の代はいいのだけれども、その後どうなるのだとか、非常に不安なところいっぱいあるわけなのですけれども、そうなると自分を守るのに精一杯で、地域づくり云々というところまでなかなか踏み込めなくなるわけで、さっき観光協会の会長からも話あったとおり、やっぱり個の旅館なりと、あと地域全体ですよね、その結びつきというか、信頼関係というか、そこにかかっているしかないのかなと。確かに今まで何回か地域を何とかしようということでやってはきたのですけれども、資金の問題、またいろいろな問題で中断したりということがありまして、結局この地域は温泉街が衰退すると個もなかなか持たないだろうという感じはします。それは1軒でも頑張るよという人はいないわけではないと思うのですが、やっぱり温泉街あってのこの地区だろうと。また、住民の方も温泉街のにぎわいがあって住民の方なんじゃないかなということを考えれば、さっきも言ったのだけれども、古来の日本文化、温泉街。県内でも、例えば鶯宿だとか、台温泉とか、ああいう昔ながらの温泉街というのはなかなか少なくて、私は何とか遺産にはならないとは思うのだけれども、やっぱりそれに近い部分があるのかなと。やっぱりそういうのを地域としても、温泉文化としても守ろうよというような、そういう何か方法がないのかなという気がしますし、やっぱり地域の存亡がそのまま我々の生活にかかっているし。他の地域のことを余り言うわけにはいかないのですけれども、我々小さいころというのは湯本温泉地区というのがこの町の代表の温泉地で、とてもにぎやかな温泉もいっぱいありました。今は本当に数軒しかなくなってきて、温泉街ではなくなってきたなというふうに寂しさ感じるわけなのです。我々もそうならないために、個人と地域という信頼関係を深めるためにも、やっぱり地域で出す魅力を個人の旅館でも受け入れられると、その逆も含めて、やっぱりそれを早急にやらなければ、なかなか自分たちだけでやると意見が多少合わなかったり、お金がなかったりで進みが悪い部分もあったりして、何とかその辺も行政の手をかりてやっていけないのかなというのがこの地域としては急務ではないのかなというふうに思います。

藤尾局長
個人と地域との信頼関係といいますか、これは地域の魅力を共有するものとして、そこをしっかり深めていくと。

団体員
それもそうだし、要するに地域で取り組んだり、地域がよくなれば自分のところにも恩恵ありますよと。自分のところだって一生懸命やって地域に恩恵出しましょうというその相互関係ですよね。とっかかるのは、「なに、みんなで一緒にやったって、おらさは関係ねえべ。どうせみんなで一生懸命汗流しても、お客来るのか」みたいな、極端に言うと。そういう部分というのは、何でもあるとは思うのだけれども、そうではなくて、地域がよくなれば自分がよくなるという、お互いの実績づくりをしていかなければ大変かなという気はします。

藤尾局長
どうですか、ご意見。

団体員
私の家のじいちゃんは旅館やっているのですけれども、朗報というか、県の事業で元気な西和賀ネットワークの中の温泉宿の魅力発見という事業があったのですが、その中でアドバイザーの方、建築家とかが来て、20年、21年の事業なのですけれども、それでいろいろやってもらって。もう改築して十何年なるのですけれども、そういういろんな話を聞きながら、今回やろうかなと思っているのです。そういう手助けみたいなものもますますしてもらえたらなと思います。

藤尾局長
元気な西和賀再生事業の中でアドバイザーの診断か何か受けられて、いろいろ受けられたのですか。

団体員
建物とか、見積もりとか、そういったところまでいって、まだ決定はしてないのですけれども、そういう煮詰める部分はあります。

藤尾局長
まさに行ってみようかという、その気にさせるような戦略ですよね。

団体員
やっぱり団体のお客さんというのは今は来なくなってきて、フリーのお客様で本当に特色がないと来てくれないという感じになってきていますので、個々の旅館の特色を出せるような感じの宿にしておきたいなと思って、そういう手助けをしていただいているのです。これからも県の方でもそういうお手伝いしてもらえればなと思っております。

藤尾局長
いかがですか、何か。

団体員
私はこの桧峠会に入りまして17年といいますか、他からこちらに来た人間ですけれども、桧峠会でも頑張っています。そして、駅から湯川の来る途中まで花壇をつくろうという話があったのです。フラワーロードをつくろうということで、何カ所かつくりました。花は今度の日曜日に植えるわけなのですけれども、うちらの代のその上の代の人たちがやっぱりそういう場があるというと集まってガヤガヤ、ガヤガヤ話しながら花植えをする。夏過ぎには、湯川百年会というのかな老人クラブで、その人たちに草取りを部落の方から頼んでやっている。うちらも一生懸命やっているけれども、うちらの上の代の人たちも体は年いっても口も達者になってまだまだこの湯川で頑張っていけるのではないかなと私は思っています。もうちょっとうちの上の代の人も集まって積極的に出てきてくれればいいのだけれども、やっぱり引っ張り出さないと出てこないような年代なので。出てくればそういうふうにわいわいガヤガヤと花植えたりなんだりやってこれますから。ひとり暮らしの老人たちも結構何人かいるのですよ、やはり。そういう人たちも出てくればみんなと話し合って、楽しそうにやっていますけれどもね。やっぱり、桧峠会だけではなくて、うちらもそのうちにそういう年代になるときはありますけれどもね。

藤尾局長
いろいろ伺ってまいりましたけれども、繰り返しになりますが、厳しい問題もありますが、いろいろ知恵を出せば解決できる、そういう問題もあるというふうに感じました。
最後に、会長さんにこの活動を通じまして、将来どのような地域でありたいかといったようなところを簡単にお願いしたいと思います。

団体員
今ちょっと話が出まして、そういう行事があれば、我々の年代からちょっと上になれば余り参加しないような形で、さっきまで私は話をしようかやめようか迷っていたのですけれども、前も言ったように旅館、会社員となりますと、うちの話をしますが、旅館を絡めた行事があると「父さん、旅館でないんだから、あまり先になってやるな」と必ずこうなるのです、実際問題として。「いや、そんなこと言っていれば湯川では何もできないから」と言って出るのですけれども。例えばお祭りでも何でも寄附を集めるとなると旅館は何ぼで、うちは旅館でないから何ぼでいいのだとか、今も我々の親の代ではまだ脈々と続いているわけですよね。そういうことを言っていれば、実際何にもできないから、そんなこと言ってられないのだと言っても、中々いまだにそういう考えがあるのです。だから、会長になって地域の活性化でみんな頑張って一緒に旅館も会社員も関係ないから、地域のためにはみんなでやろうというのに未だにそういう考えがあるものですから、自分の家族から考えを変えさせていかないと、他の家にみんな出てきてやってくださいと言っても中々そうはいかないと思います。まず自分のうちから意識改革させて、ここで暮らして、多分ここで死んでいくと思いますので、我々もそれまでは地域のみんなと一緒になって、旅館だろうが、会社員だろうが、自営業だろうが、一緒になってやらなければ、こういう小さな地域では成り立たないと思いますので。まずやっぱりうちのおばあちゃんで、友達のばあちゃん方が2人、3人集まれば、あそこ痛い、ここ痛いの病気の話。5、6人集まればお寺の話です。そういう状態ですので、やっぱりそういうことでなく、もう少し地域の、例えば若い人たちがきのこ植えていたっけとか。実際問題としてきのこもほだ木やって、我々国の事業できのこの植菌もやっているのですけれども。実際に自分ではやれないのですが、おばあちゃんで1人、私もちょっと参加させてと。やれないけれども、ちょっと人に頼むけれども、みんなと一緒にやってみようというので。「昔、うちの父さんが元気なときにきのこを一杯採って、それを処理するのに夜中までかかった」とか話が出てきて、やっぱりこれは一人でもこういうふうに参加してもらえれば、会長としてはやったかいがあったなと思うのです。それがやっぱりさっき言ったように、あそこ痛い、ここ痛いの話で、お寺からお墓の話で、集まればそういう話だけよりは、もう少し地域の活性化でいろいろ取り組んで、きのこでもいいし、ワラビでもゼンマイでもいいですから、そういう話だけでも語って参加してもらえれば活性化になるのではないかと思っております。いかに自分たちよりも年寄りの人たち、旅館でもない人たちを取り込んで、地域全体をいかに参加してもらえるか、口だけで言ってもなかなか実際に年とってくればなかなか参加したくない、出たくないのはわかりますけれども、年寄りに出てきて山に行って草刈りしろとかそういうことは言えませんから。やっぱりこういうのをやっているのだというのを目に見えて、気持ちだけでも参加してもらえれば少しはいいのではないかと思っています。これからは、とにかく地域の人たち全員にこういう地域の活性化に向けて、意識を持ってもらって参加してもらえればいいのではないかなと思って、そういうふうに進めていきたいなとは思っております。

藤尾局長
ありがとうございました。

知事所感

藤尾局長
それでは、いろいろとご意見伺いました。知事のほうから最後にお願いしたいと思います。

達増知事
少子高齢化に悩む過疎地域、奥のほうにある地域が暮らしの質を向上させよう、そして経済的にも向上させようとするときに、やはり鍵になるのは地域外、街場とか都会の人たちといかにつながるかということのようであります。農業が主産業の地域はなかなか外との繋がりがないので、産直みたいなことをやったり、また産直に出ていったりとか、その地域を出て町に行った人の名簿をつくっていろいろ送るとか、そういうこともして引きつけたりしているのですけれども、こちらはやはり旅館というものがあり、そういう外の街場の人とか都会の人も引きつける施設があるので、そこはすごい恵まれているのだと思います。やはり旅館を中心にして、どう地域活性化をするかなのだと思います。ただ、今までどおりの旅館だけの、黙っていればお客が来るという時代ではないので、いろんな山菜とか、キノコとか、あとは地域のお祭りと結びつけてお客さんに来てもらうということでは、やっぱり旅館業界と地域の連携というのが非常に大事で、ここにおいでの皆さんはそれがもう重々わかっていて、なかなか大変だと言いつつ、でも既にそこをわかっていろいろ努力されているのは大変いいのではないかなと思いました。やはり地域を挙げてそういう体制をつくっていけばいいのだと思います。旅館も昔ながらの旅館街というのは、それは一つの魅力で、いろんな昔の文学者の小説で旅館で何か書いたとか、旅館に行ったとかというのに描かれる旅館街のイメージというのは、確かにどんどん日本からなくなっていますからね、そういうのがあるというのは生かしていけるところだと思います。
あとはいろんな連携が大事なので、湯本温泉、湯田全体としての対外的なアピールとか、横手、秋田方面へのアピールも大事だと思いますし、また西和賀町全体としてのアピール、山菜祭りは新聞も大きく取り上げてニュースになって、非常にあれは地域全体のイメージアップになっていると思いますし、さらにまた県もかんで、広域の中でほかの地域とつながったり、また湯川が取り上げられるような工夫をしていけばいいと思いますので、今日伺ったことは非常に参考になりましたので、県のほうでも県南広域振興局で西和賀町の町のほうと連携をしながらいろいろまた工夫をしていけばと思いますので、きょうは本当にありがとうございました。

閉会

藤尾局長
本日は貴重なご意見をいただきましてありがとうございました。予定の時間をはるかにオーバーいたしました。こういうこともちょっと珍しいのでございまして、これをもって閉じたいと思います。ありがとうございました。

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