JICA海外協力隊 小田島 丞さん(コスタリカ派遣)
あなたの近況を教えてください。
お住まいの国(地域)はどんなところですか。
コスタリカ共和国カルタゴ県に位置するトゥリアルバ市は、豊かな自然と歴史を有する地域です。周囲にはトゥリアルバ火山やパクアレ川などの名所があり、トレッキングやラフティングといった自然体験に適しています。気候は年間を通して温暖で、平均気温は18〜21℃。雨季(5月〜11月)と乾季(12月〜4月)が明確で、特に乾季は観光に最適とされています。言語はスペイン語、宗教はカトリックが中心であり、伝統的な祭礼や文化行事が地域社会に根付いています。特産品としては原産地呼称が認められた「トゥリアルバチーズ」やコーヒーが知られています。また、先住民文化の痕跡を残すグアヤボ国立記念碑や、熱帯農業研究教育センター(CATIE)など学術的にも価値の高い施設が存在します。自然・文化・食を総合的に体験できる魅力的な地域です。
あなたの活動について教えてください。
現在、コスタリカの大学を拠点にハンドボールの普及と指導に取り組んでいます。具体的には、週に2回、体育学部の学生を対象に「ハンドボールの指導法」に関する授業を行っており、将来の指導者育成を目指しています。また、大学のハンドボール部でも週2回指導を行い、基礎技術の向上とチーム力強化を図っています。さらに、全学の学生を対象としたハンドボール体験会や、地域の小学生・高校生への指導、大人の地域チームへの週末の練習指導など、幅広い世代に活動を広げています。
語学面では、大学生の協力を得ながら、授業や活動を通してスペイン語を学んでいます。授業では「楽しさ」を重視し、参加者が飽きずに取り組める工夫を心がけています。また、チーム指導においては、目標達成に向けた練習だけでなく、私が帰国した後も活動が継続できるよう、環境整備や仕組みづくりにも力を入れています。
印象に残っている出来事はありますか。
最も印象に残っている出来事は、大学のチームが「大学一位を決める大会」で優勝したことです。昨年はあと一歩のところで敗れてしまい、とても悔しい思いをしました。その分、今年の優勝は選手たちと一緒に積み重ねてきた努力が実を結んだ瞬間であり、胸が熱くなりました。試合終了の瞬間に見せてくれた学生たちの笑顔や喜び合う姿を思い出すと、今でも感動がよみがえります。あの大会は、私自身にとっても指導者としての大きな励みになりました。
岩手に関することについて教えて下さい。
岩手を離れて、あらためて感じた岩手の良いところはありますか。
岩手には海・山・川といった豊かな自然がそろい、特にきれいな夕焼けは心に残る景色のひとつです。現在の任地では海がなく、周囲を3000メートル級の山々に囲まれているため、夕焼けを見る機会が少ないこともあり、その魅力をいっそう実感します。また、食の豊かさも岩手の大きな魅力です。新鮮な海の幸や山の幸、さらに肉料理まで、多彩で美味しい食文化は誇れるものだと思います。離れてみてこそ、自然と食に恵まれた岩手の価値を改めて感じています。
岩手について話題になったことや、PRしていただいていることはありますか。
現地の学生に日本を紹介するプレゼンテーションを行った際に、地元・花巻祭りを取り上げたことがあります。祭りの象徴である神輿について紹介すると、多くの学生が興味を示してくれました。コスタリカの祭りとは雰囲気や内容が大きく異なるため、学生たちはその違いに驚き、熱心に質問してくれたのが印象的でした。地元の文化を通じて日本や岩手を知ってもらうことができ、岩手の魅力をPRできた貴重な機会となりました。
岩手県の皆さんにメッセージをお願いします。
コスタリカで活動する中で、改めて岩手の自然や食、そして人の温かさの素晴らしさを感じています。これからも、岩手の魅力を現地の人々に伝えながら活動を続けていきます。
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