JICA海外協力隊 菅原 実久子さん(ベトナム派遣)
あなたの近況を教えてください。
お住まいの国(地域)はどんなところですか。
ベトナムは、日本から飛行機で約6時間の距離にある東南アジアの国です。南北に長い国土を有し、地域ごとに気候や料理、言葉など文化が異なります。私の住む南西部は雨季と乾季があり、年間を通じて常夏で、日中は30度を超える日が多くあります。ベトナムの公用語はベトナム語ですが、山間部などでは少数民族の言語も使われています。主食は日本と同じ米であるため、日本人の口に合う料理が多い印象です。代表的なベトナム料理の一つである「フォー」という麺料理も、お米から作られています。

あなたの活動について教えてください。
私は現在、カム山観光区管理委員会に所属し、国内外への観光情報の発信や、ツアーの企画・改善に取り組んでいます。配属先では、月に1回トレッキングツアーを主催しており、私も同行して同僚のサポートをしています。山頂からの景色はとても美しく、天気が良い日にはカンボジア方面まで広がる雄大な田園風景を見渡すことができます。カム山はまだ国内外での知名度が高くない観光地であるため、SNSを活用した情報発信やPR動画の作成にも力を入れています。
同僚や地域の方々は英語を話さないため、業務や日常のやり取りはすべてベトナム語で行っています。そのため、毎日ベトナム語の学習を継続しており、理解できないことがあれば積極的に同僚に尋ねるようにしています。

印象に残っている出来事はありますか。
職場の同僚たちに、日本料理を振る舞いました。お好み焼きとカレーライスを作ったのですが、お好み焼きのソースは馴染みがなく、チリソースを追加して食べる人もいました。私の住む地域には日本食レストランがないため、「生まれて初めて日本食を食べたけど、とても美味しい」と言ってくれる同僚もいて、心があたたかくなりました。都会では日本食が少しずつ広まっていますが、地方ではまだまだ新鮮な体験のようです。これからも、日本文化をベトナムの方々に伝えていきたいと思います。
岩手に関することについて教えて下さい。
岩手を離れて、あらためて感じた岩手の良いところはありますか。
日本のごはんは本当に美味しいと改めて感じています。ベトナム料理も大好きですが、やはり安心できるのは日本の料理を食べたときです。幸い、ベトナムでも日本の調味料は手に入るので、それを使って自炊をしています。ただ、盛岡冷麺はなかなか再現するのが難しく、とても恋しく感じます。
また、日本人は環境への意識が高く、ポイ捨てをする人がほとんどいないのが素晴らしい点だと思います。特に、日本の山ではゴミ箱がなくても、みんな当たり前のようにゴミを持ち帰るというマナーが根付いています。
一方で、ベトナムではまだゴミに関する意識が十分に高いとはいえず、吸い殻やお菓子の袋、ペットボトルなどをそのまま山に捨ててしまう人が少なくありません。私一人の力でこの問題を解決するのは難しいですが、任期中に環境や意識を少しでも変えるきっかけをつくれたらと思っています。

岩手について話題になったことや、PRしていただいていることはありますか。
ベトナムの方から「あなたの故郷はどんなところなの?」と聞かれることがよくあります。私は写真を見せながら、四季折々の岩手の美しさを紹介しています。特に雪景色は、雪を見たことがない人が多いベトナムでは、とても関心を持ってもらえました。
岩手県の皆さんにメッセージをお願いします。
ベトナムの人々は陽気で明るく、家族を大切にする方が多い印象です。たった一人でベトナムの田舎に暮らす私も、地域の皆さんに温かく迎え入れてもらいました。任期は残り1年となりましたが、これからも地域の方々と協力しながら活動を進めていきたいです。このレポートを通じて、少しでもベトナムに興味を持っていただけたら嬉しいです。
また、現在私が活動しているアンザン省カム山の写真をお届けします。ご興味のある方は、是非「カム山」で検索してみてください!!!
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