令和6年5月15日教育長記者会見における質疑応答
日時:令和6年5月15日(水曜)
場所:県庁10階 教育委員室
発表事項:なし
質問事項:
(1) 公立夜間中学について
(2) 県学習定着度状況調査と英数の学力(指導力)向上について
(3) 教員確保に向けた処遇改善と働き方改革について
(4) 県立高等学校再編(県南地区)について
(5) 熱中症対策について
質疑応答
(教育企画室)
おはようございます。
ただいまから教育長記者会見を始めます。
本日は教育長からの発表はございませんので、記者クラブからの質問をお願いします。
幹事社の進行によりまして、質問にお答えする形で進めます。
(記者)
本日は、記者クラブからの代表質問はありません。
各社から事前通告している質問がありましたら、社名、氏名の後に発言をお願いします。
(記者)
私からは、3点質問させていただきます。
まず1点目は、公立夜間中についてです。先日、県教委の公立夜間中のニーズ調査で、「自身が学びたい」13人、「身近な人が必要」38人で、回答者の6人に1人ということで約17%に何らかのニーズがあることが示されました。これを受けて、全国で設置を求める団体が先日記者会見を開きまして、明確なニーズがあることが分かったとした上で、学ぶ権利を保障すべきとして、設置の決断を求めています。改めてアンケート結果や団体の意見への受け止めと、今後の方向性についてお示しいただければと思います。また、同じ市町村調査で外国人の増加数が多くなっていることが見受けられました。夜間中で学び直しのニーズがあるという回答は無かったわけですが、何らかの学習ニーズはあるようにも思われます。これをどう把握し、どう対応していくか、お考えがありましたらお示しください。
2点目「県学習定着度状況調査と英数の学力(指導力)向上について」です。例年10月に実施している県の学習定着度状況調査の科目について、中学2年生の試験科目が英語と数学に見直されます。先日、示されました英語教育実施状況調査ですと、本県の中学3年生の英検3級相当の割合は38.4%と割合は改善しているものの、全国平均の50.0%を下回る状況にあります。あらためて県の学習定着状況調査の科目を見直す狙いと、英語・数学の指導力向上に向けてどのように取り組んでいくかを教えてください。
3点目、教員確保に向けた処遇改善と働き方改革についてです。中教審の特別部会が13日の月曜日に開かれ、小学校の教科担任の拡大や初任教員が学級担任でなく教科担任を持てるよう支援すること、学級担任への手当加算などの素案を示しました。また、残業代代わりの教職調整額の上乗せも柱の一つとして示されました。実現すれば、財政負担が地方にとっても課題となることが考えられます。今回まとめられた提言への受け止めと、本県で実際に導入する上での課題などがありましたらお示しください。
(教育長)
3点質問を頂戴しました。まず、公立夜間中学についてであります。先般、県教育委員会で調査した結果を公表させていただきました。そのうちの個人用アンケートに回答いただいたのが293人であり、そのうち「自分が学びたい」と答えた方が13人、「身近な人が必要としている」と答えた方が38人いました。「身近な人が必要としている」と答えた38人の方のうち、現在、不登校の方の関係者が32人を占めているという状況で、現在不登校の学齢生徒については、不登校対策の面から、学びの保障をしていく必要があると捉えております。また、報道でも、関係者のコメントを拝見したところであり、学ぶ権利の保障というのは大切なものだと理解しております。まずは、この調査結果について、市町村教委それから関係機関と情報共有を図り、必要な意見交換をしていくことが重要だと捉えております。また、外国人の学び直しのニーズ把握については、関係機関からの情報収集に加え、例えば、増加が見込まれる外国人児童生徒の就学機会の確保等を図るため、昨年度、県教委が関係機関と連携して、新たに「岩手県外国人児童生徒等教育方針」を策定しましたが、この方針に基づき、外国人等児童生徒の就学促進、学校の受入体制の整備や日本語指導・教科指導等の充実を図るということとしております。この取組を実施することを通じても、外国人の学び直しのニーズ把握というのは、可能になってくるのではないかと考えております。
それから、県学習定着度状況調査と英語と数学の学力の向上についてですが、令和5年度の全国学力・学習状況調査の結果は、小学校国語では、全国の平均正答率を上回りました。また、意欲を持って自ら進んで学ぼうとする児童生徒の割合も、全国平均を上回ったということで、一定の成果は見られました。しかしながら、中学校の英語や、数学では全国の平均正答率を下回っており、教員の指導力の改善・充実や、児童生徒の学習状況の改善等が必要であると捉えたところです。そこで、県教育委員会ではこの調査結果の原因分析や、これまでの施策や指導の在り方について点検し、児童生徒の確かな学力の育成に向け、基礎的・基本的な内容の確実な定着、そのための効果的な指導方法や研修の在り方や家庭学習の充実に向けた方策などについて、検討、対応していくこととしたところです。こういった方針の下、まず、県学習定着度状況調査の教科を見直すとともに、今年度の重点事業として、県内の中学校の英語と数学を担当する全教員を対象とした、県内指導主事による訪問指導や研修会を実施することとしました。学習指導要領の趣旨を生かした授業実践に向けて、教員による授業改善が円滑に進められるよう、学校の支援を行っていきます。また、中学校英語と数学を担当する教員のため、デジタル教科書等のデジタルツールや、オンラインで問題演習等ができる文部科学省の「MEXCBT(メクビット)」というCBT、これらを活用して、活用実践の蓄積と普及を図り、授業のほか家庭での自主的な学習支援にもつなげていきたいと考えております。
3点目、中教審の特別部会で出された取りまとめについてです。国が、昨年5月に中央教育審議会に「質の高い教師の確保特別部会」を設置し、教職調整額のあり方等を含む教員の処遇改善の必要性について検討が進められてきました。そして、5月13日に、教員の処遇改善等の働き方改革に関する審議内容が取りまとめられたものと承知しております。今後、特別部会での審議を踏まえ、中央教育審議会から答申がなされると思いますが、その上で国において、教員の処遇改善や働き方改革に関する検討が進められていくものと承知しており、県教育委員会としても、国の動向を引き続き注視していきたいと考えております。
(記者)
2点お伺いします。
1点目は、高校再編についてです。令和7年度以降に、県南地域で大規模な工業高校を設置することに関して、作業の進捗と、もし作業が進められない要因があれば、その課題についてお聞かせください。
(教育長)
新たに設置する工業高校については、令和7年度までの後期計画期間中に設置場所や統合時期、教育内容等の検討を進めることとしております。
昨年度から先行して設置場所の検討に着手しているところですが、今後、並行して教育内容や整備スケジュール等についても検討を進めていく予定です。
(記者)
現時点では、予定のスケジュールどおりに進んでいるということでよろしいでしょうか。
(教育長)
その予定で進めております。
(記者)
もう1点、例年夏が近づいてくると、学校などでも熱中症対策が必要になってくると思います。これまでも様々な取組をされていると思いますが、今年度新たに導入するような取組があれば教えてください。
(教育長)
例年どおりの取組は、しっかり対応させていただきたいと思いますが、具体の内容については、担当課にご確認いただければと思います。
(教育企画室)
それでは、これをもちまして教育長記者会見を終了させていただきます。
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